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GPSにより、飛行記録を三次元的に秒単位で記録することが可能となる。日常の飛行記録のほか、大会の[[パイロン]]競技で用いられる。パラグライダーで利用する上では、シリンダー機能(指定した半径の円筒内に入ったかどうかを知らせる機能)が付いているものが望ましい。 |
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これは用途を問わずに使用可能であり、一般にハイキングなどのレジャーなどにも用いられており、無線機の価格も安価である。法定出力が小さい(最大10mW)ために、遠距離の通信は困難となる。<br> |
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出力が500mWまで許可されており、比較的遠距離の通信も可能である。しかし、現在小型の無線機が市販されていないために、不向きである。<br> |
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出力が5Wまで許可されており、比較的遠距離の通信も可能である。しかし、現在小型の無線機が市販されていないために、不向きである。また、2022年には制度の廃止も予定されている。<br> |
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*[[簡易業務無線]](資格不要・局免許不要)<br> |
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資格も必要なく、出力も比較的大きいが、上空での使用は禁止されているため、飛行中の使用ができない。地上での教習、誘導はできるが、パラグライダー向きではない。<br> |
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2007年2月22日 (木) 14:36時点における版
パラグライダー (Paraglider) はスカイスポーツの一種。パラグライディングとも。このスポーツの総称をパラグライディング、飛行するための機体一式をパラグライダーと区分することもある。FAIカテゴリーではハンググライダーの一種に分類されている。
概要
装備重量は20 kg程度で、人間一人の力で持ち運べる。パイロットは、ハーネスという装備に座り、操縦装置を持って滑空する。
パイロットは、まず風に正対して翼を地面に広げ、向い風で翼を真上に上げ、滑空状態にしてから離陸する。機体の滑空比(6:1から10:1程度)が斜面の傾斜より浅いため、数m程度の助走で離陸する。上昇気流を利用しながら飛行を楽しんで、(多くの場合は)山の麓に用意してある着陸場に着陸する。巡航速度は36km/h程度。20 km/hから60 km/h程度(対気速度)の速度域で飛ぶことが出来る。着陸のときは、着陸場近くで高度処理をし、着陸点(ターゲット)へ、向かい風の下、フレアー操作とともに足から降りて着陸する。
飛行には気象条件が大きく影響し、雨のとき、風速6m/s以上の風が吹くとき、離陸場正面からの風が入らないとき、気流が大きく乱れているときなどは離陸しない様指導されている。
日本の航空法では航空機ではないため、国家資格は必要としない。フライヤーは、社団法人 日本ハング・パラグライディング連盟 (JHF) もしくは日本パラグライダー協会 (JPA) による技能証(パイロット証)所持者であれば、全国の管理されたフライトエリアにおいてフライトできることになっている。ちなみに、JPA公認スクールが管理するエリア以外では、JPA技能証でのフライトは断られることもある。なお、JHF・JPAいずれの会員証にも第三者賠償責任保険は付けられている。
民間航空規約では航空機とされる。単独飛行に際しては、技術と知識が必要なため、スクールに入り、飛行技術と航空理論、法規及び気象学の教習を受ける必要がある。
また、パラグライダーは、クラス3(FAI Sub-class O-3 剛性の一次構造を持たないもの)のハンググライダーに分類されている。
歴史と現況
原型はNASAの開発した、宇宙船回収用のパラフォイル(柔軟翼)である。現在のパラグライダーは、1978年頃、フランスのスカイダイバーが山の斜面からパラシュートで下りたのが始まりと言われる。日本で普及し始めたのは1986年から。2003年現在、北海道から沖縄まで約100ヶ所のフライトエリアと1万9千人(JHFフライヤー会員登録者数)の愛好家がいる。
国内の統括団体としては、文部科学大臣に公益法人として許可された社団法人日本ハング・パラグライディング連盟 (JHF) があり、パラグライダーが日本に紹介された初期段階からパラグライダーの発展と普及に寄与するとともに、安全性向上を目的とした指導員の育成、適正技能証の発行及び第三者賠償保険制度を目的としたJHFフライヤー登録制度などの環境整備を行った。
他にも、JHFの役割としては、国土交通省が制定した「優良スカイレジャーエリア認定制度」の認定業務の実施、他の航空関連団体(気球、グライダー、軽飛行機、スカイダイビングなど)との交流がある。他の航空関連団体との交流の目的としては、他の飛行機の特性を知り、また、その逆にハンググライダーやパラグライダーの飛行特性を知ってもらうことにより、ニアミス等の事故を回避するなどの安全性向上の目的もある。
