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ヘパリン類似物質 (外用薬)

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ヒルドイド®ソフト軟膏0.3% 25g(表)
ヒルドイド®ソフト軟膏0.3% 25g(裏)

ヒルドイド: Hirudoid)は、マルホが製造販売する抗炎症血行促進剤、血行促進・皮膚保湿剤である。ヘパリン類似物質(ヘパリノイド)を薬効成分とする[1]。同社は1954年に凝血阻止血行促進剤として「ヒルドイド」を販売開始。1990年には同製品に皮脂欠乏症の効能を追加、薬効分類を血行促進・皮膚保湿剤に変更。1996年に「ヒルドイドソフト」を、2001年に「ヒルドイドローション」をそれぞれ血行促進・皮膚保湿剤として販売開始している[2]

効能・効果

外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、血栓性静脈炎、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、進行性指掌角皮症、筋性斜頸(乳児期) [3]
ヒルドイドゲル0.3% 添付文書より
皮脂欠乏症、進行性指掌角皮症、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、血栓性静脈炎(痔核を含む)、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸(乳児期) [4]
ヒルドイドクリーム0.3%・ヒルドイドソフト軟膏0.3%・ヒルドイドローション0.3% 添付文書より

後発医薬品について

2012年2月、日本皮膚科学会雑誌に掲載された論文によると、先発医薬品であるヒルドイドと後発医薬品との比較試験において、塗布による角層中水分量増加の効果は、後発医薬品が明らかに劣ると発表された[5]。それに対し独立行政法人医薬品医療機器総合機構が行った文献調査結果では、試験方法について齟齬や不明な点があり懐疑的な見解が示されているものの、油中水型の製剤であるヒルドイドと水中油型の製剤である後発医薬品との違いが、皮膚透過性に影響したことが考えられると結論付けている[6]。また、同様の実例については、2016年4月、医学書院発行の「週刊医学界新聞」でも言及され、後発医薬品の中でも外用薬に関しては、配合剤が同じである以外は同等性が保証されておらず、基剤の違いは持続時間など効果に影響することもあり、その差が先発医薬品のヒルドイドを選択する根拠になるとの見方がなされている[7]

出典

  1. ^ 製品一覧”. マルホ株式会社. 2016年8月21日閲覧。
  2. ^ 沿革”. マルホ株式会社. 2016年8月21日閲覧。
  3. ^ 添付文書” (PDF). マルホ株式会社. 2016年8月21日閲覧。
  4. ^ 添付文書” (PDF). マルホ株式会社. 2016年8月21日閲覧。
  5. ^ 野澤 茜 (2012年2月). “ヘパリン類似物質含有製剤の先発医薬品と後発医薬品の評価”. CiNii. 2016年8月21日閲覧。
  6. ^ 文献調査結果のまとめ(平成24年4月~9月)” (PDF). 独立行政法人医薬品医療機器総合機構. p. 4. 2016年8月21日閲覧。
  7. ^ 安部 正敏 (2016年4月18日). “皮膚疾患の外用療法 - 週刊医学界新聞 第3171号”. 医学書院. 2016年8月23日閲覧。

関連項目

外部リンク