河添房江
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河添 房江(かわぞえ ふさえ、1953年10月15日 - )は、日本の古代・中古文学研究者。東京学芸大学名誉教授。博士(文学)。平安文学、主に『源氏物語』を専攻[1]。
来歴
[編集]東京学芸大学附属竹早中学校[2]、東京学芸大学附属高等学校卒業[3]。1977年、東京大学文学部国文学科卒業[1]。1980年、東京大学大学院人文科学系研究科修士課程修了。1985年、同博士課程単位取得退学[1]。
1985年、東京学芸大学教育学部専任講師[1]、1989年、同大学助教授[1]。1994年、『源氏物語の喩と王権』(有精堂出版、1992年)で、第1回関根賞を受賞した[3][4]。1999年、東京大学から博士(文学)の学位を取得、論文名は「源氏物語表現史 : : 喩と王権の位相」[5]。2002年、同大学教授[1]。2019年、東京学芸大学名誉教授。
このほか、一橋大学大学院言語社会研究科連携教授(2007年~2019年)、東京大学大学院人文社会系研究科兼任教授(2009年~2012年、2014年~2019年、多分野交流演習)を歴任した。
著作
[編集]単著
[編集]- 『源氏物語の喩と王権』(有精堂、1992年)
- 『源氏物語表現史』(『喩と王権』の増補版、翰林書房、1998年)
- 『性と文化の源氏物語』(筑摩書房、1998年)
- 『源氏物語時空論』(東京大学出版会、2005年)
- 『源氏物語と東アジア世界』(NHKブックス、日本放送出版協会、2007年)
- 『光源氏が愛した王朝ブランド品』(角川選書、2008年)
- 『唐物の文化史 舶来品から見た日本』(岩波新書、2014年)
- 『源氏物語越境論 唐物表象と物語享受の諸相』(岩波書店、2018年)
- 『紫式部と王朝文化のモノを読み解く』(角川ソフィア文庫、2023年)
編著
[編集]- 『叢書 想像する平安文学』(全8巻)共編(勉誠出版、1999-2001年)
- 『週刊 朝日百科 世界の文学 竹取物語・伊勢物語』(朝日新聞社、1999年)
- 『源氏物語いま語り』三田村雅子・松井健児共編(翰林書房、2001年)
- 『源氏物語の鑑賞と基礎知識 梅枝・藤裏葉』(至文堂、2003年)
- 『描かれた源氏物語』三田村雅子共編(翰林書房、2006年)
- 『薫りの源氏物語』三田村雅子共編(翰林書房、2008年)
- 『講座 源氏物語研究12 源氏物語の現代語訳と翻訳』(おうふう、2008年)
- 『はじめて出会う古典作品集』(全6巻)高木まさき共監修(光村教育図書、2009-2010年)
- 『平安文学と隣接科学9 王朝文学と服飾・容飾』(竹林舎、2010年)
- 『夢と物の怪の源氏物語』三田村雅子共編(翰林書房、2010年)
- 『天変地異と源氏物語』三田村雅子共編(翰林書房、2013年)
- 『古代文学の時空』(翰林書房、2013年)
- 『源氏物語 煌めくことばの世界』原岡文子共編(翰林書房、2014年)
- 『王朝文学と東ユーラシア文化』小山利彦・陣野英則共編(武蔵野書院、2015年)
- 『新装版 唐物と東アジア 』皆川雅樹共編(勉誠出版、2016年)
- 『アクティブラーニング時代の古典教育』(東京学芸大学出版会、2018年)
- 『源氏物語 煌めくことばの世界Ⅱ』原岡文子共編(翰林書房、2018年)
- 『新訂 枕草子』(上・下)津島知明共訳注(角川ソフィア文庫、2024年)
親族
[編集]父・河添邦太朗 (1922-2021) は、工学博士、東京大学名誉教授[6]。夫・須賀英之は、宇都宮共和大学・宇都宮短期大学学長。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f “東京学芸大学 河添 房江 教授|GOOD PROFESSOR”. 早稲田塾. 2021年8月12日閲覧。
- ^ 黒石陽子『河添先生をお送りする』東京学芸大学国語国文学会、2019年。doi:10.24672/gkokugokokubun.51.0_26 。2021年8月12日閲覧。
- ^ a b 原岡文子『河添房江先生のご定年に寄せて』東京学芸大学国語国文学会、2019年。doi:10.24672/gkokugokokubun.51.0_22 。2021年8月12日閲覧。
- ^ “関根賞運営委員会|受賞者および受賞著作一覧”. spc.hujibakama.com. 2021年8月12日閲覧。
- ^ 博士論文書誌データベース
- ^ 『人事興信録』須賀淳の項目