依存症
依存症(いぞんしょう)とは、精神に作用する化学物質の摂取や、ある種の快感や高揚感を伴う特定の行為を繰り返し行った結果、それらの刺激なしにはいられない状態になった疾患のこと。また、このような状態のことを「依存が形成された」と言う。依存症の原因になる行為はさまざまであり、それぞれその原因を冠して、アルコール依存症、ギャンブル依存症などの名称で呼ばれる。俗には中毒と言う場合もある(アルコール中毒、ギャンブル中毒など)。
依存症は、中枢神経に作用する薬物によるものと、それ以外によるものに大別できる。後者では、特定の行為を行ったとき内因性の快楽物質が生成されて強い快感を生じ、それが一種の条件づけ刺激になると考えられている。前者では、この作用に加えて、摂取される薬物そのものが一種の快楽物質の代わりに働いたり、薬理的な作用で内因性の快楽物質の生成に関与すると考えられており、特に薬物依存症と呼ばれる。薬物依存症では、条件づけによる常習化以外にも、神経細胞が組織的、機能的に変質して薬物なしでは正常な状態が保てなくなる場合があり、この現象も薬物依存の形成に大きく関与していると考えられている。
依存はその症状によって精神依存と身体依存に分類される。
精神依存が見られることが依存が形成されていることの必須条件であるが、身体依存は必ずしも依存の必須条件ではない。例えば、薬物以外による依存では身体依存は形成されないし、また薬物依存の場合も身体依存を伴わないものがある(覚醒剤、大麻など)。
麻薬などの依存性の強い物質の商取引は、消費者が商品を続けて購入せざるを得ないため安定して高値で売り続けることができる。そのため依存症患者を破産に追い込んで身体的にも経済的にも破滅に追いやることが多く、社会的な影響が大きいため現在では一部の国を除いて依存性の薬物は非合法化されている。しかし、法の規制をかいくぐるためにまだ規制リストに入っていない新規の薬物が合法ドラッグとして流通している。