コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

熱狂の王 ドナルド・トランプ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
熱狂の王 ドナルド・トランプ
Never Enough: Donald Trump and the Pursuit of Success
著者 マイケル・ダントニオ英語版
訳者 高取芳彦
吉川南
発行日 アメリカ合衆国の旗 2015年9月22日
日本の旗 2016年9月28日
発行元 アメリカ合衆国の旗 トーマス・ダン・ブックス英語版
日本の旗 クロスメディア・パブリッシング
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
ページ数 アメリカ合衆国の旗 389
日本の旗 384
コード ISBN 978-1250042385
ISBN 978-4844374985(日本語)
ウィキポータル アメリカ合衆国
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

熱狂の王 ドナルド・トランプ』(ねっきょうのおう ドナルド・トランプ、Never Enough: Donald Trump and the Pursuit of Success, 別原題: The Truth About Trump)は、マイケル・ダントニオ英語版による2015年のドナルド・トランプ伝記本である。本書にはトランプ本人、彼の息子のドナルド・トランプ・ジュニア、最初の妻のイヴァナ・トランプ、2番目の妻のマーラ・メープルズニューヨーク・ミリタリー・アカデミー英語版時代の訓練教官英語版のテオドール・ダビアスへのインタビューが含まれている[1]

背景

[編集]

トランプは2016年の大統領選挙運動英語版の発表前に、作家のマイケル・ダントニオ英語版とマーク・ダゴスティーノと面会した。トランプは当初、公式なインタビューを断るつもりであったとダントニオに告げた。トランプはダントニオに、ダゴスティーノの調査で自身に協力していたので面会を承諾したのだと語った。トランプは以前にマークが彼について書いていた『ピープル』誌の記事を気に入っていたのである。トランプはダントニオに対し、「おそらく、たちの悪い本になるだろう。オーケーしたことを後悔するかもしれないな。まあ、いいさ。たちの悪い本なら訴えるだけだ。本が売れなくてもかまわん。人間というのは、ポジティブで勇気づけられるものが好きなんだ。成功したければ、あなたもそういう本を書くことだ」と忠告した[1][2]

トランプのチーフ・アシスタントであるローナ・グラフは、ダントニオとダゴスティーノをトランプの知人や彼に好意的な人物に面会させた。しかしながらトランプの2番目の妻であるマーラ・メープルズへのインタビューの後、グラフはその後のインタビュー予定を全てキャンセルした。ダントニオはその理由について、「私が作家のハリー・ハート英語版と話したからだ。彼は1993年にトランプを怒らせたことがあり、トランプの『敵リスト』に載っている人物だった。私がハリーと話したことをメイプルズに伝えたため、どうやら彼女はそれを前夫に知らせたのだろう」と述べている[3][4]

出版

[編集]

本書は当初は2016年1月発売を予定していた。2015年8月、出版社のトーマス・ダン・ブックス英語版は発売日を2015年10月6日に変更することを発表し[5]、さらにその後、2016年大統領選挙の世論調査でトランプが優勢であったため、2015年9月22日に前倒しされた[6]

2016年6月にセント・マーティンズ・プレスより『The Truth About Trump』と改題されてペーパーバック版も発売された[7]

評価

[編集]

ニューヨーク・タイムズ』のジェームズ・B・スチュワートは、本書を「トランプの人生について、見事にわかりやすく、公平で、しかしそれにもかかわらず批判的な記述」と評した[8]。『ワシントン・ポスト』のカルロス・ロサダ英語版は、本書が「急かされたことがわかる」と分析し、「散漫な単語に時折、誤字が散見されるが、それでも快活で楽しい読み物である」と評した[9]

フィナンシャル・タイムズ』のエドワード・ルースは、トランプの大統領選挙運動開始と2016年共和党予備選挙開始の中間地点で発表された本書を「バランスが取れており、情報源も豊富で、絶妙なタイミングだった」と評した。ルースはさらに、本書は「すぐに読み終える」ものではないが、「時間をかけて読む価値がある」と評した[10]。『USAトゥデイ』のスーザン・ペイジは本書に4ツ星満点で3ツ半星を与え、また本書が良い時期に発売されたと考えた。ペイジは本書がトランプの人生について「入念に取材され、公平な立場で書かれている」と評した[3]

日本語版

[編集]

日本語版は2016年9月28日にクロスメディア・パブリッシングより出版された。

  • マイケル・ダントニオ英語版 著、高取芳彦吉川南 訳『熱狂の王 ドナルド・トランプ』クロスメディア・パブリッシング、2016年9月28日。ISBN 978-4844374985 

参考文献

[編集]
  1. ^ a b D'Antonio, Michael (September 25, 2015). “What I Learned Writing Trump's Biography: My tour inside the peculiar mind of the GOP front-runner”. Politico: pp. 1–4. http://www.politico.com/magazine/story/2015/09/donald-trump-biography-what-i-learned-213188 April 23, 2017閲覧。 
  2. ^ 日本語版 p.340-343
  3. ^ a b Page, Susan (September 21, 2015). “New Trump bio is perfectly timed”. USA Today. https://www.usatoday.com/story/life/books/2015/09/21/never-enough-donald-trump-and-the-pursuit-of-success/72254548/ April 23, 2017閲覧。 
  4. ^ 日本語版 p.363
  5. ^ Kellogg, Carolyn (August 4, 2015). “New Donald Trump bio is being rushed into print, due out Oct. 6”. Los Angeles Times. http://www.latimes.com/books/jacketcopy/la-et-jc-donald-trump-bio-coming-soon-20150804-story.html April 23, 2017閲覧。 
  6. ^ Kellogg, Carolyn (August 11, 2015). “New Donald Trump bio moved up again, will be published Sept. 22”. Los Angeles Times. http://www.latimes.com/books/jacketcopy/la-et-jc-new-donald-trump-bio-sept-20150811-story.html April 23, 2017閲覧。 
  7. ^ The Truth About Trump”. us.macmillan.com. 21 January 2018閲覧。
  8. ^ Stewart, James B. (September 10, 2015). “'Never Enough: Donald Trump and the Pursuit of Success,' by Michael D'Antonio”. New York Times (New York City). https://www.nytimes.com/2015/09/27/books/review/never-enough-donald-trump-and-the-pursuit-of-success-by-michael-dantonio.html December 8, 2016閲覧。 
  9. ^ Lozada, Carlos (September 11, 2015). “Donald Trump: vain, greedy and all-American”. The Washington Post. https://www.washingtonpost.com/news/book-party/wp/2015/09/11/donald-trump-vain-greedy-and-all-american/ April 23, 2017閲覧。 
  10. ^ Luce, Edward (November 6, 2015). “Donald Trump: 'I know how to win'”. Financial Times. https://www.ft.com/content/74fba53e-83dc-11e5-8e80-1574112844fd April 23, 2017閲覧。 

外部リンク

[編集]