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グイン・サーガ

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グイン・サーガ』は、栗本薫によるヒロイック・ファンタジー小説。

本作のテレビアニメ版についてはテレビアニメの節を参照。

概要

頭の戦士であるグインを主人公として、架空の世界、架空の時代に生きる、彼を中心とするさまざまな人物の生と死の波乱を描いたサーガ大河小説)。『三国志』を彷彿させるような、国と国とのあいだで繰り広げられる戦争、策謀、興亡の歴史を背景として、その宮廷、あるいは市井に生きるさまざまな人物の野望、妄執、友情、決別、恋愛といった愛憎が織りなす壮大な人間模様を紡ぎだしていく。1979年(昭和54年)9月の第1巻『豹頭の仮面』の刊行以来、コンスタントに巻数を重ね、100巻を越えてなお多くの読者を獲得しているベストセラー小説シリーズである。

シリーズ開幕当初から正伝のみで全100巻という構想が明かされており、2005年(平成17年)4月には第100巻となる『豹頭王の試練』が刊行された。もっとも、100巻で構想通りには物語は完結せず、それどころか、完結に至るまでにはまだ多くの展開が残されていることは確実で、どこまで続くかは作者自身にも予想がついていないとされていた。正伝が130巻、外伝が21巻(上下巻1編を含むため22冊)刊行されたが、著者が死去したため未完に終わった。正伝125巻発行時点での発行部数は累計3000万部以上。

発表形態としては、ハヤカワ文庫から書き下ろしで発売される(第1巻『豹頭の仮面』および外伝の一部は、先行して雑誌(主に『S-Fマガジン』)や関連書籍に掲載された)。表紙、口絵、本文イラスト加藤直之(正伝1 - 19巻、外伝1 - 5巻)、天野喜孝(正伝20 - 56巻、外伝6 - 9巻)、末弥純(正伝57 - 87巻、外伝10 - 16巻)、丹野忍(正伝88 -、外伝17 -)が手がけている。

2003年には、アメリカ合衆国Vertical社より英語版の発売が開始された。続いて、2005年にはBlanvalet Taschenbuchverl社よりドイツ語版、Editrice Nord社よりイタリア語版、БИТВА В НОСФЕРУСЕ社よりロシア語版が、さらに2006年にはFleuve Noir社よりフランス語版の出版が開始された。中国語版、韓国語版の出版も予定されている。

また、2000年(平成12年)には柳澤一明の作画により、外伝『七人の魔道師』の漫画化が開始された。作品はメディアファクトリー発行のコミックフラッパー誌に2003年(平成15年)まで連載後、単行本化された。2006年(平成18年)9月にジャイブ社から出版された『栗本薫 THE COMIC グイン・サーガ』には沢田一の作画によって漫画化された正伝の一部が収録されており、2007年(平成19年)1月にはそれに新たに書き下ろしを加えたものが、ジャイブ社から『グイン・サーガ1』として出版された。なお、同社刊の漫画雑誌月刊コミックラッシュ2008年(平成20年)4月号から2010年(平成22年)6月号まで新章の連載された。

著名な日本のファンタジー小説であるにもかかわらず、刊行開始以来30年弱にわたり映像化されなかった。2009年(平成21年)4月にテレビアニメ化された(テレビアニメを参照)。

作者逝去後の動向

2009年(平成21年)5月26日、栗本がすい臓がんのため死去し、本作は未完成作品となった。栗本は生前に130巻のちょうど半分の地点まで原稿執筆を終えており[1]遺作となった第130巻「見知らぬ明日」(同年12月発売)まで予定通り刊行された(第2章第4節に「未完」の文字がある)。130巻あとがきで夫の今岡清は、新装版後書きでの栗本の「誰かがこの物語を語り継いでくれればよい」という言葉に心を動かされたこと、そしてグイン・サーガが今後さまざまな形で語り継がれてもよい、と発言している。

同年12月、このシリーズに日本SF大賞特別賞が、翌2010年8月には星雲賞日本長編部門が与えられた。

2011年、早川書房は同年5月より雑誌形式の文庫本・『グイン・サーガ・ワールド』を季刊ペースで刊行すると発表した。前述した「『グイン・サーガ』を様々な人に語り継いでもらいたい」という栗本の遺志を受け、久美沙織牧野修がグイン・サーガを外伝形式で執筆するほか、栗本の未完原稿の一部が公開された。

2012年9月に発売された『グイン・サーガ・ワールド 5』より、五代ゆう宵野ゆめによる正編の続編(絶筆部分からの直接の続編ではなく、同時系列における別の地域の本編エピソード)の発表が行われている。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


あらすじ

首都クリスタルへのモンゴール軍の奇襲により、中原の歴史ある国パロは滅亡の危機に瀕していた。国王、王妃までもがモンゴール兵の手により殺害されるという状況の中、家臣はパロ王家に太古より伝わる古代機械(物質転送装置)を用いて、国王の長男にして王太子であるレムスと、その双子の姉リンダを友邦国アルゴスへ移送しようとした。が、古代機械の座標設定に狂いが生じ、2人はあろうことか敵勢力のまっただ中、モンゴール辺境にある魑魅魍魎の跋扈するルードの森へと転送されてしまった。

