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「フルメタル・パニック!の登場兵器」の版間の差分

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; 96式改
: 陸上自衛隊が以前から有していた第2世代機・96式の改良機。[[三菱重工]]および[[石川島播磨重工]]の共同開発。3本指のマニピュレータを国際標準の5本指タイプに改め、簡易型の電磁迷彩システムを積み、大容量コンデンサーによって短時間ながら完全無音行動を可能としている。これらの改良により、第二世代ASの中では最高クラスの性能を発揮できるとされるが、各国で第3世代ASの配備が進んでいる現状では「配備された段階で時代遅れ」とも揶揄されている。

==== ロシア(旧ソ連)製AS ====
; Zy-99 シャドウ
: 第3世代AS Zy-98[[フルメタル・パニック!の登場兵器#シャドウ|シャドウ]]の量産型がZy-99 シャドウである。
: Zy-98から生産性と整備性を考慮し、細かな設計の見直しが行われている。性能その物はZy-98とほぼ変わらないが外装のデザインが変更されている。
: 本編1巻に登場した'''Zy-99M シャドウ'''はロシア共和国がインド、中東、アフリカなどに向け多数輸出された輸出モデルである。このM型は政治的な理由でZy-99から性能がダウングレードされている([[モンキーモデル]])。高出力のOL-3パラジウムリアクターを搭載したZy-99と比べ、Zy-99Mは出力で劣るOL-4パラジウムリアクターを搭載しており、駆動系や制御系も比較的安易なパーツで構成されている。センサや電子系も変更されており、Zy-99Mの頭部デザインはオリジナルのシャドウのデザインと大きく異なっている。
: D.O.M.S.の保有しているZy-99Mは独自のアップグレードが行われており、リミッターを解放することでZy-99と同等の性能を発揮できる。
: また、旧東側の軍事メーカーはZy-99M用のアップグレードパーツを販売しており、多種多様なタイプが世界中で運用されている。

; Rk-02 セプター
: 傑作第2世代機のRk-92 [[サベージ]]の流れを汲む第3世代機で、従来の第3世代ASのコンセプトとは全く異なる設計思想で製作されている。開発直後にソ連が崩壊したため、全体的な生産数は少ない。
: 最大の特徴は「カデューカ([[マムシ]]の意)兵装システム」と呼ばれる下腕部の武装アタッチメントシステムで、背部に装着した様々な装備を瞬時に付け替えられるシステムである。
: 第3世代機で重視されるべきステルス性能などはほどほどに留め、代わりに装甲防御力や火力を大幅に底上げしてある。最大作戦時間・タフな環境での長時間の運用能力・整備性は第3世代機中でもトップクラスを誇り、まさにサベージの後継機に相応しい機体になっている。
: しかし、これを設計したOKBリャカ社(旧リャカ設計局)の最大の顧客はサベージを運用している[[第三世界]]の国々であり、それらの国はサベージで十分と考えていることが多いため、セールスが伸び悩んでいる。

; M6A2E2 『ブッシュマスター』
: 第2世代機であるM6系列の火力支援機。ペットネームは、M6シリーズの愛称「ブッシュネル」と、長きにわたり米軍で使用されている機関砲のシリーズ名「ブッシュマスター」をかけたものと言われている。歩兵部隊や軽装甲部隊の火力支援任務を重視しており、ASや戦車との交戦はほとんど考慮されていない。
: 主な武装として肩部に105mm榴弾砲1門とM261ロケットランチャー3門を搭載し、これ一機で市街地数ブロックを焼け野原に出来るほどの火力を誇る。これらの装備による重量過多を補うため、ツーソン・インスツルメンツ社製の補助駆動システム『ブルローダー』を標準で装着している。ちなみにこのメーカーの社長は、前作に登場した[[フルメタル・パニック!の登場人物#ジョン・ジョージ・コートニー|ジョン・ジョージ・コートニー]]退役海兵中佐である。
: 砲撃時は両足からアウトリガーが張り出し、脚部の設置面積を拡大、さらに腰の後部から補助脚を伸ばして安定感を高める。榴弾砲を使用する際には砲撃姿勢をとるのが本来の使用法だが、達哉はラシッド王国軍との演習において砲撃姿勢をとらないまま発砲し、その反動を利用した急旋回を行って敵機を砲身で殴りつけるという荒業を用いたことがある。ただし、この行為は当該演習時の交戦規定を無視したものであったうえ、砲身を負荷で曲げてしまったために大目玉を食らい、謹慎処分を受けることになった。

==== 欧州製AS ====
; ヴォルフ
: [[ドイツ]]製の第3世代機。名前はドイツ語で「狼」を意味する。総合的な性能バランスでM9A1を上回ると評価されている機体で、戦車の設計などから培われた、複合素材を用いた装甲防御力に定評がある。高出力のパラジウムリアクターや高剛性のフレームを採用したことで格闘戦能力や機動性も高く、主な演習相手である米軍の兵士はこの機体に「剣士(ソードマン)」というニックネームを付けるほど。火器管制システムの評価も極めて高く、下半身の独特な関節構造と相まって走行間射撃の安定性は第三世代ASの中でも随一となっている。
: だが高性能な反面価格が高く(シャドウMの約4倍)、セールス面でははかばかしい成果を挙げられていない。各国のASを積極的に揃えるD.O.M.S社ですら、この機体の購入には二の足を踏んでいるほど。ほかに整備性にも難があり、性能を維持するには入念なバックアップが欠かせない。そのため、輸出先は殆どヨーロッパの先進国に限られている。アラブのラシッド王国の王室は王家専用機としてこの機体を8機購入している。またユースフ王子はポケットマネーで購入し私物として使用している。
;; ヴォルフ・ラシッド王家専用機
:: ラシッド王国の王家用にカスタマイズされた特殊バージョン。白銀色の装甲やサーベル状の剣、赤いマントや金のエングレーブなどで装飾されている。とはいえ、それらの装備は単なる式典用というわけではなく、実戦でも問題なく使用できるよう取り図られている。とりわけマントは、[[成形炸薬弾|HEAT弾]]から身を守るための装備として位置づけられており、かなり有効な防御装備となっている。しかし欠点もあり、防げるのが一度だけで徹甲弾に対しては無意味である。