パラグライダーそのものが社会的に認知されはじめた2003年末に、大手パラグライダー輸入業者とその系列パラショップによって、任意団体日本パラグライダー協会 (JPA) が新たに発足した。JPAは財団法人日本航空協会 (JAA) などの公的な航空関連法人の傘下に属さない任意団体で、独自基準による技能証の発行、及び第三者賠償責任保険への加入制度を開始した。パラグライダー団体の一本化を望む声は多く聞かれるが、営利目的とする団体と、非営利のスポーツ振興団体とでは、考え方に大きな違いがあり両者の溝は深く、一本化には至っていない。1992年頃にも、パラグライダー輸入業者によってPSAという団体が設立され、ライセンス発行するにまで至ったが、発足から2年足らずで幕を閉じた。PSAの終焉によりライセンス効力を逸してしまったフライヤーに対してJHFがライセンス発行を行った経緯がある。
構造・装備
パイロットは、グライダー、ハーネス、ヘルメット、手袋を装備しフライトを行う。この他にも、技能に応じて、無線機器(電波法&無線従事者)、携帯型GPS、アルチバリオメーターなどを装備する。他のスカイスポーツと違い、すべての機材を1つのリュックサックにまとめ、持ち運びが容易なため、山頂まで歩いて運んだり、海外にも受託手荷物として手軽に持って行くことが出来る。
グライダー
合成繊維で出来たキャノピー(翼)、ライン、そしてライザーから成る。キャノピーは空気圧でふくらみ、テイクオフ直前に滑空状態を得る。翼断面形状には前縁失速型、中立型、後縁失速型があり、翼厚比、最大キャンパーとその位置、前縁半径などの違いで、各々の機体により飛行特性が大きく異なる。前から見ると、多くは翼がアーチ型をしている。価格は30万円から60万円程度(2006年現在)である。パイロットは、自分の技量や目的に合ったグライダーに乗ることで、このスポーツをより楽しいものにすることができるだろう。
- グライダーの検査について
- グライダーは化学繊維によってできているため、紫外線や物理的ストレスにより経年劣化する。寿命は使い方や機種により大きく異なるが、多くは飛行時間200時間から300時間と言われている。なお、他国に比べ日本での買い替えサイクルは非常に早いと言われている。グライダーの劣化はラインの縮みや翼の空気透過率の増加といった見ただけでは判断できない部分に現れやすいため、注意が必要である。なお、劣化した機体は、翼の潰れ、失速やそれに伴うスピンなど危険な挙動を起しやすくなる。
- 検査は、主に、ライン長の測定、縫製の縫い目の目視確認、ライン、ライザーの目視確認、および翼の空気透過率の測定を行う。問題があればラインの牽引や縫製などを行う。いずれも高度な専門知識と専用の機材を必要とするため、メーカーなどに検査を出すことになる。
- 欧州ではグライダーの買い替えサイクルが非常に遅いこともあり、ドイツでは、自動車で言う車検制度のように、2年ごとに機体の検査を行うことが義務付けられている。JPAでは2006年度より、ドイツやフランスの検査システムを見習い、一部の系列ショップで機体検査 (GLIDERS CHECK) システムを始動させたが、買い替えサイクルの早い日本になじむかどうか疑問視する向きも多い。
- ブレーク
- 翼後方にラインで繋がれた操縦装置。その名はブレーキからきていて、パラグライダーの加速、減速、旋回、安定を行う。
- アクセル
- フットバーを足で踏むことにより、翼の迎角を変え、加速する装置。より多く踏むことにより迎角が小さくなり、早い大気速度を得ることが出来る。パラグライダーは剛性の翼を持たないため、迎角を小さくすると乱気流に弱くなり、翼の潰れが起こりやすくなるので注意が必要である。
- ライザー
- 翼から伸びるラインとハーネスを結ぶベルトのこと。進行方向から順番に、Aライザー(フロントライザー)、Bライザー、Cライザーと呼ぶ。フロントライザーはテイクオフ時に翼を立ち上げたり、失速状態からの回復において用いられ、リアライザー(一番後方のライザー)は、グラウンドハンドリングや着陸後に翼を潰すことなどに用いられ、パラグライダーの操縦装置の一つでもある。
- カラビナ
- 機体とハーネスを繋ぐ金具。パラグライダー専用の物が用いられる。消耗品であり、一見問題無いように見えても内部で腐食が進んでいることがあるので、2・3年に一度の交換が必要である。
ハーネス
キャノピー(翼)の下にサスペンションラインにより取り付けられ、パラグライダーの操縦席となる。衝撃から腰を守るためにプロテクターが入っている。多くのハーネスには緊急パラシュートが装備される。搭乗者は腰を固定するウエストベルトと、足を左右それぞれ固定するレッグベルトで身体をハーネスと結ぶ。飛行中はハーネスに腰掛けた形になるが、テイクオフ直後はレッグベルトで吊るされる形になるため、万が一レッグベルトを閉め忘れるとハーネスからすっぽ抜けて落下し、場合によっては死亡事故となることがある。このレッグベルトの閉め忘れが原因とされるテイクオフ直後の落下事故が一時期多発したため、現在販売されているハーネスでは、ウエストベルトとレッグベルトを一体化した「Tバックル」というベルトを採用したものや、「ゲットアップシステム」というウエストベルトさえ閉めていればすっぽ抜けて落下することを防ぐハーネスがほとんどである。また、これらの安全装置をつけてないハーネスでは飛行を禁じるエリア・スクールもある。
