「オアシス」の版間の差分
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地下水は地表面からの[[蒸発]]と、植物体からの[[蒸散]]によって[[大気]]中へ放出され、同時に蒸発の[[潜熱]]が失われる<ref>関口(1983):102ページ</ref>。熱源は気温および地表の温度であることから、蒸発量が多ければ多いほど気温と地表温度は低下することになる<ref>関口(1983):102 - 103ページ</ref>。すなわち、オアシスの水量が豊富なところほど、オアシス周辺は涼しくなる<ref name="mc">関口(1983):103ページ</ref>。ここで[[等温線]]を引けば、中心部を最も低温とし、オアシス周辺を[[同心円]]状に取り巻く形をとることから、高温の乾燥地帯に[[島]]のように涼しい地帯が浮かんで見える<ref name="mc"/>。これをクールアイランドという<ref name="mc"/>。クールアイランドの効果は、天然のものでも人工のものでも同じである<ref name="mc"/>。 |
地下水は地表面からの[[蒸発]]と、植物体からの[[蒸散]]によって[[大気]]中へ放出され、同時に蒸発の[[潜熱]]が失われる<ref>関口(1983):102ページ</ref>。熱源は気温および地表の温度であることから、蒸発量が多ければ多いほど気温と地表温度は低下することになる<ref>関口(1983):102 - 103ページ</ref>。すなわち、オアシスの水量が豊富なところほど、オアシス周辺は涼しくなる<ref name="mc">関口(1983):103ページ</ref>。ここで[[等温線]]を引けば、中心部を最も低温とし、オアシス周辺を[[同心円]]状に取り巻く形をとることから、高温の乾燥地帯に[[島]]のように涼しい地帯が浮かんで見える<ref name="mc"/>。これをクールアイランドという<ref name="mc"/>。クールアイランドの効果は、天然のものでも人工のものでも同じである<ref name="mc"/>。 |
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== 知る区ロードの「オアシス」== |
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比喩表現からの例に[[東京都]][[杉並区]]の「知る区ロード」の『オアシス』がある。知る区ロードとは杉並区が防災のまちづくりの意図で1988年(昭和63年)から始めた施策で、全長約36キロメートルになる東西の輪が重なるようにしてつながる散策路を形成、区内のおもな名所旧跡や公園、区の施設などがめぐれるようにルートが設定され、この道を辿ることで、杉並区全域を周遊でき、区を知ることができるロードの意味をこめている。杉並区をめぐる遊歩道の途中途中に『オアシス』と名づけた休憩所の[[ポケットパーク]]が設置されている。オアシスは全て[[建築家]]・[[六角鬼丈]]による設計で、全部で次の4カ所のオアシスがあり、それぞれ五感で楽しむ工夫をほどこしている。 |
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;みみのオアシス |
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1991年(平成3年)の作。杉並区宮前2二丁目にある宮前公園の一角の[[竹林]]の中あり、六角鬼丈と[[サウンドスケープ]]・[[デザイナー]]の鳥越けいこの共作。このオアシスには竹林が生み出す自然の音を聞く7つの耳が置かれている。 |
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;ときのオアシス |
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1992年(平成4年)作。杉並区天沼3丁目にある天沼もえぎ公園の一角。同公園には自然生態園も設けられている。このオアシスは「時」をテーマにしたもので、時の門. 地界の天庭. 日時計. 広場の中央部に「地界の天庭」と称した大きな時計盤が設置され、時計の針は8時15分をさしている。これは1945年(昭和20年)8月6日の広島に原爆が投下された時間をさしている。 |
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;はなのオアシス |
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1993年(平成5年)の作品。東京都杉並区阿佐谷北、阿佐ヶ谷区民事務所・杉並区役所阿佐谷出張所のエントランスにある。出張所の建物も六角鬼丈の設計。 |
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「嗅覚」をテーマにした4つの「香り」に関係する「香楽器」と呼ばれるオブジェが置いてある。香炉と香時計からなる香卓と鼻の通りをよくするという椅子が置かれ、頭が背もたれ上部につくようにして座ると、咽と胸が開いて鼻のとおりがよくなるようにと背中の上部に鼻に効くツボを刺激するよう、背中の上部を背もたれに押し当たるように工夫されている。柱のすきまからは食虫植物のように香りの造形が出ていて、中から様々な香りを放つようになっている。これらのオブジェの造形製作は[[東京芸術大学]]の宮田亮平鍛金研究室が協力。 |
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;はだしのオアシス |
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オアシスは1993年(平成5年)の作品。現在は2003年(平成15年)に開園した善福寺さくら公園の一角に位置する。足の刺激をモチーフにしたオアシスで、入り口に重い扉が設置され、扉を開くと民家の庭園のような小さなスペースに柔らかい芝生の面と足の裏のツボ・反射区を表した大きな足形石「足裏経絡石」と、はだしになって足裏の刺激を感じて歩くふれあい小径と名づけられた園路が設置されている。 |
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== オアシス都市 == |
== オアシス都市 == |
2011年12月3日 (土) 00:48時点における版
オアシス(英語:Oasis)とは、砂漠やステップといった乾燥地域において、淡水が存在する場所をいう。
概要
オアシスの直接的な語源は古代ギリシア語にあり(ὄασις oasis)、ヘロドトスの「歴史」(第3巻 26節)に見られる。ここでは、リビア砂漠に存在した諸都市(オアシス都市)の名とされている。この語は、さらに溯って、恐らくは古代エジプト語(wḥʾt 「オアシス」「オアシス地域」)が転訛したものと考えられている[1]。
オアシスには、泉性(地下水によるもの)だけでなく、河川や雪解け水を水源とするオアシスもあり、後者の方が大規模なオアシスを形成する。さらに井戸などによる人工的なオアシスも存在する。農業が可能となり、集落が形成されることがあるほか、通商路の経由地ともなる。
隊商は食料と水を補給するためにオアシスを経由しなければならない。オアシスの政治的、軍事的支配は、多くの場合商業の支配をも意味してきた。例えば、現在のリビアに位置するガダミス、クフラなどのオアシス都市は、サハラ砂漠の南北および東西交易(サハラ交易)において重要であった。
世界最大のオアシスはナイル川の河谷およびナイル川デルタ地帯であり、22,000平方キロメートルある。
転じて、「心の休まる場所」という比喩表現としても用いられる。
クールアイランド
地下水は地表面からの蒸発と、植物体からの蒸散によって大気中へ放出され、同時に蒸発の潜熱が失われる[2]。熱源は気温および地表の温度であることから、蒸発量が多ければ多いほど気温と地表温度は低下することになる[3]。すなわち、オアシスの水量が豊富なところほど、オアシス周辺は涼しくなる[4]。ここで等温線を引けば、中心部を最も低温とし、オアシス周辺を同心円状に取り巻く形をとることから、高温の乾燥地帯に島のように涼しい地帯が浮かんで見える[4]。これをクールアイランドという[4]。クールアイランドの効果は、天然のものでも人工のものでも同じである[4]。
オアシス都市
脚注
参考文献
- 関口武『気象と文化』東洋経済新報社、昭和58年11月4日、290pp.