身を守るすべとてなく、ただ怯えて身を隠すしかなかったレムスとリンダを、ついにモンゴール軍の小隊が発見し、絶体絶命の危機に追いつめる。しかしその時、突如として現われた豹頭人身の異形の超戦士が小隊を全滅させ、双子は難を逃れる。自分自身の名と「アウラ」「ランドック」という2語を除き、全ての記憶を失っていたこの豹頭の男グインは、戦いの後で憔悴し切って倒れるが、リンダの介護によって間もなく体力を取り戻し、以後2人と行動をともにすることとなる。

死霊を始めとする魑魅魍魎の襲撃から、一夜の間は辛くも逃れた彼らだったが、翌朝には一帯を支配するモンゴールの出城・スタフォロス城の軍勢に再び発見され、衆寡敵せず投降を余儀なくされる。全身を業病に冒された「黒伯爵」こと城主ヴァーノン伯爵により投獄されたグインらは、隣の牢に収監されていた若き傭兵イシュトヴァーンと出逢う。その夜、半獣半人の蛮族セム族がスタフォロス城に攻め入った混乱に乗じ、獄中でリンダと知り合ったセム族の娘スニを加えた4人は、スタフォロス城から眼下に流れる暗黒の河・ケス河へと身を投じて脱出に成功する。そして翌朝、彼らより先に脱出に成功していたイシュトヴァーンが一行に加わり、ケス河の対岸、妖しい瘴気渦巻く砂漠の地ノスフェラスを最初の舞台として、レムスとリンダの、故国を目指す苦難の旅が始まるのである。(以上、第2巻『荒野の戦士』冒頭部まで)

主要な登場人物

この物語の主人公は、タイトルが示す通りグインに他ならないが、物語はグインを含めた群像劇の要素が強く、それゆえ常にグインを中心に語られるわけではない。したがって、20巻以上にわたってグインが不在のままに物語が進行する場合もあり、その時には、他に主役級とされる登場人物や、中原の三大国をはじめとした諸国の宮廷、ときには庶民や脇役の視点までをも交えながら物語が展開することになる。

物語中、歴史はよく運命神ヤーンの織るタペストリーに例えられる。ヤーンは、物語のカギを握る人物を糸とし、彼らをたぐり寄せ、絡ませあうことによって、愛憎や因縁を生みながら、大きな運命の模様を描いていくのである。

世界観

作品一覧

既刊一覧。(※リストが多いため、伸縮型のメニューとして表示する。)

正伝

外伝

関連出版物他

愛蔵版

正伝5巻ずつを1冊にまとめて早川書房より発売された単行本シリーズ。長期保存に耐えられるよう、中性紙を使用して製本された。発表時に見られた単位系や時系列などを中心とする相違点、矛盾点のいくつかについて細かな改訂がなされている。また一部については、布張りの専用ボックスに革装の豪華本が収められた550部限定の限定版も出版されている。

タイトル ISBN 発行日付 備考
愛蔵版グイン・サーガI ISBN 4-15-203410-6 1989年9月30日 正伝第1 - 5巻を収録。
限定版グイン・サーガI ISBN 4-15-203411-4
愛蔵版グイン・サーガII ISBN 4-15-203451-3 1990年10月31日 正伝第6 - 10巻を収録。
限定版グイン・サーガII ISBN 4-15-203452-1
愛蔵版グイン・サーガIII ISBN 4-15-203497-1 1991年11月30日 正伝第11 - 15巻を収録。
愛蔵版グイン・サーガIV ISBN 4-15-203550-1 1993年2月28日 正伝第16 - 20巻を収録。

新装版

シリーズ開幕30周年とアニメ化を記念し、正伝2巻ずつを1冊にまとめて早川書房より発売された新書シリーズ。

タイトル ISBN 発行日付 備考
グイン・サーガI 豹頭 ISBN 978-4-15-209008-9 2009年3月15日 『豹頭の仮面』『荒野の戦士』を収録。
グイン・サーガII 虜囚 ISBN 978-4-15-209009-6 『ノスフェラスの戦い』『ラゴンの虜囚』を収録。
グイン・サーガIII 辺境 ISBN 978-4-15-209021-8 2009年4月15日 『辺境の王者』『アルゴスの黒太子』を収録。
グイン・サーガIV 望郷 ISBN 978-4-15-209022-5 『望郷の聖双生児』『クリスタルの陰謀』を収録。
グイン・サーガV 紅蓮 ISBN 978-4-15-209026-3 2009年5月15日 『紅蓮の島』『死の婚礼』を収録。
グイン・サーガVI 密使 ISBN 978-4-15-209027-0 『草原の風雲児』『紅の密使』を収録。
グイン・サーガVII 復讐 ISBN 978-4-15-209040-9 2009年6月15日 『クリスタルの反乱』『復讐の女神』を収録。
グイン・サーガVIII 帰還 ISBN 978-4-15-209041-6 『トーラスの戦い』『パロへの帰還』を収録。

