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「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」の版間の差分

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トゥインクル・シリーズのレースを観るため[[中山競馬場|中山レース場]]を訪れた'''[[ジャングルポケット (競走馬)|ジャングルポケット]](以下ポッケ)'''は、そこで目撃した'''[[フジキセキ]]'''の走りに心を奪われ、自らも『最強』になることを目指してレースへの参加を志した。日本中央トレセン学園に入学したポッケは、かつてフジキセキを担当した老トレーナー・タナベの指導によって瞬く間にその才能を開花させた。夏のデビュー戦から無敗のまま、12月のジュニア級G1・[[ホープフルステークス (中央競馬)|ホープフルステークス]]に出走したポッケだったが、そこで初めて競う'''[[アグネスタキオン]]'''に敗北する。落ち込むポッケだが、その翌日に行われた有馬記念で優勝し、シニア級G1完全制覇の偉業を達成した「覇王」'''[[テイエムオペラオー]]'''の雄姿に闘志を掻き立てられる。
トゥインクル・シリーズのレースを観るため[[中山競馬場|中山レース場]]を訪れた'''[[ジャングルポケット (競走馬)|ジャングルポケット]](以下ポッケ)'''は、そこで目撃した'''[[フジキセキ]]'''の走りに心を奪われ、自らも『最強』になることを目指してレースへの参加を志した。日本中央トレセン学園に入学したポッケは、かつてフジキセキを担当した老トレーナー・タナベの指導によって瞬く間にその才能を開花させた。夏のデビュー戦から無敗のまま、12月のジュニア級G1・[[ホープフルステークス (中央競馬)|ホープフルステークス]]に出走したポッケだったが、そこで初めて競う'''[[アグネスタキオン]]'''に敗北する。落ち込むポッケだが、その翌日に行われた有馬記念で優勝し、シニア級G1完全制覇の偉業を達成した「覇王」'''[[テイエムオペラオー]]'''の雄姿に闘志を掻き立てられる。


年が明けクラシック級に進んだポッケは、級友の'''[[ダンツフレーム]]'''を引き連れて、タキオンが友人の'''[[マンハッタンカフェ]]'''と共有して居室にしている理科準備室に押しかける。タキオンは一方的なポッケの宣戦布告に応じるが、ウマ娘の身体能力の源や、走り続けた先に拓けるはずの『真理』を研究したいタキオンにとって、レースの結果自体はどうでもよいものだった。ポッケとタキオンはそれぞれの前哨戦を快勝し、ダンツも交えてクラシックG1・[[皐月賞]]で再び競い合うが、結果はタキオンの完勝であった。しかしその直後、タキオンは左脚の故障を理由にレース参加の無期限休止を発表する。自らの左脚の限界を察したタキオンは、狂気の走りを同期達の脳裏刻みこみ、それを成長の糧として『真理』へ到達するウマ娘を観察しようと考えていたのだ。
年が明けクラシック級に進んだポッケは、級友の'''[[ダンツフレーム]]'''を引き連れて、タキオンが友人の'''[[マンハッタンカフェ]]'''と共有して居室にしている理科準備室に押しかける。タキオンは一方的なポッケの宣戦布告に応じるが、ウマ娘の身体能力の源や、走り続けた先に拓けるはずの『真理』を研究したいタキオンにとって、レースの結果自体はどうでもよいものだった。ポッケとタキオンはそれぞれの前哨戦を快勝し、ダンツも交えてクラシックG1・[[皐月賞]]で再び競い合うが、結果はタキオンの完勝った。しかしその直後、タキオンは左脚の故障を理由にレース参加の無期限休止を発表する。自らの左脚の限界を察したタキオンは、狂気の走りを同期達に見せつけ、それを成長の糧として『真理』へ到達するウマ娘を観察しようと考えていたのだ。


