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「魔人探偵脳噛ネウロの犯罪者」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
魔人探偵脳噛ネウロの登場人物2009年7月1日 (水) 03:13の版より分割
(相違点なし)

2009年7月3日 (金) 09:07時点における版

怪盗“X”と協力者

ネウロの命を狙う、世界的な犯罪者・怪盗"X"と彼に力を貸す者。

怪盗X(かいとうサイ)
声 - 朴璐美(アニメ版)、斎賀みつき(ドラマCD版)
世界を騒がす怪盗。「怪盗X」の呼び名は日本での略称であり、正しくは未知を表すXと、不可視(Invisible)を表すIを合わせた“怪物強盗X.I(monster robber X・I)”。作中では「X(サイ)」と略されることが多い。語源は全く目撃されない上に証拠一つ残さない手際の良さ、後述する特徴を指して海外のメディアが率直に表現した呼称。
人間の突然変異とも言うべき存在で、自身の細胞を変異させ、子供から老婆、果ては犬にまで姿を変えることが可能。病名的には「」とされている。人間を一撃で叩き潰すほどの怪力と不死に近い体力を持つ。細胞変異のために身体の治癒は早いが、あまりにも強力なダメージを受けると数日の間は動けなくなったり、関節を砕けば少しの間だが動きを止められるなどの弱点もある。また、脳細胞が常に変化する為に記憶が常に失われ続ける。故に年齢や性別などを含め、自身の正体が自分でも分からず、「作った奴の中身が全部詰まった」美術品を盗んだり、その過程で出会った他人を解体(殺害)して中身を“箱”として見る事で、自分が何であるかの答えを探し出そうとしている。自分の姿が分かっていないが便宜上として、普段は幼い少年の姿をとる。性格も外見年齢を反映してか極めて無邪気、そのくせ残酷。ただし、内面には「自分の中身がわからない」故の苦悩と不安を抱え込んでいる。
人間でないネウロに深く興味を持ち、純粋な関心と自身の中身の所在の可能性を見て彼の中身を見ることに執着している。殺した人間に化けることで、一般人から著名人まで多くの人間に「なって」おり、内閣総理大臣にすら成り代わっていた事もある。現在細胞の変異が急ピッチで進行しており、体の一部を増やしたりすることが可能になったり、脳をコンピュータ形式に変形させることで電子プログラムを脳にインストールすることも可能になった。それを利用して、消滅したHALの残骸である"HALII"の能力を取り込み、片目(瞳がHALのマークの上にXの文字が書かれたものとなっており、本人曰く「HALの目」)から電子ドラッグを放つ事まで出来るようになった。その能力で弥子を拉致し、ネウロを殺す為の手駒として利用するが、ネウロに策を見破られた上で魔界777ツ能力で重傷を負わされる。その後ヘリで逃走しようとするも失敗。そのままシックスの手に落ちてしまった。
その正体は、シックスのクローンに改造を施した実験体であり、名前と呼べるものは「験体11」である。出生は17年前で、生まれた時の性別は雌。代理母は彼女を出産した直後に処分されてしまっている。生後5年間、強化ガラスの中で培養されていた。その後、変異細胞の観察・社会適応についてのデータを収集すべく、数年間だけ社会に送り出してからシックスが回収する手筈であった。だが、工作員・イミナ(アイ)がブレインとしてXに加担した事で、捕捉が不可能な状態となっていた。
シックスに捕らえられたその後、かつてのように実験体(モルモット)生活に戻る事となり、自身の細胞をも利用されている。その後は初期化された状態となり、シックスにより時間をかけて情報を書き込み新たに一本の芯を通され、XI(イレブン)と新たに命名される。
アニメ版では刑事に化けて弥子の父・誠一を殺害した犯人であり、アニメ版に於けるラスボスである。また、シックスが登場しないため正体も異なっている。
アイ / イミナ
声 - 上原さやか(ドラマCD版)
Xの従者を名乗る女性。主に死体の処理やXの記憶の補完、彼が"なっている"人々のリスト管理などを担当しているらしい。性格は寡黙で礼儀正しい。Xに対しても付き従う者としての姿勢を常時崩さないが、時に盗みを面倒がる彼に"怪盗キャラ"としての振る舞いを求める事も。また、Xが殺害した人物を“箱”にする手口を最初に提案したのも彼女である。興味が惹かれる(人の思いが詰まった)品が無い為にXが適当に選んだ盗品(B級グッズ)を下げ渡されることもしばしばで、自宅にはそうした品がどんどん溜まっており、時折その盗品を売りに出している。なお、アニメには殆ど登場せず第19話で後ろ姿が僅かに描かれているのみとなっている。
その正体は航空機を墜落させ、間接的に数多の要人を暗殺していた事から「飛行機落としのイミナ」との異名を持つ、某国の最も優秀な特殊工作員「李 美兒(イ・ミナ)」であり、警察側に国際指名手配を受けていたが、ある時期を境に消息を絶っている。特殊工作員時代の彼女は「人間は所詮、実質的に大差ない弱い生物」という考えの持ち主で、可能性のない・限界のある絶望的な世界から目を背ける為、淡々と任務にあたっていた。しかし、任務中に自らの感じていた「限界」を超える人物・Xに出会った事で、人間の可能性は自分の想像の範疇に収まらない事を知り、同時にXの正体を自分も知りたいと感じた為、「人間の可能性に限界(ふた)をしていた自分はここで殺された」と語り、Xの元に就き同行する。Xは彼女の中身にも興味を持っているが、丁重にお断りしている。人間の可能性に興味を持つ為か、弥子にも興味を持っており、弥子もネウロに通ずるものを感じ取っている。「アイ」という名前は、Xの正式名称“怪物強盗X.I”にちなみ、Xに付き従うI(殺されて消えた“見えない存在”)の意味で自ら名乗るようになったもの。Xと出会って以来数年間傍にいたが、最期はアンドリューに成り済ましたシックスの手により、操縦しているヘリのコクピットに座ったまま頭部を撃たれ、絶命する。
1月7日生まれ、25歳。身長166cm、体重52kg。性格は冷徹で、特技は諸事全般。Xとの関係は「日によって主人、子守り、友人、恋人、兄弟、姉妹、他人のいずれか」。
大菅依(おおすが より)
Xの部下で、普段はXに「依(よる)」と呼ばれていた。今までに犯した殺人と同じ数のコウガイビルの刺青を体中に彫っている。元は長野県にある農村出身のおとなしい青年だが、進学した都会の名門高校で嫉妬と差別によるリンチを受けた。その後、押さえつけた相手の顔に狐を模した仮面から消化液を垂らすという手口で、自分をいじめていた学生を次々に殺害、溶解仮面(ようかいかめん)として世間を騒がせるようになる(アリバイ工作もあり、その件ではまだ逮捕されていない)。溶解仮面としての犯行を続けていた際に偶然Xと出会い、信者となり「蛭(ひる)」と名付けられる。HALIIの能力をコピーしたXによって、電子ドラッグの中毒者(Xの刺客)となり、ネウロを殺す為に故郷の村で地主の狸崎登志男(さとざき としお)を殺害し、『謎』を作り上げた。トリックを解かれた後、Xの計画通りにネウロをおびき出し、Xの電子ドラッグによって増幅された戦闘力を駆使して戦うが、魔界777ツ能力を使うまでもなく一蹴される。しかし、最後までXへの信望の念は変わらず、ネウロに憎まれ口を叩きながら力尽きた。逮捕された後、X式電子ドラッグが解けていくと共にXに関する記憶も喪失し、一切の反応を見せなくなった。
9月27日生まれ、21歳。身長177cm、体重69kg。故郷の事は「それなりに好き」で、心の故郷は「スタンド・バイ・ミーの沼」だと思っている。
葛西善二郎(かさい ぜんじろう)
詳しくは五本指の項目を参照。

『絶対悪』と「新しい血族」

絶対悪」と呼ばれる人物『シックス』を筆頭とする一族。人間からさらに進化した「新しい血族」を称している。

シックスの表向きの仕事が軍需企業であり各国政府との繋がりも多い為か、組織としての規模は相当なもので「グリーンX」を始めとした巨大な研究施設、無人戦闘機(厳密には、高度な自動操縦機能を持つ有人戦闘機)、政府レベルの高度な処理性能を持つノートパソコンなどが完備されている。また日本警察等にもサーシャやシューラを始めとした血族達が、スパイとして侵入している。アニメでは登場前に物語が終了した為、存在しない。

