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第91回凱旋門賞

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第91回凱旋門賞(だい91かいがいせんもんしょう)とは、2012年10月7日フランスロンシャン競馬場において2400メートルで行われた競馬競走である。日本から、前年のクラシック三冠馬であるオルフェーヴルが挑戦したが、2着に惜敗した。

条件

  • 発走:15時25分(日本時間23時25分)
  • 賞金総額:4,000,000ユーロ(1着賞金2,285,600ユーロ)
  • 出走条件:3歳以上牡牝
  • 天候:
  • 馬場硬度:

オルフェーヴルのフランス遠征

前年にクラシック三冠を達成したオルフェーヴルの管理調教師である池江泰寿は、菊花賞に勝利した後に「目標は、ボクの夢である凱旋門賞です」と発言している[1]。 また、その後有馬記念に勝利した際には、ドバイへの遠征も視野に入れたコメントを残している[2]

しかし、当年の阪神大賞典でコースを逸走して2着に敗れ、続く天皇賞(春)でも見せ場無く11着に惨敗すると、「この着順では、凱旋門賞と大きな声では言えない」[3]と大きくトーンダウンした。 背水の陣で挑んだ宝塚記念では「7割程度」[4]の出来と言われながらも2着に2馬身をつけて勝利し復活をアピール、凱旋門賞挑戦が正式に決定された。また、騎手はデビュー以来手綱をとり続けてきた池添謙一に代わり、クリストフ・スミヨンが起用されることとなった。

フランスへの遠征では、前哨戦としてフォワ賞に出走した。 5頭でのレースとなったがG1を3勝していたミアンドルらを退けて優勝。直後にはブックメーカーのオッズで1番人気に推されるなど大きな注目を集めるようになった[5]

レース施行前の状況

主な前哨戦の結果

施行日 レース名 着順 競走馬名
9月2日 バーデン大賞 G1 1着 デインドリーム
9月8日 アイリッシュチャンピオンステークス G1 1着 スノーフェアリー
9月16日 ヴェルメイユ賞 G1 1着 シャレータ
フォワ賞 G2 1着 オルフェーヴル
ニエル賞 G2 1着 サオノワ

各馬の状況

直前になって古馬の有力馬に回避が相次いだ。当年のアイルランドチャンピオンステークスに優勝していたスノーフェアリーが故障により[6]、前年の凱旋門賞の覇者であるデインドリームがドイツで発生した馬伝染性貧血による移動制限により[6]、前年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス優勝馬で当年もハナ差2着に好走していたナサニエルが熱発により[6]回避することとなった。 これにより、古馬では前年の凱旋門賞2着馬で直前のヴェルメイユ賞にも優勝したシャレータ、当年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス5着のシームーンらが実績上位馬として出走することとなった。

一方3歳馬は、セントレジャーステークスで敗れイギリスクラシック三冠を逃したキャメロットが直前になって出走を表明[6]。 それまでの主戦騎手であるジョセフ・オブライエンは56kgでの騎乗には減量が必要となるため[7]ランフランコ・デットーリが騎乗することとなった[6]。 また、当年のジョッケクルブ賞(フランスダービー)優勝馬で、前哨戦のニエル賞にも優勝したサオノワ、アイリッシュオークス勝ち馬のグレートヘヴンズらも出走してきた。