ダンツとカフェがそれぞれの信念に殉じて走り続ける一方、気持ちの整理がつかずに荒れるポッケ。タナベは、かつてクラシック三冠制覇を確実視されながらも故障で引退を余儀なくされたフジキセキと、その想いを継がずに一時期トレーナーとしての一線を辞していた自分を引き合いに出し、ポッケに新たな夢を託していることを伝える。タナベとフジキセキの想いを汲んだポッケは、続くクラシックG1・[[東京優駿|日本ダービー]]においてダンツとの壮絶な競り合いを制し、世代最強の証・ダービーウマ娘の称号を手にした。ポッケは、勝利の興奮と、2度と競えなタキオンへの複雑な感情に身を任せ、だひたすら叫び続ける。一方のタキオンは、ポッケが期待以上の走りを見せたことを、初めこそ無邪気に喜んでいたものの、ポッケが「自分の代わりに」ウマ娘の『真理』に到達することに気付くと、複雑な表情を浮かべる。
ダンツとカフェがそれぞれの信念に則って走り続ける一方、気持ちの整理がつかずに荒れるポッケ。タナベは、かつてクラシック三冠制覇を確実視されながらも故障で引退を余儀なくされたフジキセキと、その想いを継がずに一時期トレーナーを辞していた自分を引き合いに出し、ポッケに新たな夢を託していることを伝える。タナベとフジキセキの想いを汲んだポッケは、続くクラシックG1・[[東京優駿|日本ダービー]]においてダンツとの壮絶な競り合いを制し、世代最強の証・ダービーウマ娘の称号を手にした。観客席から観戦していたタキオンは、ポッケが期待以上の走りを見せたことを無邪気に喜んものの、ポッケが「自分の代わりに」ウマ娘の『真理』に到達することに気付、複雑な表情を浮かべる。それを知る由もないポッケは、勝利の興奮と、2度と競えないタキオンへの複雑な感情に身を任せ、ただひたすら叫び続ける。


ポッケ達は夏の合宿に参加するが、調子を上げていくカフェやダンツと裏腹に、ポッケは徐々に精彩を欠いていく。始動戦のG2・[[札幌記念]]では凡走し、クラシック最後のG1・[[菊花賞]]においてもカフェの後塵を拝する。ポッケの心中には、常に自分の先を走り続けるタキオンの幻影と、「自分は『最強』なんかじゃない」とささやき続けるもう一人の自分の幻影が巣食っており、自らを追い詰めていた。そのことを察したフジキセキは、早期引退を余儀なくされたことで「全盛期のまま走り続ける自分自身の幻影」に悩んだ過去を持つ自分とポッケを重ね合わせ、ポッケに初心を取り戻させるべく、一対一のマッチレースに誘う。ポッケは、レースに復帰しようとするフジキセキの姿から「決して追い付けない幻影を前にして、それでも走り続けた者だけが『最強』の資格を掴める」ことを見出し、現役最強のテイエムオペラオーに挑むべく、[[東京競馬場|東京レース場]]で行われる国際G1・[[ジャパンカップ]]への出走を決める。
ポッケ達は夏の合宿に参加するが、調子を上げていくカフェやダンツと裏腹に、ポッケは徐々に精彩を欠いていく。始動戦のG2・[[札幌記念]]では凡走し、クラシック最後のG1・[[菊花賞]]においてもカフェの後塵を拝する。ポッケの心中には、常に自分の先を走り続けるタキオンの幻影と、「自分は『最強』なんかじゃない」とささやき続けるもう一人の自分の幻影が巣食っており、自らを追い詰めていた。そのことを察したフジキセキは、早期引退を余儀なくされたことで「全盛期のまま走り続ける自分自身の幻影」に悩んだ過去を持つ自分とポッケを重ね合わせ、ポッケに初心を取り戻させるべく、一対一のマッチレースに誘う。ポッケは、レースに復帰しようとするフジキセキの姿から「決して追い付けない幻影を前にして、それでも走り続けた者だけが『最強』の資格を掴める」ことを見出し、現役最強のテイエムオペラオーに挑むべく、[[東京競馬場|東京レース場]]で行われる国際G1・[[ジャパンカップ]]への出走を決める。