シックス(SIX/SICKS)
葛西から『絶対悪』と呼ばれている男(置かれた環境、あるいは能力や体質ではなく精神・頭脳に由来する)で、「人類の先へ行く人類」である『新しい血族』の最先端に位置する者。本作に置けるネウロの最大の敵であり、全ての元凶(はじまり)。
祖先は武器製造を営んでおり、家系は約7000年前から確認出来る。職業柄人殺しの手段のみを考え続け、それに必要な『悪意』が強い子に家業を継がせていった結果として、『悪意』が増強し、遂には、現代のシックスが持ち合わせる残虐非道・冷酷無比・悪逆さに至ったという。彼の脳は、その常人には耐えられぬ『悪意』に耐えうるように定向進化しており、DNAレベルで人間とは別物で異なる生物であり別種であるらしい。0歳の時、父親が握らせたカミソリで他の新生児の頸動脈を掻き切り、母親を2歳の時に謎の転落死を遂げ、父親に至っては、5歳の頃に自宅書斎で「箱」詰め死体となって発見される。それ故か同じ新しい血族のものでもシックスに忠実な者が多い。
前述の『絶対悪』の名に相応しく、ネウロに匹敵するサディストで極悪非道を絵に描いたような性格。人質をとった上で無理難題を押し付けて相手が苦しむ様を楽しんだり、面白半分に部下をノコギリで苦しませて自決させるなど、その悪意は止まるところを知らない。
怪盗Xの生みの親であり、Xを「我が子」と呼ぶが親としての愛情は皆無であり、Xのこともただの道具としてしか見ていない。Xの居場所を知るべく葛西をスパイとしてXのもとに送り込むが、アイに警戒されてしまった為、自らアンドリューに成り済まし、直々に行動を起こした。普段の服装から、アメリカンカジュアルを好んでいる様子。自らが「新しい血族」と見なした100人ほどの人類以外は全て滅ぶべきであると考えている。その存在からネウロが「生物として邪魔」と断言、嫌悪感をあらわにし、彼との戦いに向けて魔力を蓄えようと思っているほどである。
表向きの顔は世界最大の兵器メーカー「ヘキサクス」の会長。『死の商人』として世界中に武器を売り込む一方で、製薬会社「グリーンX」の地下実験施設のような非人道的な人体実験を指導している。
ネウロとの茶会の後に帰国したが、『死の商人』としての仕事のため再来日し、商談の前に日本の警察・軍事のトップに取引と称した脅しをかけ、自らの悪行を外に漏らす事無く「グリーンX」での人体実験の件を揉み消した。
警察・軍事のトップとは「友人」である為、日本での彼の悪行は罪に問われることは無く、過去に秘密を探ろうとしていたジャーナリストである笹塚兵士とその家族を皆殺しにしたこともある。が、一連のテロの首謀者として全国指名手配されることになってしまう。そして、隠れ家に立てこもるが、ネウロに看破され、今度は、廃業当然の遊園地で自身の能力を使いネウロを追いつめるが、逃走を許してしまう。さらに、XIを使って弥子を葬り、その間にネウロを始末しようと企むが、怪盗Xとしての正体を取り戻したXIの裏切りに遭い失敗。ステルス機で逃走を目論むが、ネウロとの最終決戦の末、魔帝7ッ兵器「二次元の刃」により身体を切り刻まれた挙げ句、ネウロに放り込まれ、ネウロを乗せたステルス機に衝突し粉々に砕かれ絶命。
シックス自身の固有能力は、合金と細胞の結合技術を用いて、細胞を金属に変える能力。さらに、アンドリュー同様に瞬間記憶能力を持ち、拷問によって相手の経験・能力・行動パターンを聞き出して“覚え”、剥ぎ取った頭の皮をかぶることで完全に相手に成り済ます。また、自分の周りにいる人間達を無力化させられるほどの強烈なプレッシャー(弥子曰く「邪悪な圧力」)を発することができる。なお、脳が『悪意』で進化しているため、電子ドラッグが全く効かない。
シックスの呼称は「6(six)」を意味すると同時に、常軌を逸したその悪逆さ故に人々から「病気(Sick)」と見なされた事にも由来する。
本名は「ゾディア・キューブリック」。
XI(イレブン)
シックスに捕らえられた怪盗Xが、初期化された後シックスにより時間をかけて情報を書き込み新たに一本の芯を通された状態。外見は「シックスのクローン(雌)」という出生を反映したシックスによく似た10代後半のロングヘアーの少女(アイが初めてサイと会った時の姿をそのまま成長させた容姿)に変わっており、シックスを「パパ」と呼び、彼の忠実な娘として動いている。元々持っていた類稀な観察力は極限まで向上し、他人の顔を見ただけで脳内電流―その人物の記憶を読み取れるまでになっている。弥子が出会った犯罪者に化けていたが、シックスの命により弥子を殺害しようとした時に怪盗Xだけは化けていない事を弥子に看破される。そして、弥子の記憶を読み取り怪盗Xとしての記憶を取り戻す(このときが彼女がネウロに味方する瞬間である。)。その後、弥子を殺害したように装うが、『シックス』の逆鱗に触れ、怪盗Xの姿となり戦うが、逆に彼に致命傷を負ってしまう。最後に笹塚の姿に変身して息を引き取る。
彼女の名前は、それまでの名前である「験体『11』」・怪物強盗『X.I』、そして『シックス』のクローンであり彼の合わせ鏡(VIを上下対称に組み合わせるとXIになる)という事から来ている。

五本指

「新しい血族」の中でも破壊の権化と称され、テロに長けたスペシャリスト達で構成された集団。ジェニュインがシックスの為に組織した先兵。その名の通り、5人存在しており重要度によってそれぞれの指に位置している。それぞれ定向進化で獲得した超人的な能力を有しており、それを利用した大規模なテロを行う。また戦闘時は、顔にその人物の力を象徴するかのような生物の紋様が浮かび上がるのが特徴でもある。Xの脳内から割り出した情報をもとに、ネウロの弱体化を目的として動き始める。葛西を除く4人は死亡し、葛西も行方不明となったため、全滅。

