渚にて (バンド)
渚にて | |
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出身地 | 日本 大阪府 |
ジャンル |
フォークロック サイケデリック・ロック |
活動期間 | 1992年 - |
レーベル |
ジオグラフィック・ミュージック P-VINE |
共同作業者 | Maher Shalal Hash Baz |
公式サイト | Official Website |
メンバー |
柴山伸二 竹田雅子 |
旧メンバー |
高橋幾郎 田代貴之 |
渚にて(なぎさにて)は、日本の音楽バンド。柴山伸二、竹田雅子の夫妻を中軸として1992年より活動。
来歴
[編集]結成以前
[編集]1980年代の京都のアンダーグラウンド音楽シーンにおいて、柴山は非常階段の前身、螺旋階段に在籍していた高山謙一、頭士奈生樹らが結成したバンド、イディオット・オクロックのメンバーとして京都大学西部講堂を中心としたライブ活動を続けていた[1]。その傍ら、ソロ・プロジェクトのハレルヤズとして、さまざまなミュージシャンが楽曲提供・出演する形でのレコーディングを行なった。1986年、ハレルヤズのアルバム『肉を喰らひて誓ひをたてよ』のリリースを以って自主レーベル、ORG RECORDSが始動[1][2]。このレーベルは、イディオット・オクロックのメンバーの各プロジェクトのほか、工藤冬里を中心とするMaher Shalal Hash Bazの一連の作品のリリースにより内外に知られる。
1990年代
[編集]柴山は1992年に「レコードとして完成されたもの」を目指して渚にてとしてソロでのスタジオ・レコーディングを開始し、1995年にファーストアルバム『渚にて』をリリースする[1]。このアルバムでは柴山の曲作りにおける「声のイメージ」としてのみ関与していた竹田が正式に加入した結果、2枚目以降のアルバムは、柴山と竹田が共にリーダーとして曲作りを担当した作品となっている。山本精一の難波ベアーズを中心としてライブ活動も行なった。1996年にはハレルヤズのアルバムがPSFレコードからCDリリースされた。1999年には英Wire誌によるドミノ・レコーズのサンプラーに、Maher Shalal Hash Bazの作品と並んでハレルヤズ作品「星」のザ・パステルズによるカバーが取り上げられた[1]。
2000年代
[編集]2000年にはP-VINEにより過去作品が全国流通でCDリリースされる。2001年にドミノ・レコーズ傘下でスティーヴン・パステル(ザ・パステルズ)の運営するGeographicレーベルからリリースされたハレルヤズを含む過去作品のコンピレーション・アルバム"SONGS FOR A SIMPLE MOMENT"の日本盤『ほんの少しのあいだ』もP-VINEが発売した。2001年のアルバムではゲストドラムにティム・バーンズ(ジム・オルーク・バンド)を迎え、この作品以降はP-VINEとJagjaguwarからの日米リリースとなっている[1]。2004年に制作期間14か月を経て完成した『花とおなじ』を発表し、アルバム発売記念ツアーを開催[3]。同年にリメイクアルバム『夢のサウンズ』をリリース[3]。2008年には通算7枚目となるアルバム『よすが』をリリースした[4]。
2010年代
[編集]2012年12月23日、難波ベアーズにて『よすが』のリリース以来5年ぶりのライブを実施[5]。また2014年、6年半ぶりとなるニューアルバム『遠泳』をP-VINEよりリリースする[6]。
音楽性
[編集]Oz Disc主宰の田口史人が2000年にリリースしたサンプラー「so far songs」は、17組のボーカルをフィーチャーしたローファイなインディーバンドのコンピレーション・アルバムであるが、「うたもの」としてメディアに取り上げられ、同作品にも登場した渚にても、羅針盤とともに「うたもの」の代表バンドと紹介された時期がある。また、バンド名や曲名「渚のわたし」の渚の英訳が、ニール・ヤングの1974年のアルバム「On the beach」 (邦題『渚にて』) と同名であるため、英語圏での紹介でこの時期のニール・ヤング作品からの影響が示唆されることがあるが、柴山自身はブログ等でネビル・シュートのSF小説の映画化作品から取ったとしている。
メンバー
[編集]旧メンバー
[編集]ゲスト・ミュージシャン
[編集]- 頭士奈生樹 (exイディオット・オクロック、非常階段)
- ティム・バーンズ (ジム・オルーク・バンド)
- 山本精一 (羅針盤、ボアダムス)
- 中崎博生 (マヘル・シャラル・ハシュ・バズ)
- 中村宗一郎 (exホワイト・ヘヴン)
など
特集・インタビュー
[編集]- 『G-Modern』vol.17 (1998年)
- 『大食』vol.3 (1997年) オルグ・レコード主宰としてのインタビュー
- 『Indies Magazine』vol.46 pp110-113 (日常から生まれる音楽「うたもの音楽特集」pp101-123)(2001年)
ディスコグラフィー
[編集]アルバム
[編集]発売日 | タイトル | 規格品番 | 収録曲 | 備考 | |