; サイクロン2
: [[イギリス]]製の第2世代機。戦闘ヘリの胴体に手足を生やしたような外見であり、前方から見ると機体形状が縦に細長い。これは機体の前方投影面積を減らすための工夫を凝らした結果である。最大の特徴はガスタービンエンジンを2基搭載した双発機という点であり、2基のエンジンの役割を分散あるいは集中させることで、戦闘機動に多彩な選択肢を設けることが出来る。また、1基のエンジンがトラブルで停止しても残りの1基で機体を動かす事が可能。
: 装甲防御力は低いものの機動力に優れ、跳躍力や瞬間最高速度は第3世代機を凌ぐことすらあり、第3世代機を購入できない一部の国家から注目を浴びている。

; アルカンシェル
: [[フランス]]製の第3世代機。ASを「戦闘車両」の1つとして位置づけるフランス軍の方針もあり、近接戦闘能力はさほど重視されていない。代わりに待ち伏せや一撃離脱戦法といった、ASの「潜在的脅威性」を重視した設計となっている。補助腕を装備し、主腕と独立して武器を操作できる。搭載されているユーロリアクター社製EPR-3パラジウムリアクターは廉価で簡素な設計であり、パラジウムリアクターを独自開発出来ない国家の機体にも採用されるほどコストパフォーマンスが高い。

; ゴブリン
: [[スウェーデン]]製の第2.5世代機。パラジウムリアクターが新技術として普及しだした頃に開発された機体であり、サベージなどの第2世代機と、M9などの第3世代機との中間に位置することから第2.5世代機と呼ばれている。
: 開発当時は冷戦がまだ継続しており、ソ連軍がスウェーデンに侵攻してきた場合、ASを山岳地帯に潜伏させての長期ゲリラ戦が想定された。そのような状況で、十分なデータ蓄積がなされていない新技術のパラジウムリアクターのみに頼るのは危険と判断されたことから、補助エンジンとしてターボディーゼルエンジンを搭載している。それにより、出力は第3世代機のセプターに迫るものがあるが、全ての出力を戦闘行動に回せるわけではないので、運動性は同時期・同コンセプトの機体に比べてやや軽快な程度である。ただし作戦行動時間は長く、高地や山岳地帯での活動を想定して設計されたこともあり、タフさは現用ASの中でも群を抜いている。

==== 国籍不明機 ====
; ステファン・イリイチ・ミハイロフのAS
: 頭部の前後に1つ目の大型カメラアイを持った謎の機体。アメリカ陸軍で最高性能のM9A2SOP『シグマ・エリート』を超える運動性を持ち、不可視型ECSを搭載していることから第3世代機であることは間違い無いと推測される。腰の後ろに多数の細長い単分子カッターを装備し、手に持っての格闘戦の他に投げナイフとしても用いる。
: こうした高性能ASを開発できる企業は限られているが、このASにはどのASメーカーの特徴にも合致しないなど詳細は謎に包まれている。
; ケントゥリア
: ジオトロン・エレクトロニクス社のユーコン研究所で達哉達が遭遇した謎のAS。ミハイロフのASによく酷似しており、コックピットが存在しない無人AS。敵の武器を手で掴み取る、投げ技での反撃を仕掛けるなどトリッキーな動きをするのが特徴で、達哉の戦闘機動と似た印象を与える。
: ここまで高度な戦闘機動を取る事が出来るAIは未だに実用化されていないと考えられており、その詳細は謎に包まれている。
: この機体の開発を要求されていた溝呂木曰く'''「13年前の拾い物が全ての始まり」'''であるとのことだが、それが何を意味するのかは5巻時点では不明。

2013年2月22日 (金) 09:27時点における版

フルメタル・パニック! > フルメタル・パニック!の登場兵器

フルメタル・パニック!の登場兵器(-とうじょうへいき)では、賀東招二の小説『フルメタル・パニック!』に登場する兵器を記述する。

第二世代アーム・スレイブ

ブッシュネル

M6 ブッシュネルは、主に西側諸国で使用されているAS。動力源はガスタービンエンジン

作中における米軍の主力機。初期型および輸出モデルにはECS(電磁迷彩システム)は搭載されていないが、A1型以降には搭載されている(ただし、不可視モードは搭載されていない)。沖縄の海兵隊には爆発反応装甲のシールドを装備したA2型が配備されている。A3型のダーク・ブッシュネルは海軍特殊部隊で運用されており、大容量のコンデンサを搭載したことで、M9ほどではないにせよ、一時的に高い静粛性を確保できる。

第一世代型と比べて桁外れの運動性を有している。又、電子機器の性能差もあって、同じ第二世代型のRk-92 サベージとは互角以上に戦う事が出来る。

すでに後継機であるM9 ガーンズバックの配備が決まっているが、M9の取り扱いにくさ、破格のコスト、実戦配備にまだ10年近くかかることもあり、作中の2011年でも前線での使用が続いている。また、(骨格系の損傷を無視した)単純な力比べであれば、電磁筋肉油圧併用型のM6の方がM9より強い。

ミスリルでもM9が配備されるまで(本編の約1年前まで)は本機を運用しており、メリダ島に保管兵器として配備されている。当然それまでは主力として運用されており、短編の『エンゲージ・シックス・セブン』冒頭ではマオ及び宗介とクルツの前任者による訓練が行われていた。

中古1機の価格はおよそ1000万ドル[1]

兵装
兵装面は他のASと殆ど異ならない。月刊ドラゴンマガジン2007年12月号に掲載されたイラストに描かれている本機の兵装には、「ボクサー」57mm散弾砲などの他機種でも使用されている装備が多く描かれている。なお、M6A3に関しては、左腕部に12.7mm機関銃とペリスコープを内蔵していることが判明している。また、25mmハンドガンをサイドアームとして使用している場面も見られる。
作中での活躍
『つづくオン・マイ・オウン』
マオとクルーゾーのM9が、無人操縦のM6数機を指揮していた他、短編の『キャプテン・アミーゴと黄金の日々』では、宗介とクルツが宝探しのために無断で使用し、財宝(評価額1031万5500ドル)と引き換えに本機を大破させている(損害額1031万5500ドル)。同じく短編の『猫と仔猫のR&R』では、この機体にテッサが搭乗しマオのM9と模擬戦闘を行い、宗介の特訓と助言による綿密なトラップによって勝利を収めている。
『つどうメイク・マイ・デイ』
宗介がM6A3に搭乗している。この際はクルツ、マオのM9と連携してコダールmを撃破するなど、第2世代機としては劇的な戦果を挙げているが、この戦果は宗介の実力とラムダ・ドライバ搭載機との戦闘経験の多さ、M9(マオ、クルツ)との息の合った連携によるところが大きい。なお、この際のM6には発煙弾や対人地雷なども搭載されていた。

