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潮境

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

潮境(しおざかい、boundary of water-masses[1]、oceanic front[2])とは、異なる水塊の境界のこと。これは一般に、優勢な海流帯や、海流の収束帯に一致する。海水温塩分など海水の物理的、化学的性質がほぼ一様なもののかたまりを水塊というが、その境目である潮境を横断して観測すると、水温、塩分、栄養塩溶存酸素量などが急変し、水色、透明度も著しく変わるので肉眼でわかることが多い。潮境海域における海況は時間的にも場所的にも変動が激しく、寒暖両水塊がモザイク状に入り乱れたり、局部的な収束、沈降域や発散、湧昇域が複雑に配列されていたりする。

流れに乗って寒暖両系の魚群が密集しやすく,また湧昇流が栄養分を運び上げてプランクトンを繁殖させるため、有利な漁場となることが多い。親潮黒潮の接触する三陸沖や、ラブラドル海流メキシコ湾流の接するニューファウンドランド沖などがその好例である。

潮目

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潮目(しおめ、current-rip[1][2])とは、局所的な表面の流れの収束線をいう。多くは潮境が海面に現れたもの。強い収束によって、泡や、海藻、木片などが集積していたり、鏡のような海面にさざ波が立っていたりするので、肉眼でも識別できることが多い。顕著な潮目は著しい不連続性を示し、わずかな距離で水温が数度も変化することがある。

類義語と語義の変遷

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潮境は現在では異なる水塊の境界という意味で広く使われている。しかし、時代によってはその語義が現代と異なっていたり、その類義語である「潮合(線)」や「潮目」が代わりに使われていたりするので、過去の文献を読む際は注意が必要である。このことは「潮境とその類義語の語義変遷の歴史[3]」に詳しく書かれている。これによれば、「潮境」の初記載者は宇田道隆(1931)で、そのときの意味は現在の潮目に近い意味であった。

脚注

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  1. ^ a b 文部省 編『学術用語集 海洋学編』日本学術振興会、1981年。ISBN 4-8181-8154-4 
  2. ^ a b 文部省編 編『学術用語集 地理学編』日本学術振興会、1981年。ISBN 4-8181-8155-2 
  3. ^ 川合英夫「潮境とその類義語の語義変遷の歴史」『海の研究』第10巻第4号、日本海洋学会、2000年、351-359頁、ISSN 0916-8362NAID 110003351862国立国会図書館書誌ID:5827282 

関連項目

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外部リンク

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  • 潮境”. 学習百科事典(学研キッズネット). 2021年4月20日閲覧。