ジェニュイン(JENEUING)
五本指の親指に位置し、五本指のリーダーでもある。巨乳。イブニングドレスを着た美女で、シックスの命で「他の指」を動かす権限を持っている。シックスが不在の間は五本指の指揮を任されており、テラ・ヴァイジャヤを日本へと送り込んだ。葛西同様、シックスの傍らにいることが多く、過去にシックスがDR・テラ・ヴァイジャヤを勧誘した時もシックスの傍にいた。かなりのサディストであり多くの奴隷達を従えている。逆にシックスに対しては忠実な下僕そのもので、シックスの傍に置かれ最期はシックスの身勝手な要求で命をひねり潰されることを望んでいる。
祖先は群集を自身の一挙一動で意のままに操り幾多の戦乱を引き起こした「魔女」と呼ばれる一族であり、末裔である彼女も場の空気を支配する能力に長けた煽動の天才で、葛西からは「ただ手を振るだけで都市一つ滅ぼせる女」と評されている。「HAL」の兵隊より屈強で厄介な「ファン」の群集を操る。また拠点とする製薬会社「グリーンX」に突入してきた警察部隊をたやすく同士討ちへと誘導するなど、人間(特に集団)に対してその能力は発揮される。自らが「新しい血族」と知る前は、圧倒的な演技力で世界中を熱狂させた大女優であった。かつてアヤの曲を聴いたことがあり、「くだらない歌」と一蹴している。
数々の失態によりシックスに突き放されてしまい、「グリーンX」でネウロを迎え討ち調教しようとするが、ネウロの魔力の回復という誤算や、自らが守勢に回ったことなどの作戦ミスにより、逆にすべての権利(接触を拒む権利・群衆を操る権利・武器を使う権利・自爆する権利・回想する権利)を没収され、脳に魔力を注入されネウロの下僕となってしまう。その後、ネウロにシックスに関する情報を差し出すが、シックスの不利になる情報は一切洩らさずに驚異的な精神力で血族としてのプライドを取り戻し、奴隷であるアランとともに自爆する。自らの死をもって秘密を抱えたまま逃げ切る事に成功し、ネウロをして「血族の中で我が輩に最も鮮やかに勝った」と言わしめた。
通称は英語で「本物」を意味する「Genuine」と自身の本名を掛けたものであり、本物の世界で唯一の観客(シックス)を満足させるという意味がある。顔の紋様は「witch」(魔女)で、顔の右側に浮かび上がる。
本名は「Jenifer=Euing(ジェニファー・ユーイング)」。6月18日生まれ、51歳。身長177cm、体重60kg。特技は煽動・調教・鞭検定1級。最終ご主人様「シックス」。驚異的な若さの秘訣は「無駄にエロい事」。
葛西善二郎(かさい ぜんじろう)
五本指の人差し指に位置する。全国指名手配中の放火魔で脱獄含め前科1000を超える伝説級の犯罪者。当初はXの協力者として登場していたが、実はシックスがXの動向を探る為に送り込んだスパイであった。「火火火(ヒヒヒ)…」と笑ったり「火ッ(カッ)となった」「火(日)を改めるか」など、言葉の端々に「火」を使う。かなりのヘビースモーカーで、愛飲の銘柄は絶版となっている「じOKER」。穂村徹行の叔父であり、彼に火の魅力を教えた張本人でもある。電子ドラッグを見た事もあるようだが洗脳されるには至らず、妖しく心を揺さぶられた程度だったと語る(本人曰く「自分の脳に食い込むにはパワーが足りない」)。自らが『絶対悪』と称するシックスに付き従っており、その一環として、徹行がもっと火の魅力に近づいていたらシックスに会わせるつもりで、徹行の仕事場に顔を出した。シックスの傍らにいることが多く、X捕縛での働きや、ネウロを倒すために送り出される「五本指」の全面サポートを任されるなど、彼からの信頼は厚い。またジェニュインへの勧誘時にシックスに付き添っていたことから五本指の中では最古参であると思われる。
かつては派手に生きて派手に死ぬ事を人生の目標としていたが、『シックス』との出会いをきっかけにして「『シックス』よりも長く生きる」事を人生の目標とする。故に他のメンバーとは違って『シックス』に対する異常な崇拝心は持っておらず、彼に突っ込んだ発言ができる数少ない人物である。上記に加え、「人間の限界を超えない事」を美学としており、五本指で唯一強化細胞は移植しておらず、血族としての新しい名前も名乗っていない(特に後者に対してはジェニュインにはよく「忠誠が足りない」と噛みつかれていたらしい)。
性格は他の4人と比べると最も常識人で、物事に対して一歩引いた目線から冷淡なツッコミをする事が多い。他にもバブル時代を思い出したりTASPOやパチンコで一喜一憂したりと、犯罪に関わる事以外は普通の中年オヤジの感性に近い。
炎を自在に操り、身体能力も常人離れしているが、上記のとおり強化細胞は移植しておらず、炎自体も小細工(トリック)を用いて操っている。先祖は神話に語られる時代に最初に火を用いた『神』だと思われるイメージがあるが、事実かどうかは不明(葛西本人は生まれ持った特殊能力に頼っていないと発言している)。
DRのサポートを機に、日本に帰国しており、その際シックスの命令でビルに炎で六の文字を描いた。使えなくなったDRを始末した後は新たな刺客のバックアップを行う。ネウロと五本指の戦いの最中は最低限のサポートに徹していたが、自分以外の五本指の壊滅とシックスの来日を受け動き出すことになる。ネウロを無視して、東京中のビルを順に炎上させ、まずは人間の数を減らすという作戦をとる。ビル内で笛吹率いる警察の精鋭たちと対峙するもビルの屋上に追い詰められ、最後にバックドラフトを起こし、『シックス』との出会いを思い出しながら炎と瓦礫の中に消えていった。
なお、最終話にて生存が確認されている。
普段は帽子を被っているため見えないが、額の左上から頭部にかけて『シックス』に出会った時に付けられた漢字の『火』を模した火傷の跡がある。
前述の通り血族としての通称は持たないため「葛西善二郎」は本名。9月1日生まれ。41歳。身長179cm、体重88kg。1日で吸うタバコの本数は8箱。「火」にかけたオヤジギャグのレパートリーは1000以上。生まれついての犯罪者として唯一後悔してる事は「バブルの輪の中に入れなかった事」。
ヴァイジャヤ(VIJAYA)
五本指の中指に位置する。テラの敗北を受け、ジェニュインが送りこんだ第三の刺客。彼女の指示により、「新しい血族」にとって不利な情報を持つ本城博士に目標を変更し、彼を暗殺するために行動した。吾代とは旧知の仲で本編の時間軸の5年前に出会い、彼に憧れる様にして半年間追従していた。その頃から吾代に「チー坊」と呼ばれていた。理由は吾代曰く「チンケ」で「チキン」で「チビ」だから。後にシックスとの出会いで彼の元を離れる。
親の仕事の関係で日本に移住したが周囲に馴染めず、転校先の学校では陰惨ないじめを受けていた経験がある。さらには、先代にあたる母親が科学者の実父にこき使われたことで過労死しており、自分や母親を「道具」として見ていた実父を心から憎んでいた。そのため、強さに対しては強い執着を抱いている。五本指の中では最年少で、それ故に精神的に未熟な部分が見られる。
祖先は、5000年前の古代インドにおいて薬学の祖とされる「呪術師」と呼ばれた者達であり、そのDNAを受け継いだ彼は植物とそれを用いた薬物の扱いに長けている(ジェニュイン曰く「全ての植物を味方にできる」)。人間の体を体内から溶かす強力な毒薬を主な武器としており、通常は種状のカプセルとして手首のブレスレットに仕込んでおり、対象に直接飛ばして使う。また、DRやテラと同じくXの強化細胞を移植しており、胃袋に寄生させた植物の成分により更にそれを活性化させる事が出来る。得意分野は暗殺だが、葛西曰く「その気になれば街一つを毒殺できる」実力の持ち主。