ブッシュマスター

M6A2E2 ブッシュマスターはブッシュネルの火力支援モデル。

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ハルバード

ARX-6 ハルバードは、ブッシュネルをベースにして開発されたラムダ・ドライバの実験機の1つである。

ミスリルに所属するウィスパードの1人であったバニ・モラウタが手掛けたARXシリーズに連なる機体の1つ。それ以前のARXシリーズがあくまでもラムダ・ドライバの実験機材の集合体でしかなかったのに対し、本機はアーム・スレイブという人型の形態を取っている点が異なる。

それまでのARXシリーズに搭載されたラムダ・ドライバが、高精度の測定機器でようやく計測できる程度の「超常現象」しか起こせなかったのに対して、本機のそれは飛躍的な進化を遂げ、初めてまともに機能するようになっている。しかしそれでもベース機が第二世代機のM6であることによるパワー不足は否めず、第三世代ASであるM9 ガーンズバックの実験機をベースとした後継機、ARX-7 アーバレストが開発されることとなった。

また、作中でレナードは本機を「失敗作」と呼んだ。

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96式

96式は、主に日本の自衛隊が使用している複座型AS。作中、ASを指す日本語に「強襲機兵」があるが、日本政府は「強襲」という言葉の意味の問題から、この言葉の代わりに「主従機士」を用いているという設定がある。

M6 ブッシュネルRk-92 サベージと同じ「第二世代型AS」である。各国正規軍(自衛隊は「軍」ではないことにはなっているが)が運用するASとしては最新鋭機の部類に属する。他国製ASとの外見上の相違として、マニピュレーターが3本指であることが挙げられる。

1999年以降、1998年の有明における巨大AS戦(後述)の戦訓から改良を施された96式改が配備されている。米軍のM6A3ダーク・ブッシュネルに相当する性能を持つ機体とされ、第2世代ASとしては最高クラスの性能を持つとされる。 改良による変更点は以下の通り。

  • 搭載ガスタービンエンジンの換装による出力及び運動性の強化
  • ECS等電子兵装の強化
  • 大容量コンデンサ搭載による静音駆動能力の獲得
  • 5本指マニピュレーターの採用とFCSのバージョンアップによる在日米軍との装備共用化(西側携帯火器の8割を運用可能)
作中の活躍
『疾るワン・ナイト・スタンド』
A21のベヘモスを止めるために三機の96式が出撃したが、いずれも撃破されている。一機はロケットランチャーを装備していたが、発射したロケット弾をラムダ・ドライバで防がれた挙句、頭部の三十ミリ機関砲「竜の息(ドラゴンブレス)」で蜂の巣にされてしまった。この戦闘を通して本機が敵に与えたダメージは皆無である。なお、後日談(短編『あてにならない六法全書』)によると、このとき使っていた96式のマッスル・パッケージは訓練用のものであり、十分な機動が出来なかったらしい。
また、この事件の経験から、1999年より96式の改良プログラムが開始しており、2011年の時点では陸上自衛隊の保有する96式はほぼ96式改となっている。
アニメ版オリジナルエピソード『習志野は燃えているか』
練馬駐屯地習志野駐屯地所属のAS部隊の間で運動会さながらのASによる競技大会が行われ、卓球やトラック競技、挙句の果てには騎馬戦までもが実施された。公式設定資料集にて騎馬戦仕様にされた96式を指して「国民の血税をなんだと・・・」という皮肉ったコメントがされた。

96式改

96式改は96式の改良型モデル。詳細は日本製ASを参照。

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ミストラル2

C3-5 ミストラル2は、フランス製のAS。

同国社製ASミストラルの後継機である。頭部が無く、主センサーは股間に装備している。電子系は質素だが、ソ連製のRk-92 サベージより装甲・火器管制に優れており、世界的に輸出されている。

『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』では、インドネシア陸軍向けに納入予定の本機を「緑の救世軍」に奪取され、ペリオ共和国・ベリルダオブ島に配備された。なおこれらはミスリルのM9及びアーバレストと交戦し、全機撃破されている。

『燃えるワンマン・フォース』では、闘技場の選手数名が本機を使用していた。

2011年8月3日、ニコニコ動画生放送の「緊急特番!! 賀東招二が"ドラ生"をジャック!! - ニコニコ生放送」において、作者自身の口から「C3-5という形式番号は作者自身が設定したものではなく、アニメの色構設定資料の資料番号がミストラル2の形式番号と誤認され、訂正できぬままに各種媒体に載ってしまった。」と謝罪した。

サイクロン

サイクロン(サイクロン1)はイギリス製のAS。

サイクロン2

サイクロン2はサイクロン(サイクロン1)の改良モデル。

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サベージ

第三世代アーム・スレイブ

ガーンズバック

アーバレスト

レーバテイン

ブレイズ・レイブン

シャドウ

Zy-98 シャドウ は、ソ連のゼーヤ設計局が開発したAS。主に東側の組織で使用されていおり、アニメ版に少数ではあるが登場している。

M9等と同等の性能を誇るが、電子兵装等ではM9に劣るといわれている。また、Plan1056 コダールのベース機とも言われているが、詳細は不明。

またシャドウ試作機の一機にユイン(影)と呼ばれる機体が存在するが詳細は不明。

作中での運用
原作の長編最終巻である『ずっと、スタンド・バイ・ミー』で実機が初めて登場する。それまでは名前、スペックのみの記述しかない。ただし、アニメ版ではオリジナルの話(第15話『故郷に舞う風』)以降から登場し始めている。
アニメ版第1期
『故郷に舞う風』において、ヘルマジスタンのゲリラのザイードが専用の塗装(赤)を施した機体を使用していた。地形を利用した戦術とガトリングキャノンでミスリルの部隊を圧倒したが、宗介のアーバレストとの戦闘では不意を突かれる形でアーバレストの対戦車ダガーを喰らい撃破された。
ペリオ共和国・ベリルダオブ島の米軍の化学兵器解体基地をガウルン率いる武装グループが占拠した際、9機が使用された。
なお、原作の『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』中ではこの機体の代わりにミストラル2が登場していた。
アニメ版第3期(TSR)
夏玉芳の搭乗機として登場。供与した兵器の代金を回収するためにゲイツがマレス大佐と会い、アマルガムに逆恨みしたマレス大佐が部下を率いて襲撃しようとした際、ECS不可視モードが解除されて突如ゲイツの前に出現し、襲撃部隊を撃退した。また、長江横断トンネルで作戦行動中のクルツのM9を襲撃し、接近戦が苦手な彼を圧倒した。この際にはジオトロン・エレクトロニクス製単分子カッター"GRAW-3"(M9の装備する単分子カッターの後継型)を2本装備していた。
『ずっと、スタンド・バイ・ミー』
生還を果たしたクルツが、GRUより頭部に精密射撃用バイザーとソ連製狙撃砲『ミェテオール』を装備した、狙撃仕様のシャドウを借りて、マオたちの援護をした。
フルメタル・パニック!アナザー』1巻
D.O.M.Sの保有するアグレッサー機として、輸出仕様のZy-99Mが登場する。センサーや装甲のレイアウトに若干の変更があり、特に頭部の形状が大幅に異なる。
本来のZy-99Mは、政治的理由からダウングレードが施されたモンキーモデルではあるが、D.O.M.Sは独自に改造を施し、本来の性能に相当するものを持たせているが、対外的な理由から通常はリミッターをかけることでその事実を秘匿している。