当年はペースメーカーとして、オルフェーヴル陣営がアヴェンティーノを、キャメロット陣営がロビンフッドを登録した。

出走表

枠番 馬番 馬名(生産国) 調教国 性齢 斤量 (kg) 騎手 調教師
1 9 ハヤランダ
Haya Landa (フランスの旗)
フランスの旗 フランス 牝4 58.0 F.ブロンデル
Franck Blondel
L.オードン
Mme L Audon
2 16 サオノワ
Saonois (フランスの旗)
フランスの旗 フランス 牡3 56.0 A.アムラン
Antoine Hamelin
J.ゴーヴァン
Jean-Pierre Gauvin
3 17 イエローアンドグリーン
Yellow And Green (イギリスの旗)
フランスの旗 フランス 牝3 54.5 T.テュリエ
Thierry Thulliez
N.クレメント
Nicolas Clement
4 15 アーネストヘミングウェイ
Ernest Hemingway (アイルランドの旗)
アイルランドの旗 アイルランド 牡3 56.0 C.オドノヒュー
Colm O'Donoghue
A.オブライエン
Aidan Patrick O'Brien
5 13 キャメロット
Camelot (イギリスの旗)
アイルランドの旗 アイルランド 牡3 56.0 L.デットーリ
Lanfranco Dettori
A.オブライエン
Aidan Patrick O'Brien
6 10 ソレミア
Solemia (アイルランドの旗)
フランスの旗 フランス 牝4 58.0 O.ペリエ
Olivier Peslier
C.ラフォンパリアス
Carlos Laffon-Parias
7 18 グレートヘヴンズ
Great Heavens (イギリスの旗)
イギリスの旗 イギリス 牝3 54.5 W.ビュイック
William Buick
J.ゴスデン
John Gosden
8 7 アヴェンティーノ
Aventino (日本の旗)
日本の旗 日本 牡8 59.5 A.クラストゥス
Anthony Crastus
池江泰寿
Yasutoshi Ikee
9 4 ミハイルグリンカ
Mikhail Glinka (アイルランドの旗)
 チェコ 牡5 59.5 M.デムーロ
Mirco Demuro
A.シャヴイエヴ
Aarslangirfy Savujev
10 2 セントニコラスアビー
St Nicholas Abbey (アイルランドの旗)
アイルランドの旗 アイルランド 牡5 59.5 J.オブライエン
Joseph Patrick O'Brien
A.オブライエン
Aidan Patrick O'Brien
11 8 シャレータ
Shareta (アイルランドの旗)
フランスの旗 フランス 牝4 58.0 C.ルメール
Thierry Gillet
A.ドゥロワイエデュプレ
Alain de Royer-Dupre
12 5 ロビンフッド
Robin Hood (アイルランドの旗)
アイルランドの旗 アイルランド 牡4 59.5 S.ヘファナン
Seamie Heffernan
A.オブライエン
Aidan Patrick O'Brien
13 3 ミアンドル
Meandre (フランスの旗)
フランスの旗 フランス 牡4 59.5 M.ギュイヨン
Maxime Guyon
アンドレ・ファーブル
Andre Fabre
14 11 ベイリル
Bayrir (フランスの旗)
フランスの旗 フランス 牡3 56.0 G.モッセ
Gerald Mosse
A.ドゥロワイエデュプレ
Alain de Royer-Dupre
15 12 ケザンプール
Kesampour (フランスの旗)
フランスの旗 フランス 牡3 56.0 G.ブノワ
Gregory Benoist
M.デルザングル
Mikel Delzangles
16 1 シームーン
Sea Moon (イギリスの旗)
イギリスの旗 イギリス 牡4 59.5 R.ムーア
Ryan Moore
M.スタウト
Michael Stoute
17 14 マスターストローク
Masterstroke (アメリカ合衆国の旗)
フランスの旗 フランス 牡3 56.0 M.バルザローナ
Mickael Barzalona
A.ファーブル
Andre Fabre
18 6 オルフェーヴル
Orfevre (日本の旗)
日本の旗 日本 牡4 59.5 C.スミヨン
Christophe Soumillon
池江泰寿
Yasutoshi Ikee

競走内容

横一線のスタートから、マスターストロークが逃げ、ロビンフッドが2番手を追走する。日本から挑戦したオルフェーヴルは、馬群外側の後方2、3番手を追走する。道中は大きな順位の変動はなく淡々と流れていく。 最後の直線で、オルフェーヴルが馬なりで大外からポジションを上げていき、追い出されると勢いよく先頭に立ち、さらに後続を突き放した。しかし、大外から内ラチ際まで大きくよれて失速[8]、盛り返してきたソレミアがゴール直前でオルフェーヴルを差しきり、優勝を飾った[9]。1番人気に推されたキャメロットは7着、サオノワは見せ場無く15着に大敗した[10]

競走結果

着順 馬名 勝ち時計
1着 Solemia 2:37.68
2着 Orfevre クビ
3着 Masterstroke 7
4着 Haya Landa 1
5着 Yellow And Green 1/2
6着 Great Heavens 2 1/2
7着 Camelot 1
8着 Sea Moon ハナ
9着 Shareta アタマ
10着 Bayrir 2 1/2
11着 St Nicholas Abbey クビ
12着 Meandre 2 1/2
13着 Kesampour 2
14着 Mikhail Glinka 大差
15着 Saonois 7
16着 Ernest Hemingway 4
17着 Aventino 大差
18着 Robin Hood 12

記録

出典

  1. ^ 【菊花賞】オルフェーヴルが三冠達成 史上7頭目の快挙”. Gallop Online (2011年10月23日). 2012年10月7日閲覧。
  2. ^ 4冠オルフェーヴルの池江師…ドバイ登録を表明”. スポーツニッポン (2012年1月2日). 2012年10月7日閲覧。
  3. ^ 敗因は馬場? 大敗オルフェーヴル、凱旋門賞も暗雲=天皇賞・春”. スポーツナビ (2012年4月29日). 2012年10月7日閲覧。
  4. ^ 【宝塚記念】オルフェーヴル、出来は「7割程度」”. スポーツニッポン (2012年6月24日). 2012年10月7日閲覧。
  5. ^ “オルフェ、凱旋門賞で1番人気に”. サンケイスポーツ. (2012年9月17日). http://www.sanspo.com/keiba/news/20120917/kei12091705070014-n1.html 2012年9月18日閲覧。 
  6. ^ a b c d e 『優駿』2012年11月号6頁
  7. ^ 【凱旋門賞】英2冠馬キャメロット出走すればムーア騎乗”. スポーツニッポン (2011年10月2日). 2013年9月30日閲覧。
  8. ^ 『優駿』2012年11月号9頁
  9. ^ 『優駿』2012年11月号12頁
  10. ^ 『優駿』2012年11月号13頁

外部リンク