ただ、これらの装置が実装されていても落下事故は発生しており、2005年にはフライヤーがベルト類を一切締めずに飛び立ち死亡するという事故が起こっている。多くのスクールは飛び立つ前にクロスチェック(本人だけでなく、インストラクターや他のフライヤーなどの第三者にハーネスがしまっていることを確認してもらう作業)を行うことにしているが、残念ながら徹底されていないのが現実である。
- レスキューリング
- ハーネスと緊急パラシュートを繋ぐ金具(カラビナ)のこと。
緊急パラシュート
緊急パラシュートは通称を緊パラといい、レスキューパラシュート、または単にレスキュー、あるいはセカンドなどと呼ばれる。グライダーが破損もしくは制御不能に陥った場合に用いられ、ほぼ全てのフライトエリアでその装備が義務付けられている。緊急パラシュートの多くは操舵機能がなく、操縦が利かず降下のみを目的とする。3~5ヶ月に1回の頻度でリパック(パラシュートの畳み直し)を行わなければならない。これは巨大なパラシュートを強い力で圧縮しているため、機体の生地が湿気で張り付き、開傘速度が遅くなるためである。一般的に、リパックが一ヶ月間遅れるごとに開傘にかかる時間が1秒間遅くなると言われている。また、水たまり等にランディングし、ハーネスが酷く水に濡れた場合もリパックするのが望ましいとされている。JHFパイロット証以上のライセンス保持者は自らリパックを行えるが、JPA会員は、系列ショップに依頼することが義務づけられている。寿命は10年程度であり、劣化していると開傘時の衝撃で引き裂かれてしまうことがある。
通常は畳まれた状態でレスキューコンテナと呼ばれる小さな袋に収められていて、非常時にそれを手で引き出す。かつてはバネの力で引き出すものもあったが、ハーネスやコンテナの設計がより洗練されたため現在では手で引き出すのが最も早く、かつ信頼性があるとされている。レスキューコンテナの位置はハーネスのサイド、ハーネスの下部のひざの裏に当たる部分、そしてウエストベルトなどがあるが、現在はハーネス下部(ひざの裏)が主流である。サイドはハーネスのバランスを取るのが難しい。ウエストベルトに搭載するフロントコンテナは、目の前にレスキューのトグルがあるため安心感があり、またパニックになってもトグルを見つけられないと言う悲劇は避けられるが、このコンテナが邪魔になって足元の確認がしにくく、場合によっては前述の「レッグベルトの閉め忘れ」を誘発する可能性があるとして、使用を避ける向きがある。
使用手順としては、トグルを引いてレスキューコンテナを引き出し、機体に絡まらない方向にコンテナごと放り投げる。ただ、この「引き出す」と言う動作が意外に難しく、非力な女性・高齢者フライヤーや、あるいは男性フライヤーでも利き腕でない場合は引き出せないことがある。この多くはトグルを引く方向に問題があり、正しい方向に引っ張れば容易にコンテナを引き出すことができる。これは地上でもハーネスを吊るした状態で確認することが可能なので、リパック時に実際に引き出してみることが重要である。また、一部の古いハーネスでは、トグルを固定するのにベルクロ(マジックテープ)を使用しているが、現在では危険だとしてあまり使われていない。ベルクロは取り付けたまま放っておくと接着力が増し、いざと言うときにトグルが外れなくなってしまうためである。もしベルクロで固定されているタイプを使用するならば、定期的にいったん剥がしてまた取り付けなおすことが望ましい。
ヘルメット
パラグライダー用のヘルメットは、軽く、空中接触やツリーラン(木の上に不時着すること)などによる衝撃に耐え、広い視界を確保でき、外の音(風や他のパイロットの声)を消さないものが求められる。最近では、ヘルメットの中にマイクとスピーカーを付け、無線のアクセサリーとしての機能を有するものもある。現在ではフルフェイスタイプのものが一般的である。
靴
グリップ力のある登山靴が適する。靴紐をフックで固定するものは、パラグライダーのラインが引っかかって危険である。雪国では長靴やブーツが使われることもある。テイクオフやランディングに雪があったり草に露が付いているときは、靴がぬれ、凍傷の危険もあるので、防水式が望ましい。
アルチバリオメーター
ソアリング(上昇滑空)するために必要な計器。昇降率を周囲の大気圧の変化で計算し、音と数値でパイロットに知らせてくれる。±0.1m/s単位で昇降率の計測が可能。GPSや対気速度を計る高機能なものもある。
携帯型GPS
GPSにより、飛行記録を三次元的に秒単位で記録することが可能となる。日常の飛行記録のほか、大会のパイロン競技で用いられる。パラグライダーで利用する上では、シリンダー機能(指定した半径の円筒内に入ったかどうかを知らせる機能)が付いているものが望ましい。
無線機器
飛行中のパイロットと地上との通信の手段として、無線機器が使用される。 無線機器主に、下記のように分類される。
- アマチュア無線(資格必要・局免許必要)
安価に入手できるために以前よりよく用いられているが、スクールの教習で用いると、電波法に規定されるアマチュア業務から外れるために、電波法違反となる。
アマチュア無線を用いるには、無線従事者免許証と無線局免許状が必要であるが、知らずに、または故意に無免許で運用している者もいる。この場合は、電波法違反となる。
有資格者が飛行中に、アマチュア局とアマチュア無線として交信するのは、問題はない。