セプター

Rk-02セプターはロシア製の第3世代AS。

ヴォルフ

ヴォルフはドイツ製の第3世代AS。


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ミスリルの兵器

ミスリルのアーム・スレイブ

トゥアハー・デ・ダナン

ペイヴ・メア

MH-67改 ペイヴ・メアは、双発の中型輸送ヘリ。

ASを中心とする兵器システムの輸送を主任務とする。(作品世界における)90年代前半、シコルスキーマーティン・マリエッタを中心に開発された機体である。

構造的にはH-53系のヘリをコンパクトにしたようなもので、設計思想そのものはオーソドックスなものとなっている。しかし、ブラックテクノロジーによって急激な発達を遂げた技術を導入しているため、そのサイズにも拘らずMH-53と同クラスの離陸重量、速度、航続距離を持つ。また、信頼性や整備性にも優れる。

通常はAS1機と各種携帯火器を輸送するが、緊急時にはAS2機を同時に輸送する事も可能。ただし、ペイロード上の問題から携帯火器類は投棄する必要がある。

固定武装は12.7mm機関銃(M9 ガーンズバックの頭部チェーンガンと同型)1門及びM134ミニガン2門。また、ヘルファイアスティンガーの発射も可能。

作中での運用
ミスリルにおける主力輸送ヘリとして運用されており、TDD-1にはCH-67に不可視モード付きのECSを装備するなどの改良を施したMH-67が8機搭載されている。
短編『わりとヒマな戦隊長の一日』の描写によると、このエピソードの後にマーティン・マリエッタによる新型減音システムが搭載された模様である[2]
人員輸送にも用いられており、『疾るワン・ナイト・スタンド』や短編『老兵達のフーガ』等でそういった運用法が見られる。また、宗介が戦地から学校に直接登校する際にも用いられた。

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アマルガムの兵器

アマルガムで製造されているAS(Planシリーズ)の機体名は、いずれも中世の悪魔の名前が由来。

コダール

機体諸元
コダール/i/m
型式番号Plan 1056/1058/1059
設計者不明
全高9.1m
重量10.8t
動力源パラジウムリアクター
製造元・形式不明
最大作戦行動時間不明
最高自走速度不明
最高跳躍高不明
固定武装なし
基本携帯火器マウザー MGK35mmライフル
IAI『ダークエッジ』単分子カッター
搭乗者ガウルン(初期型,i型)
ゲイツ(i型)
夏玉芳(m型)

Plan1056 コダール は、主にアマルガムで使用されている第三世代型ASであり、本項では同機の発展型であるPlan1058 コダールi及びPlan1059 コダールmについても扱う。

機体本体の性能は、M9 ガーンズバックARX-7 アーバレストと比べても遜色ないが、電子戦闘能力ではM9等に劣っている(この欠点は後継機であるエリゴールにおいて解決された)。

ソ連製第三世代ASZy-98 シャドウがベース機とも言われているが、詳細は不明。 頭部には、ポニーテール状の放熱索が設けられている。

ラムダ・ドライバ搭載機であり、当初はミスリル側からは「ヴェノム」と総称され、最も警戒すべき機体とされていた。このコードネームが出た『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』の時点ではまだ戦術が練り上がっていなかったため、交戦自体を禁じられたほどである。

コダールiはコダールの発展機であり、原作ではコダールと外観の変化はないが、TSRではエリゴールと共通のデザインになっている。

ラムダ・ドライバ
通常、ラムダ・ドライバの発動には高い集中力が必要とされるため、常人には使用できない。しかし、アマルガムでは薬物を摂取する事によって、発動に特殊な才能を必要とせず、比較的容易に用いることが可能となっている。
また作中においてコダールシリーズは、「衝撃波を飛ばし敵をバラバラに吹き飛ばす」、「受けた銃弾を無力化する」、「力を両手に集中させ、青白い球体の塊を作り敵に投げつけ両断する」、「敵を指差し、その先に集めた力を撃ち出し、敵機を内部から直接破壊する(俗称『指鉄砲』)」、などラムダ・ドライバを使った多種多様な技を繰り出している。また、機体を自爆させた際に搭乗者を(ある程度まで)保護することも可能。
ただし、初代コダールにおいてはラムダ・ドライバが不完全だったため、発動に際し一時的に機体がオーバーヒートする場合がある。作中ではコダールが『戦うボーイ・ミーツ・ガール』で近距離での57mmAS用ライフル弾に対しオーバーヒートを起こしている。コダールの完成型であるコダールiも『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』でビルの倒壊に対してラムダ・ドライバを発動させオーバーヒートを起こしているが、検査の結果何の異常も見られなかったため、こちらはガウルンによるブラフと見られる。
なお、その効果が及ぶ範囲は本人が意識を寄せている部位に限定されているため、不意打ちを受けるなどすると、通常の機体と同様にダメージを負う事もある(これはベヘモスも同様)。『踊るベリー・メリー・クリスマス』以降、ミスリルがラムダ・ドライバの観測機材である"妖精の目"を実用化したことと併せて、その優位性は崩れてはいないものの、若干薄れている。
作中での活躍
『戦うボーイ・ミーツ・ガール』
Plan1056 コダールが登場し、ガウルンが搭乗した。かなめを連れて逃走する宗介のサベージを撃破し、間一髪で救援に現れたクルツのM9と交戦する。この際はクルツの罠にかかり、とっさにラムダ・ドライバを発動させたために機体がオーバーヒートした。ただし、それによってクルツ機を撃破し、彼に重傷を負わせている。その後宗介のアーバレストと交戦し、ラムダ・ドライバを使いこなせない宗介を追い込むが、かなめの助言によって宗介がラムダ・ドライバを発動させた事によって撃破される。このとき、原作ではガウルンは片脚を失った。
『揺れるイントゥ・ザ・ブルー』
ラムダ・ドライバの安定性を高めたPlan1058 コダールiが登場し、こちらにもガウルンが搭乗している。この際は米海軍特殊部隊のM6A3を多数撃破し、その後の西太平洋戦隊との戦闘ではマオのM9を撃破した。ただしその後にビルの崩壊に巻き込まれることでオーバーヒートし、TDD-1格納庫に保管される。その後発生した艦内での戦闘では、TDD-1格納庫内でアーバレストと格闘戦を演じた末に自爆装置を作動させるが、TDD-1のカタパルトで太平洋上に打ち出されて、海上で爆散した。
『終わるデイ・バイ・デイ』以降
より完成度を高めたPlan1059 コダールmが複数登場。
原作とアニメ・漫画における差異
TSR最終話において、ゲイツが搭乗する赤いコダールiと大型剣や槍を持った複数のコダールm(『スーパーロボット大戦W』では「Plan1059 コダールc」)が登場している。『つどうメイク・マイ・デイ』のあとがきにおいて、原作におけるコダールのデザインはすべて初期型と同一のデザインであり、同作品より登場した新型ASエリゴールが、アニメ版にてガウルンやゲイツが搭乗した機体(コダールi)のデザインであると説明された。なお、漫画版『終わる・デイ・バイ・デイ』に登場した「ミスタ・K」とその部下が乗っていたコダールのデザインはすべてエリゴールと同じものになってる。


