滋賀石
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滋賀石(しがせき、 Shigaite)は、1985年に発表された日本産新鉱物で、ミシガン大学の鉱物学者 Donald R. Peacor 、国立科学博物館の加藤昭などにより、滋賀県栗東町(現・栗東市)下戸山の五百井(いおい)鉱山から発見された[1]。 化学組成はMn6Al3(OH)18[Na(H2O)6][SO4]2・6H2Oで、三方晶系。発見地の県名から命名された。
鉱物自体は、1963年8月の五百井鉱山閉山直前に加藤が採集していたが、当時はムーア石(mooreite: Mg15(SO4)2(OH)26·8H2O)との類似性が指摘されるに留まった。1984年になって新鉱物だと判明して申請され、翌年に記載論文が掲載された。当初の組成式はAl4Mn7(SO4)(OH)22・8H2Oだったが、1996年に南アフリカ産の標本の分析からナトリウムが必須と判明し、ハイドロタルク石超族(hydrotalcite supergroup)のウェルムランド石族に編入された[2]。
発見地などでは黄色の結晶だが、南アフリカ・北ケープ州のN'Chwaning I鉱山産のものは赤みを帯びており、現在ではこちらが多く流通している。
脚注
[編集]- ^ Peacor, D. R. et al. (1985): Shigaite, a new manganese aluminum sulfate mineral from the Ioi mine, Shiga, Japan. Neues Jahrb. Mineral., Mh., 453-457.
- ^ Mills S.J., Christy A.G., Génin J.M.R., Kameda T., Colombo F. (2012) Nomenclature of the hydrotalcite supergroup: natural layered double hydroxides. Mineralogical Magazine, 76, 1289-1336.
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Shigaite
- 滋賀石 / Shigaite - 浜根大輔、東京大学物性研究所電子顕微鏡室