「イースター・バニー」の版間の差分
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[[File:Easter Bunny Postcard 1907.jpg|thumb|イースター・バニーを描いた1907年の絵ハガキ。]] |
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'''イースター・バニー''' ([[英語]]:'''Easter Bunny'''、'''Easter Rabbit'''、'''Easter Hare'''とも) は、[[イースター・エッグ]]を運んでくる[[ウサギ]]のキャラクターである。 |
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当初はドイツの[[ルーテル教会|ルーテル教徒]]から広がったもので、野ウサギが裁判官の役を演じて復活祭の季節の始めに、子どもたちが良い子だったか反抗的なふるまいだったかを評価していた<ref>{{cite book|last=Cross|first=Gary|title=Wondrous Innocence and Modern American Children's Culture|year=2004|publisher=Oxford University Press|isbn=0195348133}}</ref>。 |
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イースター・バニーは、しばしば服を着た姿で表現される。 |
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伝承によれば、このウサギは、カラフルな卵やキャンディ、ときにはおもちゃをバスケットに入れて子どもたちの家に届けるという。 |
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祝日の前夜に子どもたちに贈り物を届けるという点では、イースター・バニーは[[サンタクロース]]に似ている。 |
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この慣習についての最初の記述は、1682年[[ゲオルグ・フランク・フォン・フランケナウ]]による『 De ovis paschalibus ([[イースター・エッグ]]について)』である<ref>{{Cite book | first=Georg |last=Franck von Franckenau | authorlink=Georg Franck von Franckenau | title=Disputatione ordinaria disquirens de ovis paschalibus / von Oster-Eyern | place=Heidelberg | year=1682 | series=Satyrae Medicae | volume=XVIII | page=6 | url=http://www.europeana.eu/resolve/record/09428/16F89A4DE8E09EA88DE2CFDFC5443B4D04B40E1F | accessdate=18 July 2013}}</ref> |
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<ref>[http://www.occultcenter.com/2008/03/easter_bunny_origins/ Easter Bunny - What Does He Have To Do With Easter?], occultcenter.com</ref>。 |
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ここでゲオルグは、野ウサギが子どもたちにイースター・エッグを運んでくるというドイツの伝承について触れている。 |
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[[復活祭]]当日に行われる[[礼拝]]で、特に子どもたちへの訓話のために、生きた野ウサギを連れてくるところも多くある<ref>{{cite web|last=Smith|first=Brian|title=Holy hare helps out at local church|url=http://kentwired.com/holy-hare-helps-out-at-local-church/|publisher=Kent State University|accessdate=2 April 2013}}</ref>。 |
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==シンボル== |
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[[File:Paderborner Dom Dreihasenfenster.jpg|thumb|250px|left|[[ドイツ]]、[[パーダーボルン大聖堂]]の三羽のウサギの窓( Dreihasenfenster )。]] |
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===ウサギ=== |
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ウサギは、中世の教会芸術では一般的なモチーフだった。 |
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古代には、ウサギは[[雌雄同体]]だと広く信じられており、[[ガイウス・プリニウス・セクンドゥス|プリニウス]]、[[プルタルコス]]、[[フィロストラトス]]、[[アイリアノス]]も同様だった<ref name=meaning>Chris Chapman [http://www.chrischapmanphotography.co.uk/hares/index.html Three Hares Project], ''What does the Symbol Mean?''</ref><ref>{{cite web|url=http://www.jstor.org/discover/10.2307/2869713?uid=3739864&uid=2129&uid=2&uid=70&uid=4&uid=3739256&sid=56001544743|title=Rosalind, the hare, and the hyena in Shakespeare's As You Like It|author=Marta Powell Harley|publisher=Shakespeare Quarterly|accessdate=2013-12-9}}</ref><ref>{{cite web|url=http://penelope.uchicago.edu/pseudodoxia/pseudo317.html|title=Sir Thomas Browne (1646; 6th ed., 1672) Pseudodoxia Epidemica III:xvii (pp. 162-166)|accessdate=2013-12-9}}</ref>。 |