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ベヘモス

Plan1501 ベヘモスは、アマルガムが開発した超大型のASであり、そのサイズは40mに達し、通常のASの5倍に相当する。

既存のASとは根本的に異なる機体であり、ベースとなった機体(Plan1056 コダールにとってのZy-98 シャドウアーバレストにとってのM9等)は存在しない。また、そのコンセプトは「対AS用のガンポート」であり、圧倒的な火力による制圧を目的としている。通常のAS単体ではまず太刀打ちできず、M9複数機を以てしてようやく撃破、あるいは無力化できるほどの耐久性も持ち合わせている。

ただし、その巨体は数千tという破格の重量を有しており、本来、動かす事はおろか自立自体が不可能である。それを解決するためにこの機体にもラムダ・ドライバが搭載されており、自重を支え、自壊を防ぐためにこれを用いている。ただし、搭乗者は常時ラムダ・ドライバの使用に集中している必要があり、『疾るワン・ナイト・スタンド』において、搭乗者の集中力が切れかけたために機体に軋みが生じる描写が見られた。

なお、他のラムダ・ドライバ搭載機と同様にこれを防壁として用いる事も可能である。もっとも、本機の場合はそのサイズと重量ゆえに回避行動が全く取れないため、防壁としてのラムダ・ドライバもまた必要不可欠の装備である。ただし、自重を支える機能(A-ファンクション)と防壁の機能(B-ファンクション)はあくまでも別系統であるため、通常武装でダメージを与えることは不可能ではない。事実クルツは数度に渡り、一瞬の隙を突く形でこの機体を狙撃してダメージを与えることに成功しており、機雷で脚部に損傷が出ることもあった。

『疾るワン・ナイト・スタンド』中に登場した台詞によれば、1機当たりの製造コストは巡洋艦2隻に相当する。また、作中でセイナが燃料は40時間分である旨を語っている。

『燃えるワン・マン・フォース』では、かなめが「ベヘモスi」という機体についての評価をしている描写があったが、詳細は不明。

コクピットは頭部に位置しており、軽自動車サイズの球状のカプセルに収められている。内部は広めに造られており、居住性が高く、メインモニターは搭乗者の頭の動きに合わせて動く仕組みになっている。

作中での活躍
『疾るワン・ナイト・スタンド』
テロ組織"A21"がアマルガムから供与された機体が登場した。この際はアマルガムにとっては試験的な意味合いが強く、本来のコンセプトと異なり固定武装の30ミリ機関砲『竜の吐息(ドラゴンブレス)』以外は『太刀』しか装備していない。この『太刀』さえも切れ味はないに等しく、棒切れのような物である。"A21"の構成員であるクガヤマ・タクマがこれに搭乗し、自衛隊96式3機と、マオのM9を撃破した。しかし、宗介アーバレストと交戦した際に、ラムダ・ドライバの冷却装置を破壊された事により、自重を支えきれなくなって崩壊した。
『つづくオン・マイ・オウン』
3機のベヘモスがメリダ島基地を襲撃した。この際は本来のコンセプト通りに大量の火器を満載しており、『太刀』を持たない代わりに戦艦の主砲をベースとした火砲を持ち、対地ミサイルの類も多数搭載していた。
この内1機は、クルツ他のSRT要員のM9と交戦しスペック機を大破させるなど甚大な被害を与えた。しかし、スペック機撃破の際にラムダ・ドライバの使用に気をとられた結果、コクピットの防護が疎かになった所を突かれてクルツにより撃破される。他の2機はそれぞれクルーゾーとマオのM9及び二人が操作する無人兵器群と交戦し、1機はメリダ島を脱出するTDD-1の前に立ち塞がるが、激突の寸前にクルツとクルーゾーのM9からの奇襲を受けたため下半身の防壁が薄れ、そのままTDD-1の体当たりを受ける形で撃破されている。なお、残り1機に関しては全ての兵装を使い切ったことが描写されている。
『つどうメイク・マイ・デイ』
ミスタ・Auの指揮下にある部隊の機体として、3機のベヘモスがニケーロにあるレナードの拠点を襲撃する。この際もメリダ島を襲撃した際と同様に大量の重火器を装備していたが、宗介の駆るレーバテインと交戦し、全機が撃破されている。
『すっとスタンド・バイ・ミー』
メリダ島の防衛網として複数機が量産されており、かなめの凱旋を「捧げ銃」の姿勢をとって出迎えている。また、XL-3緊急展開ブースターでメリダ島を目指すレーバテインを、3機のベヘモスが戦闘ヘリと共に迎え撃っている。

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ベリアル

機体諸元
ベリアル
型式番号Plan 1055
設計者不明
全高不明
重量不明
動力源不明
最大作戦行動時間不明
最高自走速度不明
最高跳躍高不明
固定武装40mm機関砲
基本携帯火器不明
搭乗者レナード・テスタロッサ

