「サバナ気候」の版間の差分
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{{tl|出典の明記}}、疑問点(二宮書店、帝国書院分のページ番号不明)。→参考文献: 本文から典拠情報を抽出、ref=harvidに統一、あしからず。→産業の特徴・その他: +脚注。→分布地域: 同右。→典型的な都市: {{div col||20em}}、大型画面に合うように20em単位で段組み。normdaten。 タグ: 2017年版ソースエディター |
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'''サバナ気候'''(サバナきこう、[[:en:Tropical savanna climate|Tropical savanna climate]])とは[[ケッペンの気候区分]]における気候区のひとつで[[熱帯]]に属する。[[亜熱帯高圧帯]]の南北移動を原因とする[[雨季]]と[[乾季]]の明確な分化が特徴である。'''サバンナ気候'''、'''サヴァナ気候'''とも呼ばれる。記号は'''Aw'''でAは熱帯、wは冬に乾燥(wintertrocken)を表す。 |
'''サバナ気候'''(サバナきこう、[[:en:Tropical savanna climate|Tropical savanna climate]])とは[[ケッペンの気候区分]]における気候区のひとつで[[熱帯]]に属する。[[亜熱帯高圧帯]]の南北移動を原因とする[[雨季]]と[[乾季]]の明確な分化が特徴である。'''サバンナ気候'''<ref name="kotobank2">{{Cite web|和書 |url=https://kotobank.jp/word/%E3%82%B5%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%8A%E6%B0%97%E5%80%99-677952 |title=サバンナ気候 |publisher=コトバンク |accessdate=2017-09-10}}</ref>、'''サヴァナ気候'''とも呼ばれる。記号は'''Aw'''でAは熱帯、wは冬に乾燥(wintertrocken)を表す。 |
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[[サバナ (植生)|植生]]は[[疎林]]と[[イネ科]]の植物からなる[[草原]]となる。乾季には樹木は落葉し、草原も枯れる<ref>{{Cite web |url=https://kotobank.jp/word/%E3%82%B5%E3%83%90%E3%83%8A%E6%B0%97%E5%80%99-69504 |title=サバナ気候 |publisher=[[コトバンク]] |accessdate=2017-09-10}}</ref><ref |
[[サバナ (植生)|植生]]は[[疎林]]と[[イネ科]]の植物からなる[[草原]]となる。乾季には樹木は落葉し、草原も枯れる<ref>{{Cite web |和書|url=https://kotobank.jp/word/%E3%82%B5%E3%83%90%E3%83%8A%E6%B0%97%E5%80%99-69504 |title=サバナ気候 |publisher=[[コトバンク]] |accessdate=2017-09-10}}</ref><ref name="kotobank2" />。基本的にはやせた土壌だが一部では肥沃な土壌が広がる地域もあり、そのような地域では[[コーヒーノキ|コーヒー]]、[[サトウキビ]]、[[綿花]]などが栽培される<ref>{{Cite web|和書 |url=https://www.nhk.or.jp/kokokoza/chirisougou/contents/resume/resume_0000000462.html |title=第7回 : 気候変われば暮らしも変わる? ~各気候の生活~ |accessdate=2023/07/30 |publisher=[[NHK]] |work=高校講座 地理総合}}</ref>。 |
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== 特徴 == |
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[[南回帰線]]から[[北回帰線]]の間の多くの地域に分布する。気温の年較差は少ない。乾燥に強い樹木がまばらに生える草原、[[サバナ (地理)|サバナ]](Savanna、サバンナとも言う)が広く分布し気候区の名前の由来にもなっている。 |
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夏は[[赤道低圧帯]](熱帯収束帯)に入り多雨、冬は[[亜熱帯高圧帯|中緯度高圧帯]]に入り、乾燥するため一年の間で[[雨季]]と[[乾季]]がはっきりと分かれている。なお夏に乾季をむかえる地域もごくわずかながら存在しており、その場合、記号はAwではなく'''As'''([[熱帯夏季少雨気候]])を用いる。 |
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* 気温の年較差は少ない。 |
