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灰簾石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
灰れん石から転送)
灰簾石 zoisite
灰簾石(アニョライトとタンザナイト)
分類 ケイ酸塩鉱物
化学式 Ca2Al3(SiO4)(Si2O7)O(OH)
結晶系 正方晶系
へき開 完璧({010} で完璧、{100} で不完全)
モース硬度 6.5
光沢 ガラス光沢
灰色黄色ピンク色青色緑色など)
条痕 白色
比重 3.3
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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灰簾石(かいれんせき、zoisite、ゾイサイト)は鉱物ケイ酸塩鉱物)の一種。黝簾石(ゆうれんせき)[1]ともいう。緑簾石の Fe3+ が Al に置き換わったものであるため従来は緑簾石グループに属するとされていたが、2006年にThomas Armbrusterを座長とする国際鉱物学連合・新鉱物命名分類委員会のチームにより、緑簾石グループの定義の一つに単斜晶系が入れられ[2]、灰簾石は正方晶系であるために除外されることとなった。化学組成は Ca2AlAl2(Si2O7)(SiO4)O(OH)。

ケルンテン州ザウアルペドイツ語版山地(現在のエバーシュタイン近郊)で1804年に鉱物商が発見し、ジグムント・ゾイスが新種の鉱物と気付いてアブラハム・ゴットロープ・ウェルナーに送った。翌1805年にヴェルナーはゾイスにちなんで命名した。この発見の事情から、「saualpite」とも呼ばれていた。

同じ化学組成で単斜晶系の鉱物は単斜灰簾石(単斜黝簾石)で、こちらは緑簾石グループに入れられている。

類縁体としては、2022年スウェーデンヴェルムランド県フィリップスタード市のヤコブスベリ鉱山から発見が報告された「鉛灰簾石(Zoisite-(Pb)、[CaPb][Al3](SiO4)(Si2O7)O(OH)))」がある[3]。これは、灰簾石に2つ含まれるカルシウムのうち一つがに置換したものである。

硬度が低いうえ完全な劈開を持ち、タンザナイトを含めて超音波洗浄をすると壊れやすいのが特徴である。

変種

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マンガンを含むものをチューライトthulite、桃簾石)、バナジウムを含むものをタンザナイト(tanzanite)という。

脚注

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関連項目

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参考文献

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  • 黒田吉益諏訪兼位『偏光顕微鏡と岩石鉱物 第2版』共立出版、1983年。ISBN 4-320-04578-5 
  • 松原聰宮脇律郎『日本産鉱物型録』東海大学出版会国立科学博物館叢書〉、2006年。ISBN 978-4-486-03157-4 
  • 国立天文台 編『理科年表 平成20年丸善、2007年。ISBN 978-4-621-07902-7https://web.archive.org/web/20060703125140/http://www.rikanenpyo.jp/ 

外部リンク

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