物理媒体依存副層
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物理媒体依存副層(ぶつりばいたいいそんふくそう、PMDs: Physical Medium Dependent sublayer)は、OSI参照モデルにおける物理層の副層の内の最下層で、物理層の媒体の個々のビットの送受信の詳細を定義する。その定義には、ビットタイミング、信号の符号化、物理媒体との相互作用、およびケーブル・光ファイバ・ワイヤ自体の特性が含まれる。一般的な例は、IEEEによって定義された100メガビット・イーサネット、ギガビット・イーサネット、10ギガビット・イーサネットの仕様である。
概要
[編集]イーサネットのPMD副層は、イーサネット物理層(PHY)の一部である。階層は次の通りである:
- データリンク層(レイヤ2)
- 物理層(PHY)(レイヤ1)
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- PCS(物理符号化副層)
- この副層は、8b/10bなどのオートネゴシエーションとコーディングを実行する。
- PMA(物理媒体接続副層)
- この副層は、PMAフレーミング、オクテット同期・検出、スクランブル/デスクランブルを実行する。
- PMD(物理媒体依存副層)
- この副層は、物理媒体用のトランシーバで構成されている。
物理媒体依存副層の仕様
[編集]10ギガビット・イーサネット
[編集]- 10GBASE-E
- シングルモード光ファイバでの動作専用に定義されている。1550 nm帯で動作し、最大40 kmの伝送を可能にする。
- 10GBASE-L
- シングルモード光ファイバでの動作用に定義されている。1300 nm帯を使用し、最大10 kmの伝送を可能にする。
- 10GBASE-S
- マルチモード光ファイバで使用するために定義されており、最終的には他の10GbE規格よりも低コストである。850 nmレーザーを使用し、古いファイバ技術では26〜82メートルの範囲の距離にしか到達しない。新しく最適化されたマルチモードファイバ(OM3)では、300メートルまで達することができる。
- 10GBASE-LX4
- それぞれ3.125 Gbit/sで送信する4つのレーザーを使用する。受信機は波長分割多重方式で配置されている。従来のFDDIマルチモードファイバでは最大300 m、シングルモードファイバでは最大10 kmに達することができる。
これらの仕様が提示された後、それらは異なる物理符号化副層標準を使用してLocal Area NetworkとWide Area Network仕様で完成する。
脚注
[編集]- Barbieri, Alessandro. “10 GbE and Its X Factors”. Packet: Cisco Systems Users Magazine 17 (3): 25–28 2016年4月6日閲覧。.