豪華限定版

  • 『豪華限定版 GUIN SAGA I・II』(早川書房)(ISBN 978-4-15-209047-8 2009年7月25日発行)
    シリーズ開幕30周年を記念し、正伝1~100巻を50巻ずつ、二分冊にまとめた限定版。B4版5段組。付録として、歴代のイラストレーター(加藤直之、天野喜孝、末弥純、丹野忍)の書き下ろしイラストレーション計4枚と、執筆開始当時に著者が作成していた「グイン・サーガ創作ノート」の一部複製が納められている。
  • 『豪華限定版 GUIN SAGA III』(早川書房)(ISBN 978-4-15-209112-3 2010年5月25日発行)
    栗本薫の一周忌を記念して出版された。正伝101~130巻、外伝1~21巻を1冊にまとめた限定版。B4版5段組。

解説本

  • 『グイン・サーガ・ハンドブック』(ハヤカワ文庫)(ISBN 4-15-030335-5 1990年11月15日発行)
    累計1000万部突破を記念して出版された解説本。正伝1 - 34巻、外伝1 - 8巻をもとにした人名事典、グイン・サーガ研究、中原世界Q&A、キレノア大陸観光案内などの他、グイン・サーガより遥かな未来を舞台とした短編『悪魔大祭』が収められている。
  • 『グイン・サーガ・ハンドブック1』(ハヤカワ文庫)(ISBN 978-4-15-030617-5 1999年6月15日発行)
    上記『グイン・サーガ・ハンドブック』とほぼ同内容の改訂版。
  • 『グイン・サーガ・ハンドブック2』(ハヤカワ文庫)(ISBN 978-4-15-030621-2 1999年7月31日発行)
    シリーズ開始20周年を記念して出版された解説本。正伝35 - 66巻、外伝9 - 15巻をもとにした人名事典、正伝1 - 66巻、外伝1 - 15巻をもとにした用語事典、グルメ、魔道、前史に関するグイン・サーガ研究などの他、20歳のアルド・ナリスを主人公とした短編『クリスタル・パレス殺人事件』が収められている。
  • 『グイン・サーガ・ハンドブック3』(ハヤカワ文庫)(ISBN 978-4-15-030790-5 2005年4月15日発行)
    第100巻刊行を記念して出版された解説本。正伝67 - 100巻、外伝16 - 19巻をもとにした人名・用語事典、五大都市研究などの他、「煙とパイプ亭」のゴダロ一家を主人公とした短編『アレナ通り十番地の精霊』が収められている。
  • 『グイン・サーガ・ハンドブックFinal』(ハヤカワ文庫)(ISBN 978-4-15-030982-4 2010年2月15日発行)
    著者の死去を受けて出版された解説本。小谷真理による作品論、全作品を網羅した人名・用語事典、全ストーリー紹介が収められている。
  • 『グイン・サーガ読本』(早川書房)(ISBN 978-4-15-207968-8 1995年11月15日発行)
    第50巻刊行を記念して出版された解説本。正伝1 - 50巻、外伝1 - 8巻をもとにした人名辞典、ストーリーガイドなどの他、外伝『黄昏の国の戦士 第一部 幽霊島の戦士』、グイン・サーガの原形となった中編『氷惑星の戦士』が収められている。
  • 『グイン・サーガ・オフィシャル・ナビゲーション・ブック』(早川書房)(ISBN 978-4-15-208592-4 2004年9月30日発行)
    シリーズ開始25周年を記念して出版された解説本。キャラクター人気投票結果に合わせたキャラクター紹介、戦争および恋愛から読み解くグイン・サーガなどの他、外伝『鏡の国の戦士 第一話 蛟が池』が収められている。
  • 『別冊宝島 グイン・サーガ PERFECT BOOK 剣と魔法と愛の世界のすべてがわかる!!』(宝島社)(ISBN 4-7966-3920-9 2004年2月27日発行)
    ヴィジュアルを重視して作成された解説本。キャラクター大辞典、魔道辞典、イラストレーション・コレクションなどの他、ミュージカル『グイン・サーガ 炎の群像』脚本が収められている。
  • 『グイン・サーガの鉄人』(早川書房)(ISBN 978-4-15-209052-2 2009年7月15日発行)
    シリーズ開始30周年を記念して出版されたクイズ形式の解説本。正伝1~127巻、外伝1~21巻からストーリーに沿った問題が100問出題されており、解答と合わせて物語に関する詳細な解説が収められている。
  • 『グイン・サーガ PERFECTBOOK for ANIMATION』(宝島社)(ISBN 4-7966-6961-2 2009年10月6日発行)
    アニメ『グイン・サーガ』のファンブック。ワールドガイド、キャラクター図鑑、ストーリーガイドが掲載され同年放送されたテレビアニメーションの補完をしている。

