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受容体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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受容体(じゅようたい、receptor)とは、生物の体にあって、外界や体内からの何らかの刺激を受け取り、情報(感覚)として利用できるように変換する仕組みを持った構造のこと。レセプターまたはリセプターともいう。下記のいずれにも受容体という言葉を用いる# 外界や体内からの刺激を受けとる細胞のこと。受容細胞(じゅようさいぼう)ともいう。受容細胞は、上記1の受容器の構成成分である。例えば、目の網膜にあって、光を受け取る細胞は、視細胞(桿状体、杆状体)であり、鼻の中にあって、におい分子を受け取る細胞は、嗅細胞(きゅうさいぼう)である。これらが受容体(受容細胞)に相当する。

  1. 外界や体内からの刺激を受けとる分子やその複合体のこと。シグナル伝達に関わる。多くの場合、上記2の受容細胞の細胞膜上や、細胞質、あるいは内にあるタンパク質である。例えば、網膜の視細胞には、ロドプシンなどの光受容体が含まれており、ホルモンの作用を受ける細胞には、ホルモンと結合するホルモン受容体が含まれている。

生物の細胞は、すべて[要説明]、外界の変化を刺激として受け入れ、反応をおこす[要説明]性質をもっており、この性質を細胞の刺激反応性と呼ぶ。この刺激反応性の現れ方には、単細胞から多細胞への進化、すなわち、体制の複雑化に伴って、さまざまな段階がみられる。

刺激を受け入れる[要説明]細胞または器官を受容体(受容器)、反応をおこす細胞[要説明]または器官を作動体(効果器)という。

受容体タンパク質分子

生化学では受容体とは、細胞膜細胞質または内にあるタンパク質で、それに特異的な物質(リガンド)、すなわち神経伝達物質、ホルモン、細胞増殖因子その他の物質を結合し、細胞の反応を開始させるものを呼ぶ。つまり細胞外のシグナルを細胞内シグナルに変換する装置である。また様々な薬物や毒物を結合してそのターゲットとなるものも多い。

受容体にはリガンドや機能に応じて様々なタイプがある:

  • 多くのホルモンや神経伝達物質に対する受容体は膜貫通タンパク質で、細胞膜の脂質二重層に埋もれている。これらの受容体には、Gタンパク質と共役したものや、酵素あるいはイオンチャネルの活性を有するものなどがあり、リガンドによる活性化により細胞内シグナル伝達を開始する。
  • その他の重要な一群の受容体にはステロイドホルモン受容体などの細胞内タンパク質がある。これらの受容体リガンドによる活性化に反応して核内に入り遺伝子発現を調節する。
  • 以上挙げたような受容体に構造が似ているがその機能がまだ不明なタンパク質が多く見つかっている。これらはオーファン受容体(孤児受容体)と呼ばれている。これらに結合する薬物の中から医薬品の候補が見付かる可能性があるとして創薬の面からも注目されている。

膜貫通受容体

代謝型受容体

Gタンパク質共役受容体は、三量体Gタンパク質を介して細胞内にシグナルを伝える。ポリペプチド鎖が膜を7回貫通するという構造的特徴を有しているので、7回膜貫通型(7TM)受容体とも呼ばれる。

など、多数ある。 教科書には単量体としてのみ機能しているかのように記載されているが、二量体以上の高次複合体としての機能も多数報告されており、詳細については未解明である。

チロシンキナーゼ受容体
グアニル酸シクラーゼ受容体

GTPからサイクリックGMPを合成する酵素活性をもつ。

  • GC-A、GC-B:心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)やその他のナトリウム利尿ペプチドの受容体。
  • GC-C:グアニリン受容体

イオンチャネル型受容体

リガンド刺激によりイオンを透過する。どのイオンを透過させるかはイオンチャネルの特性によって異なり、特定のイオンのみを透過するチャネルもあれば、いくつかのイオンを透過させるチャネルもある。

細胞内(核内)受容体

核内受容体スーパーファミリー

その他の細胞内受容体

なお、細胞上でウイルスなどの病原体が結合する分子も受容体と呼ぶが、これはタンパク質とは限らず脂質多糖の場合もある。

外部リンク