奥尻大成中継局
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奥尻大成中継局(おくしりたいせいちゅうけいきょく)は、北海道久遠郡せたな町大成区貝取澗にあるテレビ・FMラジオ放送の中継局である。
概要
- せたな町大成区貝取澗の穴澗山に設置されており、周辺地域に加え奥尻海峡を隔てた30km以上先の奥尻島へ向けてテレビおよびFM放送電波を発射している(詳しい放送エリアは後述の#放送エリアについてを参照)。
デジタルテレビ中継局
- 2008年12月9日より試験放送開始、同年12月25日開局。
- 海上伝播になるため、檜山南部地域では受信可能地域でも受信不可能になることがある(ダクト発生等)。
- 後述のアナログ放送と異なり、NHK・民放ともステレオ放送をはじめとするすべてのサービスが楽しめる。
- アナログ送信波がすべてUHFハイバンドであるため、デジタル送信波は受信状況によってはUHF全帯域対応のアンテナに変更が必要となる世帯も生じる。その影響もあり、デジタルテレビの受信性能により電界強度次第では当局にUHFアンテナが向けられていても江差中継局の電波がスキャンされる場合もある。
- 出力が弱いために、エリアであっても、乙部町市街地などワンセグ受信が厳しい地域がある。
アナログテレビ中継局
- 中継波は江差中継局からのエア受けで、函館送信所から数えて基本3段目である。
- 各局とも西方向からの冬季間の暴風波浪時にゴーストや瞬間的な電波停止が発生することが多い。(テレビ北海道(TVh)・北海道テレビ放送(HTB)・北海道文化放送(UHB)が卓越。中継波の受信先の江差局は各局ともUHF。ゴーストは海上伝播による電波の乱反射などの影響。瞬間的な電波停止は江差局のエア受けの際のダイバーシティ受信によるアンテナ切替の影響。)
- TVhの送信波は非常に劣悪で常時ゴースト画像。常時縦線ノイズが豪快に出ているとともに、テロップも左右に滲み、冬季間の暴風時によるカラー位相崩れによる瞬間的な電波停止が最も多い。雪がひどいときは、一番先に受信障害が生じる。 夏期間はラジオダクトによる混信を受けることもある。(TBSテレビ(TBS)系。中継局不明。HBC福島or羽幌?)
- 北海道放送(HBC)中継波は以前から、季節を問わずに(冬季間以外ほぼ毎日のように)虹状の縦の縞ノイズがに左から右に流れる現象が頻発。発生した場合、見るに耐えかねるような画像になる。(中継波を見続けると車酔いと同じ状況になり、めまいや吐き気を催すことになる。)ノイズがひどい場合はカラー位相が壊れて白黒画像になることもあり、TVhよりもひどい画像になることもある。
- 以上のことから、次の4段目中継である北桧山テレビ中継局にも受信障害が発生する(UHBのみ室蘭基幹中継所から1段目となるためほとんど発生しない)。
- 民放テレビは全社で音声多重放送非実施。NHKのみ札幌エリア以外の北海道各地域と同様に音声多重放送を実施しているが、NHK(総合・教育)テレビのステレオ放送開始時(1987年頃?)は、ノイズがひどく音質も劣悪な状態であった。(最近は音質向上・改善。)
- 江差中継局エリア内であっても、UHFアンテナ1本のみで受信できる(NHK・民放とも同一内容)ことから、当局を受信する世帯も多い。(電波が伝播している松前町北西部など。江差テレビ中継所アナログの場合、VHFは垂直偏波、UHFは水平偏波でアンテナ2本必要だが、当局はアナ・デジ両局ともUHFアンテナ1本のみであることからアナログ波のマルチパスの影響も少ない。このようなケースはNHKの親局は異なるが、枝幸中継局と紋別中継局の受信状況と似ている。)
- 札幌テレビ放送(STV)が最も輝度が低い(暗い)。
中継局送信施設
地上デジタルテレビジョン放送送信設備
ID | 放送局名 | 物理 チャンネル |
空中線 電力 |
ERP | 放送対象地域 | 放送区域 内世帯数 |
開局日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | HBC 北海道放送 |
17 | 10W | 115W | 北海道 | 約10,700世帯 | 2008年 12月25日 |
2 | NHK 函館教育 |
14 | 125W | 全国放送 | |||
3 | NHK 函館総合 |
18 | 135W | 道南圏 (渡島・檜山) | |||
5 | STV 札幌テレビ放送 |
15 | 125W | 北海道 | |||
6 | HTB 北海道テレビ放送 |
41 | 115W | ||||
7 | TVh テレビ北海道 |
47 | |||||
8 | UHB 北海道文化放送 |
19 | 110W |
地上アナログテレビジョン放送送信設備
チャンネル | 放送局名 | 空中線 電力 |
ERP | 放送対象地域 | 放送区域 内世帯数 |
偏波面 |
---|---|---|---|---|---|---|
49 | NHK 函館教育 |
映像100W /音声25W |
映像1.55kW /音声390W |
全国放送 | 6,111世帯 | 水平偏波 |
51 | NHK 函館総合 |
道南圏 (渡島・檜山) | ||||
53 | HBC 北海道放送 |
北海道 | ||||
55 | STV 札幌テレビ放送 |
映像1.5kW /音声380W | ||||
57 | HTB 北海道テレビ放送 |
映像1kW /音声250W | ||||
59 | UHB 北海道文化放送 |
映像980W /音声240W | ||||
61 | TVh テレビ北海道 |
映像1kW /音声250W |
- 2011年7月24日の停波を以って、運用を終え、廃局となった。
FMラジオ中継局
周波数 (MHz) |
放送局名 | 空中線 電力 |
ERP | 放送対象地域 | 放送区域 内世帯数 |
偏波面 |
---|---|---|---|---|---|---|
84.3 | NHK 函館FM |
100W | 340W | 道南圏 (渡島・檜山) |
不明 | 水平偏波 |
放送エリアについて
- アナログテレビは、奥尻町・せたな町大成区・八雲町熊石地区・乙部町・江差町・上ノ国町の沿岸地域および松前町北西部の沿岸地域。(八雲町熊石以南は北向きに海(中継局)が見通せる地域)
- FMラジオも基本的には上記のエリア。
- FM遠距離受信については江差ラジオ中継局を参照。
- 上述のとおり、松前町江良地区では、当局が見通し距離で電界強度も満たされるため、当局をパラボラメッシュ(高利得)アンテナによりケーブルを通じて共同受信している。
- 広義で言う電波銀座ではあるが、放送内容が同一のため恩恵が受けられないばかりか、江差中継局と補完しあう状況から、地形の影響で居住地による受信状況が非常にシビアである。更に、受信エリアであっても車載テレビ(アナログ・デジタル問わず)やワンセグ受信などの移動体受信では、受信状況が刻々と変化するので捕捉できないことが多い。
- 乙部町市街地は、ワンセグ視聴ができないばかりか、当局の電界強度が弱いため、地域によっては江差テレビ中継局を受信する地域も多く、電界強度によって受信世帯は混在している。(当局を受信している隣家が江差テレビ中継局を受信等。)