来日直後、ひょんな事から再会した吾代の眼前で「昔の自分とは違う」と周囲の人間を殺害。その後、ホテルに滞在する本城博士と彼に会いに来た弥子・笹塚・吾代の3人を葛西と襲撃するが逃げられる。続いて本城博士の機密文書を探しに濃霧多湿地帯に来た弥子達を今度は単独で襲撃。薬物投与で木々から大量の麻酔ガスを放出させ辺りをガス室同然に変えて弥子達の動きを封じる。その過程で吾代に重症を負わせ、地面を陥没させることで弥子達の乗ってきた車をも足止めし、最終的には大樹を投げて車を破壊。しかし電話口のネウロの機転で吾代が発した挑発に乗ってしまった事で攻撃の出所を見破られ、笹塚の銃撃を受けた隙を突かれ吾代にブレスレットを奪われ、傷口から中の薬物を注入されてしまう。深手を負いてなお吾代に襲い掛かるが、吾代に「強い力よりもデキの悪い友達の方が楽しい」と言われ、かつての心を取り戻すも、機密保持のため自らの脳を破壊して自害する。
単行本のオマケでは、葛西に「誕生呪い」(おそらく“誕生祝い”の誤字)を渡しドつかれた過去が明かされている。
通称はサンスクリット語で「勝利」を意味する「ヴィジャヤ(Vijaya)」からそのまま取られている。顔の紋様は「Lycoris」(彼岸花)で、顔の右下に浮かび上がる。
本名は「Chandra=Aska=Rjunawala(チャンドラ・アスカ・ルジュナワラ)」。9月3日生まれ、18歳。身長167cm、体重53kg。本人曰く、呪術の才能は「生まれつき」であるとの事。
テラ(TIERRA)
五本指の薬指に位置する。DRに次ぐ2番目の刺客。抜群のルックスを持つ白人男性で、ナルシストな面をもつ。顔や名誉を傷つけられることを嫌い、傷つけられると激怒する(その為、顔を仮面で隠していたこともある)。美形であるため、女性からはかなりの人気。デートなどの際には所持品を車から服に至るまですべて盗られるなど、「新しい血族」の中では珍しくコミカルな一面を見せたキャラでもある。上記の面等を指して葛西からは「バカ」呼ばわりされているが、それ故に一度こうと決めた事を一片の迷い無く遂行できる強さも持っており、「そういう奴が一番怖い」とも評価されてもいる。
祖先は古代文明を蹂躙し「埋めた」征服者(コンキスタドール)と呼ばれたヨーロッパ人で、土地に対する超人的な洞察力を持つ(本人曰く「土の声が聞こえる」)。かつては不動産ビジネスを営み、その能力を如何なく発揮し、「不動産業界でその名を知らない者は無い」と言われるほどの評判を得たが、シックスに出会い彼に心酔してからは不動産業界から姿を消し、大地の価値を見抜けない醜い人間達を征服し「すべて埋めてしまいたい」という一念で「新しい血族」の先兵として動くこととなる。登場した当初は人間を傷つけることをためらっている様子を見せていたが、それは決して良心の呵責などではなく、ただ単にその時の醜い顔が見たくないというだけであり、「吐きそうになるから早く埋めてしまいたい」と人間を激しく忌み嫌っている。
全身にXの強化細胞を移植しており、体内に機関銃や小型ミサイルなど、あらゆる武器を埋め込んでいる。応用として、自らの身体を軸として螺旋状の刃を繰り出し、自らをドリルと化して地中を掘り進み、あらゆるところから攻撃することが可能。本気を出すと全身の細胞の構造を変化させ、筋骨隆々の大男と化す。ただし、大事な顔だけには副作用を恐れている故に強化細胞を移植していない。
計画の邪魔になる可能性がある笛吹直大を抹殺する為、警官に化けて笛吹に接近するが、待ち伏せしていた警官達に、新開発の対テロリスト用38口径用麻酔ゴム弾を多数撃ち込まれる。しかし、それでも倒れず、周囲の警官達を一掃し逃走。その後、高層ビルを倒壊させ建設中の低層ビルに杭に見立てて打ち込み、大規模な『地盤沈下』を起こすというとてつもないテロを企み、それを防ぎに来たネウロを死の直前まで追い詰める。しかし魔力の充電池により幾分か魔力を回復したネウロと笹塚のコンビネーションに敗れる。その後、証拠を残さないため自爆を図るも、ネウロの『透け透けの鎧』(イビルサーフェイサー)で顔のみ保護され、断末魔に歪む自らの顔をわざわざ見させられながら息絶えたあげく、その死に顔も後の捜査に利用されることとなった。
通称の由来はラテン語で「大地」を意味する「テラ(Terra)」。また、そのつづりはスペイン語で「地球」などを意味する「Tierra(ティエラ)」である。顔の紋様はケツァルコアトルで(プロフィールの絵ではSnekeと書かれていたが)、顔の左上に浮かび上がる。
本名は「Pedro=Cortezarro=Torres(ペドロ・コルテサロ・トレス)」。8月24日生まれ、25歳。身長186cm、体重70kg。この世で最も美しい存在・「シックス」。その次に美しい存在・自分。簡単に見抜いた事は徳川埋蔵金が埋まってる場所。
DR(ディーアール)
五本指の小指に位置する。執事風の服を着た黒人で、シックスの車の運転手。日本語が堪能で見た目は穏やかだが、本性は凶暴。血族以外の人間を「ダニ」と蔑んでいる。見た目に反してジャズが何よりも嫌いである。
治水を専門とする「新しい血族」の一派の末裔で、祖先が古代中国の黄河等といった世界各地の大河で治水を成し遂げることで支配者を操って傀儡政治を行い、富を吸い尽くすという歴史を繰り返したことによる定向進化で、水の扱いに異常に特化しており本人曰く「全ての水の流れが、一目で分かる」という。そのことから自らを「新しい血族の水の龍」と称し、自らの能力を「外見に隠された真実を見る事が出来る」と揶揄している。また、両腕にXの強化細胞を移植しており、爪を槍の穂先等、様々な形態に変形させることが出来る。
生まれたときからあらゆる才能に優れていたエリートであった事、彼だけが持ち得た水を操る能力、そして過去にどれだけ人間を殺しても全く罪悪感が沸かなかったことを不思議に思っていたところにシックスが現れ、自分の出生の秘密を知った。以後、シックスに忠誠を誓っていて、その上自分に絶対的な自信を持っており、10万人の命を差し出すことを彼に約束していた。新しい生態系でシックスの次に序列されるのは自分だと思っていたが、シックスには完全に捨て駒扱いされていた。
シックスの命で来日し、東京各地の河川の堤防を崩壊させ、東京の街を濁流に呑み込ませるという“人類史上最大のテロ”を起こす。だが、大量の人間を殺し、その際に本来起こる筈の事件や謎まで消滅させた事で駆けつけたネウロの怒りを買い、激痛の翼で地獄のような拷問を加えられた末に両手を切り落とされ、激流に流された。その後、葛西に助けられるが、ネウロへの敗北に激昂したところを「脳に"折れ目"が付いた時点で、既に血族から脱落した、ただの人間である」というシックスの持論により見限られ、葛西に数分で全身を焼かれ炭となって川に散った(その様子を携帯で送信する為に、わざわざ葛西はDRを救助した)。
通称の由来は「DRagon」から。顔の紋様はドラゴン(西洋龍)で顔面右上に浮かび上がる。古代の人々は洪水をに置き換えてきたかららしい(実際、日本でも古くから龍は水神と考えられている)。
本名は「Daniel=Rousseau(ダニエル・ルソー)」(「DR」という名前は本名のイニシャルも兼ねている)。3月2日生まれ、27歳。身長187cm、体重94kg。この世で最も尊い存在・シックス。その次に尊い存在・自分。好きな音楽は雅楽