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* 乾燥に強い樹木がまばらに生える草原、[[サバナ (地理)|サバナ]](Savanna、サバンナとも言う)が広く分布し気候区の名前の由来にもなっている。 |
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土壌は主に[[ラトソル]](ラテライト)や赤黄色土からなる。[[焼畑]]のほか様々な農業形態がとられている。[[高床住居]]を利用する地域がある。 |
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== 条件 == |
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[[File:Elefanter i Masai Mara.jpg|thumb|[[ケニア]]の[[サバナ (植生)|サバンナ]]]] |
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典型的なサバナ気候(Aw)は、[[熱帯雨林]]の周辺に発達し、[[太陽]]の回帰にともない、赤道低圧帯の影響を受ける雨季(夏)と[[亜熱帯高圧帯]]の影響を受ける乾季(冬)に分かれる。主な分布地域は以下の通りである。 |
典型的なサバナ気候(Aw)は、[[熱帯雨林]]の周辺に発達し、[[太陽]]の回帰にともない、赤道低圧帯の影響を受ける雨季(夏)と[[亜熱帯高圧帯]]の影響を受ける乾季(冬)に分かれる。主な分布地域は以下の通りである。 |
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* アフリカ中部の熱帯雨林周辺部 |
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* アフリカ東部のインド洋沿岸 |
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* 台湾南西部 |
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夏が乾季となるAs(熱帯夏季少雨気候)は極めて珍しく、[[ハワイ諸島]]の一部などごく限られた地域にのみ分布する。 |
夏が乾季となるAs(熱帯夏季少雨気候)は極めて珍しく、[[ハワイ諸島]]の一部などごく限られた地域にのみ分布する。 |
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=== 典型的な都市 === |
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== 気候の特徴 == |
== 気候の特徴 == |
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サバナ気候にあたる地域では夏は[[赤道低圧帯]]に入るため湿った空気が流れ込みやすく、対流性・地形性・低気圧性の雨(降雨)が多い[[雨季]]となる。しかし冬は一転して[[亜熱帯高圧帯|中緯度高圧帯]]に入るため、乾燥した空気が長く居座り雨がほとんど降らない[[乾季]]が続く。一年の間で雨季と乾季がはっきりと分かれており、[[モンスーン]]の影響が非常に大きい地域である。 |
サバナ気候にあたる地域では夏は[[赤道低圧帯]]に入るため湿った空気が流れ込みやすく、対流性・地形性・低気圧性の雨(降雨)が多い[[雨季]]となる。しかし冬は一転して[[亜熱帯高圧帯|中緯度高圧帯]]に入るため、乾燥した空気が長く居座り雨がほとんど降らない[[乾季]]が続く。一年の間で雨季と乾季がはっきりと分かれており、[[モンスーン]]の影響が非常に大きい地域である。 |
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なお、ごく限られた地域では夏に高い[[山脈]]によって雲が |
なお、ごく限られた地域では夏に高い[[山脈]]によって雲がさえぎられて[[雨蔭]]となるなどして夏が乾季、冬が雨季となるが([[熱帯夏季少雨気候]])、夏が雨季となる地域に比べて年間降水量は少ない。 |
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雨季の降水量が少なければ[[旱魃]]、多ければ[[洪水]]となるため、どちらにしても農作物や水をはじめとして生活全般に大きな影響が及ぶ。 |
雨季の降水量が少なければ[[旱魃]]、多ければ[[洪水]]となるため、どちらにしても農作物や飲料水をはじめとして生活全般に大きな影響が及ぶ。 |
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== 土壌と植生 == |
== 土壌と植生 == |
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植生は丈の高い草原の中に乾燥に強い[[バオバブ]]などの樹木がまばらに生える、[[サバナ (地理)|サバナ]]とよばれる熱帯草原が多く見られる。夏にはこれらの植物が生い茂 |