そのころタキオンは相変わらず研究に勤しんでいたが、レースへの未練は断ち切れておらず、その煮え切らない態度に愛想をつかしたカフェから距離を置かれるようになっていた。荒れ放題になった理科準備室を訪ね、助力を請うて来たポッケをタキオンは突き放すが、めげずにダンツやカフェを誘ってトレーニングに向かうポッケの姿に、今や自分だけが同期達から置き去りにされている現実を突きつけられるのだった。
一方、タキオンは研究に勤しんでいたが、日本ダービーで抱いたレースへの未練はますます強くなり、その煮え切らない態度に愛想をつかしたカフェ距離を置かれることにな。荒れ放題になった理科準備室を訪ね、助力を請うて来たポッケをタキオンは突き放すが、めげずにダンツやカフェを誘ってトレーニングに向かうポッケの姿に、今や自分だけが同期達から置き去りにされている現実を突きつけられるのだった。


11月25日、ジャパンカップが始まる。ダンツやカフェ、タナベやフジキセキ、そして観客席で力無く佇むタキオンの遥か前方で、ポッケやオペラオー達は死力を尽くしたレースを繰り広げる。ラストスパートに移るポッケを見たタキオンは「自分自身が『真理』にたどり着かねば意味がない」という衝動に駆られ、レース場を飛び出してがむしゃらに走り始めた。そしてポッケもまた、立ちふさがる自分自身の幻影を打ち砕き、オペラオーとの一騎打ちに競り勝って名実ともに『最強』の座を手にする。走る喜びを思い出したタキオンが目を輝かせた時、ポッケの心からの勝利の雄叫びが東京レース場に木霊した。
11月25日、ジャパンカップが始まる。ダンツやカフェ、タナベやフジキセキ、そして観客席で力無く佇むタキオンの遥か前方で、ポッケやオペラオー達は死力を尽くしたレースを繰り広げる。ラストスパートに移るポッケを見たタキオンは「自分自身が『真理』にたどり着かねば意味がない」という衝動に駆られ、レース場を飛び出してがむしゃらに走り始めた。そしてポッケもまた、立ちふさがる自分自身の幻影を打ち砕き、オペラオーとの一騎打ちに競り勝って名実ともに『最強』の座を手にする。走る喜びを思い出したタキオンが目を輝かせた時、ポッケの心からの勝利の雄叫びが東京レース場に木霊した。
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; [[ジャングルポケット (競走馬)|ジャングルポケット]]
; [[ジャングルポケット (競走馬)|ジャングルポケット]]
: 声 - [[藤本侑里]]<ref name="caststaff">{{Cite web|url=https://movie-umamusume.jp/caststaff/|title=CAST&STAFF|work=劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』 公式サイト|accessdate=2024-03-23}}</ref>
: 声 - [[藤本侑里]]<ref name="caststaff">{{Cite web|url=https://movie-umamusume.jp/caststaff/|title=CAST&STAFF|work=劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』 公式サイト|accessdate=2024-03-23}}</ref>
: 本作の主人公。愛称は「ポッケ」。フジキセキの[[弥生賞ディープインパクト記念|弥生賞]]のレースを見て感銘を受け、トレセン学園に入学する。
: 本作の主人公。愛称は「ポッケ」。フジキセキの[[弥生賞ディープインパクト記念|弥生賞]]のレースを見て感銘を受け、トレセン学園に入学する。目標となる強者と競い合うことで成長するタイプのアスリートであり、その超えるべき壁となるタキオンが唐突に去ったことで悩みを抱えることになる。
; [[アグネスタキオン]]
; [[アグネスタキオン]]
: 声 - [[上坂すみれ]]{{R|caststaff}}
: 声 - [[上坂すみれ]]{{R|caststaff}}
: 他の同期を圧倒する実力を持ちながらも、ウマ娘に関する研究に腐心する変人ウマ娘。ポッケにとって決して越えられない壁となる一方、自らもポッケの走りに強い影響を受けていく。
; [[マンハッタンカフェ]]
; [[マンハッタンカフェ]]
: 声 - [[小倉唯]]{{R|caststaff}}
: 声 - [[小倉唯]]{{R|caststaff}}
: ミステリアスな雰囲気を漂わせる、コーヒー好きのウマ娘。彼女本人にしか見えない、全てのウマ娘を超える実力を持つ謎の存在「お友達」に追いつくことを目標としている。タキオンとは居室を共有しているが、怪しげな実験を持ち掛けてきたり、「お友達」を「イマジナリーフレンド」呼ばわりするなどの傍若無人な言動は良く思っていない。
; [[ダンツフレーム]]
; [[ダンツフレーム]]
: 声 - [[福嶋晴菜]]{{R|caststaff}}
: 声 - [[福嶋晴菜]]{{R|caststaff}}
: 明るく気遣い上手なウマ娘。心中では同期達ほどの才能が無いことに悩みつつも、勝って「舞台の真ん中」に立つことを強く願い、実直に走り続ける芯の強さを持つ。
; [[テイエムオペラオー]]
; [[テイエムオペラオー]]
: 声 - [[徳井青空]]{{R|caststaff}}
: 声 - [[徳井青空]]{{R|caststaff}}
: 「世紀末覇王」の異名をとる、トゥインクル・シリーズ現役最強のウマ娘。尋常ならざるナルシストで、常に芝居がかった話し方をする奇人だが、挑戦者に対しては心からの敬意を払う「真の強者」でもある。
; [[フジキセキ]]
; [[フジキセキ]]
: 声 - [[松井恵理子]]{{R|caststaff}}
: 声 - [[松井恵理子]]{{R|caststaff}}

