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水内郁夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
水内 郁夫
Ikuo MIZUUCHI
人物情報
居住 日本の旗 日本
出身校 早稲田大学東京大学
学問
研究分野 ロボット工学
研究機関 早稲田大学
東京大学
東京農工大学
博士課程指導教員 井上博允、稲葉雅幸[1]
学位 博士(工学)(東京大学)[1]
特筆すべき概念 プラントロイド
主要な作品 「腱太」「小太郎」「小次郎」
学会 日本機械学会日本ロボット学会、バイオメカニズム学会、IEEE
主な受賞歴 日本ロボット学会論文賞[2]
公式サイト
東京農工大学 水内研究室
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水内 郁夫(みずうち いくお、)は日本ロボット研究者東京大学博士(工学)愛・地球博に全身筋骨格型ヒューノイドロボット「小太郎」を出展、後に「小次郎」も開発した。ほかにホームアシストロボットや植物栽培システムの研究開発にも取り組む。東京大学大学院 特任助手、講師、東京農工大学大学院工学研究院先端機械システム部門准教授教授を歴任[3][4]

来歴・人物

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水内は1995年3月に早稲田大学理工学部機械工学科を卒業[5]。同年4月に東京大学大学院へ進学し、井上博允が教授、稲葉雅幸が助教授を務める情報システム工学研究室に所属。駆動・筋骨格構造のロボットの研究開発に取り組む[6][3]

修士課程を修了後、水内は博士課程に進学。2000年には日本学術振興会特別研究員に採択され、2002年1月からは博士課程を単位取得退学し、東京大学大学院情報理工学系研究科科学技術振興調整費で設置した「創造的ソフトウェア人材養成プログラム」の特任助手に就任する[5][7][8]。同年3月には博士(工学)の学位を取得する[1][3]

筋骨格ヒューマノイドロボット「小太郎」

引き続き筋骨格ヒューマノイドロボットの研究を続け、全身を持つ超多自由度筋骨格ロボット「小太郎」を1年程で開発する。「小太郎」は2005年に愛・地球博のプロトタイプロボット展に出展され、その技術やデザインが注目を集めた[9][6]2006年には、水内は知能機械情報学専攻講師に就任。「小太郎」の後継にあたる「小次郎」を開発するとともにロボットシステムやキッチンアシストロボットの研究にも携わっている[10][11]

2009年3月、東京農工大学准教授として栄転、「水内研究室」を構える[注釈 1]。農工大では農学部と連携したロボットの農業応用にも取り組み[12]、植物のロボット化として「プラントロイド」を開発したり[13]、専門書の分担執筆を経験したりし[14]、講演会にも講師として呼ばれている[15]

また、空気圧を用いた跳躍ロボットやスイング動作の解析など、ロボットの動的制御に関する研究も実施[16][17]。ホームアシストロボットについては、天井にカメラを付けて片足大のロボットが玄関を片づけるロボットを開発し[18]、さらには人間の主観に着目したロボットの知能に関する研究にも取り組んでいる[19][20]

2020年8月、同大学大学院の教授に昇進[3]

履歴

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略歴

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主な受賞歴

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著作

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(学位論文)

(分担執筆)

  • 水内郁夫、湯浅雅人「ロボット技術 ―植木鉢ロボット群による太陽光の時間的空間的有効活用技術の開発―」『植物工場生産システムと流通技術の最前線』エヌ・ティー・エス、2013年4月、169-183頁。ISBN 978-4-86469-061-4http://www.nts-book.co.jp/item/detail/contents/syokuhin/20130400_37.html 
  • 水内郁夫「19.13 腱駆動ヒューマノイド」松野文俊大須賀公一松原仁、野田五十樹、稲見昌彦 監修『ロボット制御学ハンドブック』近代科学社、2017年、ISBN 978-4-7649-0473-6[24][25]

(学会誌解説)

(一般向け解説)

