河地貢士
河地貢士(かわち こうし)は、岐阜県多治見市出身の現代美術作家、アーティスト。名古屋芸術大学美術学部デザイン科造形実験コース卒業。現在は東京を拠点に国内外で活動。
経歴
[編集]岐阜県多治見市生まれ。高校生の時に赤瀬川原平、ヨーゼフ・ボイスなどに影響されアーティストを志す。大学在学中はインスタレーションや映像作品を主に制作。卒業制作として「名古屋芸術大学卒業制作展対策本部」を出品。展示会場にテントを張り仮設の対策本部を設置、持続性や場所性を考察するインスタレーションを展開した。卒業後は東京のパッケージデザイン会社に就職するが約3ヶ月で退職。その後、YMOのアートディレクションなどで知られる奥村靫正氏主宰のTHE STUDIO TOKYO. JAPAN.(現TSTJ Inc.)に入社。入社直後に任された仕事は村上隆の個展のフライヤーデザイン。約2年勤務後、カワチコーシ名義でフリーランスのアートディレクター、デザイナー、イラストレーターとして活動する。主な仕事に『めちゃイケ大百科事典[1]』や『BISTRO SMAP』など。2001年、中林雄大とアートユニット「HONA」を結成。「a little ecstasy」をテーマに創作活動を行なう。ISSEY MIYAKEでおなじみのプリーツ素材を使用したペニスケース「KATANA」や東京をイメージしたオリジナル缶ジュース「東京パンチ」などを発表。現在「HONA」は活動休止中。2008年、祖父の死をきっかけに制作された、うまい棒を仏像に彫る作品「うまい仏」は、CNN[2]、ロイター[3]などの海外メディアをはじめ、日本の情報番組やバラエティー番組[4]、新聞[5]、雑誌、インターネットメディアで紹介される。「うまい仏」は円空仏を現代的に解釈した作品でもあることから、2013年に東京国立博物館で開催された「飛騨の円空」のオフィシャル企画として「円空さんが今おったらうまい棒にほっとるて[6]」を開催。2015年には、円空ゆかりの地として知られる岐阜県関市主催の「うまい仏 岐阜県関市現代アート展[7]」を「ミッドランドスクエア(名古屋)」にて開催。3日間で約13,000人を動員した。この展示関連の記事はYahoo! Japanのトップニュースに2度掲載される[8]。一方、漫画雑誌を苗床に野菜を育てるインスタレーション作品「まんが農業」は、主に海外のメディアで注目される。Lasalle College of The Arts[9](シンガポール)、4A Centre for Contemporary Asian Art[10](オーストラリア)、京都国際マンガミュージアム[11]、などで展示が行なわれた。また、モントリオール大学発行書籍のカバーヴィジュアルとしても採用されている[12]。2015年、芥川賞作家の平野啓一郎氏の小説『マチネの終わりに[13]』とのコラボレーション企画に参加[14]。京都国際映画祭2015(アート部門)に参加。元・立誠小学校の教室に2万5000本の金色のうまい棒を展示[15]。
作品
[編集]- 「うまい仏」うまい棒(スナック菓子)を仏像に彫る作品(円空仏の現代的解釈としての側面もある)
- 「Embalming(Baby Star Ramen)」ベビースターラーメン(スナック菓子)1袋分を1本に繋げる作品
- 「Embalming(Potato Chip)」割れたポテトチップスを伝統技法の金継ぎで修復された作品
- 「Top of the world」ポテトチップス1袋の中で一番大きな1枚を探し出し、魚拓のようにして拓に取る作品
- 「For the Love of Now」ポテコ(スナック菓子)に天然ダイヤモンドをあしらった作品
- 「まんが農業」漫画雑誌を苗床に野菜を栽培する作品。漫画を読んで面白いと思ったページに苗を植えつけ、水をやり育てる
- 「本を吹く(仮)」本を草笛の要領で奏でる作品。本の内容はまったく違うが奏でられる音色はほとんど同じである
- 「note drawing」自然の山々や都市のビル群のような景色から人の身体まで、そのアウトラインを音階にみたててメロディーへと変換する作品
外部リンク
[編集]- 河地貢士オフィシャルHP
- 河地貢士 (@koshikawachi) - X(旧Twitter)
参考
[編集]注釈
[編集]- ^ 2001年4月、扶桑社より出版
- ^ CNN記事
- ^ ロイター記事
- ^ TVでた蔵 河地貢士
- ^ 中日新聞(2015年3月15日)、読売新聞(2015年3月11日)、東京新聞(2013年5月27日)
- ^ http://hagiso.jp/events/umaibutsu/
- ^ 関市ホームページより http://www.city.seki.lg.jp/0000007830.html
- ^ 2014年12月26日、2015年1月24日に掲載
- ^ 「TRANSMISSION 2010」 http://www.lasalle.edu.sg/
- ^ AFTER EFFECT http://www.4a.com.au/next-exhibition/
- ^ 2011年 文化庁メディア芸術祭 パラレルワールド 京都
- ^ La mémoire du roman http://www.pum.umontreal.ca/catalogue/la-memoire-du-roman
- ^ 毎日新聞朝刊にて2015年3月1日より連載
- ^ http://www.pieceofcake.co.jp/1329/matineenote
- ^ Instalasi Imajinasi dan Harapan di Kyoto Film and Art Festival 2015