- スカイレジャー航空無線(資格必要・局免許不要)
アマチュア無線の不法運用問題に対応するために設けられた無線システムである。
使用するエリアに、第三級陸上特殊無線技士以上の資格所有者がいれば、他のパイロットは無資格で使用が可能である。
この無線に割り当てられている周波数は1波(465.1875MHz)であるため、近接する複数のエリアで使用した場合、混信を起こすため、注意が必要である。
- 特定小電力無線(資格不要・局免許不要)
これは用途を問わずに使用可能であり、一般にハイキングなどのレジャーなどにも用いられており、無線機の価格も安価である。法定出力が小さい(最大10mW)ために、遠距離の通信は困難となる。
- CB無線(資格不要・局免許不要)
出力が500mWまで許可されており、比較的遠距離の通信も可能である。しかし、現在小型の無線機が市販されていないために、不向きである。
- パーソナル無線(資格不要・局免許必要)
出力が5Wまで許可されており、比較的遠距離の通信も可能である。しかし、現在小型の無線機が市販されていないために、不向きである。また、2022年には制度の廃止も予定されている。
- 簡易業務無線(資格不要・局免許不要)
資格も必要なく、出力も比較的大きいが、上空での使用は禁止されているため、飛行中の使用ができない。地上での教習、誘導はできるが、パラグライダー向きではない。
電波法
メーカー
主なメーカー
- ADVANCE(スイス)
- aerodyne(フランス)
- APCO(イスラエル)
- Flight Design(ドイツ)
- freeX(ドイツ)
- GRADIENT S.R.O.(チェコ)
- NOVA(オーストリア)
- UP(ドイツ)
(アルファベット順)
国内のメーカー
2005年現在、国内のメーカーでパラグライダーを発売しているのは、KenbecとFALHAWKのみのようである。第一興商が、かつてUPとパラグライダーの販売をしていたこともある。
- FALHAWK Co Ltd
- FUJIKURA(藤倉航装)
- Kenbec
- KGS
- OXY WING(現OVAL THREE LTD.)
- RIPPLE
- WIND VALLEY Ltd
- 株式会社カシヤマ
- 小林重力研究所
- ザクト (ZACT)
- ジール
- ストームワークス
- たかとり
- 第一興商(関連事業部 スカイレジャー課、閉鎖)
(アルファベット順)
飛行条件
- 向かい風 0~6 m/s
- 有視界飛行が可能であること
飛行できない主な場合
- テイクオフ方向を向いたとき、追い風である場合
- 風速 6m/s 以上のとき
- 雪もしくは雨が降っているとき
- 有視界飛行できないとき(夜間、雲中)
- 天候の急変が予想されるとき
- 強力な乱気流が発生しているとき
- 積乱雲の発生が予見されるとき
飛行技術
テイクオフ
主に山頂及び山腹の斜面や崖を利用して、正面からの向かい風(6m/s以下)で離陸する。パイロットは、風に正対してグライダーを綺麗に広げる。そして、良い風を見計らい、自分の真上に翼を上げ(ライズアップ)、滑空状態にして離陸する。
テイクオフの方法には、ライズアップ動作の仕方によって、大きく分けて2種類がある。 一つは、最も基本的なフロント・ライズアップで、もう一つはリバース・ライズアップである。 リバース・ライズアップは、方法によっては両手をクロスさせるようになるため、クロスハンド・ライズアップと言われていた。
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ランディング
ランディングは、着陸場付近でファイナルアプローチに入るための高度処理を行い、風に正対して、ターゲットといわれる着陸点に向けて進入する。このとき、風に背を向けて進入すると、対地スピードが付きすぎ危険なため、常に風速や風向きを吹流しなどで確認することが重要である。
- 8の字旋回による高度処理
- ターゲットの風下で行う8の字状の高度処理。強風下で有効。
- 場周アプローチ
- 場周アプローチとは場周ランディング、Uターンアプローチともいい、あらかじめ決められた着陸経路をとることにより、混雑時の危険を減らす着陸方式である。パラグライダーにおいて場周アプローチを行うのは主に3つの利点がある。
- 直線を多く使うことで潰れの危険を減らす。
- 滑空角を把握することで、高度感覚を比較的容易に養える。
- 全員が同じ降り方をすることにより、低高度での空中接触を減らす。(要するに交通整理)
- 場周アプローチは、ブレークを少し引いても進みが悪くならない範囲(風速4m/s以下)で行う。これ以上の風が吹くと、ダウンウインド・レグで風下に流されすぎるため適さない。
DHVは、場周アプローチをパラグライダーの標準的な着陸方式として推奨している。しかし、日本においては、地形やスペースの関係上、周回するための安全な空域をとれないことが多く、場周アプローチを共通のルールとして採用しにくい事情がある。いずれにしろ、個々のフライヤーが各々の方法で着陸するのは危険が多く、混雑時にも対応できる、共通の着陸経路を決めることが重要である。Uターンアプローチは、場周アプローチの代表例である。
旋回
ブレークと体重移動により行う。ブレークを引き、片方の翼の抗力を増加させ、左右の翼の速度差を作り旋回する。ブレークを引いた翼は、抗力と共に揚力も発生させるため、旋回方向と逆にロールがかかろうとする。それを打ち消すのが体重移動だ。これを行うことにより、効率の良い旋回をすることができる。このような旋回は、パラグライダー独特のものと言えるだろう。