植生は丈の高い草原の中に乾燥に強い[[バオバブ]]などの樹木がまばらに生える、[[サバナ (地理)|サバナ]]とよばれる熱帯草原が多く見られる。夏にはこれらの植物が生い茂るが、冬の樹木は落葉し、草原は枯れ種や根に姿を変えるため赤茶けた大地となる<ref>{{harvnb|農業土木学会|1992a|pages=133-138|loc=柴田 健一、村山 忠一「[[ランドサット|LANDSAT]]によるサバンナ地域の経年的植生変化」〈特集 : リモートセンシング〉60巻第2号。}}、{{国立国会図書館書誌ID|3761433}}。</ref>。アフリカでは、この気候帯に多くの野生動物が生息している。但し、[[ナイロビ国立公園]]の至近の街[[ナイロビ]]は[[温帯夏雨気候]]に分類され、[[カラハリ砂漠]]のように乾燥帯の土地もあり([[中央カラハリ動物保護区]]は世界第2位の広さの動物保護区、野生動物はこの気候より低温や乾燥した気候でも多くみられる。降水量の比較的多い地域([[インドシナ半島]]など)では乾季に[[落葉広葉樹林|落葉する広葉樹林]]([[雨緑林]])も見られる。 |
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土壌は[[ラトソル]](ラテライト)と[[赤黄色土]]が多く分布し、熱帯雨林ほどではないが痩せた土壌で農業にはあまり適さない。しかし、一部肥沃な土壌(ブラジル高原の[[テラローシャ]]や[[インド]][[デカン高原]]の[[レグール土]])が分布する地域もある。 |
土壌は[[ラトソル]](ラテライト)と[[赤黄色土]]が多く分布し、熱帯雨林ほどではないが痩せた土壌で農業にはあまり適さない。しかし、一部肥沃な土壌(ブラジル高原の[[テラローシャ]]や[[インド]][[デカン高原]]の[[レグール土]])が分布する地域もある。 |
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農業では、乾季に森林を燃やし雨季に作物を栽培する[[焼畑]]農業が多く見られる。[[プランテーション]]、[[自給的農業]]も多い。主な農産物は[[コーヒー豆]]、[[サトウキビ]]、[[天然ゴム]]、[[綿花]]、[[バナナ]]、[[茶]]、[[カカオ]]などである。 |
農業では、乾季に森林を燃やし雨季に作物を栽培する[[焼畑]]農業が多く見られる。[[プランテーション]]、[[自給的農業]]も多い。主な農産物は[[コーヒー豆]]、[[サトウキビ]]、[[天然ゴム]]、[[綿花]]、[[バナナ]]、[[茶]]、[[カカオ]]などである。 |
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[[ガンジス川]]河口の[[バングラデシュ]]や[[メコン川]]流域([[メコン・デルタ]])の[[ベトナム]]南部・[[カンボジア]]、[[チャオプラヤ川]]流域の[[タイ王国|タイ]]などでは[[米]]の二期作が行われており、生産量も多い。 |
[[ガンジス川]]河口の[[バングラデシュ]]や[[メコン川]]流域([[メコン・デルタ]])の[[ベトナム]]南部・[[カンボジア]]、[[チャオプラヤ川]]流域の[[タイ王国|タイ]]など<ref>{{harvnb|農業土木学会|1992a|pages=127-132|loc=鳥井 清司、星 仰「衛星画像によるチャオプラヤ河口地帯の土地被覆変化」〈特集 : リモートセンシング〉60巻第2号。}}、{{国立国会図書館書誌ID|3761432}}。</ref>では[[米]]の[[二期作]]<ref>{{harvnb|農業土木学会|1992b|pages=293-299|loc=塩田 克郎「タイ国チャオプラヤ・デルタの乾期水管理問題とその対策」第60巻第4号。}}</ref><ref>{{harvnb|農業土木学会|1992c|pages=517-523|loc=内田 晴夫「バングラデシュ・ハオール地域の洪水害と雨季稲作の安定化」60巻第6号。}}、{{国立国会図書館書誌ID|3774531}}。</ref>が行われており、生産量も多い。 |
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== 脚注 == |
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== 参考文献 == |
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*{{cite journal|和書|journal=農業土木学会誌 |volume=60|issue=1(通号 482)-6(通号 487)|publisher= [[農業農村工学会|農業土木学会]]|year= 1992|ref={{harvid|農業土木学会|1992}}|id={{国立国会図書館書誌ID|19287-i5872081}}}} |
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**柴田 健一、村山 忠一「[[ランドサット|LANDSAT]]によるサバンナ地域の経年的植生変化(リモートセンシング)」60巻第2号133ー138頁、1992年2月。{{国立国会図書館書誌ID|3761433}} |
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**鳥井 清司、星 仰「衛星画像によるチャオプラヤ河口地帯の土地被覆変化(リモートセンシング〈特集〉)」60巻第2号127ー132頁、1992年2月(a)。{{国立国会図書館書誌ID|3761432}} |