脚注

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注釈

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  1. ^ 2014年にテニュアを取得したということから、テニュアトラック准教授だったと考えられる。
  2. ^ 受賞講演 - 「多自由度脊柱を持つ全身行動体のための体幹の腱駆動拮抗制御」『第18回日本ロボット学会学術講演会』[22]
  3. ^ 受賞論文 - Ikuo Mizuuchi, Shigenori Yoshida, Masayuki Inaba, Hirochika Inoue (2003). “The development and control of a flexible-spine for a human-form robot”. Advanced Robotics 17 (2): 179-196. https://doi.org/10.1163/156855303321165123. [2]
  4. ^ 共著者 - 稲葉雅幸、岡田慧、水内郁夫、稲邑哲也。

出典

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  1. ^ a b c 水内郁夫 2002.
  2. ^ a b c 第18回 学会誌論文賞(論文賞) 受賞者(2004年)”. 受賞者一覧. 日本ロボット学会. 2021年2月21日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h 農工大テニュア 2021.
  4. ^ 水内 郁夫 (60359651)”. KAKEN - 研究者をさがす. 国立情報学研究所. 2021年2月21日閲覧。“東京農工大学 工学研究院 先端機械システム部門 水内 郁夫”. 東京農工大学. (2020年12月4日更新) 2021年2月21日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g 水内郁夫 2010, p. 694.
  6. ^ a b 水内郁夫 2010.
  7. ^ おしらせ”. 戦略ソフトウェア創造人材養成プログラム. 東京大学. 2016年9月11日閲覧。
  8. ^ a b 教官リスト”. 戦略ソフトウェア創造人材養成プログラム. 東京大学. 2016年9月11日閲覧。
  9. ^ デイビー日高 2008.
  10. ^ 水内郁夫、藤本純也、袖山慶直、山本邦彦、岡田慧、稲葉雅幸「近接覚・触覚によるなぞり形状推定に基づく多種食器操作キッチンアシストシステムの実現」、『日本ロボット学会誌』第30巻第9号、2012年、889-898頁。
  11. ^ 稲葉ほか 2006.
  12. ^ 農工大テニュア 2021, 今後の抱負.
  13. ^ 水内郁夫 (17 June 2015). 科学研究助成事業「植物ロボット化による感覚行動系発達と初期的社会性の創発可能性に関する研究」報告書(挑戦的萌芽・25540115・2013-2014年度) (PDF). 科学研究費助成事業データベース (Report). 2016年9月10日閲覧データベース
  14. ^ 水内・湯浅 2013.
  15. ^ 農業分野におけるドローン開発・活用の取り組み・最新動向と実証実験・適用事例及び今後の展開”. 日本技術情報センター. 2016年9月10日閲覧。
  16. ^ 水内郁夫 (17 June 2015). ロボットにおける弾性・慣性・位置エネルギの巧みな利用による動的運動制御法の研究(若手研究(A)・24680021・2012-2014年度) (PDF). 科学研究費助成事業データベース (Report). 2016年9月10日閲覧
  17. ^ 朝岡忠、水内郁夫「スイング系運動における先端リンクの瞬間的高運動エネルギ状態創出のための自由振動に基づく運動パターン生成」、『日本機械学会論文集』第82巻第834号、2016年、15-00405。
  18. ^ 日本経済新聞 2013.
  19. ^ 人の主観的プロセスに学ぶロボットの創造性に関する研究(挑戦的萌芽・16K12509・2016-2017年度)”. 科学研究費助成事業データベース. 2016年9月10日閲覧。
  20. ^ 第58回自律分散システム部会研究会 テーマ「自律型ロボットの新展開」』(PDF)(プレスリリース)計測自動制御学会http://www.sice.or.jp/wp-content/uploads/58th_lec.pdf2016年9月10日閲覧 
  21. ^ 多自由度動的全身行動ロボットにおける可変柔軟機構と感覚動作適応制御方式の研究”. 科学研究費助成事業データベース. 2016年9月7日閲覧。
  22. ^ a b 第16回 研究奨励賞 受賞者(2001年)”. 受賞者一覧. 日本ロボット学会. 2021年2月21日閲覧。
  23. ^ 2006年度”. 過去の受賞一覧(年度別). 日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス部門. 2020年10月11日閲覧。
  24. ^ 詳細目次”. ロボット制御学ハンドブック. 近代科学社. 2020年10月11日閲覧。
  25. ^ 執筆者一覧(五十音順)”. ロボット制御学ハンドブック. 近代科学社. 2020年10月11日閲覧。

参考文献

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外部リンク

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(関連動画)