航空法
- ソアリング
- パラグライダーは、動力を持たない滑空機だが、上昇することが可能である。ソアリングとは、上昇風を利用した飛行のことを指す。
- リッジソアリング
- 風が山や崖に当たり、斜面上昇風を作り出す。リッジソアリングはこれを利用したソアリング。一般に、山や崖の高さの2倍まで上昇することが出来る。
- サーマルソアリング
- 太陽が地表を暖め、上昇風を発生させる。これを利用したものがサーマルソアリング。地表の暖まりやすい場所から発生する。断続的に上昇するバブル状のものや、継続的に上昇する円柱状のコラムサーマルがある。
- サーマルコア探索法
- サーマルは、ほとんどの場合、目に見えない。しかし、最も上昇率の良い場所を理論的に知る方法がある。これが、サーマルコア探索法である。実際のパラグライダーの飛行においては、以下の方法を、さまざまな条件に合わせ組み合わせて使用している。
- サージ法
- サージ(突き上げ)を感じたところで旋回をする。サージを感じた位置でバンクを戻し、次のサージが来るまで水平飛行をする。次にサージを感じたら旋回開始。これを繰り返す。形のはっきりしないサーマルでソアリングするとき有効。初心者にもやりやすい方法。
- ベストヘディング法
- 上昇率の最も良いところで外翼に目標物を定め、そこから270°旋回し、バンクを戻して、目標物へ向かう。このとき、バンクは0°まで戻してはいけない。すぐに旋回を開始し、これを繰り返す。コアににじり寄るイメージ。
- ワーストヘディング法
- 旋回中最も上昇率の悪いところで内翼に目標物を決め、その方向へ来るときにバンクを戻す。このとき、バンクは0°まで戻してはいけない。すぐに旋回を開始し、これを繰り返す。コアににじり寄るイメージ。
- 急旋回法
- サーマルを外したり、あきらかにコアが分かる場合、急旋回により、上昇率の良い場所に戻る方法。スパイラルやスピンしない程度の旋回をする。
マヌーバ
パラグライダーでは、主にグライダーの安定操作や回復操作の訓練を指す。意図的に翼を潰したり、揺らしたりしてグライダーを自在にコントロールすることを目的に行う。充分な高度と不測の事態を考慮し行なうべき行為である。
- ピッチング
- 縦方向の揺れ(ブランコ)。自在に操る練習を行う。
- ローリング
- 横方向の揺れ。自在に操る練習を行う。
- 片翼端つぶし(サイドコラップス)
- 左右の翼のどちらかを潰し、回復させる練習。翼の75%以下のつぶれと75%以上の潰れで対処が異なる。75%以下のつぶれでは、まっすぐ滑空する練習をする。
- 前翼つぶし(フロントコラップス)
- フルストール
- ほかの降下手段が使えない場合、緊急の状況下で用いる降下手段の練習。危険が伴うため湖の上で練習が行われる。ブレークコードを完全に引き込むため、翼としての特性を完全に無くす。沈下率は-15m/s以上となる。高度が取れる場合、スピンからの回復に用いられることもある。
- スピン
- 翼を失速させ、後ろにドロップを感じた瞬間に、ブレークの片方を引き抜き片方をリリースする。リカバリーは、フルグライドをする。戻らないときは、フルストールに入れてリカバリーすることもある。当然だがこの場合、安全な高度が必要である。スピンは、湖の上空での練習が望ましい。
降下技術
パラグライダーは柔軟翼なので、翼の形を変えることにより沈下速度のコントロールが可能である。雲による吸い上げから逃れたり、ランディングの同時進入を避けるためなどに用いられる。周囲の状況や技能により以下に掲げた中から有効な降下手段を選択し、使用する。
- 翼端折り
- Aライザーのラインの外側1-2本を引き込むことで左右の翼端を潰す。このとき、左右の翼を折るタイミングを少しずらさないと、タッキング(前翼つぶれ)が起こる可能性があるので注意が必要だ。
- 迎角が上がるために、荒れたコンディションのときにも有効な飛行技術でもある。翼面積を減らすことで揚力が減るため、降下手段としても利用される。降下速度は-3m/s程度である。機体の操作は体重移動で行うことが可能で移動もできる。失速を防ぐため、アクセルと併用して行う。
- A・Bストール
- Aライザー(もしくはライン)、Bライザーを引き込むことにより、翼型を変化させる降下手段。Aストールは、エアインテークに流入する空気が減少し、揚力の減少や失速が起こる。Bストールは、Bライザーを引くことにより失速状態を作り出すもの。危険なのでランディングで使ってはいけない。沈下速度は-3~-5m/s。
- スパイラル
- ブレークコードを引いて、体重をしっかり旋回方向にかけ、急な360度旋回を連続して行う降下方式。沈下速度は、一般的に-15m/s程度まで。沈下速度のコントロールが可能である。これ以上の沈下速度になると、揚力と遠心力がつりあう形となり、ブレークコードを戻してもスパイラルを維持したままとなる。この状態をスパイラルダイブと言う。スパイラルは遠心力が大きくかかるため、体の自由が利かなくなったり、下手をすると気絶したりもするため、長時間の使用は出来ない。
- フルストール
グラウンドハンドリング
