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また、マレーシア国境近くの[[ソンクラー県]]付近を運河建設場所とする計画もある<ref>{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20160824082944/http://www.sankeibiz.jp/macro/news/160823/mcb1608230500012-n1.htm |title=幻の「東洋のパナマ運河」再浮上 中国とタイ、水面下で巨大プロジェクト|publisher=SankeiBiz|date=2016-08-23}}</ref>。
また、マレーシア国境近くの[[ソンクラー県]]付近を運河建設場所とする計画もある<ref>{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20160824082944/http://www.sankeibiz.jp/macro/news/160823/mcb1608230500012-n1.htm |title=幻の「東洋のパナマ運河」再浮上 中国とタイ、水面下で巨大プロジェクト|publisher=SankeiBiz|date=2016-08-23}}</ref>。


クラ運河が開通すれば、[[東南アジア]]における[[シンガポール]]の重要性が薄れるため、この計画を歓迎しない[[華僑]]・[[華人]]がかつて多かったが、21世紀になってからは[[中華人民共和国]]が後押ししている。2001年には、親中国の[[タクシン・ナワット]]政権下でタイと中国の団体が調査を行い、2005年に[[国民議会 (タイ)|国民議会]][[元老院 (タイ)|上院(元老院)]]が構想推進を承認。[[タイ軍事クーデター (2014年)]]後の2015年、[[タイ王国軍]]元高官が代表を務める経済団体に、中国の[[北京大学]]が作成したとされる運河計画についての報告書がタイ華人経由で持ち込まれ、「タイ運河協会」が設立された。2018年時点の構想では、タイランド湾岸の[[ナコーンシータンマラート県]]と西部の[[トラン県]]を結んで、全長135km、幅350~400m、水深30mの運河を約480億ドルで開削し、残土で人工島を造成するとされている<ref>{{Cite news|title=【ワールドビュー】「タイ運河」200年越しの夢|publisher=[[読売新聞]]朝刊(国際面)|date=2018-12-16}}</ref>。
クラ運河が開通すれば、[[東南アジア]]における[[シンガポール]]の重要性が薄れるため、この計画を歓迎しない[[華僑]]・[[華人]]がかつて多かったが、21世紀になってからは[[中華人民共和国]]が後押ししている。2001年には、親中国の[[タクシン・ナワット]]政権下でタイと中国の団体が調査を行い、2005年に[[国民議会 (タイ)|国民議会]][[元老院 (タイ)|上院(元老院)]]が構想推進を承認。[[タイ軍事クーデター (2014年)]]後の2015年、[[タイ王国軍]]元高官が代表を務める経済団体に、中国の[[北京大学]]が作成したとされる運河計画についての報告書がタイ華人経由で持ち込まれ、「タイ運河協会」が設立された。2018年時点の構想では、タイランド湾岸の[[ナコーンシータンマラート県]]と西部の[[トラン県]]を結んで、全長135km、幅350~400m、水深30mの運河を約480億ドルで開削し、残土で人工島を造成するとされている<ref>{{Cite news|title=【ワールドビュー】「タイ運河」200年越しの夢|publisher=[[読売新聞]]朝刊(国際面)|date=2018-12-16}}</ref>。


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==

2024年9月8日 (日) 03:28時点における版

北緯10度付近、Bandon Bayから半島を横切るあたりがクラ地峡

クラ地峡(クラちきょう、Kra Isthmus)は、東のタイランド湾と西のアンダマン海に挟まれてマレー半島の最狭部を形成している陸地(地峡)である。地峡の東部はタイラノーン県およびチュムポーン県、西部はミャンマー(旧ビルマ)のタニンダーリ地方域に属している。西部にはクラ川が流れ、タイのムアンラノーン郡とミャンマーのコータウン英語版とを隔てている。クラ川上流域とサウィ湾(タイランド湾の支湾)を結ぶ最も狭い部分はわずか44km幅しかない。最高点は75mである。

