淮南子
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(淮南鴻烈から転送)
『淮南子』(呉音: えなんじ、漢音: わいなんし、中国語: 淮南子; 拼音: Huáinánzǐ; ウェード式: Huai-nan Tzu)は、前漢の武帝の頃、淮南王劉安(紀元前179年 - 紀元前122年)が学者を集めて編纂させた思想書。日本へはかなり古い時代から入ったため、漢音の「わいなんし」ではなく、呉音で「えなんじ」と読むのが一般的である。『淮南鴻烈』(わいなんこうれつ)ともいう。劉安・蘇非・李尚・伍被らが著作した。
10部21篇。『漢書』芸文志には「内二十一篇、外三十三篇」とあるが、「内二十一篇」しか伝わっていない。道家思想を中心に儒家・法家・陰陽家の思想を交えて書かれており、一般的には雑家の書に分類されている。
注釈には後漢の高誘『淮南鴻烈解』・許慎『淮南鴻烈間詁』がある。
構成
[編集]- 巻一 原道訓
- 巻二 俶真訓
- 巻三 天文訓
- 巻四 墬形訓 (地形訓とも。「墬」は「地」に同じ、「墜」や「堕」とは別字)
- 古代の地理観を記す。36の異国の記載(海外三十六国)には伝説的な内容が含まれる。
- 巻五 時則訓
- 巻六 覧冥訓
- 巻七 精神訓
- 巻八 本経訓
- 巻九 主術訓
- 巻十 繆称訓
- 巻十一 斉俗訓
- 巻十二 道応訓
- 巻十三 氾論訓
- 巻十四 詮言訓
- 巻十五 兵略訓
- 巻十六 説山訓
- 巻十七 説林訓
- 巻十八 人間訓
- 巻十九 脩務訓
- 巻二十 泰族訓
- 巻二十一 要略
訳注書
[編集]- 楠山春樹『淮南子 上』明治書院〈新釈漢文大系 54〉、1979年8月。ISBN 4-625-57054-9 。
- 楠山春樹『淮南子 中』明治書院〈新釈漢文大系 55〉、1982年7月。ISBN 4-625-57055-7 。
- 楠山春樹『淮南子 下』明治書院〈新釈漢文大系 62〉、1988年6月。ISBN 4-625-57062-X 。
- 『淮南子』楠山春樹訳著(本田千恵子編)、明治書院〈新書漢文大系 34〉、2007年5月。ISBN 978-4-625-66403-8 。新書での抜粋版。
- 『淮南子 説苑』戸川芳郎・木山英雄ほか訳、平凡社〈中国古典文学大系 6〉、1974年12月。ISBN 4-582-31206-3 。現代語訳のみ
- 池田知久訳著『訳注 淮南子』(講談社学術文庫、2012年)。部分訳。文庫は増訂版。
- 電子書籍版『訳注『淮南子』増補改訂版』は、「人間万事 塞翁が馬」を収録、新解説を追加。
- 旧版は『淮南子 知の百科』(講談社〈中国の古典〉、1989年)
- 『淮南子 : 現代語訳』(小野機太郎 訳 支那哲学叢書刊行会〈支那哲学叢書 ; 第10〉 1924年 国立国会図書館デジタルコレクション)
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 金谷治『淮南子の思想 老荘的世界』講談社〈講談社学術文庫〉、1992年2月。ISBN 4-06-159014-6 。 - 難解な淮南子の入門書。劉安の生平のみならず、時代背景にも詳しい。