翻訳本

物語の序盤が、以下の各国語に翻訳出版されている。

語版 巻数 タイトル 出版社 ISBN
英語版
(ハードカバー)
1 THE GUIN SAGA Book One: The Leopard Mask Vertical ISBN 1-932234-51-9
2 THE GUIN SAGA Book Two: Warrior in the Wilderness ISBN 1-932234-52-7
3 THE GUIN SAGA Book Three: The Battle of Nospherus ISBN 1-932234-53-5
英語版
(ペーパーバック)
1 THE GUIN SAGA Book One: The Leopard Mask ISBN 978-1-932234-81-7
2 THE GUIN SAGA Book Two: Warrior in the Wilderness ISBN 978-1-934287-05-7
3 THE GUIN SAGA Book Three: The Battle of Nospherus ISBN 978-1-934287-06-4
4 THE GUIN SAGA Book Four: Prisoner of the Lagon ISBN 978-1-934287-19-4
5 THE GUIN SAGA Book Five: The Marches King ISBN 978-1-934287-20-0
独語版 1 Die Guin Saga 1 Im Auge des Leoparden Blanvalet Taschenbuchverl ISBN 3-442-24323-8
2 Die Guin Saga 2 In den Fängen des Kriegers ISBN 978-3-442-24324-2
3 Die Guin Saga 3 Die Schlacht von Nospherus ISBN 978-3-442-24325-9
4 Die Guin Saga 4 Gefangene der Lagon ISBN 978-3-442-24417-1
仏語版 1 GUIN SAGA 1 Le masque du léopard Fleuve Noir ISBN 2-265-08124-8
2 GUIN SAGA 2 Le guerrier du désert ISBN 2-265-08150-7
3 GUIN SAGA 3 La bataille de Nociphère ISBN 978-2-265-08151-2
4 GUIN SAGA 4 Le Prisonnier des Lagons ISBN 978-2-265-08426-1
5 GUIN SAGA 5 Le roi des marches ISBN 978-2-265-08427-8
伊語版 1 Saga di Guin volume primo L'UOMO LEOPARDO Editrice Nord ISBN 88-429-1348-0
2 Saga di Guin volume secondo IL GUERRIERO ISBN 88-429-1349-9
3 Saga di Guin volume terzo LA BATTAGLIA DI NOSPHERUS ISBN 978-88-429-1350-4
露語版 1 Сага о Гуине кн.1: Маска Леопарда Астрель-СПб ISBN 5-17-027700-8
2 Сага о Гуине кн.2: Воин в Пустыне ISBN 5-17-028207-9
3 Сага о Гуине кн.3: Битва в Носферусе ISBN 5-17-028721-6
韓国語版 1 구인사가 1 표범 머리 가면 - ISBN 978-89-252-4687-1
2 구인사가 2 황야의 전사 ISBN 978-89-252-4688-8
3 구인사가 3 노스페라스의 전투 ISBN 978-89-252-4689-5
4 구인사가 4 리곤의 포로 ISBN 978-89-252-5125-7
5 구인사가 5 변경의 왕자 ISBN 978-89-252-6168-3

コミック

グイン・サーガをもとにして描かれたコミック作品としては、以下のものがある。

巻数 ISBN 発行日付 備考
『グイン・サーガ 七人の魔道師』 / 作画:柳澤一明
1 ISBN 4-88991-775-6 2001年3月1日

出版:メディアファクトリー MFコミックス

2 ISBN 4-8401-0404-2 2002年1月31日
3 ISBN 4-8401-0478-6 2003年1月31日
『グイン・サーガ』 / 作画:沢田一
1 ISBN 978-4-86176-365-6 2007年2月3日

出版:ジャイブ CR COMICS

  • 正伝をもととした作品。
  • 『栗本薫 THE COMIC グイン・サーガ』
    (ジャイブ ISBN 978-4-86176-328-2 2006年9月23日発行)
    に収録された冒頭部に加筆したもの。
2 ISBN 978-4-86176-422-6 2007年12月15日
3 ISBN 978-4-86176-573-5 2008年10月13日
4 ISBN 978-4-86176-649-7 2009年4月13日
5 ISBN 978-4-86176-724-1 2009年10月15日
6 ISBN 978-4-86176-769-2 2010年6月13日