Plan1055 ベリアル は、アマルガムにより運用されるASであるが、実質的にレナード・テスタロッサの専用機となっている。名前の由来は悪魔の「ベリアル」。

ラムダ・ドライバ搭載機であり、機体本体の性能は未知数だが、ARX-7 アーバレストとは比べ物にならないほど高く、また、搭乗者のレナードの存在もあってか「世界で一番強い機体」と称されることもあった。

外見上の特徴として、従来のASとは異なり、本機は翼を有している。作中においてこの翼はラムダ・ドライバを利用した飛行システムとして運用されており、変幻自在の3次元機動が可能となっている。また、固定武装として左腕部に40mm機関砲を内蔵するほか、背部にも何らかの武装が装備されている(作中においてはその存在のみが語られている)。また、アーバレストやレーバテインと同様に双眼式のメインセンサーを装備し、頭部には左右非対称の角がある。

通常、ラムダ・ドライバの発動には高い集中力が必要とされるため常人には使用が困難で、できたとしても数瞬のみだと言われている。しかしウィスパードであるレナードは、オムニ・スフィアにアクセスすることで「ラムダ・ドライバの力をすべて引き出せる」らしく、ラムダ・ドライバを長時間に渡って発動させ、あらゆる物理法則を無視した常識外れの動きをすることが可能である。

アーバレストおよびレーバテイン搭載AIのアルは、この機体を因縁の相手として特別に敵視しており、「あの野郎」「チート野郎」「ラムダ・ドライバがなければガラクタ」「ワンオフの機体など兵器として失格」などと散々に罵倒しているが、これは同じワンオフ機であるレーバテインにも言える事である。

アイザイアン・ボーン・ボウ
妖精の羽を持つARX-8 レーバテインに対抗すべく追加装備された武装。
全長8メートル以上の機械の長弓であり、ラムダ・ドライバの力場を不可視のエネルギー弾として超高速で射出する。
作中での活躍
『つづくオン・マイ・オウン』
陣代高校校庭において宗介の乗ったARX-7 アーバレストと対峙し、レナードの説得に応じなかった彼等と戦闘、完全に大破させた。その後かなめを連れて撤収している。アルは危険と判断し即時撤退を推奨するも、宗介と同じくそれができないとわかっていて戦闘を行っていた。
『せまるニック・オブ・タイム』
ヤムスク11での戦闘にてARX-8 レーバテインと初めて戦闘するも宗介がその場にいるテッサやレモンを護衛しなくてはならないこともありARX-7 アーバレストの時とほぼ同様に攻勢を保っていた。しかし、かなめがミスリルに齎し、ミラが完成させたラムダ・ドライバ・キャンセラー「妖精の羽」によりラムダドライバの力場が消失、浮遊が出来なくなり墜落し、その隙にARX-8 レーバテインやテッサたちに逃げられている。
『ずっとスタンド・バイ・ミー』
メリダ島での最終決戦において宗介の駆るARX-8 レーバテインの最後の障害として対峙。『アイザイアン・ボーン・ボウ』による不可視の狙撃と、レーバテインの電子兵装の貧弱さも相まって依然圧倒的な優位を誇るが、レナードが宗介からかけられたテッサの言葉に動揺したその隙を突いて捨て身で放たれたデモリッション・ガンの砲撃により中破し、『アイザイアン・ボーン・ボウ』を失う。それでも致命傷には至らず、レーバテインの『妖精の羽』がオーバーヒートしたのを機に一方的に追い詰め、最後はTARTAROS前で突撃してきたレーバテインのコクピットを貫手で破壊し大破に追い込んだが、直前に降機していた宗介に破損していた腰部を対戦車ロケットランチャーで狙撃され、動力源であるパラジウムリアクターが誘爆し大破、炎上した。

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アラストル

機体諸元
アラストル
型式番号Plan 1211
設計者レナード・テスタロッサ
全高2m強
重量不明
動力源パラジウム・リアクター
製造元・形式不明
最大作戦行動時間不明
最高自走速度不明
最高跳躍高不明
固定武装腕部12.7mm機関銃
自爆装置
搭乗者なし

Plan1211 アラストル は、「第三世代型AS」を基にして、対人用に作られたAS[3]

基本構造は第三世代型ASと変わりがないが、そのサイズは殆ど人間と同じサイズにまで縮小されている。レナード曰く、動力源であるパラジウムリアクターの縮小は苦労したという。基本的にはマスターの命令に従って行動するが、あらかじめプログラムされた行動を取ることも可能。

武器に関しては腕部に12.7mm機銃を内蔵しているほか、行動不能時には自爆装置を作動させてボール・ベアリングを撒き散らすようにプログラムされている。また、人間を上回る身体能力と耐久性を生かした格闘戦もこなすことが出来る。

歩兵用の銃器ではその破壊は極めて困難。ただし、人型をとっている事により、宿命的に関節部は脆い。そのため、上手く関節部にダメージを与えることができれば、拳銃一挺でも行動不能に追い込むことは出来る(作中においてクルツがFNハイパワーを使い実践)。

電子戦闘能力に関しては詳細は明らかになっていないが、AIの性能上、高等な判断は不可能。ただし、データリンク機能を有しており、ある程度の学習能力も持ち合わせている。

なお、基本的に対人用に開発された機体であるため、通常のASの兵器に耐えるだけの強度は無く、対AS用の兵器も装備していない。

作中での活躍
『終わるデイ・バイ・デイ』
東京においてレナードの護衛として登場。この際はかなめの暗殺を目論むガウルンの手の者(メディアによってキャラが異なる)の粛清を行っている。
『踊るベリー・メリー・クリスマス』
パシフィック・クリサリス号の倉庫に積み込まれていた機体が西太平洋戦隊と船内で交戦する。このうち2機は船内の銃撃戦において破壊され、11機はアーバレストの頭部チェーンガンによって撃破された。
『つづくオン・マイ・オウン』
『終わるデイ・バイ・デイ』と同様にレナードの護衛として登場する。
『つどうメイク・マイ・デイ』
ニケーロにあるアマルガムの拠点警備用に、複数機が配備されている。このうちの数機が宗介の操縦するM6A3と交戦し、破壊されている。
『テッサのお墓参り』
回収・復元された機体がテッサの護衛として登場。復元に失敗したAIの代わりにアルが衛星通信で遠隔操作している。

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エリゴール

Plan 1065 エリゴール(ERIGOR)は、アマルガムが開発したラムダ・ドライバ搭載型ASの最新鋭機。名称の由来は、ソロモン72柱の一柱である、序列15番の悪魔エリゴス

