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歯木

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
インドで使用されている歯木

歯木(しもく、しぼく)とは、木の枝・根の片側をほぐして歯磨きのように使用し、またもう片方は爪楊枝のように使用される場合もある、虫歯歯周病を予防する口腔衛生用のツールである[1]

歴史

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特定の植物の小枝または根を使用した口腔衛生ツールの痕跡は、紀元前3500年のバビロニア、紀元前3000年のエジプトの墓などからも見つかっている[2]。紀元前1600年の中国の記述からも見ることができる[2]

ヨーロッパでは、ナイフや爪楊枝のような木片で歯の間を掃除し使用していたが、布でふくこともあり、そのあたりは割と無頓着であった[3][4]

20世紀以降でも、それらはアフリカから中東、インド、ミャンマー、アメリカなど広く使用されている[3]

宗教
  • 仏教:古代インドで使われたサンスクリット語で、ダンタカーシュタ(ダンタ=歯、カーシュタ=木)という単語がある。紀元前5世紀に仏陀が弟子たちへの教えをまとめた律蔵の中に、ダンタカーシュタを使用するようにというものも含まれていた[5]。これが、中国に伝わると楊柳の枝から作られたことから、楊枝となり、それが日本に伝わり、爪楊枝・房楊枝などが江戸時代ごろまで作られるようになった[6]
  • ユダヤ教の戒律をまとめたタルムードには、ケゼム(qésem)という爪楊枝のような木片で歯を掃除することが書かれている[7][8]
  • イスラム教では預言者言行録(ハディース)を通じて、預言者ムハンマドがミスワーク英語版مِسْوَاك, miswāk)もしくはスィワーク(سِوَاك, siwāk)と呼ばれる歯木をムハンマド自身が使用しかつ人々にも勧めていたことが伝えられており[9][10][11]、現代でも歯木を使う信徒が多い。またミスワーク(スィワーク)成分入り歯磨き粉も売られている・

素材

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出典

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  1. ^ Panati, Charles (2013). Extraordinary Origins of Everyday Things. HarperCollins. pp. 208–209. ISBN 978-0-06-227708-4. https://books.google.com/books?id=U662rR2VInQC&pg=PA208 
  2. ^ a b Yu, Hai-Yang; Qian, Lin-Mao; Zheng, Jing (2013). Dental Biotribology. Springer. pp. 18–19. ISBN 978-1-4614-4550-0. https://books.google.com/books?id=tsSqVeaHUv0C&pg=PA19 
  3. ^ a b c d e f 歯と香り : 歯科診療をとりまく香り 著者: 千葉栄一 p.31
  4. ^ 【クイズ】なぜ食卓用ナイフの先が丸くなっているの? 頭のいい子が育つ! 子どもに話したい雑学(14)”. レタスクラブ. 2022年5月22日閲覧。
  5. ^ 弟子の口臭にたじろいだ釈迦の「歯木のすすめ」|人はいつから歯みがきを始めたのか|ライオン歯科衛生研究所”. ライオン歯科衛生研究所. 公益財団法人ライオン歯科衛生研究所. 2022年3月13日閲覧。
  6. ^ a b c 字通, 日本大百科全書(ニッポニカ),ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,デジタル大辞泉,食器・調理器具がわかる辞典,普及版. “楊枝とは”. コトバンク. コトバンク. 2022年3月13日閲覧。
  7. ^ 歯科医学史 著者: 川上為次郎 p31
  8. ^ 改訂歯ブラシ事典 学建書院 ケゼムの項
  9. ^ "Excellence of Miswak in Hadiths" at ziaetaiba.com.
  10. ^ a b c 山賀, 禮一 (2001年). “広く使われている歯木 (楊枝)”. 日本臨床歯内療法学会. doi:10.20817/jeaj.22.1_1. 2022年5月22日閲覧。
  11. ^ Search Results - Search Results - miswak (page 1) - Sunnah.com - Sayings and Teachings of Prophet Muhammad (صلى الله عليه و سلم)”. sunnah.com. 2023年6月22日閲覧。