歴史の補助学
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歴史の補助学 もしくは、歴史の補助科学(Auxiliary Sciences Of History)とは、歴史的な情報源、科学的な解析により歴史研究を補助する学問大系のことである[1]。これらの歴史補助学は、16世紀から19世紀の好古家たちの間で扱われていた。19世紀中ごろに入りバルトホルト・ゲオルク・ニーブールやレオポルト・フォン・ランケによって、実証主義的な研究法が歴史研究の世界に導入されることとなった。
歴史補助学とされるもの
[編集]- 考古学:古代の史跡や遺物の研究
- 編年:歴史上の出来事を体系づけ検討する学問
- 数量経済史:歴史を経済や数字の側面から検討する学問
- 写本学:物体としての本を研究する学問
- 古文書学:歴史的な文書である古文書と文章の研究
- 碑文研究:古代から残されている碑文の研究
- 軍装研究:勲章、軍服、軍の階級についての研究
- 系譜学:家系の研究
- 紋章学:紋章の意匠に関する研究
- 貨幣学:貨幣に関する研究
- 固有名詞学:人名などの固有名詞に関する研究
- 切手:切手に関する研究
- 文献学:過去の文章、言語を扱う学問
- プロソポグラフィ:人間関係や出生や自筆文書などを追跡し、当時の政治力学を調査する歴史学研究法
- 印章学:封蝋などに関する研究
- 統計学:歴史データ、収集物などの解析に関する研究
- 地理学:空間ならびに自然と、経済・社会・文化等との関係を対象とする学問
- 地名学:地名の研究
- 史学史:過去の歴史家の歴史の調査法、考え方を研究する学問
- 美術史:芸術の歴史についての学問、イコノロジー/図像学などの解析も行われる。
- 歴史言語学:言語の歴史変遷を研究する学問
- 音楽史:音楽の歴史についての学問
- 建築史:建築の歴史についての学問
- 文化史:文化の歴史についての学問
- 政治史:政治の歴史についての学問
- 民俗学:伝承などについて研究する学問
- パピルス学
- 金石学
など、歴史にかかわる学問全般が歴史認識に必要な補助学と考えられる。
参考文献
[編集]- ^ Drake, Miriam A. (2003). Encyclopedia of Library and Information Science. Dekker Encyclopedias Series. 3. CRC Press. ISBN 0-8247-2079-2
- 今井登志喜 『歴史学研究法』 東京大学出版会、1992年12月、ISBN 4130230417)