コダールの発展型である。シルエットはコダールと似ているが、細部に違いがある。コダールのようなポニーテール状の放熱索は無く、代わりにブレード状の放熱板が背中に伸びている。また、上半身にはボリュームがあり、コダールとは異なる力強さ、敏捷さと獰猛さを内に秘めたマッシブなシルエットを呈している。なお、機体デザインはアニメ版のコダールiのものである。

原作では、三機の色違い・装備違いのエリゴールが登場しており、それぞれの機体にはレナード・テスタロッサの部下が搭乗している。それぞれ、黒色の機体はリー・ファウラー、白色の機体はサビーナ・レフニオ、赤色の機体はヴィルヘルム・カスパーが搭乗しており、ファウラー機は超大型の単分子カッター、サビーナ機は大型のガトリング砲、カスパー機は大口径の狙撃砲を装備している。なお、サビーナ機は電子戦に特化したチューンアップが施されており、ECSを応用した「分身」や、ソ連軍のZy-98シャドウのシステムを狂わせて同士討ちを誘発させた。

作中での活躍
『つどうメイク・マイ・デイ』
クルーゾー・マオ・クルツの三機のM9と戦闘を開始するが、「アマルガム」が派遣した軍勢がレナードたちにも攻撃したために、レナードを守るために撤退する。
『せまるニック・オブ・タイム』
終盤、赤色のエリゴールのパイロットであるヴィルヘルム・カスパーがクルツ・ウェーバーの狙撃によって射殺された後に、レーバテインに搭乗した宗介によって破壊されている。
『ずっとスタンド・バイ・ミー』
アフガニスタン北東部の核ミサイル基地の防衛任務に、ファウラー機とサビーナ機が投入される。ソ連軍のサベージ・シャドウからなる基地奪還部隊に対してサビーナ機がクラッキングを仕掛け、同士討ちさせて壊滅的な被害を与えることに成功している。
その後、空挺降下で現地に到着したM9(マオ機)に対しサビーナ機が、ファルケに対してはファウラー機がそれぞれ交戦している。


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リヴァイアサン

Plan0601 リヴァイアサンはアマルガムが開発した小型潜水艦。名前は旧約聖書に登場する怪物、レヴィアタンに由来する。

ミスリルが保有するトゥアハー・デ・ダナン(以下、TDD-1)に近い外観を持ち、TDD-1と同等以上の高い速力と機動性(超伝導推進が可能)を誇るが、そのサイズは大幅にスケールダウンされている。

その運用コンセプトは潜水艦というよりはむしろ戦術戦闘機のそれに近く、本艦の場合、「僚機」(Wingman)や「散開」(Break)といった空戦における符丁がそのまま使用されている。2名の乗員で運用可能である点も含め、既に"水中戦闘機"と呼んでも差し支えがないレベルに達している。また、ASの優位性を海に持ち込んだ機体であると言うことも出来る。

兵装はソ連製の超高速魚雷「嵐」(ブーリァ)及び通常型魚雷。また、機体の両側面には接近戦闘用のアームを装備しており、対象に取り付いて単分子カッターによって直接ダメージを与えることが可能となっている。

作中における運用
『踊るベリー・メリー・クリスマス』に3機のリヴァイアサンが登場し、TDD-1と交戦するが、マデューカスの巧みな指揮の前に全艦撃沈されている。また、作中では描写されていないが、テスト目的でインド海軍及びソ連海軍の潜水艦、及び複数の商船を撃沈している。
その後もアマルガムの海中戦力として登場し、メリダ島を目指すTDD-1の前に再び立ちはだかっている。

脚注

  1. ^ 『キャプテン・アミーゴと黄金の日々』による。ただしこの査定額は、テッサの温情が含まれている可能性もある
  2. ^ 現実の1998年の時点では、既にマーティン・マリエッタはロッキードと合併し、ロッキード・マーティンとなっている
  3. ^ ただし、アラストルはマスタースレイブシステムを用いていない。

関連項目

96式改
陸上自衛隊が以前から有していた第2世代機・96式の改良機。三菱重工および石川島播磨重工の共同開発。3本指のマニピュレータを国際標準の5本指タイプに改め、簡易型の電磁迷彩システムを積み、大容量コンデンサーによって短時間ながら完全無音行動を可能としている。これらの改良により、第二世代ASの中では最高クラスの性能を発揮できるとされるが、各国で第3世代ASの配備が進んでいる現状では「配備された段階で時代遅れ」とも揶揄されている。

ロシア(旧ソ連)製AS

Zy-99 シャドウ
第3世代AS Zy-98シャドウの量産型がZy-99 シャドウである。
Zy-98から生産性と整備性を考慮し、細かな設計の見直しが行われている。性能その物はZy-98とほぼ変わらないが外装のデザインが変更されている。
本編1巻に登場したZy-99M シャドウはロシア共和国がインド、中東、アフリカなどに向け多数輸出された輸出モデルである。このM型は政治的な理由でZy-99から性能がダウングレードされている(モンキーモデル)。高出力のOL-3パラジウムリアクターを搭載したZy-99と比べ、Zy-99Mは出力で劣るOL-4パラジウムリアクターを搭載しており、駆動系や制御系も比較的安易なパーツで構成されている。センサや電子系も変更されており、Zy-99Mの頭部デザインはオリジナルのシャドウのデザインと大きく異なっている。
D.O.M.S.の保有しているZy-99Mは独自のアップグレードが行われており、リミッターを解放することでZy-99と同等の性能を発揮できる。
また、旧東側の軍事メーカーはZy-99M用のアップグレードパーツを販売しており、多種多様なタイプが世界中で運用されている。
Rk-02 セプター
傑作第2世代機のRk-92 サベージの流れを汲む第3世代機で、従来の第3世代ASのコンセプトとは全く異なる設計思想で製作されている。開発直後にソ連が崩壊したため、全体的な生産数は少ない。
最大の特徴は「カデューカ(マムシの意)兵装システム」と呼ばれる下腕部の武装アタッチメントシステムで、背部に装着した様々な装備を瞬時に付け替えられるシステムである。
第3世代機で重視されるべきステルス性能などはほどほどに留め、代わりに装甲防御力や火力を大幅に底上げしてある。最大作戦時間・タフな環境での長時間の運用能力・整備性は第3世代機中でもトップクラスを誇り、まさにサベージの後継機に相応しい機体になっている。
しかし、これを設計したOKBリャカ社(旧リャカ設計局)の最大の顧客はサベージを運用している第三世界の国々であり、それらの国はサベージで十分と考えていることが多いため、セールスが伸び悩んでいる。
M6A2E2 『ブッシュマスター』
第2世代機であるM6系列の火力支援機。ペットネームは、M6シリーズの愛称「ブッシュネル」と、長きにわたり米軍で使用されている機関砲のシリーズ名「ブッシュマスター」をかけたものと言われている。歩兵部隊や軽装甲部隊の火力支援任務を重視しており、ASや戦車との交戦はほとんど考慮されていない。
主な武装として肩部に105mm榴弾砲1門とM261ロケットランチャー3門を搭載し、これ一機で市街地数ブロックを焼け野原に出来るほどの火力を誇る。これらの装備による重量過多を補うため、ツーソン・インスツルメンツ社製の補助駆動システム『ブルローダー』を標準で装着している。ちなみにこのメーカーの社長は、前作に登場したジョン・ジョージ・コートニー退役海兵中佐である。
砲撃時は両足からアウトリガーが張り出し、脚部の設置面積を拡大、さらに腰の後部から補助脚を伸ばして安定感を高める。榴弾砲を使用する際には砲撃姿勢をとるのが本来の使用法だが、達哉はラシッド王国軍との演習において砲撃姿勢をとらないまま発砲し、その反動を利用した急旋回を行って敵機を砲身で殴りつけるという荒業を用いたことがある。ただし、この行為は当該演習時の交戦規定を無視したものであったうえ、砲身を負荷で曲げてしまったために大目玉を食らい、謹慎処分を受けることになった。

