橋本重郎
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橋本 重郎(はしもと じゅうろう、1894年 - 1988年[1])は日本の農学者。世界で初めてひよこの雄雌の鑑別法を発見した[2][3]。農学博士[4]。
来歴
[編集]1894年、宮城県で誕生[4]。1921年(大正10年)東京帝国大学農学部農学科を卒業[4]。農商務省畜産試験場勤務、イギリス留学、宮崎高等農林学校教授を経て[4]、1942年(昭和17年)5月、九州帝国大学農学部教授に就任[4]。
年譜
[編集]- 1925年 - 初生雛雌雄鑑別法発表。
- 1927年 - 『畜産教科書 汎論 ~ 各論』、『改訂畜産教科書』を増井清と共に出版[1]。
- 1933年 - 『三訂畜産教科書 汎論』、を増井清と共に出版[1]。
- 1971年 - 『聖書に見る動物の世界』出版[1]。
初生雛雌雄鑑別法
[編集]1924年に仲間と共にニワトリのヒナの雌雄鑑別法を発表した[5]。初生雛雌雄鑑別法とは、生まれたばかりのひよこの肛門の内側にある突起があるものが雄、無いものが雌と見分ける方法[6]。当時は雄雌を見分けるのが非常に困難で、世界中が模索していた。その時発表したこの論文は世界に革命をもたらした。
著書
[編集]- 『畜産教科書 汎論 ~ 各論』(冨山房出版、1927年) - 増井清との共著[1]
- 『改訂畜産教科書』(冨山房出版、1927年) - 増井清との共著[1]
- 『三訂畜産教科書 汎論』(冨山房出版、1933年) - 増井清との共著[1]
- 『聖書に見る動物の世界』(同志社大学住谷篠部奨学金出版会、1971年)[1]
- 『エディンバラ日記:斎藤秀雄と共に』(柴田頼子出版、2004年)[1]
論文
[編集]- 増井清, 橋本重郎, 大野勇「雄雄鷄ニ於ケル(退化)交尾器官並ニ初生雛ノ雌雄ノ鑑別ニ就テ」『日本畜産学会報』第1巻、日本畜産学会、1924年9月10日、153-163頁、doi:10.2508/chikusan.1.153。
- 増井清, 橋本重郎, 大野勇「雄鷄に於ける退化交尾器官並に初生雛の雌雄の鑑別に就て」『中央獸醫會雑誌』第38巻第4号、日本獣医学会、1925年、277-287頁、doi:10.1292/jvms1888.38.4_277、ISSN 1883-9096。
- 増井清, 橋本重郎, 大野勇「鷄ニ於ケル生殖生理ノ研究:第二 睾丸ノ内分泌組織ニ就テ」『日本畜産学会報』第2巻、日本畜産学会、1926年、38-52頁、doi:10.2508/chikusan.2.38、ISSN 1346-907X。
- 橋本重郎「鶩鶏及家鳩ノ交尾器官並ニ雌雄鑑別ニ就テ(邦文)」東京帝国大学 農学博士, 報告番号不明、1931年、NAID 500000493240。
- 橋本重郎, 松浦平一「ホロホロ鳥(Numida meleagris L.)の交尾器に就て」『日本畜産学会報』第7巻、日本畜産学会、1934年、209-213頁、doi:10.2508/chikusan.7.209、ISSN 1346-907X。
親族
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i “橋本 重郎 - Webcat Plus”. webcatplus.nii.ac.jp. 2022年2月23日閲覧。
- ^ 雌雄鑑別1924.
- ^ 大竹修「日本の近代獣医学史」『動物臨床医学』第24巻第4号、動物臨床医学会、2015年、193-196頁、doi:10.11252/dobutsurinshoigaku.24.193、ISSN 1344-6991。
- ^ a b c d e f 『人事興信録 第14版 下』ハ25頁。
- ^ a b c d “価格.com - 「はじめまして!一番遠い親戚さん」で紹介された情報 | テレビ紹介情報”. kakaku.com. 2022年2月23日閲覧。
- ^ “公益社団法人 畜産技術協会:初生ひなの鑑別”. jlta.lin.gr.jp. 2022年2月23日閲覧。
参考文献
[編集]- 研究室の沿革|動物生殖科学分野
- 橋本重郎作『聖書に見る動物の世界』 同志社大学住谷篠部奨学金出版会、1968年
- 公益社団法人 畜産技術協会:初生雛の鑑別
- 人事興信所編『人事興信録 第14版 下』人事興信所、1943年。