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ウサギは[[処女|処女性]]を失わずに繁殖することができる、という考え方から、ウサギは[[イエスの母マリア|聖母マリア]]と関連付けられるようになり、[[装飾写本]]や[[北方ルネサンス]]絵画で聖母マリアや[[イエスの幼少時代|幼子キリスト]]と共に描かれることも多かった。 |
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また[[三位一体]]、すなわちと関連付けられて、三羽のウサギがモチーフとなることもあった。 |
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この場合、「三つが一つ、一つが三つ」を表すため、三角形もしくは三羽が連結した輪の形をとるのが一般的である<ref name=meaning/><ref>{{cite web|url=http://threehares.blogspot.com/2006/02/why-three-hares_25.html |title=Three Hares as representation of the Trinity |publisher=Threehares.blogspot.com |date=2006-02-25 |accessdate=2010-06-29}}</ref>。 |
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イギリスでは通常、このモチーフは教会の目立つ場所、例えば[[内陣]]の屋根や[[身廊]]の[[ヴォールト|リブ・ヴォールト]]中央などに現れる。 |
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[[File:Chocolate-Easter-Bunny.jpg|thumb|140px|チョコレートでできたイースター・バニー]] |
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このことは、教会にとってこのシンボルが重要なことを意味しており、石工もしくは大工の[[背丁]]であるという理論に疑いを投げかけるものである<ref name="Chapman">{{cite web | url=http://www.chrischapmanphotography.com/hares/ | title=The Three Hares Project | author=Chapman, Chris | year=2004 | accessdate=2008-11-11}}</ref>。 |
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さらに次のような伝承もある。 |
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『若いウサギは、友人[[イエス・キリスト|イエス]]が[[ゲッセマネ]]の園に戻るまでの三日間、心配しながら待っていたが、イエスになにが起こっているのか、ほとんど何も分かっていなかった。 |
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イースターの早朝、イエスはお気に入りの庭に戻り、友である動物に歓迎された。その日の夕刻、祈りのために弟子たちが庭にやってきて、美しい[[デルフィニウム属|デルフィニウム]]の小道を見つけた。 |
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デルフィニウムは、中心にウサギの形をした花を咲かせていて、その小さくて誠実な生き物の、忍耐と希望を表していた<ref>{{cite web|last=Tucker|first=Suzetta|title=ChristStory Bestiary|url=http://ww2.netnitco.net/~legend01/rabbit.htm|publisher=Official House Rabbit Society Home Page|year=1998|accessdate=2 April 2013}}</ref>。』 |
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卵は、ウサギ同様、古代には豊穣のシンボルであった。 |
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早春に鳥は卵を産み、ウサギは子どもを産むことから、卵やウサギは、地球が生命にあふれる豊かな[[春分]]の象徴となった{{Citation needed|reason=It's not real|date=October 2011}}。 |
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ウサギは多産な種畜である。 |
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この現象は、[[過剰受胎]]として知られる。 |
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[[ウサギ目]]に属する動物は早熟で、一年に何度も出産することができるため、「ウサギのように産む( breed like bunnies )」と表現されることがある。 |
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このように、ウサギが豊穣のシンボルとされ、復活祭の民間伝承に取り入れられていったのは、自然なことであった。 |
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===卵=== |
