栗原聡
人物情報 | |
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生誕 | 1965年5月21日(59歳) |
国籍 | 日本 |
出身校 | 慶應義塾大学 |
学問 | |
研究分野 | 人工知能、ネットワーク科学 |
研究機関 | 慶應義塾大学理工学部 |
学位 | 博士(工学) |
学会 | 人工知能学会 |
公式サイト | |
公式ウェブサイト |
栗原 聡(くりはら さとし、1965年5月21日[1] - )は、日本の人工知能研究者、慶應義塾大学理工学部教授[2]。
電気通信大学人工知能先端研究センター特任教授、大阪大学産業科学研究所招聘教授[3]、JSTさきがけ「社会変革基盤」研究総括[4]なども務める。
専門分野は、人工知能とネットワーク科学。人と共生できるAIの実現を目指し、自律型認知アーキテクチャの構築に取り組む。またネットワーク科学では、複雑な社会現象や生命現象をネットワークの観点から解析し、新たな知見や応用を探求している。
経歴
[編集]1990年に慶應義塾大学理工学部電気工学科を卒業[5]し、1992年に同大学理工学研究科計算機科学専攻を修了[5]。その後、2004年から2013年まで大阪大学産業科学研究所および大学院情報科学研究科で准教授[5]として研究を行う。主に人工知能、複雑ネットワークなどの分野に関心を持ち、多くの論文や書籍を発表した。2013年から2018年までは電気通信大学大学院情報理工学研究科で教授[5]として教育と研究を担当。国際的な学会やプロジェクトにも積極的に参加し、日本の人工知能分野にに貢献した。2018年からは慶應義塾大学理工学部で教授[5]として勤務している。
- 1990年3月 慶應義塾大学理工学部電気工学科卒業[5]
- 1992年3月 慶應義塾大学理工学研究科計算機科学専攻修了[5]
- 2004年10月 - 2013年3月 大阪大学, 産業科学研究所/大学院情報科学研究科 准教授[6]
- 2013年4月 - 2018年3月 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授[6]
- 2018年4月 - 慶應義塾大学, 理工学部, 教授[6]
人物
[編集]慶應義塾大学大学院理工学研究科を修了後、NTT基礎研究所、大阪大学産業科学研究所、電気通信大学大学院情報理工学研究科などを経て、2018年から慶應義塾大学理工学部教授に就任。博士(工学)の学位を持ち、電気通信大学人工知能先端研究センター特任教授、大阪大学産業科学研究所招聘教授、人工知能学会倫理委員会アドバイザーなどの要職を兼任。人工知能学会理事・編集長なども歴任した。著書・翻訳など多数ある[7]。
研究テーマは、人と共生できるAIの実現である。今後の少子高齢化社会においては、人がAIに対して親近感や安心感を感じ、間合いや気配りといった一体感を人とAIとの間で構築できることが重要となり、そのようなAIには高い自律性と汎用性が求められると考えている。群知能、創発メカニズム、複雑ネットワークを主軸とした、自律型認知アーキテクチャ(Cognitive Reactor /Neural Reactor)の構築を目指している[8]。
自律型認知アーキテクチャを応用したさまざまなプロジェクトに取り組んでいる。例えば、AI信号機や自動運転車などの次世代交通システム、デスクトップ作業支援システムAIDE、双腕ロボットバクスターによる料理協働システムなどがある。これらのプロジェクトでは、AIが人間の行動やニーズを先読みし、適切なサポートや協力を行うことで、人間との共存や共想を目指している[8]。
究極のAIは「鉄腕アトム」や「ドラえもん」のような人に愛される生命体になるべきだと考えている。そのためには、AI自身が自律して人に寄り添うものでなければならず、その場のコンテキストや空気感なども読んだうえでコミュニケーションをとる必要があると述べている。また、日本にはそうしたAI発展への努力ができる倫理観や文化があるともしている[8]。
著書
[編集]- 『AI兵器と未来社会 キラーロボットの正体』朝日新聞出版、2019年9月13日。ISBN 978-4022950215。
学会活動
[編集]受賞
[編集]- NTT未来ねっと研究所 所長表彰 [11]
- 第6回 FIT2007にて優秀論文賞 [11]
- 計測自動制御学会 第23回センシングフォーラム 研究・技術奨励賞 [11]
- AI-2007 Twenty-seventh SGAI International Conference on Artificial Intelligence Best six papers [11]
- 情報処理学会 第69回数理モデル化と問題解決研究会プレゼンテーション賞 [11]
- 情報処理学会マルチメディア・分散・協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2008)優秀論文賞 [11]
- 情報処理学会マルチメディア通信と分散処理ワークショップ(DPSワークショップ2008)ベストポスター発表賞 [11]
- 人工知能学会 2009年度研究会優秀賞[11]
- 情報処理学会第81回数理モデル化と問題解決研究会プレゼンテーション賞[11]
- 人工知能学会第26回全国大会全国大会優秀賞 [11]
- データ解析コンペティション 優秀賞, 経営科学系研究部会連合協議会 [11]
- 2020年度 人工知能学会 現場イノベーション賞・銀賞[12]
脚注・出典
[編集]- ^ “栗原聡 (くりはら さとし)氏の放送動画(1件) - VIDEO NEWS”. VIDEO NEWS ニュース専門ネット局 ビデオニュース・ドットコム. 2023年8月7日閲覧。
- ^ “栗原 聡 | 慶應義塾大学理工学部”. www.st.keio.ac.jp. 2023年8月7日閲覧。
- ^ “メンバー | Kurihara Lab., Keio University”. 2023年8月7日閲覧。
- ^ “[社会変革基盤 文理融合による人と社会の変革基盤技術の共創 | さきがけ]”. www.jst.go.jp. 2023年8月7日閲覧。
- ^ a b c d e f g “栗原 聡 (Satoshi KURIHARA) - マイポータル - researchmap”. researchmap.jp. 2023年8月7日閲覧。
- ^ a b c “研究者詳細 - 栗原 聡”. k-ris.keio.ac.jp. 2023年8月7日閲覧。
- ^ 株式会社パソナ. “AI×クリエイティブで自走せよ! 〜 AI研究の第一人者・栗原教授に聞く 新時代に求められるエンジニア像とは?”. 株式会社パソナ. 2023年8月7日閲覧。
- ^ a b c “AIの到達点は人に愛される生命体!カギを握る日本人の倫理観”. EMIRA. 2023年8月7日閲覧。
- ^ “研究者詳細 - 栗原 聡”. k-ris.keio.ac.jp. 2023年9月15日閲覧。
- ^ “慶應義塾大学 教養研究センター|情報の教養学”. lib-arts.hc.keio.ac.jp. 2023年9月15日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “栗原 聡 (Satoshi KURIHARA) - 受賞 - researchmap”. researchmap.jp. 2023年9月15日閲覧。
- ^ “キオクシア:「TEZUKA2020」プロジェクトチームが2020年度 人工知能学会 現場イノベーション賞・銀賞を受賞”. www.businesswire.com (2021年6月22日). 2024年2月5日閲覧。