水祝儀
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水祝儀(みずしゅうぎ)は、日本の伝統行事の一つ。同じ「水祝儀」の呼び名でも、形態はさまざまである。今日では多くの地区で廃絶したが、一部の地区で残されている。
江浦の水祝儀
[編集]静岡県沼津市江浦(えのうら)地区の住吉神社では毎年1月初めに水祝儀が行われる。新郎に水を浴びせて一戸前となったことを祝う。江戸時代中期から伝えられる行事であり、静岡県の無形民俗文化財に指定されている。
前年までに結婚した花婿と保証人にあたる添婿(そえむこ)が、青年会や自治会の役員と御神酒を酌み交わす。花婿が一人前と認められると、境内で青年達が祭礼歌舞(さいれいかぶ)という踊りを踊る。踊り終わると、青年達は花婿と添婿に樽の水を浴びせる。
沼ノ内の水祝儀
[編集]福島県いわき市平沼ノ内地区の愛宕神社では毎年1月15日に水祝儀が行われる。まず、無病息災のまじないとして参列者全員が額に墨をつける。次に社殿の前に笹竹を立てて注連縄を張った中に、前年結婚した初婿が立つ。青年団一同は四隅から一斉に水をかける。
小泉の水祝儀
[編集]宮城県加美町小泉地区では毎年旧暦2月2日に水祝儀が行われる。まず、参加者全員が額に「水」の字を墨で書く。次に、前年に結婚した夫婦と転入した夫婦が、地区民が手をつないで作った鳥居を潜り抜け、講への加入を認めてもらう。その後、地区の家々を回り、柄杓で水を屋根にかけて火伏せを祈願する。宮城県の重要無形民俗文化財に指定されている。
参考文献
[編集]- 文化庁文化財保護部編『民俗資料選集 24 南奥羽の水祝儀』、1996年