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「大阪弁」の版間の差分

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m (京都弁では、それぞれ標準語でいうところの「行けない」「出せない」と不可能を表す意味になる)
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** 「ある」の丁寧語。「ございます」が変化したもので、船場の商家言葉。「おます」よりも一段敬意が高い。否定形は「ごわへん」または「おわへん」。
** 「ある」の丁寧語。「ございます」が変化したもので、船場の商家言葉。「おます」よりも一段敬意が高い。否定形は「ごわへん」または「おわへん」。
* 否定形の表現 (例)膝は笑えへんやろ。 そんな奴おれへんやろ。
* 否定形の表現 (例)膝は笑えへんやろ。 そんな奴おれへんやろ。
** 通常の否定では「'''a+へん'''」よりも「'''e+へん'''」を多用する。 (例)行けへん。 出せへん。 (京都弁ではそれぞれ「行けない」「出せない」と不可能を表す)
** 通常の否定では「'''a+へん'''」よりも「'''e+へん'''」を多用する。 (例)行けへん。 出せへん。 (京都弁ではそれぞれ標準語でいうところの「行けない」「出せない」と不可能を表す意味になる
*** ただし「e+へん」を多用する人でも、「構わない」では「かめへん」より「'''かまへん'''」を使うことが多い。
*** ただし「e+へん」を多用する人でも、「構わない」では「かめへん」より「'''かまへん'''」を使うことが多い。
*** ちなみに「e+ん」(つまり「連用形+ん」)では不可能表現となる。 (例)行けん。 出せん。
*** ちなみに「e+ん」(つまり「連用形+ん」)では不可能表現となる。 (例)行けん。 出せん。

2008年5月16日 (金) 02:55時点における版

大阪弁(おおさかべん)は、大阪市で使われる日本語の方言で、近畿方言(関西弁)の一種。

大阪府下の方言は大まかに、かつての令制国摂津国河内国和泉国)に基づいて摂津弁河内弁泉州弁に分けられ、これらの総称が広義での「大阪弁」である(各方言の詳細はそれぞれの項目を参照のこと)。摂津弁のうち大阪市船場の商家言葉は独自の発達を遂げており、船場言葉として区別される。

漫才などを通じて見聞きされることが多く、全国的に認知度が高い。そのためマスメディアでも言葉の意味や言い回しについて解説を不要とされるケースが多い。

特徴・表現

近畿方言全般で見られるものは近畿方言を参照。

  • 文末の省略 (例)これが大阪城でおま。 あんじょうさせてもろてま。
    • 大阪は商人の町として発展したために曖昧で互いに角を立てない表現が発達した。文末の省略はその象徴的なもので、一見すると肯定しているのか否定しているのかはっきりしないことがある。
  • 連音・促音 (例)プラッチック(←プラスチック) やーもっさん(←山本さん)
    • 近畿方言全般で見られる特徴だが、特に大阪弁では顕著である。
  • だす」 (例)これが大阪城だす。
    • 共通語の「です」に相当する表現。「でやす」が江戸末期から明治初期にかけて変化したものとされる。「だぁ」と省略されることもあった。後ろに終助詞が接続すると促音化、撥音化する。 (例)だすか→だっか、だすえ→だっせ、だすやろ→だっしゃろ、だすな→だんな、だすねん→だんねん
    • 船場では「だす」はほとんど用いず、「ございます」あるいは標準語「です」(明治以降)が多用されたという。
  • おます」 (例)これが大阪城でおます。 よろしゅ(う)おます。
    • 「ある」の丁寧語。形容詞の連用形(ウ音便)の後ろにもつく。船場ではあまり用いなかったという。
  • ごわす」「ごあす」 (例)ここにごわす。 おいしゅうごわす。
    • 「ある」の丁寧語。「ございます」が変化したもので、船場の商家言葉。「おます」よりも一段敬意が高い。否定形は「ごわへん」または「おわへん」。
  • 否定形の表現 (例)膝は笑えへんやろ。 そんな奴おれへんやろ。
    • 通常の否定では「a+へん」よりも「e+へん」を多用する。 (例)行けへん。 出せへん。 (京都弁では、それぞれ標準語でいうところの「行けない」「出せない」と不可能を表す意味になる)
      • ただし「e+へん」を多用する人でも、「構わない」では「かめへん」より「かまへん」を使うことが多い。
      • ちなみに「e+ん」(つまり「連用形+ん」)では不可能表現となる。 (例)行けん。 出せん。
    • 不可能表現では「未然形+れへん」が使われる。京都弁と同様の不可能表現「連用形+へん」ではない理由としては、「連用形+れへん」では上記の「e+へん」と同音になってしまい、区別する必要が生じたためである。 (例)行かれへん。 出されへん。
  • もうかりまっか
    • 「儲かりますか」の転訛。いかにも金に細かい大阪人らしい表現として喧伝され、大阪弁の代名詞ともいうべき有名なフレーズだが、実際のところ「もうかりまっか」を用いる大阪商人は少なかったといい、「どう(どない)でっか」「負けてはりまっか」「お忙しおまっか」などが一般的な商人の挨拶だったという。ただし「もうかりまっか」の対として有名な「ぼちぼちでんな」(「ぼちぼちですな」の転訛)については現在も多用される表現である。[1]

船場言葉

船場言葉(せんばことば)は、大阪市船場の商家で用いられてきた言葉。

江戸時代から近代初期にかけて、船場は日本最大の商業都市大阪の中心地として大いに繁栄し、船場の言葉は商業社会の共通語として広く使われた。豊臣秀吉が船場を開発した当初はから強制移住させられた商人が大半を占めていたが、その後は平野商人、伏見商人らが台頭。江戸時代中期には近江商人が船場へ進出した。このような経緯から船場言葉は、堺の言葉を基本に平野や伏見(京言葉)や近江(近江弁)の言葉が混ざり合って成立し、特に京言葉は当時最も規範的で上品とされていたために一際強い影響を与えた。

商いという職業柄丁寧な言葉遣いが求められたため、独自のまろやかな語感、表現が発達した。話し相手や状況によって語尾を截断したかのように省くものから複雑な変化をする。暖簾を守る船場商人に限っては、経営者一族と従業員の各自へ独特の呼称を固定して用いた。

明治以後、兵庫県芦屋市周辺に多くの豪商達が移住したこと(阪神間モダニズム)、大阪大空襲や戦後の混乱により旧来住人が離散したこと、商習慣が変化したことなどが原因となって、今では古典落語の一部などで耳にする他、高齢者とその近親者にしか残されていない。

しゃれ言葉

大阪では様々な駄洒落言葉が発達し、現在でも通用するものがいくつかある。

  • 白犬のおいど:おもしろい(尾も白い)
  • 黒犬のおいど:おもしろうない(尾も白うない)
  • 牛のおいど:物知り(モーの尻)
  • うどん屋の釜:言うばかり(湯ぅばかり)
  • 雪隠場の火事:やけくそ(焼け糞)
  • 五合とっくり:一生つまらん(一升詰まらぬ)
  • 蟻が十匹、猿が五匹:ありがとうござる(蟻が十、五猿)

脚注

  1. ^ 札埜和男著『大阪弁「ほんまもん」講座』新潮社ISBN 978-4-10-610160-1

関連項目

外部リンク