2024年6月13日 (木) 12:14時点における版

ウマ娘 プリティーダービー > ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉
ウマ娘 プリティーダービー
新時代の扉
監督 山本健
脚本 吉村清子
原作 Cygames
出演者 藤本侑里
上坂すみれ
小倉唯
福嶋晴菜
徳井青空
松井恵理子
中村カンナ
和多田美咲
緒方賢一
伊駒ゆりえ
櫻井みゆき
仁見紗綾
本泉莉奈
山本昌広
音楽 横山克
主題歌 「Ready!! Steady!! Derby!!」
編集 木村佳史子
制作会社 CygamesPictures
製作会社 劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」製作委員会
配給 日本の旗 東宝
公開 日本の旗 2024年5月24日
上映時間 108分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』(ウマむすめ プリティーダービー しんじだいのとびら)は、2024年5月24日に公開されたCygamesPictures制作による日本アニメーション映画Cygamesによるメディアミックスプロジェクト「ウマ娘 プリティーダービー」を原案とした映画作品。

概要

2023年12月28日、テレビアニメ第3期『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』第13話(最終回)の放送終了後、初の映画化作品として本作の制作が決定したことが告知された[1]。アニメーション制作スタジオは2023年のWebアニメウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』の制作に関わったCygamesPicturesが担当する。

ジャングルポケットを主人公に、同世代のライバルたちとの競い合いを新たなストーリーとして展開する[2]。ティザービジュアルでは「最強はオレだ」をキャッチコピーに、ジャングルポケットが熱き戦いに向かっていく姿が描かれている[3]

2024年2月22日に配信された『ぱかライブTV Vol.38 3周年記念 ハッピーウィンターフェス!』にて新規公開されたジャングルポケットと同世代であるダンツフレームが本作に登場することが発表された[4]