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1st | 2000年7月25日 | 渚にて | PCD-5810 |
全11曲
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オリジナルリリース1995年 Org[2] |
2nd | 2000年7月25日 | 太陽の世界 | PCD-5605 |
全9曲
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オリジナルリリース1997年 Org[2] |
3rd | 2000年7月25日 | 本当の世界 | PCD-5603 |
8曲+6曲 DISC1
DISC2
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オリジナルリリース1999年 Org[2] |
4th | 2001年6月25日 | こんな感じ | PCD-5812 |
全10曲
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Org |
5th | 2004年5月7日 2005年11月15日 |
花とおなじ | PCD-5859:CD ORG-021:LP |
全9曲
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Org |
6th | 2004年10月15日 | 夢のサウンズ | PCD-4098:CD ORG-022:LP |
全4曲
頭士奈生樹・中村宗一郎が参加 |
リメイクアルバム Org |
7th | 2008年6月20日(国内) 2008年09月22日(海外) |
よすが | PCD-25081 |
全13曲
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P-VINE |
8th | 2014年11月19日 | 遠泳 | PCD-27023 |
全13曲
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P-VINE オリコン最高283位 |
9th | 2017年1月18日 | 星も知らない | PCD-27034 |
全9曲 |
P-VINE |
10th | 2020年11月18日 | ニューオーシャン | PCD-27048 |
全9曲 |
P-VINE |
シングル
[編集]発売日 | タイトル | 規格品番 |
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2001年 | They | GEOG10 |
2020年10月21日 | Newocean / 災いの星 | P7-6264 |
参加作品
[編集]発売日 | タイトル | 規格品番 |
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2000年12月25日 | タダダー!トリビュート 私服刑事 | PCD-5614 |
2001年01月24日 | トリビュート・トゥ・ニッポン | UOCA-1007 |
2001年11月09日 | ほんの少しのあいだ | PCD-3232 |
2002年10月23日 2003年08月27日 |
TONE POEM ARCHIVES | VBON-1002 VBON-1002 |
ミュージックビデオ
[編集]監督 | 曲名 |
中野達仁 | 「花とおなじ」「本当の世界」 |
不明 | 「よすが」 |
脚注
[編集]- ^ a b c d e “interview with Nagisa Ni Te - また正月かあ! 渚にて(柴山伸二)、インタヴュー”. ele-king (2014年12月29日). 2016年3月18日閲覧。
- ^ a b c d “ORG RECORDS RELEASES”. ORG RECORDS. 2016年3月18日閲覧。
- ^ a b “渚にて、東京と大阪でワンマン・ライヴ開催発表”. TOWER RECORDS ONLINE (2004年7月2日). 2016年5月3日閲覧。
- ^ “渚にて、通算7枚目のニュー・アルバム『よすが』を6月20日にリリース”. TOWER RECORDS ONLINE (2008年5月3日). 2016年5月3日閲覧。
- ^ “アングラ界のル・クプル、渚にてが5年ぶりの復活ライヴ”. OTOTOY (2012年12月10日). 2016年3月18日閲覧。
- ^ “渚にて、6年半ぶり新作でPink Floydの境地に”. 音楽ナタリー (2014年10月7日). 2016年3月17日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- ORG RECORDS
- ドミノ・レコーズの紹介ページ
- Jagjaguwarの紹介ページ
- 渚にて (nagisanite) - Facebook