天狼叢書

作者の個人事務所である「天狼プロダクション」発行の、同性愛をモチーフとする作品を収めた個人誌「天狼叢書」に、番外編として以下のものが収められている。

  • 『ローデス・サーガ 南から来た男(上・下)』(1999年12月31日発行)
    ケイロニアの盲目の選帝侯、「黒衣のロベルト」ことローデス侯ロベルトを主人公とした『ローデス・サーガ』の第1巻。ロベルトと黒人の逃亡奴隷ブライ、ベルデランド侯ユリアスとその弟レグルスの愛憎劇が描かれている。
  • 『ローデス・サーガ 眠り姫の夜 風が丘恋唄1』(2000年12月31日発行)
    『ローデス・サーガ』の第2巻。ロベルトとケイロニア皇帝アキレウスとの交情を中心とした物語が描かれている。
  • 『マルガ・サーガ 凶星』(2000年8月15日発行)
    マルガで隠遁生活を送っていた頃のナリスとヴァレリウスとの愛憎劇を中心とした物語。5編の短編が収められている。
  • 「凶星 -新月のマルガ-」
  • 「マルガ/夜明け前」
  • 「ふたり」
  • 「恋い知らず -カイ-」
  • 「楽士の恋」
  • 『マルガ・サーガ2 みずうみ』(2009年12月30日発行)
    『マルガ・サーガ 凶星』の続編。5編の中短編が収められている。
  • 「湖畔日記」
  • 「嫉妬 -湖畔にて-」
  • 「夢魔のくる夜」
  • 「みずうみ」
  • 「マルガ・ラストシーン」

同人誌

以下の作者の個人同人誌に、いくつかの番外編が収められている。ただし、正伝とは時系列的に矛盾するものもあり、いわば作者自身による二次創作物としての側面が強いものも多い。

  • 『FULLHOUSE 1』(1990年12月23日発行)
同性愛をモチーフとした同人誌第1巻。
  • 「一夜」
イシュトヴァーンとカメロンとの出会いを描いた作品。
  • 「激突ナリスVSイシュト! PARTI」
  • 「激突ナリスVSイシュト! PARTII」
イシュトヴァーンとナリスとの再会を描いた作品。
  • 『FULLHOUSE 2』(1992年8月15日発行)
同性愛をモチーフとした同人誌第2巻。
  • 「チチア」
イシュトヴァーンとライゴールのランとの出会いを描いた作品。
  • 『FULLHOUSE 3』(1996年8月26日発行)
同性愛をモチーフとした同人誌第3巻。
  • 「凶星」
マルガで隠遁生活を送っていた頃のナリスとヴァレリウスとを描いた物語。
  • 『FULLHOUSE 4』(1997年10月3日発行)
同性愛をモチーフとした同人誌第4巻。
  • 「1999年やおいの旅 -やがて、おおいなるイリスへ-」
グイン・サーガの他、作者のさまざまな作品の登場人物が一堂に会する、ドタバタ・パロディ作品。
  • 『FULLHOUSE Special 2 中島梓脚本集』(1995年11月9日発行)
作者の舞台脚本集第2巻。
  • 「マグノリアの海賊」
1991年上演のミュージカルの脚本。
  • 「グイン・サーガ 炎の群像」
1995年上演のミュージカルの脚本。
  • 『VALERIUS MAGAZINE』(1985年8月11日発行)
作者自身が会長をつとめたヴァレリウス・ファンクラブの会誌。
  • 「暗い森の彼方」
ヴァレリウス16歳時の冒険譚。のちに外伝7巻『十六歳の肖像』に収められた。
  • 『浪漫之友』(2005年4月1日創刊)
同性愛をモチーフとした季刊同人誌。
  • 「ヴァイス・トロピカル」
南洋諸島ゴアを舞台に、青年ティンギを主人公として描かれた物語。1 - 8号、11号に掲載(未完)。
  • 「湖畔日記」
天狼叢書『マルガ・サーガ 凶星』続編。ヴァレリウスとの交情を中心とした物語が、ナリスの一人称で綴られている。12、13号に前後篇が掲載。
  • 「嫉妬 -湖畔にて-」
「湖畔日記」続編。「湖畔日記」同様、ナリスの一人称で綴られている。15号に掲載。
  • 「夢魔のくる夜」
『マルガ・サーガ』外伝。ナリスを襲った一夜の悪夢をナリスの一人称で綴る。16号に掲載。

その他関連作品

グイン・サーガと共通する世界、異なる時代を舞台とした物語としては、以下のものがある。

  • 『トワイライト・サーガ 1 カローンの蜘蛛』(光風社出版 ISBN 4-87519-453-6 1983年8月15日発行/ 角川文庫 ISBN 4-04-150015-X 1986年6月10日発行)
  • 『トワイライト・サーガ 2 カナンの試練』(光風社出版 ISBN 4-87519-453-6 1984年8月20日発行/ 角川文庫 ISBN 4-04-150015-X 1986年6月25日発行)
    グイン・サーガの未来を舞台とした物語。闇王国と化したパロスの美貌の王子ゼフィールと、それに従うトルース出身の戦士ヴァン・カルスとの放浪譚。2巻あわせて10編の連作中短編が収められている。詳細についてはトワイライト・サーガを参照のこと。
  • パロスの剣』(角川文庫 ISBN 4-04-150029-X 1989年10月25日発行)
    グイン・サーガの過去を舞台とした物語。隣国カウロスの脅威に立ち向かう、男装の王女エルミニアと、伝説の宝剣「パロスの剣」にまつわる物語を描いている。
    もともとはコミック『パロスの剣』(いがらしゆみこ画 / あすかコミックス、中央公論社、中公文庫、フェアベル)の原作として描かれたものを、のちに小説化したもの。