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卵を装飾するという古来の習慣の、正確な起源は分かっていない。 |
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しかし明らかに、多くの花が春に開花することと、豊穣のシンボルである卵を使うことには関連性がある。 |
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花で染色された茹で卵は、家々に春を運ぶのである。 |
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[[正教会|東方正教会派]]のキリスト教信者の多くは、今日でもイースター・エッグを赤く染めるのが一般的である<ref>[http://greekfood.about.com/od/greekcookingtips/ht/redeggs.htm How To Dye Red Eggs with Onion Skins for Greek Easter] by Nancy Gaifyllia |
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from Your Guide to Greek Food on About.Com Accessed April 9, 2008</ref>。 |
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赤は血の色であり、キリストの血による贖い、そして春の生命の再生を確認するのである。 |
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卵のいくつかは緑に染められるが、これは長い冬の休眠時期が終わって新しい芽吹きを迎えたことを記念している。 |
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ドイツの[[プロテスタント]]は、[[カトリック教会]]の習慣を引き継いで、色付けした卵をイースターに食べるが、子どもたちに[[断食]]させる習慣の継続は望まなかった。 |
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カトリック教会では、[[四旬節]]の断食期間に卵を食べることは禁忌であり、そのため復活祭の時期にはたくさんの卵が準備されることになる<ref>[http://www.irishcultureandcustoms.com/ACalend/ShroveTues.html Shrove Tuesday Pancakes!] by Bridget Haggerty - Irish Culture & Customs, World Cultures European, paragraph 5 line 2 refers to the catholic custom of abstaining from eggs during Lent. Accessed 3/1/08</ref>。 |
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卵を奥ウサギの概念がアメリカに伝わったのは、18世紀のことである。 |
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「 Hase 」は「 hare ([[ノウサギ属|ノウサギ]])」の意で、「[[ウサギ]]」ではない。 |
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北ヨーロッパの伝承では、「イースター・バニー」はノウサギであってウサギではないのである。 |
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伝統に従えば、復活祭前に[[帽子]]や[[ボンネット]]の中に作った巣に、色付けされた卵の贈り物を受け取ることができるのは、良い子どもたちだけである<ref>[http://www.lhmint.org/easter/symbols.htm Easter Symbols] from Lutheran Hour Ministries. Accessed 2/28/08]</ref>。 |
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1835年[[ヤーコプ・グリム]]は、これによく似た内容を持つドイツの神話について書き記した。 |
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これらは 復活したゲルマンの女神*[[エオストレ]]の伝承に由来するのではないかと考えた<ref>Grimm, Jacob (1835). ''Deutsche Mythologie'' (German Mythology); From English released version ''Grimm's Teutonic Mythology'' (1888)</ref>。 |
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他の文化にも、イースター・バニーとよく似た伝承が見られる。 |
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ドイツ移民により、19世紀後期のスウェーデンにもイースター・バニーの概念は伝わったが、その習慣が根付くことはなかった。 |
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むしろイースター・バニーのスウェーデン語「 Påskharen 」の発音が、「イースターの男」「イースターの魔法使い」を意味する「 Påskkarlen 」とよく似ていたため、20世紀初期に、イースターの魔法使いが卵を持ってくるというスウェーデンの伝統が確立した。 |
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イースターの魔法使いは異教の習慣にふさわしいシンボルとみなされ、スウェーデンでは現在も、イースターに子どもたちが魔女の仮装をする。 |
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| caption2 = マシュマロで作られたウサギとキャンディで作られた卵がイースターのバスケットに入れられている |