地上においてパラグライダーの練習を行うこと。通称・グラハン。主な練習は、ライズアップ(翼を上げる練習。フロントライズアップ、リバースライズアップ)、スラローム、翼端つぶしなど。機体の特性を知り、自在なコントロールを学ぶ。上級者は、飛行時間が長くなるのに反比例して、テイクオフ、ランディングの回数が少なくなるので、上手くなっても練習を怠ってはいけない。
- タイプ I
- タイプ II
- タイプ III
- スラローム
- 指定されたパイロンの外側を旋回する。パイロンが旋回の中心になるようにスラローム走行をする。ライザーやブレークにかかる微妙なテンションを感じ取り、体全体による細かな修正を行う。
- コラップス
- 地上でもコラップスの練習が可能である。フロントもしくはリバースの状態で、Aラインの外側1本ないし2本を引き込み翼を潰す。サイドコラップス、両翼端折りなどが可能。2人一組でサイドコラップスをし合い、遊んでみよう。
飛行形態
- ぶっ飛び
- ソアリングなどを行わず、テイクオフ後まっすぐランディングに向かう飛行を、俗にぶっ飛びと言う。大抵は初心者や上昇成分の無いときに行われる飛行だが、ぶっ飛び主婦連合(ぶ主連)に代表されるように、ぶっ飛びを愛する人たちも多い。
- ぶっ飛びをしなければならないエアコンディションは、一般に大気が安定しており、絶好のマヌーバ日和でもある。ピッチング、ローリングは忘れやすく、グライダー操作の基本でもあるので、ぶっ飛びで積極的に練習すると良いだろう。
- 滑翔飛行
- ぶっ飛びも広い意味での滑翔飛行だが、この場合、ソアリング飛行を指す。パラグライダーは、斜面上昇風やサーマル(熱上昇風)を利用して飛行する。上昇風を上手く乗り継ぎ、長時間あるいは長距離飛行を行う飛行形態。パラグライダーの一般的な楽しみ方である。
- クロスカントリー飛行
- 野外飛行のこと。可能な限り遠くまで飛ぶ。JHFは、水平距離5キロを管理されたエリアとし、それ以上の飛行をクロスカントリー飛行と定義した。XC飛行は、上昇気流を乗り継ぎ、時には数時間に及ぶ飛行をこなさなければならないため、豊富な知識と経験による判断力はもちろんのこと、着陸予定地の下見、回収手段の確保等の飛行計画立案、体力、グライダーの操作能力も要求される。クロスカントリー飛行では、地上摩擦層の影響のない層(一般に地上より450~600m以上)にいることが重要だ。
- アクロバット飛行
- 曲芸飛行のこと。SATは代表的なアクロバット飛行の一つ。
競技
大会
日本国内の大会は、日本ハング・パラグライディング連盟 (JHF)、日本パラグライダー協会 (JPA) が主催・公認する大会、そして草大会がある。JHFは、ジャパンリーグ (JL)、スポーツグライダーシリーズ (SPS) や各種公認大会を行っている。一方、JPAでは、ナショナルリーグ、オープンリーグ、アキュラシーランディングを行っている(2004年現在)。パラグライダーは天候に大きく左右されるスポーツゆえに、競技当日のエアコンディションによって競技内容が決定されることが多い。
パラグライダーの大会では、最終日前夜にレセプションと称するパーティーが開かれ、日本各地から集まった選手との親睦を深めている。
競技の種類
- ターゲット
- ランディングの精度を競う競技。地上に書かれた同心円状のターゲットの中心を狙う。初心者も参加することが出来る。
- パイロン競技
- ある決められた地上の目標を、決められた順番に巡回し、その時間や達成度を競う競技。判定には携帯型GPSやカメラが用いられる。最近ではGPSが主流となってきた。競技をするには高い技能と深い知識が必要なため、主に上級者が行う。
- キャッツクレイドル
- あらかじめ決められたパイロンを繋いで、最も長い距離を飛ぶことを競う。上級者向けの競技。
- ゴールタスク
- 遠方に設置されたゴールへの到達を競う。上級者向けの競技。
- セットタイム
- あらかじめ決めた飛行時間通り正確に飛行することを競う。初心者も参加可能。
- デュレーション
- 滞空時間を競う競技。山肌を上昇する風や地表で暖められ発生した上昇気流を利用して、出来るだけ長く飛ぶ。中級者も参加可能。
- 爆弾落とし
- 地上に設定されたターゲットに「爆弾」と称する(多くの場合)カラーボールを落とし、その精度を競う競技。ターゲット上空の風を読むことが重要である。
記録
世界記録 (2005年3月現在FAI公認記録)
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日本記録 (2005年3月現在(財)日本航空協会公認記録)
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直線距離 | 423.4 km | 263.18 km |
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アウトアンドリターン | 213.8 km | 182.48 km |
獲得高度 | 4,526 m | 4,548 m |
日本人選手の成績
男子
- 川地正孝
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- 2003年 第8回世界選手権(ポルトガル)第3位
- 2004年 第1回アジア選手権(韓国)優勝
- 辻強
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- 2000年 ワールドカップスペイン 優勝
- 2003年 フランス選手権 3位
女子