その他の配下

リコ
シックスの部下の工作員。シックスが社会に送り出した「験体11」(怪盗X)の捜索、及び回収を担当していたが、5年掛かっても見つけ出すことが出来ず、その失態の罰(と称した暇潰しの一環)としてシックスの命令で特注ノコギリを使って割腹自殺させられた。
サーシャ
「新しい血族」の工作部隊の女性。新しい血族のテロ行為のサポートを行う。『シックス』来日後は彼の護衛を担当。強化細胞を移植していたが笹塚の罠により動けなくなっていたところを、『シックス』に「間違えて」踏み潰され死亡する。
本名は「Alexandra=Kuznetsova(アレクサンドラ・クズネツォワ)」。23歳。6月12日生まれ。身長168cm、体重53kg。好きな食べ物はイクラ。シューラとの関係は「同姓同名の他人」。いつか消したい奴はシューラ。好きなギャグは「シュール」。
シューラ
「新しい血族」の工作部隊の女性。新しい血族のテロ行為のサポートを行う。『シックス』来日後は主に葛西のサポートにまわる。追い詰められた葛西を助けに行った際に、早坂久宜のロケット弾を喰らう(明言はされていないが死亡していると思われる)。
本名は「Alexandra=Kuznetsova(アレクサンドラ・クズネツォワ)」。23歳。6月12日生まれ。身長168cm、体重53kg。好きな食べ物はイクラ。サーシャとの関係は「同姓同名の他人」。いつか消したい奴はサーシャ。好きな射撃法は「掃射」。
アラン
ジェニュインの奴隷。奴隷同士の殺し合いで唯一生き延び、さらにジェニュインによって大量の薬物を注入され、生命と引き換えに強大な力を得る。しかしネウロにあっさり敗れジェニュインにも見捨てられてしまい、逆に自分を気遣ってくれた弥子に協力する。最期は機密保持のためにジェニュインと共に自爆した。
本城二三男(ほんじょう ふみお)
その他の人物の項目を参照。

犯人

「謎」が解き明かされた瞬間、性格や(時には)姿までが豹変して、狂った本性を見せる犯人達は、本誌では人気投票とは別に「"犯"人気投票」なるものまで行われている。ここでは、前述した怪盗Xを除き「犯人気投票」にエントリーされた犯人達と、その後の事件の犯人達を掲載するが、厳密には犯人ではない者も含まれている。

※「推理漫画ではない」事を強調するためなのか、コミックスの目次(ドラマCDではブックレット)の「まじんたんていのうがみねうろ」の文字がたくさん並んでいる部分には、よく見ると犯人の名前が隠されているというギミックがある。

事件解決後に弥子達に協力した犯人

弥子達に犯行を暴かれた後、弥子達に協力した犯人を指す。全員が「犯」人気投票にエントリーされた。

アヤ・エイジア 
声 - 大原さやか(ドラマCD版)、高山みなみ(アニメ版)・加賀美セイラ(アニメ版歌パート)
本名、逄沢綾(あいざわ あや)。探偵事務所開設後の最初の依頼人。世界的な知名度と不動の地位を築いた実力派歌手。プロデューサーの台島拓郎(だいじま たくろう、声 - 千葉一伸とマネージャーの大泉ひばり(おおいずみ -、声 - 伊倉一恵を立て続けに失い、警察の自殺の断定に疑問を抱いて事務所に足を運んだとの事だったが、実際は彼女自身が犯人だった。彼女の「歌声で脳を揺らす」という特異な能力はネウロの興味を引き、犯人達の犯行動機に興味を一切持たなかったネウロが人間の進化の可能性に気付くきっかけとなった。
「世界で自分はひとりきり」だと思っている人間が彼女の歌を聞くと、ダイレクトに脳を揺らされて感涙し、時には感動のあまり失神する。しかしそれは曲を作る彼女自身も同じように「世界中で自分はひとりきり」と感じているからこそ成せる事であり、皮肉にも被害者の台島拓郎や大泉ひばりと親しくなり孤独を癒されたことでその力を発揮することが出来なくなった為に、彼らを殺害して再び「ひとりきり」になることを決意した。桂木弥子探偵事務所に捜査を依頼したのは、罪悪感に苛まれた末の贖罪の賭けだった。
現在は罪を償う為に服役しているが、心の整理がついた為か現在の彼女の歌声は「ひとりきり」ではない脳も揺らすまでにレベルアップしている。その歌声で聞いた者をリラックスさせたり、逆に失神させたりする事も可能。その力を使えば脱獄も出来るようだが殺した2人への償いと自分の犯行と心理を看破した弥子への敬意故に行わなず、一度だけ弥子のために脱獄した際も彼女を助けた後はすぐに刑務所に戻って行った。更に植物が壁や床を突き抜けるほど成長したり、風呂場のレモン石鹸の匂いを花の蜜の匂いに勘違いしたカブトムシやチョウが寄ってくるなど、人間以外の生物にも影響が出ている(DS版ではUFOすら引き寄せたらしい)。
しばしばキーパーソンのひとりとして再登場しており、訪ねてきた弥子に対し事件解決の大きな鍵となる助言を与えている。一時は彼女を虐めようと襲いかかった女看守の井伊朋子とは現在それなりに仲良くしている。
早坂久宜(はやさか ひさのり)
望月総合信用調査の総務部長。アニメには登場せず。ネウロの犯人の中では数少ない、謎らしき謎は持たない犯人(ネウロ達が謎に組み込まれかけた為)。麻薬の取引をし罪を弥子らに着せる計略に乗じ、社長の望月を殺しトップに立とうと画策していたが、ネウロに阻まれて悉く失敗した。事件後、弟・幸宜と共に有限会社『笑顔』を設立。「香辛料の輸入・卸販売」を謳っているが、実際は何でもござれの密輸業を展開している。
弟の幸宜とは幼い頃から強い兄弟の絆がある。望月と出会い情報の価値と力に魅せられ、「笑顔の鎧」を作ったことでしばらく隔たりが生じたが、計画が失敗した際、再び兄弟で向かい合う機会を得て本来の繋がりを確認し、2人で生きていく道を探すことになった。その後は本性を隠す為の作り笑顔をやめ、代わりにサングラスを着用するようになる(ただし、相変わらず口元には常に笑みを浮かべている)。ありとあらゆる金儲けの為のデータが頭の中に詰まっていると自負し、金儲けの為なら悪行でも善行でも手段は厭わない。また、表と裏の住民の住み分けを重視し、大金を手にする事に伴う身の危険・死といったリスクも常に覚悟している、裏社会のプロといった人物。現在はネウロに一矢報いる為の資金を手にする為、より貪欲に活動しようとしている。しかし、希少価値が有り高値がつく雄の三毛猫を拾った時には、一緒に拾った普通の雌の三毛猫を自分で飼いたがり、弟を唖然とさせていた。
「血族」とネウロの戦いに関しては損得を定める為に俯瞰していたが、幸宜が葛西に重症を負わされた事をきっかけに葛西と警察の戦いにひっそりと参戦。葛西逃亡を手助けしようとしたシューラをロケット弾で吹き飛ばす。
1月15日生まれ、36歳。身長182cm、体重80kg。好きな映画はスクリーム、好きなグッズは武器。信頼できる部下は弟。
早坂幸宜(はやさか ゆきのり)
早坂久宜の弟で通称ユキ。アニメには登場せず。望月総合信用調査ではトラブル処理班に所属し、一連の事件で吾代と対決する。コートの中に仕込んだ暗器で一度は吾代を破るものの、二度目の戦いでトリックを見破られ敗北。事件後、兄と共に有限会社『笑顔』を設立。
兄と強い絆があったが、彼が情報を扱う仕事を始めてから疎遠になってしまい、すれ違いによる心の「寒さ」を象徴するように冬物のコートをいつも着ていた。事件の時に瓦礫に埋もれた兄を助ける際にコートが燃えてしまったためその後に兄と和解して2人で行動するようになってからは以前より薄着となっている。また、それに合わせて以前より扱いやすく強力な“武器”を装備している。今も兄の久宜を心から尊敬し慕っているが、久宣の「笑顔」に関しては未だに真意をつかめずにいる面もある。
自販機でタバコを買おうとしてた葛西と偶然会い“武器”の仕込みを見破られ重傷を負わされてしまう。これをきっかけに早坂兄弟が葛西と警察の戦いに一枚噛む事となる。
12月23日生まれ、22歳。身長176cm、体重63kg。好きな食べ物はアイスクリーム、好きな天気は吹雪。信頼できるキズナは兄弟。
望月建雄(もちづき たてお)
警視庁OBで退職後、警察時代で得た経験やパイプを利用し、望月総合信用調査を設立する。いつも顔がテカっており(自白時や機嫌が良い時は銀色に光る)、笑顔を絶やさない。早坂久宜に「笑顔」を教えた張本人。弥子達に近づき、あわよくば麻薬密輸の現行犯としてでっち上げ自社の評判を上げるつもりだったが、早坂久宜の裏切りに遭う。そこでは助かったもののネウロに弱みを握られ、『パトロン』という名の実質的な奴隷と化した。警察時代から目をつけた部下に仕事を丸投げにするタイプの人間で、本人自身はたいした能力は無いが人の才能を見出し発揮させることは抜群に上手い。早坂兄弟が去った後は業務の大半を吾代に任せっきりにし、自分はゲームなどで遊んでばかりいる。しかし、妻である楓(かえで)(19歳)に対してはとても厳格である。アニメ本編では登場しないが最終話EDに少し登場している。
65歳。身長173cm、体重100kg。自分の中に満ちていると思う物質はコラーゲン。実は漢検1級保持者で、かなり難易度の高い漢字も難なく読める。

