出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
牧霊聖経(ぼくれいせいきょう)は、クリスチャン・コミュニティー・バイブルの流れを汲む中国語聖書で、1999年に完成した。中国のカトリック教会で採用しているところが多く、中国のプロテスタント教会で広く使われている和合本と並んで、中国でもっとも広く読まれている聖書である。
牧霊聖経はクリスチャン・コミューニティー・バイブルの流れを汲む中国語聖書である。クリスチャン・コミュニティー・バイブルはもともと万人が理解しやすい聖書を目指して1960年にはじまり、これまでスペイン語版、フランス語版、英語版などが作られ、特に第三世界・発展途上国で広く使われるようになってきた。
中国語への翻訳は1991年に始まり、1999年に完成している。中国用の簡体字版と、中国以外用の繁体字版とがあり、前者の印刷は愛徳基金会の「愛徳印刷会社」で行われている。
用語は中国語「思高聖経」などに使われてきたカトリック用語が使われていて、中国のカトリック教会で採用しているところが多く、中国のプロテスタント教会で広く使われている和合本と並んで、中国でもっとも広く読まれている聖書になっている。
書名はこれまで広く使われてきた中国語「思高聖経」(思高訳本聖書)に倣っている。
中国語書名(略称) - 日本語書名
|
中国語書名(略称) - 日本語書名
|
旧約:
創世紀(創) - 創世記
出谷紀(出) - 出エジプト記
肋未紀(肋) - レビ記
戸籍紀(戸) - 民数記
申命紀(申) - 申命記
若蘇厄(蘇) - ヨシュア記
民長記(民) - 師士記
撒慕爾上(撒上) - サムエル記上
撒慕爾下(撒下) - サムエル記下
列王記上(列上) - 列王記上
列王記下(列下) - 列王記下
編年記上(編上) - 歴代誌上
編年記上(編下) - 歴代誌下
厄斯徳拉上(厄上) - エズラ記上
厄斯徳拉下(厄下) - エズラ記下
瑪加伯上(加上) - マカバイ記一
瑪加伯下(加下) - マカバイ記二
依撒意亜(依) - イザヤ書
耶肋米亜(耶) - エレミア書
厄則克耳(則) - エゼキエル書
達尼爾(達) - ダニエル書
十二小先知:
欧瑟亜(欧) - ホセア書
岳厄爾(岳) - ヨエル書
亜毛斯 (亜) - アモス書
亜北底亜 (北) - オバデア書
約納 (納) - ヨナ書
米該亜 (米) - ミカ書
納鴻 (鴻) - ナホム書
哈巴谷 (哈) - ハバクク書
索福尼亜 (索) - ゼファニア書
哈盖 (盖) - ハガイ書
匝加利亜(匝) - ゼカリア書
瑪拉基亜(拉) - マラキ書
約伯伝(約) - ヨブ記
箴言(箴) - 箴言
訓道篇(訓練) - コヘレトの言葉
雅歌(雅) - 雅歌
|
盧徳伝(盧) - ルツ記
哀歌(哀) - 哀歌
艾斯徳爾(艾) - エステル記
多俾亜伝(多) - トビト記
友弟徳伝(友) - ユディト記
巴路克(巴) - バルク書
智慧篇(智) - 知恵の書
徳訓篇(息辣)(徳) - シラ書
聖咏(詩) - 詩篇
新約:
瑪竇福音(瑪) - マタイによる福音書
馬爾谷福音(谷) - マルコによる福音書
路加福音(路) - ルカによる福音書
若望福音(諾) - ヨハネによる福音書
宗徒大事録(宗) - 使徒言行録
羅馬書(羅) - ローマ信徒への手紙
格林多前書(格前) - コリントの信徒への手紙一
格林多後書(格後) - コリントの信徒への手紙二
迦拉達書(迦) - ガラテヤの信徒への手紙
厄弗所書(弗) - エフェソの信徒への手紙
斐理伯書(斐) - フィリピの信徒への手紙
哥羅森書(哥) - コロサイの信徒への手紙
費肋孟書(費) - フェレモンへの手紙
得撒洛尼前書(得前) - テサロニケの信徒への手紙一
得撒洛尼後書(得後) - テサロニケの信徒への手紙二
弟茂徳前書(弟前) - テモテへの手紙一
弟茂徳後書(弟後) - テモテへの手紙二
弟鐸書(鐸) - テトスへの手紙
希伯来書(希) - ヘブライ人への手紙
雅各伯書(雅) - ヤコブの手紙
伯多禄前書(伯前) - ペトロの手紙一
伯多禄後書(伯後) - ペトロの手紙二
若望一書(若一) - ヨハネの手紙一
若望二書(若二) - ヨハネの手紙二
若望三書(若三) - ヨハネの手紙三
猶達書(猶) - ユダの手紙
黙示録(黙) - ヨハネの黙示録
|
各所に多くの解説が書かれているが、かならずしも中国天主教愛国会の見解と一致しているものでないといわれている。[1]