歌川国虎
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歌川 国虎(うたがわ くにとら、生没年不詳)とは、江戸時代の浮世絵師。
来歴
[編集]初代歌川豊国の門人。本姓は前田、俗称は久米蔵または繁蔵。一竜斎と号す。作画期は文化から天保の頃にかけてとされ、作は浮絵がほとんどで、画風は西洋銅版画の影響を受けたものといわれている。『浮世絵師伝』が初代豊国の外孫伊川梅子の話として伝えるところによれば、国虎は絵を描くのがあまり好きではなく、それでいてたまに描くと出来栄えがよかった。師の豊国はその技量を誉め、国虎に自身の代作をさせたこともあり、また書をよくし碁と釣りを好み、服装には無頓着で生涯独身を通し、家を持たず世話になった甥の家で安政の頃、60余歳で死去したという。『図説浮世絵入門』は生年を寛政末年頃とする。
作品
[編集]- 「近江八景」 間判8枚揃錦絵 ※落款の有るものと無款のものがある。
- 「羅得島湊紅毛船入津之図」(ロコストウノミナト ヲランタフネ ニウシンノツ) 横大判錦絵 東京国立博物館所蔵 ※古代ギリシアのロドス島の港にあったというロドス島の巨像を描く。
- 「大七酒楼前の芸妓図」 紙本着色 東京国立博物館所蔵
- 『男女寿賀多』
参考文献
[編集]- 井上和雄編 『浮世絵師伝』 渡辺版画店、1931年 ※国立国会図書館デジタルコレクションに本文あり。74コマ目。
- 藤懸静也 『増訂浮世絵』 雄山閣、1946年 ※国立国会図書館デジタルコレクションに本文あり。260頁、168コマ目。
- 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年 ※35頁
- 吉田漱 『浮世絵の見方事典』 北辰堂、1987年 ※133頁
- 稲垣進一編 『図説浮世絵入門』〈『ふくろうの本』〉 河出書房新社、1990年 ※98頁