その他の犯人

毒殺女(どくさつおんな)
ネウロが最初に謎を喰った事件の犯人。本名は不明。愛人の下呂光(げろ ひかる)に裏切られた恨みから、下呂を毒殺する。本人の話によれば、しばらく幸せな日々を過ごしていたが、一枚の写真から全てが壊れ始めたらしい。しかし、彼女が語る犯行の動機にネウロは一切の関心を示さなかった。
竹田敬太郎(たけだ けいたろう)
捜査一課の刑事で、笹塚の上司として登場。人の良さそうな老刑事だが、舌には密かにピアスを付けている。長く殺人事件を調査するうちに人間が恐怖や悲しみに「加工」された表情を見ることに快感を覚えるようになり、遺族の表情を「加工」すべく、弥子の父・誠一を殺害。また自身の発言から以前から何件も殺人を犯していたらしい。『謎』を喰われた後、ネウロに実験的に脳内をいじられ、廃人と化した。後にXが彼に「なって」いた際、「刑務所から盗んできたこの顔」と発言しているが、生死は今のところ不明である。
アニメ版では、怪盗xの仮の姿の一つでxは彼に化けて誠一をチェーンソーで殺害した。そのため本物の彼は本編には全く登場しておらず声優がいない。
至郎田正影(しろた まさかげ) 
声 - 大塚明夫(アニメ版)、伊藤健太郎(ドラマCD版)
フレンチレストランのオーナーシェフ。
鷲尾正勝(わしお まさかつ)
声 - 山口勝平(アニメ版)
早乙女金融の社長代理。小学生の頃から立場にこだわりを持ち、自分が自分のいる巣(集団)の中心にいないと気がすまない(かといって「一番になりたい」わけではない)我侭な性格で、それ故に当時中心にいた社長・早乙女國春を殺害する。犯行時には、鳥のような不気味な顔になり奇声を上げる。事件の真相が明るみに出そうになると口封じのためにネウロに発砲するが、逆にその銃弾で心を打ち砕かれ、怯えて奇声を上げながら、死に物狂いで逃走。その後の行方は不明だが、HAL編で1コマだけこっそり登場している。
アニメ版では、劇中で描かれた範囲では最も過去の事件の犯人。逃走後の行方に関しては、本編終了後のオマケカットで「後日、琵琶湖上空で発見」となっている。
糸田(いとだ)
声 - 飛田展男(アニメ版)
アヤ・エイジアに執着し、過激なストーカー行為を繰り返す男。アヤを拘束しようとするが、あまりに過激な面を見かねた笹塚に顔面を蹴飛ばされ、ネウロに痛覚神経を直に弾かれて悶絶する。締めつけられる事に快感と万能感を覚えるらしく、逮捕後もその性癖は全く直らなかったが、この一件が強烈なトラウマとなって「もう音すら聴きたくない」状態となった。
アニメでは第9、10話に登場。
篠原紀夫(しのはら のりお)
ハンディーカメラを片手に情報を集めるフリーライター。過激なパパラッチで報道の自由を勘違いしており、「有名人はマスコミに有名税を払う義務がある」をモットーに、ヤラセや中傷的なデマを出した過剰報道で多くの芸能人・文化人を失脚させ、時には自殺に追い込んできた。右目はなぜかカメラのレンズと一体化しており、眼球剥き出しになっている(後にXがHALⅡをコピーした時に同じように眼球を変化させている)。弥子に笑顔で強引な取材を試みたが、たまたま現場にいた吾代に殴られ本性を現すも、ネウロの制裁を受け目をあけると自分が無数の目に見られている状態になりパニックに陥った。その挙句、通りかかったXに殺され、“箱”にされた(その箱は彼が出入りしている出版社に送られたが、望月と早坂の会話から行方不明扱いになっている)。なお、豹変して本性を現した後、マスコミ対策としてネウロからの制裁を受けはしたが、厳密にはネウロが解決した事件の犯人という訳ではない。アニメでは登場しない。
堀口明(ほりぐち あきら)
声 - 堀江一眞(アニメ版)
怪盗Xに憧れ、動物などを殺し“箱”に詰めていた引きこもりの少年。Xのことを考えるだけで鳥肌が立つようだが、その点を除けば「普通」の犯人でネウロには全く相手にされなかった。最期は憧れていたXの手で「形だけ“箱”っぽくまとめ」られ絶命する。
アニメ版では、“模倣犯=コピーキャット(ネコ)”に豹変した。また、アリバイトリックも原作とは異なる。
賀久安由美(かく あゆみ) / 爆弾魔ヒステリア(Bommer Histerrier)
声 - 松本梨香(アニメ版)
2人の子供を持つ一般主婦。犯人であるヒステリアはある一定の法則で爆弾テロを起こす巷で話題の爆弾魔。自分の中に、あらゆる破壊衝動を掻き集めて組み立てた“本能(カレ)”というもう一つの人格を持ち、“本能(カレ)”の言葉に忠実に従う“理性(イヌ)=ヒステリア”として犯行を行う。本性は現した際には犬耳のカチューシャを着け、顔が犬のように変化する。「人間は本能に忠実な犬である」が持論で、本能を表にさらけ出すことを「ブッちゃける」と呼ぶ。爆破予告を看破したネウロに仕掛けた爆弾を発見された上で正体を見破られ、予備の爆弾も笹塚の精密射撃により爆破を阻止される。その後も必死に反抗するが、ネウロの圧倒的な気迫に屈服し、尻尾を巻いた犬同然に。アニメでは彼女の犯行に電人HALが関わっていた事が示唆されており、後に電子ドラッグの中毒者であったことが明かされる。
デイビッド・ライス(David Rice)
声 - パトリック・ハーランパックンマックン)(アニメ版)
私立大学に通う留学生。異文化交流を研究していた。自分を振った友人の露木 さくら(つゆき -、声 - 岡村明美を毒ガスで自殺に見せかけ殺害。親日家を装っていたが、実は狂信的なまでの愛国主義者で、「ボクの国」のネガティブな部分すら全肯定し、日本の文化を見下している。豹変時には、鼻が伸び、鼻の穴がドクロマークのように変化した(また、鼻の付け根に口らしきものも見える)。平等の精神と異文化交流を勘違いしており、「格上が格下を見下げる事が異文化交流」だと思っていたが、弥子に「考え方そのものが幼稚で格下」と指摘され逆上。発砲したがネウロに「格上・格下以前にランク外」とあっさり弾を弾かれて文字通り出鼻をくじかれた上、生まない女王様を寄生させられて納豆を食べ続けないと呼吸できない身体にされる(アニメではネウロの制裁シーンが納豆を無理矢理食べさせるソフトな表現になっている)。
その後、刑務所では折れた鼻を補強しつつ、「DJデイビッドのオールナイトプリズン」と称して服役者の手紙を読んでは、相変わらずのように「ボクの国」を引き合いに出して回答している。だが、母からの手紙を見て泣き出したり、他の日本人の服役者の暖かさに触れて感激するなど、それなりに良い刑務所生活を送っている模様。
百舌貴泰(もず たかやす) / 噛み切り美容師
声 - 関智一(アニメ版)
美容院『ファング』を経営するカリスマ美容師。病的な髪フェチで、髪の毛だけで人を判断し、ネウロが人間でないことも髪を見ただけで見抜いた。美しい髪の持ち主の首を切断して殺害した後、血液を整髪剤に使って髪をセットするという犯行を繰り返し、世間では「噛み切り美容師」と呼ばれていた。「人の上にあるのは髪であり、その髪を切る自分は神である」という持論を持っており、自称「髪の神」。無名の頃は女性に暴行を働いた上で無理やりセットするという事件を起こしている。犯行が暴かれた時は目と眉毛が鋏のような形に変化した。結局、最後は彼に捕らえられた“弥かねちゃん”の元に駆けつけたネウロに魂ごと髪の毛を全部刈り取られる。刑務所ではデイビッドの元に「ボウズ頭ばかりでろくな出会いが無い」と手紙を出したこともある。
アニメでは第6話に登場。辛党であるらしく、パスタに大量のタバスコをかける場面も見られた。
真栗一茂(まぐり かずしげ)
声 - 家中宏(アニメ版)
芸術家・絵石家塔湖(えしや とうご、声 - 後藤哲夫と、その夫人であり自身の妹・妙(たえ、声 - 一城みゆ希を殺害した犯人。犯行に及んだのは、“家族(えだ)を切れば切るほど残った家族(えだ)に栄養が集中する(=遺産の取り分が増える)”という理屈からであった。豹変時には飲んでいたウイスキーを頭に浴びせ、髪の毛で枝を形成した。最終的にはネウロが手をチェーンソーの様にに変化させて髪の毛の枝を刈り取った事で、彼自身が「剪定(まび)かれる」破目になった。直後、Xがネウロを殺そうと放ったショットガンの流れ弾が額に当たって死亡した。
アニメ版では豹変後の見た目が若干異なり、重傷を負いながらも一命は取り留めた様子。
大塚輝希(おおつか てるき)
声 - 浪川大輔(アニメ版)
家具のデザイナー。師である池谷通が制作した机「トロイ」を利用し、購入者2名を毒薬で殺害した挙句、自身の考えが合わない池谷に罪を着せた犯人。豹変時には「家具の全ては完璧なフィット感」と主張しながら自らの机を変形させ、パワードスーツのように全身に装着し、内部に仕込んだ武器(ボウガン・拳銃)で池谷を直接殺害しようと意気込んだが、魔帝7ツ兵器による攻撃に遭い、大量の家具の下敷きになった。家具に対する狂信的なまでの信念を見せる彼であったが、弥子の視点から見れば「主張は滅茶苦茶だけど、結局は池谷さんを妬んでいた」との事(一方で池谷が引退した理由は、皮肉にもその大塚がデザイナーとして成長していくのを見て「自分がいなくてもいい家具は生まれていく」と感じたためだった)。
宮迫醍醐(みやさこ だいご)
玩具会社『狸屋』の社長の宮迫達夫の息子で、取締役。「親の七光りは何でも許される最高の特権」が持論で、強い七光りがあれば努力せずに名誉や地位を得られると考えている。幼少の頃より七光りが弱いと感じており、大人になってからも特別待遇されない自分の地位に納得できず、実の父親である達夫を殺害し、幼少の頃から演じてきた高所恐怖症によって罪を逃れようとした。そして『狸屋』を国内有数の企業に売り払い、そこの社長令嬢と結婚する事でより強い七光りを得ようとしていた。豹変時はチョウチンアンコウのような顔になる。報復行為に出た睦月を人質に取り逃走を図るも、笹塚と吾代の連携プレーによって人質を奪回され、そのまま叩きのめされ捕まった。直接の逮捕に魔界777ツ能力を使われなかった数少ない犯人。望月曰く「似たもの同士の『光』属性」らしい。
庵治川拓(あじがわ ひらく)
食堂『キッチンあたり』店長。「夢があれば全部OK」という考えの持ち主。食後、自分の食堂で過ごしている常連客達の持つ夢を応援する一方、特に夢を持たずヒマつぶしに時間を使っていた新規客の勝又屯平(かつまた とんぺい)を物盗りの犯行に見せかけて絞殺する。豹変時は鼻が垂れ下がってのような顔つきになり、鼻提灯にその時々の感情や場景が浮かび上がる。「犯罪者の言い訳」と思想を真っ向から否定した等々力を研ぎ澄ました冷凍ピザで殺そうとするが、笹塚に阻止され、ネウロに『拷問楽器「妖謡・魔」』を喰らう。本人の夢は小説家になることだったが、大成せず実家を継いだ経緯がある。客からの人望はそれなりにあったらしく、逮捕・連行される時に客の一人が「ちゃんと話を聞いてやってくれ」と笹塚に頼んでいた。ちなみに逮捕後は、石垣と一緒に60ページに及ぶ調書で漫画(原作:庵治川、画:石垣)を執筆した結果、裁判で「懲役刑と次回作執筆」の判決を言い渡された。
河津悠亮(かわづ ゆうすけ)
自由に生きるために、父親を破滅させた男に復讐しようとした男。雨の中を歌うカエルのように自由の歌を奏でるためか、豹変するとカエルを思わせる顔つきになる。2年がかりでトリックを考えたらしいが、DRによるテロに巻き込まれ、犯罪を犯す前に濁流に呑まれ死亡した。復讐しようとする以外は、どこにでもいそうな普通の人間であり、父親の仇討ちと自身が幸せに生きるために殺人を犯そうとしていた。
加納則馬(かのう のりま)
『東西京スポーツクラブ』チーフインストラクター。「目標(ノルマ)は高ければ高いほど良い」という持論の下、スポーツクラブに訪れて自分の思想に賛同した人間を地下の隠し部屋に連れ込んでは、身勝手な目標を運命(さだめ)て達成するまで監禁していた。豹変時には眉毛と髭が変形し、棒グラフのような形になる。スポーツクラブに訪れた弥子をも監禁しようとするが、隠し扉を見破って駆け付けたネウロによって脳をいじられ、「右と左を同時に向く」という達成不可能な目標に苦しむこととなった。
亀田夫妻(かめだふさい)
入り江に住む老夫婦。その正体は15年前の豪華客船カジノ現金強奪犯であり、「海のぬし」を装って海に近づく人を遠ざけ、時には襲って、海中に隠した現金(彼ら曰く「美しい竜宮城」)を守っていた。豹変時には2人とものような顔つきになる。時効寸前でネウロらに正体を見破られ、一気に老け込んだ姿で逮捕される。

電人「HAL」に関連する犯人

電人「HAL」の暴走により、春川教授と電人「HAL」の作り出した電子ドラッグによって洗脳され、犯罪に至った。なお、いずれも何らかの願望は持ってはいるが、犯罪を起こすつもりの無かった人物である。後述以外にも急に犯罪を起こしたくなった人間(電子ドラッグVer1被洗脳者)や、ネウロらを見るとなぜか襲い掛かってくる人間(主にVer2被洗脳者)などが多数登場する。HAL消滅後、HALが全責任を負ったことと、犯罪に走り事件を起こした時の記憶を持たない故、彼らの罪は問われなかった。