運河を通す構想があり(後述)、実現すればインド洋と、日本など東アジアを結ぶシーレーンは同じマレー半島南端にあるマラッカ海峡経由に比べ1200kmの短縮となる。

概要

古くからスズの産地として有名であり、東西交通の要衝[要出典]である。

運河計画

クラ運河を含む運河計画(青線)

この地域に運河を通す構想が立てられることが、昔からしばしばあった。初めて運河建設が言及されたのは1677年であり、その目的はタイ王国からビルマまで船で物資を輸送する際、マレー半島周りよりも短いルートを建設することにあった。フランス人技師チームに調査を依頼したものの、当時の技術力では、その計画はあまりに非現実的であった。

1793年には、アンダマン海側の防衛をタイ王国軍がより簡単に行えるようにするためにと、ラーマ1世の弟が計画して、一時見直されることもあったが、計画は実現しなかった。19世紀初期には、イギリス東インド会社が運河建設に興味を持った。そこで、クラ川河口付近から、反対側にあるイギリス植民地英領ビルマ)付近まで探査が行われたが、結果は否定的なものだった。

一番建設実施に近い所までこぎ着けたのは、スエズ運河の建設者レセップスであった。彼は1882年にこの地域を訪問し、建設約束を取り付けたが、1897年シンガポール港の優位を維持するため、タイ王国とイギリス帝国は、運河をそこで造らないことに同意した。

1973年に、アメリカフランス日本タイの四カ国が合同で、平和的核爆発を用いた運河開削を提案したが、後に中止となった。結局、現在まで運河の開削は行われていないが、構想や研究は続いている。

マラッカ海峡において、海賊の被害(マラッカ海峡の海賊参照)、増大する船舶による混雑、年々巨大化するタンカーコンテナ船が、海峡の一番狭く浅い部分である「マラッカマックス」を通れなくなるなどの問題が出てきている。その対策として、再びクラ地峡に運河やパイプライン鉄道を建設する計画が持ち上がっている。

また、マレーシア国境近くのソンクラー県付近を運河建設場所とする計画もある[1]

クラ運河が開通すれば、東南アジアにおけるシンガポールの重要性が薄れるため、この計画を歓迎しない華僑華人がかつて多かったが、21世紀になってからは中華人民共和国が後押ししている。2001年には、親中国のタクシン・シナワット政権下でタイと中国の団体が調査を行い、2005年に国民議会上院(元老院)が構想推進を承認。タイ軍事クーデター (2014年)後の2015年、タイ王国軍元高官が代表を務める経済団体に、中国の北京大学が作成したとされる運河計画についての報告書がタイ華人経由で持ち込まれ、「タイ運河協会」が設立された。2018年時点の構想では、タイランド湾岸のナコーンシータンマラート県と西部のトラン県を結んで、全長135km、幅350~400m、水深30mの運河を約480億ドルで開削し、残土で人工島を造成するとされている[2]

参考文献

  • Abdullah MT. 2003. Biogeography and variation of Cynopterus brachyotis in Southeast Asia. PhD thesis. The University of Queensland, St Lucia, Australia.
  • Corbet, GB, Hill JE. 1992. The mammals of the Indomalayan region: a systematic review. Oxford University Press, Oxford.
  • Hall LS, Gordon G. Grigg, Craig Moritz, Besar Ketol, Isa Sait, Wahab Marni and M.T. Abdullah. 2004. Biogeography of fruit bats in Southeast Asia. Sarawak Museum Journal LX(81):191-284.
  • Wilson DE, Reeder DM. 2005. Mammal species of the world. Smithsonian Institution Press, Washington DC.

脚注・出典

  1. ^ “幻の「東洋のパナマ運河」再浮上 中国とタイ、水面下で巨大プロジェクト”. SankeiBiz. (2016年8月23日). https://web.archive.org/web/20160824082944/http://www.sankeibiz.jp/macro/news/160823/mcb1608230500012-n1.htm 
  2. ^ “【ワールドビュー】「タイ運河」200年越しの夢”. 読売新聞朝刊(国際面). (2018年12月16日) 

外部リンク