武藤完雄
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武藤 完雄(むとう まさお、1898年2月27日 - 1972年6月20日)は、日本の外科医。専門は、消化器外科学。医学博士[1]。東北大学名誉教授。
人物
[編集]茨城県北相馬郡井野村大字青柳(現在の取手市青柳)生まれ。茨城県立龍ヶ崎中学校(現在の茨城県立竜ヶ崎第一高等学校)を経て、東北帝国大学医学部を卒業した。同医学部第一外科学教室教授として多くの門下生を育て、日本外科学会の重鎮として長く活躍した[2]。終生のテーマは「胃癌の外科療法」であり、同大学医学部第三内科(黒川利雄教授)との公私とも綿密な連携により生涯で2000例の手術を行った。[3]定年退官後は、福島県立医科大学学長及び宮城県成人病センター(現在の宮城県立がんセンター)院長を務めた。また国際外科学会名誉会員、日本学術会議委員、学術奨励審議会委員、東北大学評議員、日本胸部外科学会会長、日本外科学会会長、日本輸血学会会頭などを務めた。
家族
[編集]建築学者の武藤清は実弟。東北大学金属材料研究所名誉教授の武藤芳雄は長男。岳父に遠山郁三[4]。
経歴
[編集]- 1923年 - 東北帝国大学医学部卒業、同医学部外科学第一講座(杉村七太郎教授)に入局
- 1932年 - オーストリアに2年間留学
- 1935年 - 兵庫県立神戸病院外科部長
- 1941年 - 東北帝国大学医学部外科学第一講座教授
- 1946年 - 東北大学医学部長
- 1961年 - 福島県立医科大学学長
- 1967年 - 宮城県成人病センター院長
- 1972年 - 死去、74歳没
著書
[編集]- 「外科からみた胃癌」、金原出版、1953
- 「新外科総論」、金原出版、1955
- 「新外科各論 上下」、金原出版、1958・1959
参考資料
[編集]- 「武藤教授退官記念特集号」東北医学会雑誌;63,1/2. 東北医学会 1961
- 「艮陵の教授たち 東北大学における医学教育の源流」桜井実 金原出版 1986
- 「艮陵同窓会百二十年史」東北大学医学部艮陵同窓会.1998
脚注
[編集]- ^ 尿器及男性生殖器領域に於ける悪性腫瘍の病理解剖的並臨床的知見補遺(独文)、東北帝国大学。博士論文書誌データベース
- ^ 第一外科学教室教授にはその後、槙哲夫、佐藤寿雄、松野正紀、佐々木巌、海野倫明が就任している
- ^ 病院内では、「M(Muto)K(Kurokawa)ライン」と呼ばれていた。これは同時に、胃癌(Magen Krebs=MK)をも意味する。桜井実の著書参照。
- ^ 遠山郁三『人事興信録 第15版 下』1948