電人「HAL」(でんじん ハル)
声 - 津嘉山正種(アニメ版)
春川英輔が自身の脳をコンピュータに読み取らせて複製したプログラム人格。性格は春川と同一だが、物事の考え方は若干春川と異なり、目的達成の為には手段を選ばない。春川と自分を別人格であると考え、学生達を操り現実世界の春川を殺害した。プログラム人格である為、電子ドラッグを用い現実世界の人間を操る事で自己保身を行う。電脳世界においてはほぼ無敵の存在であり、その実力はネウロの魔界能力による侵入を二度も退けるほど。
記憶の中の本城刹那をプログラムとして蘇らせる事を目的に、某国極東駐留軍が日本国内に始めて配備した原子力空母『オズワルド』を占拠し、そこを拠点に世界中のスーパーコンピュータを集めようとしたが、弥子にパスワードを破られ、ネウロに謎を解かれた上に叩きのめされ再起不能となった。最期は敗北を認め、弥子に電子ドラッグのワクチンを託し、デリートしてもらう事で自ら消える道を選ぶ。消滅する「刹那」にようやく刹那に会え、満足の笑みを浮かべ消え去った。
穂村徹行(ほむら てつゆき)
声 - 中村悠一(アニメ版)
塗装工を勤めるガテン系の青年で、消化器型火炎放射器を使って連続放火事件を起こしていた。本人曰く放火する際は「急に」アキバ系オタクのような格好に姿を変えたくなるらしい。放火をすると「燃える(=萌える)」と述べていたが、弥子の質問を受けた時に自分でもなぜ燃えると萌えるのか理解できず錯乱、最後はネウロにより自分自身が「燃えキャラ」にされてしまう。その後の調査で電子ドラッグを見ていたことが判明する。HAL消滅後はワクチンの効果で正気を取り戻すが、電子ドラッグの影響で目覚めた「色々なものに萌える」性格がそのまま定着し、アキバ系オタクとなっている。ただし自身の放火で人が苦しんだ事を周囲から知らされたことで火の恐怖も感じており、叔父である葛西善二郎と再会した際に自首を勧めていた。葛西から「悪のカリスマ」の集団に誘われたが、上記の理由により断った。ちなみに葛西が語った「悪のカリスマ」の事をシックスではなく、怪盗Xの事だと思い込んでいる。
小柴達夫(こしば たつお)
錯刃大学研究生。電子ドラッグによって「撲殺願望」があることに気づかされ、HALを護衛する「スフィンクス」を現実世界で守る役目を担うようになる。自身と同タイプの洗脳兵を率いて弥子達を鈍器で襲うも失敗に終わり、「小柴よりも篚口の方が使える」と判断したHALにスフィンクス護衛を解任させられた。
アニメ版では登場せず、代わりに江崎が護衛を解任させられる。
朝永博斗(あさなが ひろと)
声 - 勝杏里(アニメ版)
錯刃大学院生。電子ドラッグによって「銃殺願望」があることに気づかされ、スフィンクスを現実世界で守る役目を担うようになる。スフィンクス破壊の為にやって来た弥子達に対し、自身と同タイプの洗脳兵を率いて攻撃するもネウロの策略により返り討ちに遭う。その際に腹に銃弾を受けて(アニメ版では銃口に銃弾を戻されたために銃が暴発して)倒れるが一命を取り留めたらしく後にHALが残したワクチンによって洗脳から解放されその時の記憶を失った後江崎や小柴と共に元通りの生活を送る姿が描かれている。
江崎志帆(えざき しほ)
声 - 河原木志穂(アニメ版)
錯刃大学研究生。電子ドラッグによって「貫通願望」があることに気づかされ、スフィンクスを現実世界で守る役目を担うようになる。元々春川に好意を寄せていたが、春川よりも願望に気づかせてくれたHALの方が好きという理由で、春川に止めを刺した。スフィンクス破壊の為にやって来たネウロに対し、自身と同タイプの洗脳兵を率いて攻撃するも、ネウロの単純な策であっさり撃破された。
アニメ版ではネウロとの戦闘も無いまま、気が変わったHALにスフィンクス護衛を解任させられた。
HALII(ハル ツー)
HAL消滅時に偶発的に産まれたバックアッププログラムにより再構築されたプログラム人格。データとしては寄せ集めにすぎず、発見者のアイ曰く「性能はオリジナルたるHALの10%にすら満たない」。「父」と称するHALの計画を遂行しようとするも、刹那に関する記憶も失われていたため、HALの最終目的を「皆殺し」と曲解している。しかし行動を起こす前、プログラムの模式図をXによって全てコピーされ、その直後「用済み」としてXの手で削除されてしまう。

アニメオリジナルの犯人

アニメでのみ登場した犯人。

姫宮瑠璃(ひめみや るり)
声 - 高橋美佳子
第2話登場。目撃者0の連続殺人事件「ゼロ事件」の首謀者。通称「HIME」。有名政治家の娘で裕福な暮らしをしていたが、幼少の頃から孤独を味わいながら育った。「リンクス」というコミュニティサイトを見つけ、自分と同じ思いをしている仲間を集めて女王気分を味わうが、退会を希望した人間を「私を置いて去ってゆくのは許せない」と、傘に仕込んだ凶器で殺害。しかし、ネウロの計略にはまり、弥子を殺そうとして、変装した吾代に重傷を負わせたことが仇となり、ネウロに正体を暴かれてしまう。
PS2版ゲームでは、気に入らない者のブログを仲間のブロガーを使って炎上させたり迷惑メールを送りつけたりといった嫌がらせを繰り返し、そのうちの何人かを自殺にまで追い込んでいたという設定となっている。
豹変時は爪が伸びて顔のメイクが変化し、顔つきも凶悪化、口から蜂蜜の様な金色の涎が流れる。ネウロを殺害しようとしたが幻覚色眼鏡(イビルイリュージョン)で返り討ちにされ、心を折られて気絶する。その後、第10話「一」で家電屋のテレビに映し出されたアヤのライブを街中で見ていた。
堂々ワタル(どうどう -)
声 - 天野ひろゆき
第3話登場。お笑い芸人・満腹太郎(まんぷく たろう)の照明スタッフ(ネタ作りも担当)。元は芸人だったが、師匠に「笑いに毒がない」と言われたのがきっかけで転落の一途をたどり、本当の毒を研究するようになってしまった(毒物劇物取締法違反で2度の逮捕歴がある)。「笑いながら死ねれば最高に幸せ」という持論の持ち主で、場満腹太郎のライブ中に、あらかじめ天井に仕掛けた冷凍された毒をしみ込ませた糸をスポットライトの効果で溶かして弁当に垂らし、大勢の客を死亡させた。豹変時には、髪の毛が蜘蛛の足の如く伸びて毒蛇のような顔に変化する。現場に残った人間を自身の開発した毒ガスで皆殺しにしようとしたが幻覚喜劇(イビルコメディ)で返り討ちにされ逮捕され、最終的に笑いが止まらなくなっていた。
モチーフは実在のお笑いコンビ・キャイ〜ンの2人で、声優としても出演。
杉田優介(すぎた ゆうすけ)
声 - 石塚運昇
第8話登場。刑事。刑事ドラマ「太陽に走れ」の大ファン。刑事になってドラマの様に拳銃を派手に撃ち合って殉職するのが夢だった。しかし定年間際になっても犯人がすぐ降参するなどの理由で派手に撃ち合う事が出来ずにいたため、拳銃マニアの横井剣次(よこい けんじ)を催眠術を駆使して連続警官射殺犯「コップキラー」に仕立て上げ、銃撃戦を演じようとした。豹変時は髪が伸びて刑事ドラマ風の姿になる。石垣から銃を奪って逃走するも、ネウロに先回りされて謎を食われる。
入山芳恵(いりやま よしえ)
声 - 藤田淑子
第11話登場。女優・野間薫子(のま かおるこ)のマネージャー。脚光(スポットライト)を浴びる事に固執する性格。かつては女優志望だったが断念し、代わりに自らの『分身』と考えている薫子を育て、脚光を当てる事で心を満たしていた。しかし、その薫子が新進気鋭の女優である西田芽衣(にしだ めい、声 - 樹元オリエにドラマの主役を奪われたのが我慢できず、自らの手で芽衣を殺害。体操選手だった過去を生かしたアリバイ工作を行った。豹変時は髪が伸びて、漫画の『キャッツ・アイ』もどきの姿になった。最後は自ら集めたリポーター達のフラッシュを浴び、25階から派手にダイブして死のうとしたが、下で待ち構えていたネウロに謎を食われ、痩せ細った姿で逮捕される。
PS2版ゲームでは設定が異なり、彼女自身が性悪だと感じた芸能人から盗みを働く泥棒で、自らを「怪盗『猫目』」と名乗っている。
霧原真一郎(きりはら しんいちろう)
声 - 龍田直樹
第15話登場。キッシーという恐竜が住んでいると噂の湖『霧神湖』の湖畔にある博物館の館長で、湖のある町の町長でもある。模型マニアで幼馴染の溝口保(みぞぐち たもつ、声 - 北島善紀と共に、ブロッケン現象を利用して観光客にキッシーが実在すると信じ込ませ町おこしをしていたが、交通事故で死人が出る騒ぎになった為に怖気づいて詐欺を自首しようとした溝口を殺害。豹変時は首が伸びてネッシーのような姿に変化する。現場に残った人間を骨の様なもので皆殺しにしようとするが、ネウロに異次元の裏窓(イビルウインドウ)で幻覚の竜を見せられ、腰を抜かして謎を食われ逮捕された。
黒尾美野(くろお よしの)
声 - 久川綾
第21話登場。『黒尾形成外科』の院長、黒尾独太の妻。昔、バイク事故で顔に大怪我を負い、独太に助けられた事から彼に恩義を感じている。以後彼の整形手術の実験台となり、何度も顔を変えた後、最終的に独太の理想の女性・飯島玲子と同じ顔になった。独太の整形手術を受けた女性は皆玲子と同じ顔になってしまうので、どれが自分の本当の顔か分からなくなり、玲子と整形手術を受けた女子大生を殺害した後、硫酸で被害者の顔を溶かしていた。だがその犯行動機の奥底には、自分がまだ独太を愛しているという想いがあることを弥子に見抜かれる。硫酸を飲んで自殺しようとするも、ネウロに阻止され謎を喰われた。その後は独太の手によって元の顔に戻ったようである。自白時は、尾が生え、九尾の狐の様な姿に豹変する。それほど狂気的な犯人ではない。
鎌田教授(かまたきょうじゅ)
声 - 飯塚昭三
第22、23話登場。南米の遺跡調査団の一員である考古学者。遺跡に天然ガスのパイプラインを通すという政府の計画の反対運動をしている。だがそれは反対運動をすればするほど、パイプライン推進派から受け取る裏金が増えるからであった。その為、遺跡に魔女が出没した事が知れて工事が中止になるのを恐れ、魔女の写真を撮った付き人のラリッタ・ジョーンズ(声 - 園部啓一をペットの毒ガエルを用いて殺害。豹変時には自らもカエルの様な姿に変貌し、なぜか『天才バカボン』のパパの様な口調になる。口から毒液を吐いて抵抗するも、ネウロには効かず謎を喰われた。
チャランゴ・クワバタケ
声 - 千葉進歩
第23、24話登場。南米のとある国にある『シャラート村』の司祭。見た目は若いが、20年前から容姿が変化しておらず、何らかの手段を用いて外見の若さを保っている。20年前、南米女性セレンに振られた腹いせに彼女を「魔女だ」と言いふらした挙句、村人と共に彼女を拷問にかけて殺害した。弥子と共に村を訪れた美央を魔女だと言い張り、儀式と称して美央を殺害。弥子をも殺そうとするが、殺したつもりだった美央の正体が怪盗Xだと知り、恐怖のあまり失禁、一気に本来の年老いた姿に戻ってしまう。そのまま怪盗Xの手により、自らが儀式に使用していた石蓋に潰されて死亡するという悲惨な結末を迎えた。

