汗疱状湿疹
この記事は英語版の対応するページを翻訳することにより充実させることができます。(2024年6月) 翻訳前に重要な指示を読むには右にある[表示]をクリックしてください。
|
汗疱状湿疹(かんぽうじょうしっしん)とは、手掌・足底に痒みを伴う小水疱が出現する湿疹性の皮膚疾患。異汗性湿疹(いかんせいしっしん)指湿疹(ゆびしっしん)とも言われる。また、汗疱(かんぽう)と略すことがある。
症状
[編集]手掌・足底に小水疱が左右対称に出現する。それを放置すると、乾燥してがさがさになる。手だけでなく足に現れる事もあるため、水虫と一緒にされがちだが、菌は存在しないため感染は心配しなくてよい。また、水疱が出現する初期に非常に強い掻痒や不快感をともなう。小水疱は融合して大きな水疱になることもある。春・夏に悪化し秋になると軽快することが多い。
病態
[編集]多汗症の人に多いというが[1]、汗が外に出ず皮膚内のpHが低くなり炎症・湿疹を誘発するものと考えられる。汗疹(あせも)の特徴と湿疹の特徴が混ざりあった病態ともいえる。汗腺自体に異常はなく、その汗腺自体の炎症とは異なる。
原因
[編集]金属アレルギー、慢性の副鼻腔炎・扁桃炎による病巣感染、喫煙が原因になる。ストレスや自律神経失調症も悪化要因になる。
検査
[編集]金属アレルギーがあれば、貼付試験(パッチテスト)を施行する[1]。
予防
[編集]高温多湿をできるだけ避けるようにする。
治療
[編集]2020年現在までに有効な治療法は見つかっておらず、現在の日本の最新医療技術をもってしても、完全に治すことは不可能だと言われている。炎症自体が抑えられても、アレルギー反応等で次々に新たな汗疱を発症するためである。ただし、抑制させる方法として、抗炎症作用のステロイド外用剤・尿素軟膏などの角質溶解剤・制汗作用のある20%塩化アルミニウム水を使用することがある。痒みが強い場合、抗アレルギー薬を使用することもある。病巣感染の対応としては抗生剤投与・扁桃切除、歯科金属アレルギーの対応としては歯科金属の入れ替えなども行われる[1]。
脚注
[編集]- ^ a b c あたらしい皮膚科学 第13版 ISBN 978-4521745817