あらすじ

トゥインクル・シリーズのレースを観るため中山レース場を訪れたジャングルポケット(以下ポッケ)は、そこで目撃したフジキセキの走りに心を奪われ、自らも『最強』になることを目指してレースへの参加を志した。日本中央トレセン学園に入学したポッケは、かつてフジキセキを担当した老トレーナー・タナベの指導によって瞬く間にその才能を開花させた。夏のデビュー戦から無敗のまま、12月のジュニア級G1・ホープフルステークスに出走したポッケだったが、そこで初めて競うアグネスタキオンに敗北する。落ち込むポッケだが、その翌日に行われた有馬記念で優勝し、シニア級G1完全制覇の偉業を達成した「覇王」テイエムオペラオーの雄姿に闘志を掻き立てられる。

年が明けクラシック級に進んだポッケは、級友のダンツフレームを引き連れて、タキオンが友人のマンハッタンカフェと共有して居室にしている理科準備室に押しかける。タキオンは一方的なポッケの宣戦布告に応じるが、ウマ娘の身体能力の源や、走り続けた先に拓けるはずの『真理』を研究したいタキオンにとって、レースの結果自体はどうでもよいものだった。ポッケとタキオンはそれぞれの前哨戦を快勝し、ダンツも交えてクラシックG1・皐月賞で再び競い合うが、結果はタキオンの完勝だった。しかしその直後、タキオンは左脚の故障を理由にレース参加の無期限休止を発表する。自らの左脚の限界を察したタキオンは、狂気の走りを同期達に見せつけ、それを成長の糧として『真理』へ到達するウマ娘を観察しようと考えていたのだ。

ダンツとカフェがそれぞれの信念に則って走り続ける一方、気持ちの整理がつかずに荒れるポッケ。タナベは、かつてクラシック三冠制覇を確実視されながらも故障で引退を余儀なくされたフジキセキと、その想いを継がずに一時期トレーナーを辞していた自分を引き合いに出し、ポッケに新たな夢を託していることを伝える。タナベとフジキセキの想いを汲んだポッケは、続くクラシックG1・日本ダービーにおいてダンツとの壮絶な競り合いを制し、世代最強の証・ダービーウマ娘の称号を手にした。観客席から観戦していたタキオンは、ポッケが期待以上の走りを見せたことを無邪気に喜んだものの、ポッケが「自分の代わりに」ウマ娘の『真理』に到達することに気付き、複雑な表情を浮かべる。それを知る由もないポッケは、勝利の興奮と、2度と競えないタキオンへの複雑な感情に身を任せ、ただひたすら叫び続ける。

ポッケ達は夏の合宿に参加するが、調子を上げていくカフェやダンツと裏腹に、ポッケは徐々に精彩を欠いていく。始動戦のG2・札幌記念では凡走し、クラシック最後のG1・菊花賞においてもカフェの後塵を拝する。ポッケの心中には、常に自分の先を走り続けるタキオンの幻影と、「自分は『最強』なんかじゃない」とささやき続けるもう一人の自分の幻影が巣食っており、自らを追い詰めていた。そのことを察したフジキセキは、早期引退を余儀なくされたことで「全盛期のまま走り続ける自分自身の幻影」に悩んだ過去を持つ自分とポッケを重ね合わせ、ポッケに初心を取り戻させるべく、一対一のマッチレースに誘う。ポッケは、レースに復帰しようとするフジキセキの姿から「決して追い付けない幻影を前にして、それでも走り続けた者だけが『最強』の資格を掴める」ことを見出し、現役最強のテイエムオペラオーに挑むべく、東京レース場で行われる国際G1・ジャパンカップへの出走を決める。

一方、タキオンは研究に勤しんでいたが、日本ダービーで抱いたレースへの未練はますます強くなり、その煮え切らない態度に愛想をつかしたカフェに距離を置かれることになる。荒れ放題になった理科準備室を訪ね、助力を請うて来たポッケをタキオンは突き放すが、めげずにダンツやカフェを誘ってトレーニングに向かうポッケの姿に、今や自分だけが同期達から置き去りにされている現実を突きつけられるのだった。