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**塩田 克郎「タイ国チャオプラヤ・デルタの乾期水管理問題とその対策」60巻第4号293ー299頁、1992年4月(b)。{{国立国会図書館書誌ID|3774772}} |
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**内田 晴夫「バングラデシュ・ハオール地域の洪水害と雨季稲作の安定化」60巻第6号517ー523頁、1992年6月(c)。{{国立国会図書館書誌ID|3774531}} |
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== 関連項目 == |
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* [[サバナ (植生)]] |
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2024年6月16日 (日) 06:23時点における版
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E | 寒帯 | ET | EF | |||||||||||||||
D | 亜寒帯 | Dfa | Dfb | Dfc | Dfd | Dwa | Dwb | Dwc | Dwd | Dsa | Dsb | Dsc | Dsd | |||||
C | 温帯 | Cfa | Cfb | Cfc | Cwa | Cwb | Cwc | Csa | Csb | Csc | ||||||||
B | 乾燥帯 | BSh | BSk | BWh | BWk | |||||||||||||
A | 熱帯 | Af | Am | Aw | As |
サバナ気候(サバナきこう、Tropical savanna climate)とはケッペンの気候区分における気候区のひとつで熱帯に属する。亜熱帯高圧帯の南北移動を原因とする雨季と乾季の明確な分化が特徴である。サバンナ気候[1]、サヴァナ気候とも呼ばれる。記号はAwでAは熱帯、wは冬に乾燥(wintertrocken)を表す。
植生は疎林とイネ科の植物からなる草原となる。乾季には樹木は落葉し、草原も枯れる[2][1]。基本的にはやせた土壌だが一部では肥沃な土壌が広がる地域もあり、そのような地域ではコーヒー、サトウキビ、綿花などが栽培される[3]。
特徴
南回帰線から北回帰線の間の多くの地域に分布する。気温の年較差は少ない。乾燥に強い樹木がまばらに生える草原、サバナ(Savanna、サバンナとも言う)が広く分布し気候区の名前の由来にもなっている。
夏は赤道低圧帯(熱帯収束帯)に入り多雨、冬は中緯度高圧帯に入り、乾燥するため一年の間で雨季と乾季がはっきりと分かれている。なお夏に乾季をむかえる地域もごくわずかながら存在しており、その場合、記号はAwではなくAs(熱帯夏季少雨気候)を用いる。
土壌は主にラトソル(ラテライト)や赤黄色土からなる。焼畑のほか様々な農業形態がとられている。高床住居を利用する地域がある。
条件
ブラジリア | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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雨温図(説明) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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上記3つの条件を全て満たしていて下記の条件も満たす場合のみAs(熱帯夏季少雨気候)となり、上記3つの条件は全て満たしているが下記の条件を満たさない場合はAw(狭義のサバナ気候)となる。
- 最多雨月が冬にあり、3×最少雨月降水量<最多雨月降水量かつ最少雨月降水量が30mm未満。
また「最少雨月降水量が(100-0.04×年平均降水量)mm未満」という条件から「100-0.04×年平均降水量」の値が正である必要があるため、この気候に属する地域の年平均降水量は2,500mm未満になる。
分布
分布地域
典型的なサバナ気候(Aw)は、熱帯雨林の周辺に発達し、太陽の回帰にともない、赤道低圧帯の影響を受ける雨季(夏)と亜熱帯高圧帯の影響を受ける乾季(冬)に分かれる。主な分布地域は以下の通りである。
夏が乾季となるAs(熱帯夏季少雨気候)は極めて珍しく、ハワイ諸島の一部などごく限られた地域にのみ分布する。
日本の分布地域
サバナ気候に属する観測地点が存在するのは以下の市町村である。(かっこ書きは気象庁・アメダスの設置点):
典型的な都市
- バンコク(タイ)[4][疑問点 ]
- ホーチミン(ベトナム)[5]
- デンパサール(インドネシア バリ島)
- ダーウィン(オーストラリア)[5]
- ヌーメア(ニューカレドニア)
- ムンバイ(インド)
- コルカタ(インド)[5][4]
- ダルエスサラーム(タンザニア)
- キンシャサ(コンゴ民主共和国)
- ヤウンデ(カメルーン)
- ブラジリア(ブラジル)[4]
