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永井吐無

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

永井 吐無(ながいとむ、1944年 -2024 )は、洋画家、無所属。

略歴

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愛媛県新居浜市生まれ。香川県立高松工芸学校図案科卒。

1970年、東京日本橋「此花画廊」にて初個展。

以後欧州各地に取材制作活動を重ねながら、主に発表の場を個展に求め、各地にて開催している[1]

活動

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1984年、フランスのサロンドートンヌ展、1988年、安井賞展等に発表し、高い評価を得るが、永井の真の姿は彼自身の個展の中にある。

それは永井もよく理解していて、1970年の初個展以来、積極的に作品を発表している。

その個展の数は2021年現在で既に82回を記録し、日本で最も権威ある日本橋三越ギャラリーでも定期的に開催している。

独創性

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永井の作風の根幹は緻密な構成力と魂のこもった線にあるだろう。正確な観察力とに裏打ちされた縦横無尽な震えるような線の動きは彼のすべての作品に見出すことができる。

特にペン画による日本の寺社仏閣はその表現力を余すところなく伝えており、静謐で厳かな建物の奥に潜む永久の時の流れを感ずるのは私一人ではないだろう。

又、油彩画水彩画にも彼の独特な色彩感とデッサン力にも奥深くあたたかな魅力がある。

哲学

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1975年30歳を過ぎて以来渡欧を繰返し、ヨーロッパ各地の古い村の教会、田舎のまちを描いた作品にはなぜか東洋的な匂いが流れているのは永井の持つ哲学が色彩に反映された結果であろう。

その作品には人の眼を引く奇抜な試みが一切ないが、太陽のひかりと風のささやきを織り込んだ風景が極めて静かに描かれていて、そこには自身のメッセージさえ存在しないかのように見える。

しかし、流れる水に自然体の意志があるように、そこには永井の愛がある。

その永井が50歳を過ぎて、巡礼地にに興味を持ち、描き始めたことは言わば必然といって良いだろう。

スペインのサンティアゴデ・コンポステーラ、日本の四国八十八ヶ寺、あくまでも画題は建物の風景でありながら、そこには訪れる巡礼者たちの密やかな足音と祈りが描かれている。

主な個展歴

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1970年 第1回個展(東京日本橋此花画廊)

1974年、76年高松三越

1981年 銀座現代画廊

1982年 日本橋三越、神田竹見屋画廊

1983年 高松三越

1989年 大阪三越、銀座三越

1990年 新宿京王百貨店、今治大丸

1991年 新宿京王百貨店

1992年 銀座三越 大阪三越

1993年 新居浜市郷土美術館展 鳥取大丸 高槻松坂屋 新宿京王百貨店

1994年 大阪三越 新居浜大丸

1995年 国立画廊「岳」

1996年 日本橋三越                     

1997年 大阪心斎橋大丸

1998年 国立画廊「岳」

1999年 大阪三越

2000年 日本橋三越

2002年 国立画廊「岳」

2993年 日本橋三越 銀座アートサロン静

2004年 京都大丸 国立画廊「岳」

2005年 高松三越 仙台三越

2006年 日本橋三越

2007年 高松三越 国立画廊「岳」

2009年 日本橋三越 国立画廊「岳」

2010年 高松三越 

2011年 国立画廊「岳」

2012年 日本橋三越

2013年 高松三越 国立画廊「岳」

2015年 日本橋三越 国立画廊「岳」 高松三越

2017年 高松三越 国立画廊「岳」

2018年 日本橋三越

2019年 川越「呼友館」 国立画廊「岳」 姫路山陽百貨店

2020年 名古屋JRタカシマヤ 

神戸ポートピアギャラリー

岐阜高島屋 高松栗林公園「掬月亭」展

2021年 国立画廊「岳」

2022年 宇フォーラム美術館

国立画廊「岳」

岐阜高島屋

2024年 京橋ギャルリーコパンダール

  以上、其の他の個展回数は2023年現在で80回余を記録する

新しい活動

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2000年以降より特に日本の寺社仏閣や巡礼の世界を主題としたペン画での表現分野を確立している。

四国八十八ヶ寺、メモリーオブ京都、日本寺社仏閣80選等の画集を刊行発表している。

油彩画ではサンティアゴデ·コンポステーラへの巡礼地の風景画、

ドン・キホーテの道他、スペイン巡礼地の風景画に永独特の異彩を放っている。

西国三十三寺ペン画 画集刊行予定

主な書籍

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1981年 絵本「ぼくがかいた家」(リブリオ出版)

1992年 画集「THE WORLD OF TOMUNAGAI」PART 1

2001年 画集「四国霊場八十八ヶ寺」

2002年 単行本「癒しの旅 四国霊場八十八ヶ寺」

2004年 単行本「寂聴の古寺礼讃」(講談社)

2011年 「京都メモリー」

2013年 画集「THE WORLD OF TOMU NAGAI 」   PART2

2020年 画集「日本寺社仏閣80選」

脚注

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参考文献

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関連項目

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外部リンク

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