柿ようかん
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柿ようかん(かきようかん、柿羊羹)は、カキノキの熟した果実を主原料として練り上げ成型した和菓子である[1]。
岐阜県大垣市と広島県広島市の名産品[2][3]。その他の地方では秋田県横手市や[1][4]、大分県中津市[5]などでも製造され、製法はそれぞれ異なる。
歴史
[編集]岐阜の柿羊羹は、1838年(天保9年)、槌谷(つちや)四代目右助により創製された[6]。製法は特産の堂上蜂屋柿を生干しにし、これに水飴、砂糖を加え、寒天で煮つめて竹筒に流し込んだ固めたもので、羊羹というより、柿のゼリー[1][2][6]。
広島の柿羊羹は、当地特産の西条柿又は、祇園坊柿が使用される[1][3]。広島の柿は古くからの伝統を誇る[7][8][9]。1600年代(17世紀)前半より[3]、安芸国芸州藩主浅野公は、将軍家に祇園坊の干柿を毎年お国自慢として献上していた[3]。明治初期にこの干柿に煉羊羹を加えたものが広島の柿羊羹の始まりで[3]、もみじ饅頭が有名になる前は、西条柿を原料とする「安芸路」「川通り餅」と並んで「広島の三大土産」に数えられた[3]。1897年(明治30年)創業の扇屋(2015年破産)[10]が創製したとする文献もある[11]。こちらは小豆で作った羊羹に、広島原産の干し柿を蜜漬けにして煉り込むもので[12]、広島の柿羊羹は、大垣の仕法とは全く異なる[12]。扇屋以外には竹屋の柿羊羹も竹模様の緑の包装紙もきれいで有名だった[3]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d 「柿羊羹」『日本大百科全書(ニッポニカ), 精選版 日本国語大辞典, デジタル大辞泉プラス, デジタル大辞泉』 。コトバンクより2022年7月21日閲覧。
- ^ a b “広島独自の柿羊羹”. 平安堂梅坪. 2022年8月9日閲覧。
- ^ a b c d e f g 「【みやげ三題】 広島昨今 『懷鄕の味"安芸路"』『お國自慢の"柿羊羹"』『水難よけ"川通り餅"』」『野田経済』1953年6月号、野田経済研究所、131頁。
- ^ “横手柿と柿羊羹”. 秋田県レポート. お菓子何でも情報館. 2022年8月9日閲覧。
- ^ “「人が好き、お菓子が好き」創業者と巻柿の出会い”. 渓月堂. 2022年8月9日閲覧。
- ^ a b “柿羊羹 特産の「堂上蜂屋柿」から作り出した柿羊羹で、昔から変わらぬ天然の竹に入れた岐阜県大垣の銘菓”. 日本47の良いもの. 2022年7月21日閲覧。
- ^ 「西条柿」『デジタル大辞泉プラス, 精選版 日本国語大辞典, デジタル大辞泉』 。コトバンクより2022年7月21日閲覧。
- ^ “東広島産の果物 西条柿”. 東広島市 (2019年10月17日). 2022年8月9日閲覧。
- ^ 田淵実夫「ふるさとの味 ≪広島県≫ あり過ぎるうまいもの」『週刊読売』1965年8月1日号、読売新聞社、48頁。
- ^ “広島で有名な丸型柿羊羹の老舗メーカー、(株)扇屋が破産申請”. exciteニュース. (2015年10月28日) 2022年8月9日閲覧。
- ^ “丸型柿羊羹”. ひろしま製品検索サイト2010「知っとるかいねぇ~。ひろしま製品」. 2022年8月9日閲覧。
- ^ a b “認定品名 廣島名産 柿羊羹 祇園坊”. 広島市 (2021年10月1日). 2022年8月9日閲覧。