- フォルタレーザ(ブラジル)
- カラカス(ベネズエラ)
- ハバナ(キューバ)
- サントドミンゴ(ドミニカ共和国)
- テグシガルパ(ホンジュラス)
- メリダ(メキシコ)
- マイアミ(アメリカフロリダ州)[6] - 熱帯モンスーン気候に分類されることもある
- ポートモレスビー(パプアニューギニア)
- リオデジャネイロ(ブラジル)
- 三亜(中華人民共和国海南島)
- 高雄(台湾) - 熱帯モンスーン気候に分類されることもある
- サンボアンガ(フィリピン)
気候の特徴
サバナ気候にあたる地域では夏は赤道低圧帯に入るため湿った空気が流れ込みやすく、対流性・地形性・低気圧性の雨(降雨)が多い雨季となる。しかし冬は一転して中緯度高圧帯に入るため、乾燥した空気が長く居座り雨がほとんど降らない乾季が続く。一年の間で雨季と乾季がはっきりと分かれており、モンスーンの影響が非常に大きい地域である。
なお、ごく限られた地域では夏に高い山脈によって雲がさえぎられて雨蔭となるなどして夏が乾季、冬が雨季となるが(熱帯夏季少雨気候)、夏が雨季となる地域に比べて年間降水量は少ない。
雨季の降水量が少なければ旱魃、多ければ洪水となるため、どちらにしても農作物や飲料水をはじめとして生活全般に大きな影響が及ぶ。
土壌と植生
植生は丈の高い草原の中に乾燥に強いバオバブなどの樹木がまばらに生える、サバナとよばれる熱帯草原が多く見られる。夏にはこれらの植物が生い茂るが、冬の樹木は落葉し、草原は枯れ種や根に姿を変えるため赤茶けた大地となる[7]。アフリカでは、この気候帯に多くの野生動物が生息している。但し、ナイロビ国立公園の至近の街ナイロビは温帯夏雨気候に分類され、カラハリ砂漠のように乾燥帯の土地もあり(中央カラハリ動物保護区は世界第2位の広さの動物保護区、野生動物はこの気候より低温や乾燥した気候でも多くみられる。降水量の比較的多い地域(インドシナ半島など)では乾季に落葉する広葉樹林(雨緑林)も見られる。
土壌はラトソル(ラテライト)と赤黄色土が多く分布し、熱帯雨林ほどではないが痩せた土壌で農業にはあまり適さない。しかし、一部肥沃な土壌(ブラジル高原のテラローシャやインドデカン高原のレグール土)が分布する地域もある。
産業の特徴・その他
農業では、乾季に森林を燃やし雨季に作物を栽培する焼畑農業が多く見られる。プランテーション、自給的農業も多い。主な農産物はコーヒー豆、サトウキビ、天然ゴム、綿花、バナナ、茶、カカオなどである。
ガンジス川河口のバングラデシュやメコン川流域(メコン・デルタ)のベトナム南部・カンボジア、チャオプラヤ川流域のタイなど[8]では米の二期作[9][10]が行われており、生産量も多い。
脚注
- ^ a b “サバンナ気候”. コトバンク. 2017年9月10日閲覧。
- ^ “サバナ気候”. コトバンク. 2017年9月10日閲覧。
- ^ “第7回 : 気候変われば暮らしも変わる? ~各気候の生活~”. 高校講座 地理総合. NHK. 2023年7月30日閲覧。
- ^ a b c 二宮書店編集部 2017, 平成29年度版
- ^ a b c 帝国書院編集部 2017, 平成29年度版
- ^ 原 2011, p. 14
- ^ 農業土木学会 1992a, pp. 133–138, 柴田 健一、村山 忠一「LANDSATによるサバンナ地域の経年的植生変化」〈特集 : リモートセンシング〉60巻第2号。、国立国会図書館書誌ID:3761433。
- ^ 農業土木学会 1992a, pp. 127–132, 鳥井 清司、星 仰「衛星画像によるチャオプラヤ河口地帯の土地被覆変化」〈特集 : リモートセンシング〉60巻第2号。、国立国会図書館書誌ID:3761432。
- ^ 農業土木学会 1992b, pp. 293–299, 塩田 克郎「タイ国チャオプラヤ・デルタの乾期水管理問題とその対策」第60巻第4号。
- ^ 農業土木学会 1992c, pp. 517–523, 内田 晴夫「バングラデシュ・ハオール地域の洪水害と雨季稲作の安定化」60巻第6号。、国立国会図書館書誌ID:3774531。
参考文献
主な執筆者、編者の順。
- 二宮書店編集部『詳解現代地図』(平成29年度版)二宮書店、2017年。[要ページ番号]
- 『農業土木学会誌』第60巻1(通号 482)-6(通号 487)、農業土木学会、1992年、国立国会図書館書誌ID:19287-i5872081。
- 柴田 健一、村山 忠一「LANDSATによるサバンナ地域の経年的植生変化(リモートセンシング)」60巻第2号133ー138頁、1992年2月。国立国会図書館書誌ID:3761433
- 鳥井 清司、星 仰「衛星画像によるチャオプラヤ河口地帯の土地被覆変化(リモートセンシング〈特集〉)」60巻第2号127ー132頁、1992年2月(a)。国立国会図書館書誌ID:3761432
- 塩田 克郎「タイ国チャオプラヤ・デルタの乾期水管理問題とその対策」60巻第4号293ー299頁、1992年4月(b)。国立国会図書館書誌ID:3774772
- 内田 晴夫「バングラデシュ・ハオール地域の洪水害と雨季稲作の安定化」60巻第6号517ー523頁、1992年6月(c)。国立国会図書館書誌ID:3774531
- 原芳生 著「自然環境・環境利用・環境問題」、矢ケ﨑典隆 編『アメリカ』朝倉書店〈世界地誌シリーズ〉、2011年、9-25頁。ISBN 978-4-254-16858-7。