グイン・サーガとは異なる世界を舞台としているが、グイン・サーガとのなんらかの関連を思わせる描写のある作品としては、以下のものがある。

  • 『魔境遊撃隊 第二部』(角川文庫 ISBN 4-04-150006-0 1984年9月25日発行 / ハルキ文庫 ISBN 4-89456-434-3 1998年8月18日発行)
    南海の孤島を舞台とした異境冒険譚の後編。作者と同じ名前を持つ主人公が、島に残された古い神殿に、豹頭の王の事績が描かれた壁画を発見する場面があり、それをきっかけとしてグイン・サーガを書き始めた、という記述がある。
  • 魔界水滸伝』(正伝20巻、外伝4巻)(カドカワノベルズ、角川文庫、ハルキホラー文庫)
    クトゥルー神話を題材として、クトゥルーの神々、日本を中心とした地球の神々、人類の三つどもえの戦いを描いた伝奇SF。イロン写本、大導師アグリッパなど、グイン・サーガと共通するアイテムや人物が登場する。
  • 新・魔界水滸伝』(1 - 4巻)(角川文庫)
    『魔界水滸伝』から5000年後の銀河を舞台とした続編。カイザー転送装置、ファイファ・システムや、半獣半人の種族が支配する銀河帝国など、グイン・サーガと共通するアイテムや設定が登場する。

 なお、1995年に発売された『グイン・サーガ読本』(早川書房)では、いのまたむつみが「グイン・サーガは将来的には新・魔界水滸伝とクロスする」という主旨の文章を掲載している。

画集

グイン・サーガ各巻に使用された表紙、口絵、挿絵のみで構成される画集としては、以下のものがある。

  • 『天野喜孝 グイン・サーガ画集』天野喜孝(早川書房)(ISBN 978-4-15-207984-8 1996年3月15日発行)
  • 『末弥純 グイン・サーガ画集』末弥純(早川書房)(ISBN 978-4-15-208514-6 2003年9月30日発行)
  • 『加藤直之 グイン・サーガ画集』加藤直之(早川書房)(ISBN 978-4-15-209120-8 2010年3月25日発行)
  • 『丹野忍 グイン・サーガ画集』丹野忍(早川書房)(ISBN 978-4-15-209125-3 2010年5月25日発行)

イメージアルバム

グイン・サーガのストーリーをもととして、映画のサウンドトラック風に音楽化した作品。プログレッシヴ・ロック風の楽曲を主体とし、シンセサイザーやオーケストラを多用している。主要な登場人物ごとにテーマとなるフレーズを設定し、それにさまざまなアレンジを加えながら、ストーリーに合わせて互いに絡ませつつ、曲を構成しているのが大きな特徴となっている。全て日本コロムビアより発売。

作曲・編曲は淡海悟郎。『グラフィティ』の1曲を栗本薫、『炎の群像』の全曲を中島梓が作詞している。また『炎の群像』の一部楽曲は中島梓の作曲による。

タイトル 収録曲 演奏 発売日 備考
辺境篇 淡海悟郎&ビッグ・マウス 1983年10月21日 正伝1 - 5巻のストーリーを音楽化。
陰謀篇 1984年9月21日 正伝6 - 10巻のストーリーを音楽化。
戦乱篇 淡海悟郎&ビッグ・マウスwith大魔道管弦楽団 1985年3月21日 正伝11 - 16巻のストーリーを音楽化。
グラフィティ 1985年12月21日 主役級の登場人物8人をテーマとした楽曲が収められている。
「《GUIN》with Panther Head」の作詞は栗本薫。
七人の魔道師 - - - 外伝1巻のストーリーを音楽化。
詳細は七人の魔道師 - イメージアルバムを参照。
氷雪の女王/時の封土 LEGEND(DISC I)、淡海悟郎(DISC II) 1993年10月21日 外伝4、5巻のストーリーを音楽化。2枚組。
イリスの石 淡海悟郎 1994年9月21日 外伝2巻のストーリーを音楽化。
ノスフェラスの嵐 淡海悟郎(1 - 5)、LEGEND(6 - 8) 1995年1月1日 正伝19、24巻(第4話)のストーリーを音楽化。
ケイロニア篇 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 1995年7月21日 正伝17、18、20 - 23巻のストーリーを音楽化。
炎の群像 - 1995年11月1日 1995年上演のミュージカルに使用された楽曲集。
光の公女 淡海悟郎(3,5,7)、LEGEND(1,2,4,6,8) 1996年10月1日 正伝24、26、27、31巻のストーリーをもとにして、
イシュトヴァーンによるアムネリス救出劇を中心として音楽化。
幽霊船 淡海悟郎 1997年5月21日 外伝3巻のストーリーを音楽化。