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| caption3 = イースター・バニーのチョコレート型。[[アルザス地域圏|アルザス]]のジンジャーブレッド博物館にて。 |
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==脚注== |
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== 外部リンク == |
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* [http://ww2.netnitco.net/~legend01/rabbit.htm The Origin of the Easter Bunny - ChristStory Bestiary] |
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* [http://steadfastlutherans.org/?p=28531 The Origin of Popular Easter Symbols] |
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* [http://landscaping.about.com/cs/pests/a/easter_rabbit.htm Easter Origins and the Easter Bunny] |
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* [[Charles J. Billson]]. "[[s:Folk-Lore. Volume 3/The Easter Hare|The Easter Hare]]". ''Folk-Lore''. Vol. 3, No. 4 (December 1892). |
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[[Category:CMキャラクター]] |
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[[Category:ドイツの伝承]] |
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[[Category:架空のウサギ]] |
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2013年12月14日 (土) 15:21時点における版
イースター・バニー (英語:Easter Bunny、Easter Rabbit、Easter Hareとも) は、イースター・エッグを運んでくるウサギのキャラクターである。
当初はドイツのルーテル教徒から広がったもので、野ウサギが裁判官の役を演じて復活祭の季節の始めに、子どもたちが良い子だったか反抗的なふるまいだったかを評価していた[1]。
イースター・バニーは、しばしば服を着た姿で表現される。 伝承によれば、このウサギは、カラフルな卵やキャンディ、ときにはおもちゃをバスケットに入れて子どもたちの家に届けるという。 祝日の前夜に子どもたちに贈り物を届けるという点では、イースター・バニーはサンタクロースに似ている。
この慣習についての最初の記述は、1682年ゲオルグ・フランク・フォン・フランケナウによる『 De ovis paschalibus (イースター・エッグについて)』である[2] [3]。 ここでゲオルグは、野ウサギが子どもたちにイースター・エッグを運んでくるというドイツの伝承について触れている。
復活祭当日に行われる礼拝で、特に子どもたちへの訓話のために、生きた野ウサギを連れてくるところも多くある[4]。
シンボル
ウサギ
ウサギは、中世の教会芸術では一般的なモチーフだった。 古代には、ウサギは雌雄同体だと広く信じられており、プリニウス、プルタルコス、フィロストラトス、アイリアノスも同様だった[5][6][7]。 ウサギは処女性を失わずに繁殖することができる、という考え方から、ウサギは聖母マリアと関連付けられるようになり、装飾写本や北方ルネサンス絵画で聖母マリアや幼子キリストと共に描かれることも多かった。
また三位一体、すなわちと関連付けられて、三羽のウサギがモチーフとなることもあった。 この場合、「三つが一つ、一つが三つ」を表すため、三角形もしくは三羽が連結した輪の形をとるのが一般的である[5][8]。 イギリスでは通常、このモチーフは教会の目立つ場所、例えば内陣の屋根や身廊のリブ・ヴォールト中央などに現れる。
このことは、教会にとってこのシンボルが重要なことを意味しており、石工もしくは大工の背丁であるという理論に疑いを投げかけるものである[9]。
さらに次のような伝承もある。 『若いウサギは、友人イエスがゲッセマネの園に戻るまでの三日間、心配しながら待っていたが、イエスになにが起こっているのか、ほとんど何も分かっていなかった。 イースターの早朝、イエスはお気に入りの庭に戻り、友である動物に歓迎された。その日の夕刻、祈りのために弟子たちが庭にやってきて、美しいデルフィニウムの小道を見つけた。 デルフィニウムは、中心にウサギの形をした花を咲かせていて、その小さくて誠実な生き物の、忍耐と希望を表していた[10]。』
卵は、ウサギ同様、古代には豊穣のシンボルであった。 早春に鳥は卵を産み、ウサギは子どもを産むことから、卵やウサギは、地球が生命にあふれる豊かな春分の象徴となった[要出典]。
ウサギは多産な種畜である。 雌のウサギは、最初の子どもがまだお腹の中にいるうちに、次の子どもを宿すことができる[11]。 この現象は、過剰受胎として知られる。 ウサギ目に属する動物は早熟で、一年に何度も出産することができるため、「ウサギのように産む( breed like bunnies )」と表現されることがある。 このように、ウサギが豊穣のシンボルとされ、復活祭の民間伝承に取り入れられていったのは、自然なことであった。
卵
卵を装飾するという古来の習慣の、正確な起源は分かっていない。 しかし明らかに、多くの花が春に開花することと、豊穣のシンボルである卵を使うことには関連性がある。 花で染色された茹で卵は、家々に春を運ぶのである。 東方正教会派のキリスト教信者の多くは、今日でもイースター・エッグを赤く染めるのが一般的である[12]。 赤は血の色であり、キリストの血による贖い、そして春の生命の再生を確認するのである。 卵のいくつかは緑に染められるが、これは長い冬の休眠時期が終わって新しい芽吹きを迎えたことを記念している。