ドラマCDオリジナルの犯人

魔人探偵脳噛ネウロ ドラマCDに登場したキャラクター。

磯目亜愛美(いそめあ まなみ)
声 - 能登麻美子
ドラマCD第一弾の犯人。天知英生(あまち ひでお)の屋敷のメイドとして雇われていた。穏やかで優しい性格を装っていたが、実際は自己中心的な性格を持つ悪女。看護師免許を持ち、体の弱った天知氏の身辺の世話や食事作りを担当していた。看病することに異常な執着を持ち、その為に彼の病気が完治しないよう細工していたら誤って殺してしまった。天知氏が発した「暗号文とあるレコードの音声(声 - 夏樹リオを利用したメッセージ」によって犯行を暴かれ、制裁を受けた。
名前の由来は、他のメイドの野々山ミハル(ののやま -)空流まゆ(くうる -)を合わせて「陸・海・空」である。
柳原(やなぎはら) / 連続誘拐犯<V>
声 - 山口勝平
ドラマCD第二弾の犯人。18歳の青年。下の名前は不明。毎年春になると、若くして才能を認められている人間を誘拐し、被害者の声による特徴的なメッセージと犯行声明を送りつけるという、通称『V事件』の犯人として3年前から世間を騒がせていた。超人的な聴力声帯模写能力を持っており、舌打ちの反響音で周囲の状況を把握したり、体が発する音から相手の情報を知ることができる。その能力を持つが故に、実の父親から化け物扱いされており、8歳の時から父親の経営する病院の地下室で育てられていた為、自身にかなりのコンプレックスを持っており、外界や光を恐れている。その為、表舞台で才能を発揮している人間に対する嫉妬から犯行を繰り返していた。有名な探偵である弥子を誘拐するも、犯行現場に残された遺留品から居場所を突き止められ、ネウロによって能力を封じられた上、光の下に引きずり出されてしまい、警察に逮捕された。
名前の由来は「voice」「various」「virtual」「visual」の頭文字から。

ゲームオリジナルの犯人

※名前の読みは明確に判明しているもののみ表記する。

大場新三(おおば しんぞう)
声 - ふくまつ進紗
DS版に登場。ファミリーレストラン「シンデレラ」の店長で、大きなリーゼントが特徴的。綺麗好きで、彼の店内は常に清潔に保たれており、近所のファミレスの中でも一番の人気を誇っていた。だが本性は自らを「キレイの国の住人」と言い張る極度の潔癖症で、それ故に店内の掃除をぞんざいにやっていたアルバイトの田部誠を殺害する。豹変時は舌が伸び、リーゼントに目が浮き出て上から見ると蛇のような姿となる。実は店の食器が綺麗なのは彼がその長い舌で舐めていたからであった。弥子を人質に取るが、ネウロにあっさり謎を喰われる。
中田由希子
声 - 世戸さおり
DS版に登場。ライトノベル作家一色一のファンで同人作家。一色の作品「神道家の人々」の神道ヒロミというキャラのコスプレをしている。神道ヒロミは一色が自分をモデルに描いたと主張し、自分=ヒロミだと考えている。一色が小説の中でヒロミを殺そうとした為、正当防衛と称して一色を殺害。最後はネウロに狂気の圧縮機(イビルプレッサー)で身も心も二次元にされ謎を喰われた。一色がヒロミの気持ちになって考えたというパスワードを解いていた事から、ヒロミのモデルが彼女だと言う彼女の主張は本当なのかもしれないが、真相は不明。実家は「ラーメン中田」というラーメン屋。
滑川筋男
声 - 小松史法
DS版に登場。川島球場の警備員で、かなりの虚弱体質。口癖は「殴らないで」。殆どの事柄は言葉で解決できると思っている平和主義者で、異常な程に暴力を嫌う。リングの上で暴力を振るい続けるレスラーに我慢できず、ドーピングコンソメスープの模倣品の軟膏「ムキムキンDX」を使用してレスラーの花村さとるレイダー・米田を殺害。犯行を暴かれた後はムキムキンDXを使用して上半身だけ筋骨隆々の姿になり、レスラー谷口と吾代扮するマスク・ド・ゴクドーが戦っているリング上に乱入し2人を倒したものの、ネウロの適度な愛情(イビルピアレント)で多量の往復ビンタを食らい、謎を喰われて倒れた。
吉田伝介
声 - 飯田浩志
DS版に登場。人気のファッションデザイナー。風貌や口調は女性そのものだが、れっきとした男性のオネェキャラ。似合わないのに自分のデザインした服を頻繁に着る、女性議員の米山民江を殺害した。ネウロにあっさりと謎を喰われる。
筒見美穂
声 - 松下こみな
DS版に登場。カウンセラーをする一方で、プロファイラーとして日本警察にも協力している。「+1(プラスワン)」事件を笹塚と共に調査していたが、実は姉妹の真澄説子同様「+1」事件の主犯の1人。真澄の絵に引きつけられた者に無料カウンセリングを行い、殺人願望を持つ人間にはその願望をさらに強め、身寄りのない孤独な人間には美穂への依存を高める事で、行動を操りやすくしていた。弥子に疑われた事を察知し、説子を切り捨てて真澄と共に国外へ逃亡しようとしていたが、逆に説子によって殺害されてしまう。
筒見真澄
声 - 松下こみな
DS版に登場。画家で、北海道に自身のアトリエを所有している。姉妹の美穂説子同様「+1」事件の主犯の1人。殺人願望を持つ人間を引きつける絵と、身寄りのない孤独な人間を引きつける絵を描く事ができる。この能力を使い、「+1」事件における犯人と被害者とを選別していた。説子を切り捨てて美穂と共に国外へ逃亡しようとしていたが、美穂になりすました説子によって殺害される。
筒見説子
声 - 松下こみな
DS版に登場。姉妹の美穂真澄同様「+1」事件の主犯の1人。幼い頃から両親に虐待を受けており、海難事故に見せかけて殺されかけたが、無事に生還した。しかし以後は蔵の中に閉じ込められ、死んだものとして処理された。その後美穂と真澄に助けられ、「+1」事件に関わる事になる。説子は死人扱いなので戸籍にも記録が残っていない事を利用し、実際の殺人の犯行を受け持つ事で美穂と真澄のアリバイを確保していた。しかし、美穂と真澄が自分を切り捨てて国外へ逃亡する心づもりであることを知った説子は2人を殺害。単身国外へ逃げようとしていたが、港でネウロと弥子に追い詰められ、全ての罪を認める。

読切版の犯人

読切で登場した犯人。

皆川翔太(みながわ しょうた)
読切版一作目の犯人で、9歳の小学生。母親の再婚相手である皆川茂(みながわ しげる)に自分が精一杯愛嬌を振りまいたにも関わらず、向こうが大した反応を示さなかった為、「自分をナメている」と判断し殺害した。最初は普通の小学生の様な素振りを見せていたが、ネウロにトリックを暴かれると一変して、態度や言葉遣いが生意気になり、「誰であっても自分をナメる事は許さない」という我侭な主張を繰り返す。その後、謎を喰い終えたネウロにナメられた事で心が折れ、今後は謙虚に生きる事を決意した。
白金太一(しろがね たいち)
読切版二作目の犯人で、企画会社社員。自分をフッた同僚の赤坂恵美(あかさか めぐみ)飛び降り自殺に見せかけて殺害した。普段はおとなしそうな顔つきだが、犯行時などには目を見開き、顔中に血管が浮き出た凄まじい形相になり、口調も荒々しくなる。犯行発覚後は弥子にも襲い掛かったが、ネウロに阻まれ叩きのめされた。出現した『謎』の風貌がどことなく本人に似ており、自我を持っていたが、捨て台詞を吐いただけでネウロに食べられた。
余談だが、パラレルワールド設定としてか週刊連載の第一話にて、桂木誠一の葬儀の弔問者にまぎれて登場している。