- 田中美由喜
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- 1988年 ヨーロッパ選手権(フランス)女子3位
- 1991年 世界選手権(フランス)女子2位
- 1993年 世界選手権(スイス)女子3位
- 1995年 世界選手権(日本)女子2位
- 1996年 ワールドカップスペイン・女子1位
- 2001年 世界選手権(スペイン)女子3位
- 神山和子
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- 2000年 ワールドカップブラジル・女子優勝
- 平木啓子
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- 2004年 第一回アジア選手権・女子3位
安全性
道路交通事故 | 9.1×10-3 |
山登り | 5.0×10-6 |
船舶事故 | 1.4×10-6 |
モーターボート | 3.5×10-7 |
パラグライダー | 2.0×10-7 |
航空機事故 | 1.8×10-7 |
スクーバ―ダイビング | 7.8×10-8 |
ハンググライダ― | 4.7×10-8 |
未経験者にとって、パラグライダーはハイリスクなスポーツであるというイメージが根強いが、ほとんどの保険は、割増をしなくてもパラグライダーに関する事故の補償ができるようである。ただし、自然を相手にするスポーツなので、当然他のアウトドアスポーツと同程度のリスクがある。JHFによると、1994年から5年間の死亡事故は年1-6件。発生場所は、多い順に、ランディング、墜落、テイクオフ。負傷部位は、下肢、腰椎がほとんどである。腰椎に関する事故が多いのが、このスポーツの特徴である。
一般災害における事故(負傷)率をまとめた表を参照して分かるように危険性に関しては他のスポーツと比較して事故率こそ高くはないが、いったん事故を起こした場合は激しい衝撃を受けるため、脊髄損傷などの生涯にわたる重度の後遺症を伴う事故に至る危険性があることに留意する必要がある
近年、グライダーの性能・安全性が急速に高まっている。安全に対する意識が高いスクールで講習を受けるのが良いだろう。
講習制度
パラグライダーは、判断力とある程度の技能が必要とされ、決して独学でするべきではない。日本の講習制度は、JHFによるものとJPAによるスクール体制の2つがある。
- 社団法人日本ハング・パラグライディング連盟 (JHF) 公認スクール
- 文部科学大臣に公益法人として許可された社団法人日本ハング・パラグライディング連盟 (JHF) が発行する「JHF教員技能証」を保持しているインストラクターがJHF指導要領に基づいて民間運営するスクールである。
- *社団法人日本ハンググライディング連盟そのものが運営するスクールは存在しない。
- *文部科学省の職員がスクールの運営に関与することもない。
- 日本パラグライダー協会 (JPA) 公認スクール
- パラグライダー輸入業者とその系列パラショップにより設立された任意団体日本パラグライダー協会 (JPA) が独自に提唱する講習制度で運営されるスクールである。
資格
パラグライダーのライセンスは技能証と呼ばれている。パラグライダーは、法律上航空機とはならず、国家資格も存在しないが安全管理上、JHFとJPAの二つの団体がパラグライダー技能証を発行し自主規制を行っている、国家資格としての一本化が強く望まれる。
JHF技能証
社団法人日本ハング・パラグライディング連盟(JHF)が発行するパラグライダーの資格。JHFは、このスポーツにおいて唯一の技能証発行機関であると主張している。社団法人日本ハング・パラグライディング連盟は、財団法人日本航空協会(JAA)傘下にあり、財団法人日本航空協会 (JAA) は国際航空連盟 (FAI) に加盟している。JHFの技能証は自動車免許の国際免許と同じように、国際技能証と呼ばれる「IPPIカード」に書き替えることができる。
実際の教習内容は、社団法人日本ハング・パラグライディング連盟が発行する各ライセンス毎のJHF教科書及び指導要領に基づき統一指導されている。詳しくはJHFのウェブサイトを参照のこと。
- JHF-練習生A級
- 単独にてパラグライダーの機材を扱え、指定された方向に直線飛行が出来る。機材や専門用語などについて簡単な学科検定が課される。
- JHF-練習生B級
- 単独にて左右180度旋回ができ、着陸することができる。ソアリングの練習を始められる。パラグライダーについての基礎的な理解を問う学科検定が課される。
- JHF-ノービスパイロット証
- NP証。単独にて左右360度旋回ができ、指定地(半径20m以内)に着陸することができる。ピッチング、ローリングをコントロールすることができる。パラグライダーについての理解や気象についての学科試験が課される。
- JHF-パイロット証
- P証。ソアリングできる飛行技能および、指定されたエリアルールや気象条件に適合する飛行をすることができる。パラグライダーに関連する航空法規、気象、構造を問う学科試験が課される。P証でスクールを卒業。国際技能証(IPPIカード)に書き換えることで、世界中のエリアを飛ぶことが出来る。一部を除くジャパンリーグに出場可能。
- JHF-タンデム証
2人乗りのパラグライダーを安全に操縦することが出来る。
- JHF-クロスカントリー証
