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桜ヶ丘古墳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
桜ヶ丘古墳
別名 桜ケ丘古墳
所在地 長野県松本市浅間温泉1315(字飯治洞)
位置 北緯36度15分41.45秒 東経137度59分24.55秒 / 北緯36.2615139度 東経137.9901528度 / 36.2615139; 137.9901528座標: 北緯36度15分41.45秒 東経137度59分24.55秒 / 北緯36.2615139度 東経137.9901528度 / 36.2615139; 137.9901528
形状 円墳
規模 直径30m
高さ5m
埋葬施設 竪穴式石室
出土品 天冠・甲冑ほか副葬品多数
築造時期 5世紀後半
史跡 なし
有形文化財 出土品(長野県宝)
地図
桜ヶ丘古墳の位置(長野県内)
桜ヶ丘古墳
桜ヶ丘古墳
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桜ヶ丘古墳(さくらがおかこふん、桜ケ丘古墳)は、長野県松本市浅間温泉にある古墳。形状は円墳。史跡指定はされていない。出土品は長野県宝に指定されている。

概要

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長野県中部、松本盆地北東縁の桜ヶ丘丘陵の尾根先端部(標高約678メートル)に築造された古墳である。1954年昭和29年)に中学生によって発見され、1955年(昭和30年)に発掘調査が実施されて副葬品が出土している。

形は円形で、直径約30メートル・高さ約5メートルを測る[1]。埋葬施設は遺存状態が悪いが、竪穴式石室の一種で、主室・副室に分かれている[1]。主室の内法は長さ2.5メートル・幅1.2-1.3メートル、副室(礫槨)の内法は長さ1.8-1.85メートル・幅約0.6メートルを測る[1]石室内からは金銅製天甲冑一式を始めとする多数の副葬品が検出されている。

築造時期は、古墳時代中期の5世紀後半頃と推定される[1][2]。政治的な権威を示す天冠・竪櫛と、武力的な権威を示す武具・武器類が共に副葬される点で特異性を示す古墳になる[2]

出土品は2010年平成22年)に長野県宝に指定されている。

遺跡歴

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  • 1954年昭和29年)、女鳥羽中学校生徒によって発見。
  • 1955年(昭和30年)、発掘調査。副葬品の出土(國學院大學大場磐雄ら、1966年に報告)。
  • 1969年(昭和44年)、金銅製天冠が長野県宝に指定。
  • 1987年(昭和62年)、県史編纂事業に伴う墳丘測量調査および遺物の一部の再実測(滝沢誠ら、1988年に報告)。
  • 1988年(昭和63年)3月17日、金銅製天冠以外の出土品が松本市指定重要文化財に指定。
  • 2002年度(平成14年度)、遺物再整理(松本市教育委員会、2003年に報告書刊行)[1]
  • 2010年(平成22年)10月18日、出土品が長野県宝に指定。

出土品

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金銅製天冠(長野県宝)
松本市立考古博物館展示(他画像も同様)。
甲冑(長野県宝)

1955年(昭和30年)の発掘調査で検出された副葬品は次の通り[2]

  • 装身具類
    • 金銅製天冠 1
    • 黒漆塗竹製竪櫛 1 - 天冠に付着。
    • 瑪瑙製勾玉 1
    • ガラス製丸玉 9
    • ガラス製小玉 32
    • 滑石製臼玉 5
  • 武具類
    • 三角板革綴衝角付胄 1
    • 革綴頸甲 1
    • 長方板革綴短甲 1
  • 武器類
    • 鉄剣 5
    • 直刀 1
    • 鉄矛 1
    • 鉄鏃 5

文化財

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長野県指定文化財

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  • 長野県宝(有形文化財)
    • 桜ヶ丘古墳出土品(考古資料) - 2010年(平成22年)10月18日指定。

関連施設

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脚注

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参考文献

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(記事執筆に使用した文献)

  • 「桜ヶ丘古墳」『日本歴史地名大系 20 長野県の地名』平凡社、1979年。ISBN 4582490204 
  • 小林三郎「桜ケ丘古墳」『日本古墳大辞典東京堂出版、1989年。ISBN 4490102607 
  • 長野県松本市桜ヶ丘古墳 -再整理報告書-(松本市文化財調査報告No.170)』松本市教育委員会、2003年http://sitereports.nabunken.go.jp/7551  - リンクは奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」。

関連文献

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(記事執筆に使用していない関連文献)

  • 『信濃浅間古墳』本郷村教育委員会、1966年。 
  • 青木繁夫「松本市桜ヶ丘古墳出土金銅天冠の修復処置(受託研究報告第40号)」『保存科学』第15号、東京国立文化財研究所、1976年3月31日、51-55頁。  - リンクは東京文化財研究所。
  • 滝沢誠「長野県松本市桜ケ丘古墳の再調査」『信濃』第40巻第10号、信濃史学会、1988年10月、941-954頁。 

外部リンク

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