欧州製AS

ヴォルフ
ドイツ製の第3世代機。名前はドイツ語で「狼」を意味する。総合的な性能バランスでM9A1を上回ると評価されている機体で、戦車の設計などから培われた、複合素材を用いた装甲防御力に定評がある。高出力のパラジウムリアクターや高剛性のフレームを採用したことで格闘戦能力や機動性も高く、主な演習相手である米軍の兵士はこの機体に「剣士(ソードマン)」というニックネームを付けるほど。火器管制システムの評価も極めて高く、下半身の独特な関節構造と相まって走行間射撃の安定性は第三世代ASの中でも随一となっている。
だが高性能な反面価格が高く(シャドウMの約4倍)、セールス面でははかばかしい成果を挙げられていない。各国のASを積極的に揃えるD.O.M.S社ですら、この機体の購入には二の足を踏んでいるほど。ほかに整備性にも難があり、性能を維持するには入念なバックアップが欠かせない。そのため、輸出先は殆どヨーロッパの先進国に限られている。アラブのラシッド王国の王室は王家専用機としてこの機体を8機購入している。またユースフ王子はポケットマネーで購入し私物として使用している。
ヴォルフ・ラシッド王家専用機
ラシッド王国の王家用にカスタマイズされた特殊バージョン。白銀色の装甲やサーベル状の剣、赤いマントや金のエングレーブなどで装飾されている。とはいえ、それらの装備は単なる式典用というわけではなく、実戦でも問題なく使用できるよう取り図られている。とりわけマントは、HEAT弾から身を守るための装備として位置づけられており、かなり有効な防御装備となっている。しかし欠点もあり、防げるのが一度だけで徹甲弾に対しては無意味である。
サイクロン2
イギリス製の第2世代機。戦闘ヘリの胴体に手足を生やしたような外見であり、前方から見ると機体形状が縦に細長い。これは機体の前方投影面積を減らすための工夫を凝らした結果である。最大の特徴はガスタービンエンジンを2基搭載した双発機という点であり、2基のエンジンの役割を分散あるいは集中させることで、戦闘機動に多彩な選択肢を設けることが出来る。また、1基のエンジンがトラブルで停止しても残りの1基で機体を動かす事が可能。
装甲防御力は低いものの機動力に優れ、跳躍力や瞬間最高速度は第3世代機を凌ぐことすらあり、第3世代機を購入できない一部の国家から注目を浴びている。
アルカンシェル
フランス製の第3世代機。ASを「戦闘車両」の1つとして位置づけるフランス軍の方針もあり、近接戦闘能力はさほど重視されていない。代わりに待ち伏せや一撃離脱戦法といった、ASの「潜在的脅威性」を重視した設計となっている。補助腕を装備し、主腕と独立して武器を操作できる。搭載されているユーロリアクター社製EPR-3パラジウムリアクターは廉価で簡素な設計であり、パラジウムリアクターを独自開発出来ない国家の機体にも採用されるほどコストパフォーマンスが高い。
ゴブリン
スウェーデン製の第2.5世代機。パラジウムリアクターが新技術として普及しだした頃に開発された機体であり、サベージなどの第2世代機と、M9などの第3世代機との中間に位置することから第2.5世代機と呼ばれている。
開発当時は冷戦がまだ継続しており、ソ連軍がスウェーデンに侵攻してきた場合、ASを山岳地帯に潜伏させての長期ゲリラ戦が想定された。そのような状況で、十分なデータ蓄積がなされていない新技術のパラジウムリアクターのみに頼るのは危険と判断されたことから、補助エンジンとしてターボディーゼルエンジンを搭載している。それにより、出力は第3世代機のセプターに迫るものがあるが、全ての出力を戦闘行動に回せるわけではないので、運動性は同時期・同コンセプトの機体に比べてやや軽快な程度である。ただし作戦行動時間は長く、高地や山岳地帯での活動を想定して設計されたこともあり、タフさは現用ASの中でも群を抜いている。

国籍不明機

ステファン・イリイチ・ミハイロフのAS
頭部の前後に1つ目の大型カメラアイを持った謎の機体。アメリカ陸軍で最高性能のM9A2SOP『シグマ・エリート』を超える運動性を持ち、不可視型ECSを搭載していることから第3世代機であることは間違い無いと推測される。腰の後ろに多数の細長い単分子カッターを装備し、手に持っての格闘戦の他に投げナイフとしても用いる。
こうした高性能ASを開発できる企業は限られているが、このASにはどのASメーカーの特徴にも合致しないなど詳細は謎に包まれている。
ケントゥリア
ジオトロン・エレクトロニクス社のユーコン研究所で達哉達が遭遇した謎のAS。ミハイロフのASによく酷似しており、コックピットが存在しない無人AS。敵の武器を手で掴み取る、投げ技での反撃を仕掛けるなどトリッキーな動きをするのが特徴で、達哉の戦闘機動と似た印象を与える。
ここまで高度な戦闘機動を取る事が出来るAIは未だに実用化されていないと考えられており、その詳細は謎に包まれている。
この機体の開発を要求されていた溝呂木曰く「13年前の拾い物が全ての始まり」であるとのことだが、それが何を意味するのかは5巻時点では不明。