- XC証航空法規に合わせ、クロスカントリー飛行をする能力を有する。クロスカントリー飛行に必要な気象、法規、航空交通などの学科試験が課される。ジャパンリーグに出場可能。
- HF-助教員
- JHF-教員
JPA技能証
日本パラグライダー協会 (JPA) が発行するパラグライダーの資格。現在のところ法人格を持たない任意団体であり、財団法人日本航空協会及び国際航空連盟(FAI)などの、公な航空関連機関の傘下に属さない。そのため、JPA技能証は海外での効力はなく、国内においてもJPA公認スクール以外では使えないことが多い。
JPAはインストラクター向けに、緊急用パラシュートを折り畳む技能を認定する、パラシュート・リガーといわれる資格を新設した。ちなみに、JHFではパラシュートをリパックする教育制度は確立していない。正確な情報はJPAのウェブサイトに記載されているので、そちらを参照のこと。
- JPA-パラメイト
- パラグライダーの一日体験を行った人に対して発行される。学科試験は無く、指示された方向に直線飛行できる技能を有する。
- JPA-ベーシックパイロット (BP)
- 単独にて高度処理を行い、指定されたランディング場に安全に着陸する技能を有するパイロット。パラグライダーに関する基礎的な知識、航空力学、気象などの学科試験が課される。
- JPA-プライマリーパイロット (PP)
- 単独にて左右360度以上の旋回と滑空比以上の飛行ができる14歳以上のパイロット。スクールエリア内で飛行に適した判断の下飛行をすることが出来る。パラグライダーに関する知識、航空力学、気象などの学科試験が課される。
- JPA-パイロット (P)
- エリアルールの範囲内で、自己の判断と責任で飛行できる16歳以上のパイロット。パラグライダーに関連する知識、航空法規、航空スポーツ気象、航空力学を問う学科試験が課される。アシスタントインストラクターなどに依頼されれば、PP、BPの飛行を監督することが出来る。P以上でアキュラシーとオープンリーグにエントリーできる。
- JPA-エキスパートパイロット (EX)
- 競技飛行に関する技能と知識を有し、単独でのクロスカントリー飛行を含め、すべての判断を自分自身で行い安全確実に飛行できる能力をもつ18歳以上のパイロット。パラグライダーに関する深い知識を有する。学科試験有り。アシスタントインストラクターなどに依頼されれば、PP、BPの飛行を監督することが出来る。ナショナルリーグにエントリーできる。
- JPA-タンデムパイロット (TP)
- 2人乗りのパラグライダーを安全かつ確実に操縦することが出来る能力を有する20歳以上のパイロット。実技・学科試験有り。JPAが主催する救急法セミナーを受講しなければならない。ただし、日本赤十字社の主催する救急法講習会の受講者及び医師免許保持者、救急救命師等の有資格者は、救急法セミナー受講が免除される。
- JPA-アシスタントインストラクター
- フライヤーの育成・指導業務を行うことが出来る18歳以上のプロフェッショナルなインストラクター。JPA登録校での30日以上の実務経験がいる。3年ごとに更新する必要がある。
- JPA-インストラクター
- ベーシックパイロット・プライマリーパイロット・パイロット・エキスパートパイロットの各技能試験を検定する技能と判断力を持つプロフェッショナルなインストラクター。JPA登録校で100日間以上のアシスタントインストラクターとしての実務経験がいる。3年ごとに更新する必要がある。
- JPA-パフォーマンスインストラクター
- 上級インストラクター。パラグライダーに関する深い知識と技能を有し、高度な指導を行うことができる20歳以上のプロフェッショナルなインストラクター。EX証所有者が希望すれば、アクティブな操作によるフライトを教えることが出来る。スーパーバイザーの監督の下、インストラクター研修・検定会などの指導ができる。JPA登録校で270日間以上のインストラクターとしての実務経験がいる。3年ごとに更新する必要がある。
- JPA-スーパーバイザー
- JPA によってその技能と資格を認められ、スーパーバイザーとして認定された者。検定試験の監督や、各種研修会での指導ができる。
- JPA-パラシュート・リガー
- 緊急用パラシュートを正確に畳み、正しく収納することが出来る能力を有する。一般フライヤーに対し、緊急用パラシュートについての正しい技術と必要な知識を的確に指導することが出来る。
- JPA-パラシュート・リガーマスター
- パラシュート・リガーを指導する能力を有する。FAA(Federal Aviation Administration)公認パラシュートリガーまたはそれに準ずる有資格者の講習会を受講し、監督下で20コ以上のレスキューパラシュートのリパックを行い、認定されたものに与えられる。
- (注:JPA-パラシュート・リガーマスターの資格をFAAが公認している訳ではない。)
関連項目
- グライダー: 固定翼を持った機体に搭乗して飛行する。
- パワードパラグライダー: パラグライダーの装備に加え背中にエンジンとファンを着けて飛行する。PPG、モーターパラグライダーともいう。
- パラセーリング: 水上でモーターボートに牽引されて飛行する。
- カイトサーフィン: パラカイトを用いて水上を滑る。
- ハンググライダー: パイプに丈夫な生地を張った構造の機体に吊り下がって飛行する。ハンググライディングともいう。