「名蔵アンパル」の版間の差分
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2008年4月13日 (日) 15:50時点における版
座標: 北緯24度23分40秒 東経124度8分40秒 / 北緯24.39444度 東経124.14444度 名蔵アンパル(なぐらあんぱる、名蔵網張)は沖縄県石垣市にある干潟およびマングローブ林を含む地域である。なお、地元では単にアンパルと呼ばれているが、アンパルには網張という漢字があてられ、「網を張って漁をする」あるいは「人頭税からの逃亡者を捕える」の意味がある[1]。
概要
石垣島西部、名蔵湾奥の名蔵川河口周辺の干潟およびマングローブ林を中心とした約160haの地域である。このマングローブ林は環境省の特定植物群落である「名蔵川河口域のマングローブ林」に指定されている。名蔵アンパルには亜熱帯気候特有の動植物が分布しており、特に貴重な野鳥の飛来地、生息地となっている。このことから、2003年(平成15年)11月1日にそれまでの沖縄県指定の名蔵鳥獣保護区(集団渡来地)から国指定の鳥獣保護区(特別保護地区)に格上げされ、約74haの地域が指定された。2004年(平成16年)11月11日には既存区域の後背地がカンムリワシなどの給餌、休息等の場所として重要なことから、約157haに区域が拡張された。2005年(平成17年)11月8日にはほぼ同一区域がラムサール条約登録地となった。
地形・地質
名蔵アンパルは入り江となっており、その入り江に土砂が堆積し、マングローブ林が形成された。沿岸部には砂嘴が形成されている。海岸は珊瑚礁の破片堆積物によって構成されている。
動物相
干潟域およびマングローブ林に特徴的な底生生物(貝類、甲殻類)やそれらを餌とする多様な鳥類が生息、あるいは渡りの休憩地として利用している。
貝類
カニノテムシロ、カノコガイ、カヤノミカニモリ、キバウミニナ[2]、コゲツノブエ、ネジヒダカワニナ、ヒルギシジミ、リュウキュウウミニナなど(貝類レッドリスト (環境省)参照)。
甲殻類
魚類
爬虫類・両生類
鳥類
環境省による2002年(平成14年)の調査では、170種(亜種含む)の生息が確認されている。以下に全てを記す。
- 凡例
区分列
RL列:2006年(平成18年)12月22日公表の最新版鳥類レッドリストによるカテゴリ。カテゴリの詳細は、レッドリスト及びレッドデータブック (環境省)を参照。
- CR:絶滅危惧IA類
- EN:絶滅危惧IB類
- VU:絶滅危惧II類
- NT:準絶滅危惧
- DD:情報不足
備考列
- 特別天然:国指定特別天然記念物
- 天然:国指定天然記念物
- 鳥類天然記念物一覧も参照。
- 希少:「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」による国内希少野生動植物種
哺乳類
植物相
マングローブ植物はオヒルギ、ハマザクロ、ヒルギダマシ、ヒルギモドキ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギの計6種が生育している。後背地には、シマシラキ、シャリンバイ、ミフクラギなどが生育している。防風林としてモクマオウが植林されている。海浜にはミルスベリヒユとソナレシバが帯状に分布している[1]。
民謡
地元では名蔵アンパルを舞台とした「アンパルヌミダガーマユンタ」(網張ぬ目高蟹ユンタ)という蟹達が登場する民謡が歌い継がれている。ユンタとは八重山地方で共同作業の時に謡われる結い歌である。
脚注
- ^ a b 林秀美ら著 『新・分県登山ガイド46 沖縄県の山』株式会社山と溪谷社、2006年、pp.78-79、ISBN 4-635-02346-X。
- ^ ただし、名蔵アンパルの個体群は人為移入ではないかと考えられている。キバウミニナ#分布を参照。
- ^ 沖縄県野鳥研究会編 『改訂 沖縄県の野鳥』、有限会社沖縄出版、1993年、ISBN 4-9000668-32-x。
- ^ 嵩原建二 『沖縄県の在来の生物に対して悪影響を及ぼす外来種 【鳥類】』 改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(動物編)、2005年、p.531。
参考文献
- 環境省「国指定名蔵アンパル鳥獣保護区 名蔵アンパル特別保護区 指定計画書(区域の拡張)(案)」、2004年
- 市川市、東邦大学東京湾生態系研究センター共編『干潟ウォッチング フィールドガイド』誠文堂新光社、2007年、ISBN 978-4-416-70716-6