梅若猶彦
梅若猶彦(うめわか なおひこ、1958年- )は、能楽師。能楽研究者、静岡文化芸術大学名誉教授。
人物・来歴
[編集]父は観世流能楽師・梅若猶義 (初世)、母ロザはその二人目の妻。大阪府箕面市生まれ。1981年上智大学外国語学部卒、1995年ロンドン大学でPh.D.取得(論文の題目はThe inner world of the noh: the influence of esoteric concepts on the classical drama of japan, as evidenced through an analysis of the choreographic manuals of the umewaka katazuke」「能の内面世界:梅若型付けという舞踊のマニュアルの分析を通してみた古典的演劇の神秘的概念の影響」)。静岡文化芸術大学助教授、教授。2023年名誉教授。妻はレバノン出身の梅若マドレーヌ。異母兄に梅若正二、梅若吉之丞 (5世)。
新作能にも積極的に取り組み、キリスト教を主題にしたものが多く、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の前で上演したこともある。
1995年の、日米加合作のテレビドラマ「ヒロシマ 原爆投下までの4か月」(蔵原惟繕監督)で昭和天皇役を演じた[1]。
著書
[編集]- 『能楽への招待』(岩波新書)2003.1
- 『脳科学と芸術』(共著) 工作舎、2008年、ISBN 978-4-87502-414-9
梅若マドレーヌ
[編集]1958年2月28日、ベイルート生まれ。姉は石黒マリーローズ。1976年に戦火のレバノンを離れて日本のインターナショナルスクールで梅若猶彦と知り合う。英国レディング大学でコンピュータ・サイエンスを学び卒業。23歳で梅若猶彦と結婚。大阪大学大学院情報工学科中退、その後、東京大学大学院情報科学研究科(研究生)で研究を続ける.日本や世界各地で新作も含んだ能の舞台公演のプロデュースにかかわり,能の普及につとめる.レバノン国内の活発な芸術文化活動を取り上げたドキュメンタリー映画『明日になれば』ではプロデューサーを務め,同作品は2015年にレバノン文化省より文化推進功労賞を贈られた。長女の梅若ソラヤ(1983- )は映像作家、長男の梅若猶巴(1986- )は映像作家、カメラマンで、二人がディレクターを務め父猶彦を撮ったドキュメンタリー「父と能」がある。著書に『レバノンから来た能楽師の妻』(竹内要江訳、岩波新書、2019)がある。
脚注
[編集]- ^ 梅若マドレーヌ『レバノンから来た能楽師の妻』