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『燕石雑志』(えんせきざっし)は、江戸時代後期に滝沢解(曲亭馬琴)が著した随筆[注釈 1]。文化8年(1811年)刊、全5巻6冊[注釈 2]。
古今の多岐にわたる事物を、和漢の書籍によって考証した作品である。
「日の神」「鬼神余論」「古歌の訛」「俗呪方」など59編[3]の考証を収める。とくに日本の伝承(桃太郎、舌切雀、猿蟹合戦など)や古風俗について、精緻な考証に基づいた馬琴独自の見解が示されている[3]。
- ^ 馬琴は複数の筆名を用途に応じて厳格に使い分けており、一般に知られる「曲亭馬琴」は戯作に用いた戯号である。本書は、本名である滝沢解(瑣吉)の名義で出版している。
- ^ 第5巻が上冊と下冊に分けられている[1][2]。