限定ボックス

  • グイン・サーガ クロニクル(トイズワークス)
    正伝70巻までと外伝16巻までの全ての挿絵を収めたハードカバーと、日本コロムビアより発売されたイメージアルバム全12タイトル13枚を収録した限定ボックス。2001年3月予約受付、同年5月発送。価格28,000円。
  • グイン・サーガBOX PANDORA(早川書房)(ISBN 978-4-15-600002-2 2006年9月30日発行)
    『グイン・サーガ・オフィシャル・ナビゲーション・ブック』表紙イラストを立体化したフィギュア、グイン・サーガ世界の地図、トレーディング・カード、外伝「ヒプノスの回廊」収録の小冊子などを収録した限定ボックス。価格10,500円。

ゲーム

ゲームブック

  • 『グイン・サーガ 1 ラルハスの戦い』著者:多摩豊(ハヤカワ文庫GB)(ISBN 4-15-090001-9 1986年12月15日発行)
    正伝第1巻から第16巻を題材としたアドベンチャー・ゲームブック。プレイヤーは、パロの青年子爵ラルハス(原作には登場しない、ゲームオリジナルの人物)として、モンゴールに占領された祖国パロを救うために、局面ごとにさまざまな行動を選択しつつ、ゲームを進めていく。

コンピュータゲーム

  • 『グイン・サーガ 豹頭の仮面』(発売元:ビクター音楽産業:開発元:ジャスト
    第1巻「豹頭の仮面」を題材とした、1987年発売のパソコンゲーム。PC-8801SRPC-9801FM-7対応版が発売された。コマンド入力式のアドベンチャーゲームであり、プレイヤーはレムスとして、局面ごとにさまざまな行動を選択しつつ、ゲームを進めていく。

モバイルゲーム

シミュレーションゲーム

  • 『グイン・サーガ』(ツクダホビー
    正伝第1巻から第16巻を題材にし、モンゴール軍とグインたち、ラゴン、セムとの戦闘を取り扱ったウォー・シミュレーションゲーム(ボードゲーム)。ノスフェラスを舞台として、グインたちとセム、ラゴン連合軍対モンゴール軍の戦いをゲーム化した「ノスフェラス」と、パロとゴーラ、ノスフェラスの一部を舞台として、パロ軍対モンゴール軍の戦いをゲーム化した「パロ」の、2つのゲームが収められていた。
    原作を再現するために、さまざまな特別ルールが工夫されていた。たとえば「ノスフェラス」では、グインが砂嵐に巻き込まれて狗頭山のふもとへ飛ばされたというエピソードを再現するための「突風ルール」や、あらかじめ怪物イドが隠れている場所を設定しておく「イドルール」、モンゴール陣営の五色騎士団のうち、色の異なる騎士団が協同で作戦を行う場合、戦闘の効率が落ちるという「異色効果ルール」などがあった。

テーブルトークRPG

  • 『グイン・ワールド』(ツクダホビー
    テーブルトークRPGゲーム『ローズ・トゥ・ロード』のヴァリアント・ゲーム。『ローズ・トゥ・ロード』のルールを基本とし、セットには『ローズ・トゥ・ロード』のルールブックが同梱されていた。それに加えて、多摩豊デザインによる、グイン・サーガ世界用の追加ルールやデータの冊子、マップ類などを追加して、グイン・サーガをロールプレイで楽しむことができるようにしたもの。シナリオとして「キタラの秘密」が収められていた。

ミュージカル

マグノリアの海賊

外伝9巻『マグノリアの海賊』をミュージカル化。小説と脚本はほぼ同時に執筆された。マグノリアの海賊も参照のこと。

  1. 1991年1月18日 - 27日:東京 シアターアプル

主要スタッフ

  • 原作:栗本薫
  • 脚本、演出、音楽:中島梓
  • 衣装デザイン:天野喜孝

主要キャスト

グイン・サーガ炎の群像

正伝第1巻から第16巻を題材としてミュージカル化。モンゴールのパロ占領、レジスタンス等によるモンゴール敗退までを描く。ただし、舞台はパロに限られており、ノスフェラスのエピソードは登場しない。本来、主人公であるはずのグインも、人間で演ずることは不可能であるとして登場していない。

  1. 1995年11月9日 - 26日:東京 シアターアプル
  2. 1995年12月1日 - 10日:大阪 シアター・ドラマシティ 

主要スタッフ

  • 原作:栗本薫
  • 脚本、作曲、作詞、演出:中島梓
  • 作曲、音楽監督:淡海悟郎
  • 美術監督:天野喜孝

主要キャスト

テレビアニメ

話題

「豹頭の仮面」改訂版発行の経緯

第1巻「豹頭の仮面」に登場する、全身を極めて伝染性の高い業病に冒されたヴァーノン伯爵は、当初、その業病を「癩病」、人物の通称を「癩伯爵」と記されていた。だが、その病の描写が、本来の「癩病(ハンセン病)」のものとは著しく異なり、人々の間にいまだ流布している病に対する誤解とそれに基づく差別をさらに助長しかねないものであるとして、全国ハンセン病患者協議会より、作者及び出版社に対する抗議があった。