ドイツのプロテスタントは、カトリック教会の習慣を引き継いで、色付けした卵をイースターに食べるが、子どもたちに断食させる習慣の継続は望まなかった。 カトリック教会では、四旬節の断食期間に卵を食べることは禁忌であり、そのため復活祭の時期にはたくさんの卵が準備されることになる[13]。
卵を奥ウサギの概念がアメリカに伝わったのは、18世紀のことである。 ペンシルベニア・ダッチ区域に住むドイツ移民は、子どもたちに「 Osterhase ( Oschter Haws ) 復活祭のウサギ」について語りきかせた[14][15]。 「 Hase 」は「 hare (ノウサギ)」の意で、「ウサギ」ではない。 北ヨーロッパの伝承では、「イースター・バニー」はノウサギであってウサギではないのである。 伝統に従えば、復活祭前に帽子やボンネットの中に作った巣に、色付けされた卵の贈り物を受け取ることができるのは、良い子どもたちだけである[16]。 1835年ヤーコプ・グリムは、これによく似た内容を持つドイツの神話について書き記した。 これらは 復活したゲルマンの女神*エオストレの伝承に由来するのではないかと考えた[17]。
他の文化にも、イースター・バニーとよく似た伝承が見られる。 ドイツ移民により、19世紀後期のスウェーデンにもイースター・バニーの概念は伝わったが、その習慣が根付くことはなかった。 むしろイースター・バニーのスウェーデン語「 Påskharen 」の発音が、「イースターの男」「イースターの魔法使い」を意味する「 Påskkarlen 」とよく似ていたため、20世紀初期に、イースターの魔法使いが卵を持ってくるというスウェーデンの伝統が確立した。 イースターの魔法使いは異教の習慣にふさわしいシンボルとみなされ、スウェーデンでは現在も、イースターに子どもたちが魔女の仮装をする。
脚注
- ^ Cross, Gary (2004). Wondrous Innocence and Modern American Children's Culture. Oxford University Press. ISBN 0195348133
- ^ Franck von Franckenau, Georg (1682). Disputatione ordinaria disquirens de ovis paschalibus / von Oster-Eyern. Satyrae Medicae. XVIII. Heidelberg. p. 6 18 July 2013閲覧。
- ^ Easter Bunny - What Does He Have To Do With Easter?, occultcenter.com
- ^ Smith, Brian. “Holy hare helps out at local church”. Kent State University. 2 April 2013閲覧。
- ^ a b Chris Chapman Three Hares Project, What does the Symbol Mean?
- ^ Marta Powell Harley. “Rosalind, the hare, and the hyena in Shakespeare's As You Like It”. Shakespeare Quarterly. 2013年12月9日閲覧。
- ^ “Sir Thomas Browne (1646; 6th ed., 1672) Pseudodoxia Epidemica III:xvii (pp. 162-166)”. 2013年12月9日閲覧。
- ^ “Three Hares as representation of the Trinity”. Threehares.blogspot.com (2006年2月25日). 2010年6月29日閲覧。
- ^ Chapman, Chris (2004年). “The Three Hares Project”. 2008年11月11日閲覧。
- ^ Tucker, Suzetta (1998年). “ChristStory Bestiary”. Official House Rabbit Society Home Page. 2 April 2013閲覧。
- ^ Lumpkin, Susan; John Seidensticker (2011). Rabbits: The Animal Answer Guide. JHU Press. ISBN 0-8018-9789-0. p. 122.
- ^ How To Dye Red Eggs with Onion Skins for Greek Easter by Nancy Gaifyllia from Your Guide to Greek Food on About.Com Accessed April 9, 2008
- ^ Shrove Tuesday Pancakes! by Bridget Haggerty - Irish Culture & Customs, World Cultures European, paragraph 5 line 2 refers to the catholic custom of abstaining from eggs during Lent. Accessed 3/1/08
- ^ “Gruß vom Osterhasen: Oschter Haws Song : GERMAN WORLD MAGAZINE”. Germanworldonline.com (2011年4月23日). 2013年3月31日閲覧。
- ^ “Easter on the Net - The Easter Bunny”. Holidays.net. 2013年3月31日閲覧。
- ^ Easter Symbols from Lutheran Hour Ministries. Accessed 2/28/08]
- ^ Grimm, Jacob (1835). Deutsche Mythologie (German Mythology); From English released version Grimm's Teutonic Mythology (1888)
外部リンク
- The Origin of the Easter Bunny - ChristStory Bestiary
- The Origin of Popular Easter Symbols
- Easter Origins and the Easter Bunny
- Charles J. Billson. "The Easter Hare". Folk-Lore. Vol. 3, No. 4 (December 1892).