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水曜日の凱歌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
水曜日の凱歌
A Triumphal Song on Wednesdays
著者 乃南アサ
発行日 単行本:2015年7月22日
文庫版:2018年8月1日
発行元 新潮社
ジャンル 小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判上製本
文庫版:文庫判
ページ数 単行本:526
文庫版:723
公式サイト 単行本:水曜日の凱歌 単行本 新潮社
文庫版:水曜日の凱歌 文庫版 新潮社
コード 単行本:ISBN 978-4-10-371015-8
文庫版:ISBN 978-4-10-142558-0
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水曜日の凱歌』(すいようびのがいか、: A Triumphal Song on Wednesdays)は、日本の小説家乃南アサによる小説である。

小説新潮』2013年3月号から2014年8月号までに連載された[1]。単行本は、2015年7月22日に新潮社より刊行された[2]。単行本の装幀は、新潮社装幀室による。単行本の装画は、影山徹による[1]。2015年度の第66回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞する[3]。文庫版は、2018年8月1日に新潮文庫より刊行された[4]

あらすじ

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二宮鈴子は、1931年(昭和6年)8月15日に東京市で生まれた。父親が運送会社の経営者であり、比較的裕福な家庭で育った鈴子であったが、父親は、事故に遭って亡くなり、兄は戦争で命を落とし、もう1人の兄は、戦地へ行ったまま行方不明になり、姉妹は、空襲に遭って亡くなった。その結果、7人家族のうち、鈴子と母親のつたゑの2人だけが残った。戦争が終わってしばらくの後、英語を話すことができるつたゑは、鈴子の父親の学生時代からの友人であるという宮下の伝手で、特殊慰安施設協会 (RAA) という組織で通訳として働くことになる。

主な登場人物

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二宮鈴子
少女。
二宮つたゑ
鈴子の母親。
宮下
鈴子の父親の学生時代からの友人。

書評

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文化庁のウェブページには、「すこぶる平易で親しみやすい文章で、そこに関わる男女の心情や人生のみならず、国家と人権、戦争と平和といったテーマに切り込んだ、社会性と娯楽性を兼ね備えた大作である」「思春期の少女の視点からこうした問題を取り上げ、物語の形で時代を浮かび上がらせたものはかつてなく、日本の現代史を踏まえ、扱いにくいテーマに誠実に向き合い、丁寧に掘り下げてきた」[5]との評価が掲載されている。

フリーライターの井上理津子は、「登場する主だった人たちすべてに深みがある」「『慰安婦』自身の働きぶりの描写はないのに、外堀からその生々しさが浮かび上がる筆さばきに、ぐいぐい引き込まれる」[6]と評価している。

脚注

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  1. ^ a b 『水曜日の凱歌』 2015.
  2. ^ 水曜日の凱歌 単行本”. 新潮社. 2019年6月22日閲覧。
  3. ^ “松本隆さんや村上隆さんらに芸術選奨・文科大臣賞”. 朝日新聞. (2016年3月9日). https://www.asahi.com/articles/ASJ386CYNJ38UCVL021.html 2019年6月22日閲覧。 
  4. ^ 水曜日の凱歌 文庫版”. 新潮社. 2019年6月22日閲覧。
  5. ^ 平成27年度(第66回)芸術選奨 贈賞理由一覧”. 文化庁. 2019年6月22日閲覧。
  6. ^ RAAを知っていますか”. ブックバン. 2019年6月22日閲覧。

参考文献

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  • 乃南アサ『水曜日の凱歌』新潮社、2015年7月。ISBN 978-4-10-371015-8