海軍望楼
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海軍望楼(かいぐんぼうろう)は、沿岸要所に置かれた、大日本帝国海軍の望楼である。海上の見張、付近を通過する艦船との通信、気象の観測、通報、天気予報および暴風警報、海難報告などを掌った。
概要
[編集]その所在地名が冠称され、所管鎮守府または当該要港部に属した。
当初は望楼長と望楼手は海軍軍属の文官であったが、1913年(大正2年)以降、望楼には下士官兵が置かれ、必要に応じて海軍望楼長として兵科士官、特務士官あるいは准士官が配され、戦時、事変などでは臨時海軍軍属が置かれることになった。
第1次世界大戦後の行政整理のため、1923年(大正12年)10月19日の鹿児島県佐多望楼の撤廃を最後として、すべて廃止された。
参考文献
[編集]- 国立公文書館所蔵「御署名原本・明治二十七年・勅令第七十七号・海軍望楼条例」(御01729100、アジア歴史資料センターRef.A03020176700)
- 国立公文書館所蔵「望楼長望楼手任用令廃止ノ件」(枢C00015100、アジア歴史資料センターRef.A03033362300)
- 「海軍望楼」『海軍制度沿革 巻3』海軍大臣官房、1939年、pp.696-707.
- 田丸直吉『日本海軍エレクトロニクス秘史 <兵どもの夢の跡>』原書房、1979年。前編「海軍無線電信の濫觴(明治年間)」、特に、第一章「海軍望楼の事」。
- 原剛『明治期国土防衛史』錦正社、2002年。ISBN 4-7646-0314-4。第四章「対露軍備充実期の国土防衛」四「沿岸監視態勢の整備」(一)「海軍の望楼」、(二)「陸軍の海岸監視哨」。