11月25日、ジャパンカップが始まる。ダンツやカフェ、タナベやフジキセキ、そして観客席で力無く佇むタキオンの遥か前方で、ポッケやオペラオー達は死力を尽くしたレースを繰り広げる。ラストスパートに移るポッケを見たタキオンは「自分自身が『真理』にたどり着かねば意味がない」という衝動に駆られ、レース場を飛び出してがむしゃらに走り始めた。そしてポッケもまた、立ちふさがる自分自身の幻影を打ち砕き、オペラオーとの一騎打ちに競り勝って名実ともに『最強』の座を手にする。走る喜びを思い出したタキオンが目を輝かせた時、ポッケの心からの勝利の雄叫びが東京レース場に木霊した。

月日は流れ、タキオンが去った後も走り続けたポッケ、ダンツ、カフェと、負傷を乗り越え帰ってきたタキオンを交えた新たなレースの開幕を描き、物語は幕を閉じる。

登場キャラクター

ウマ娘

ジャングルポケット
声 - 藤本侑里[5]
本作の主人公。愛称は「ポッケ」。フジキセキの弥生賞のレースを見て感銘を受け、トレセン学園に入学する。目標となる強者と競い合うことで成長するタイプのアスリートであり、その超えるべき壁となるタキオンが唐突に去ったことで悩みを抱えることになる。
アグネスタキオン
声 - 上坂すみれ[5]
他の同期を圧倒する実力を持ちながらも、ウマ娘に関する研究に腐心する変人ウマ娘。ポッケにとって決して越えられない壁となる一方、自らもポッケの走りに強い影響を受けていく。
マンハッタンカフェ
声 - 小倉唯[5]
ミステリアスな雰囲気を漂わせる、コーヒー好きのウマ娘。彼女本人にしか見えない、全てのウマ娘を超える実力を持つ謎の存在「お友達」に追いつくことを目標としている。タキオンとは居室を共有しているが、怪しげな実験を持ち掛けてきたり、「お友達」を「イマジナリーフレンド」呼ばわりするなどの傍若無人な言動は良く思っていない。
ダンツフレーム
声 - 福嶋晴菜[5]
明るく気遣い上手なウマ娘。心中では同期達ほどの才能が無いことに悩みつつも、勝って「舞台の真ん中」に立つことを強く願い、実直に走り続ける芯の強さを持つ。
テイエムオペラオー
声 - 徳井青空[5]
「世紀末覇王」の異名をとる、トゥインクル・シリーズ現役最強のウマ娘。尋常ならざるナルシストで、常に芝居がかった話し方をする奇人だが、挑戦者に対しては心からの敬意を払う「真の強者」でもある。
フジキセキ
声 - 松井恵理子[5]
ナリタトップロード
声 - 中村カンナ[5]
メイショウドトウ
声 - 和多田美咲[5]
シマ、ルー、メイ
声 - 伊駒ゆりえ(シマ)[5]櫻井みゆき(ルー)[5]仁見紗綾(メイ)[5]
いつも3人で行動しているウマ娘。親友のジャングルポケットと共にトレセン学園に入学し、彼女が出走するレースには必ず行って精一杯応援する。
トーセンジョーダン
声 - 鈴木絵理
ハルウララ
声 - 首藤志奈
キングヘイロー
声 - 佐伯伊織
エアシャカール
声 - 津田美波
ゴールドシチー
声 - 香坂さき
アグネスデジタル
声 - 鈴木みのり
ダイワスカーレット
声 - 木村千咲
ユキノビジン
声 - 山本希望
ライスシャワー
声 - 石見舞菜香
カレンチャン
声 - 篠原侑
ヒシミラクル
声 - 春日さくら
アドマイヤベガ
声 - 咲々木瞳
オグリキャップ
声 - 高柳知葉

