凸幾何学(英語版)における混合体積(こんごうたいせき[1][2][3]、mixed volume)とは、上のいくつかの凸体(英語版)の組と非負数を特徴づける手法である。凸体の形状と大きさ、相対的な方向に依存する。
を上の凸体とする。次の関数を考える。
ここでは次元体積、内の加法は拡大縮小されたに関するミンコフスキー和(英語版)である。は次斉次多項式であることが分かり、次のように書ける。
ただし、は対称関数である。インデックス について、係数をの混合体積という。
- は対称関数。
- は多重線型形。つまり、について、
- 混合体積は非負で、各変数において単調増加。つまりとすれば、 。
- アレクサンドル・アレクサンドロフ(英語版)とヴェルナー・フェンシェル(英語版)の発見によれば、次の不等式が成立する(アレクサンドロフ=フェンシェル不等式)。
- ブルン=ミンコフスキーの不等式(英語版)や凸体におけるミンコフスキーの第一不等式(英語版)のような多くの不等式は、このアレクサンドロフ=フェンシェル不等式の系である。
を凸体、を単位球とする。
はの j-th quermassintegral と呼ばれる[4]。
混合体積の定義よりシュタイナーの公式(Steiner formula)と呼ばれる次の式が成立する。ヤコブ・シュタイナーの名を冠する。
の j-th intrinsic volume はquermassintegralの異なる正規化物である。次の式で定義される。
- つまり、
ここでは、次元単位球の体積。
ハドヴィガーの定理は、内の凸体上の剛体運動の下で不変で連続な任意の付値はquermassintegral(またはintrinsic volume)の線型結合で表すことができることを主張する[5]。