その抗議に対し、作者及び出版社は全面的に謝罪し、1982年3月以降の重版分から、作中の病の描写はフィクションとしてのものであり、実際の病とはまったく異なる関係のないものであることなどを記した文を巻末に註記することで、協議会と和解した。

その後、作者及び出版社は該当する部分について自主的に全面改訂を行い、「癩病」→「黒死病」、「癩伯爵」→「黒伯爵」等と書き換えた改訂版を1983年1月に発行し、以前の版を絶版とした。

ギネスブックへの申請

正伝第93巻が発行された2004年4月、早川書房米国の英語版を元に算出した3022万5000文字の「世界最長の小説」としてギネス・ワールド・レコーズ社に申請したが、1冊にまとめられた作品ではないという理由で却下された。早川書房は3000万文字以上の作品を1冊にまとめるのは事実上不可能であるとして、複数冊にわたる作品に関するカテゴリーの新設を求めたが、これも拒否された[3]

なお、ギネスブック認定[4]の世界最長の小説は、2004年版まではマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の960万9000文字、2005年版ではサイモン・ロバーツの『ニカーズ』(Knickers, ISBN 978-0954460501)の1415万6074文字である[5]。2007年版では『失われた時を求めて』が「世界最長の小説」とされる(日本語版『ギネス世界記録2007』p.161)。

百の大典

2005年4月9日、《グイン・サーガ》100巻達成記念イベント「百の大典」が、 九段会館にて開催された。

  • 第1部 栗本薫インタビュー
聞き手:小谷真理
ゲスト:高千穂遙
  • 第2部 歴代イラストレーター座談会
出席者:加藤直之天野喜孝丹野忍
司会:田中光
  • 第3部 中島梓ライブ
出演者:中島梓(p)、花木佐千子 (Vo)、山下弘治 (Bs)、岡田佳大 (Dr)
  • 第4部 グイン・サーガ・クイズ大会

来場者には、作品の表紙イラストをモチーフとした特製ポストカードなどが配布された。また、会場では、正伝第100巻『豹頭王の試練』特装版サイン本の販売が行われた。あわせて、グイン・サーガの電子出版およびグイン・サーガのアニメーション化についての発表が行われた。

特装版・限定カバーバージョン

いくつかの巻で通常のものとは装幀を変えた版が刊行されている。2005年4月、正伝第100巻『豹頭王の試練』の刊行を記念した同書の特装版が部数限定で発行された。また2008年6月には、「グイン・サーガを飾るイラストレーターたち」と題し、正伝第15巻『トーラスの戦い』(加藤直之「美貌の貴公子アルド・ナリス」)、外伝第6巻『ヴァラキアの少年』(天野喜孝「稀代の悪童イシュトヴァーン」)、正伝第68巻『豹頭将軍の帰還』(末弥純「豹頭の戦士グイン」)、正伝第96巻『豹頭王の行方』(丹野忍「神秘なる女王リンダ」)の限定カバーバージョンが発行された。いずれも通常版の表紙イラストの一部をトリミングし、表紙を飾った登場人物をクローズアップした表紙となっている。

予定タイトル

正伝各巻巻末に掲載の作者あとがきのいくつかで、その後のいくつかのタイトルが予告されていた。このうち最も有名なものが正伝第7巻『望郷の聖双生児』あとがきで、シリーズ最終巻のタイトルとして予告された『豹頭王の花嫁』である。また正伝第29巻『闇の司祭』のあとがきでは、『豹頭王の花嫁』を含め、物語の道標となる以下のタイトルが予告されていた(太字は実際に刊行されたタイトル)。

  • サイロンの豹頭将軍』(第30巻)
  • 『カリンクトゥムの扉』
  • 大導師アグリッパ』(第75巻)
  • 豹頭王の誕生』(第70巻)
  • ゴーラの僭王』 (第64巻)
  • 『ランドックを求めて』
  • 『ラゴンの反乱』
  • 『ノスフェラスの彼方』
  • 『豹頭王の花嫁』

なお、正伝第64巻『ゴーラの僭王』のあとがきにおいても、制作ノートに記されていたものとして、当初予定されていたタイトルが示された。その中には実際に使用されたものそうでないものもあるが、作者によれば、この長大な物語において、このタイトルが物語の方向を示す道標の役割を果たすことになったという。

脚注

  1. ^ 出版直前に書いていた単行本のエピグラムとあとがきは127巻が絶筆となった
  2. ^ B.G.M.として"Seperate Ways" by Journeyを指定。
  3. ^ www.yomiuri.co.jp - 「ギネス“未認定”の最長小説」、2004年11月5日。
  4. ^ 非現実の王国で』はさらに長い、一人の作家による単一(シリーズではなく分冊)の小説作品[要検証]ではあるが、全てが刊行されていない。
  5. ^ Simon Roberts Publishing(このサイトで『ニカーズ』の全文のPDFファイルが公開されている)

関連項目