トレセン学園の関係者

タナベトレーナー
声 - 緒方賢一[5]
ジャングルポケットを担当するベテラントレーナー。かつてはフジキセキ担当だったが、一時期ウマ娘の育成からは離れていた。
沖田トレーナー(おきた)
声 - 土田大
ナリタトップロードのトレーナー。
樫本 理子(かしもと りこ)
声 - 朴璐美
桐生院 葵(きりゅういん あおい)
声 - 岡咲美保
乙名史 悦子(おとなし えつこ)
声 - 陶山恵実里

その他の登場人物

泉本 奈々(いずもと なな)
声 - 本泉莉奈[5]
トゥインクル・シリーズの実況を担当しているアナウンサー。
ウマ娘番組MC
声 - 斉藤慎二ジャングルポケット
解説
声 - 山本昌弘[6]
特別解説
声 - 大久保洋吉(元JRA調教師[6]
ジャパンカップの解説担当。

スタッフ

  • 原作 - Cygames[5]
  • 監督 - 山本健[5]
  • シナリオディレクター・ストーリー構成 - 小針哲也[5]
  • 脚本 - 吉村清子[5]
  • キャラクターデザイン・総作画監督 - 山崎淳[5]
  • 美術監督 - 渡辺悠祐[5]
  • 色彩設計 - 岩井田洋[5]
  • 3D監督 - 中野祥典[5]
  • 撮影監督 - 川下裕樹[5]、伏原あかね[5]
  • 編集 - 木村佳史子[5]
  • 音響監督 - 鶴岡陽太[5]
  • 音楽プロデューサー - 内田哲也[5]
  • 音楽 - 横山克[5]
  • コンテンツディレクター - 秋津琢磨[5]
  • キャラクターデザイン監修 - 清永みなみ[5]
  • アニメーションプロデューサー - 溝口侃[5]
  • アニメーション制作 - CygamesPictures[5]
  • 配給 - 東宝[5]

主題歌

「Ready!! Steady!! Derby!!」[7]
ジャングルポケット(藤本侑里)、アグネスタキオン(上坂すみれ)、マンハッタンカフェ(小倉唯)、ダンツフレーム(福嶋晴菜)による主題歌。作詞・作曲は大石昌良
公開2日後の5月26日東京競馬場にて施行された第91回東京優駿の当日には、同競走にてファンファーレ生演奏を担当する陸上自衛隊中央音楽隊により、昼の休憩時間中の演奏会で演奏された[8]

出典

  1. ^ 『ウマ娘』初の映画『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』が制作決定。公開は2024年5月24日。ジャングルポケットが主人公でアグネスタキオン、マンハッタンカフェと競い合う”. 電撃オンライン. KADOKAWA Game Linkage (2023年12月28日). 2023年12月28日閲覧。
  2. ^ 「ウマ娘」初映画化決定 主人公はジャングルポケット『新時代の扉』2024年5月24日公開”. シネマトゥデイ (2023年12月28日). 2023年12月28日閲覧。
  3. ^ 「ウマ娘」が初の映画化!主人公はジャングルポケット ティザービジュ&特報映像も”. コミックナタリー. ナターシャ (2023年12月28日). 2023年12月28日閲覧。
  4. ^ 劇場版「ウマ娘」に福嶋晴菜演じる新たなウマ娘・ダンツフレームが登場”. コミックナタリー. ナターシャ (2024年2月23日). 2024年2月23日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af CAST&STAFF”. 劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』 公式サイト. 2024年3月23日閲覧。
  6. ^ a b 劇場版『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』公式Xアカウント”. X(旧Twitter) (2024年5月6日). 2024年5月6日閲覧。
  7. ^ 大石昌良が「ウマ娘」と初タッグ!5月公開の劇場版に主題歌「Ready!! Steady!! Derby!!」提供”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2024年3月22日). 2024年3月22日閲覧。
  8. ^ 日本ダービーのファンファーレも担当される陸上自衛隊中央音楽隊によるお昼の演奏会の様子です! - JRA-VAN公式X(旧Twitter) 2024年5月26日

外部リンク