柴橋伴夫
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柴橋 伴夫(しばはし ともお、1947年 - )は、日本の詩人・美術評論家、北海道立文学館評議員
来歴
[編集]- 1947年、北海道岩内生まれ。
- 北海道教育大学札幌校卒業。とわの森三愛高等学校などの教員を務める。
- 北海道教育大学札幌校の仲間と発行した詩誌「腔(すきま)」同人、1974年より詩と批評「熱月テルミドール」編集委員を経て、「21ACT」アートコラム担当、1993年より批評誌「美術ペン」編集人となる。また1972年より不定期に個人詩誌「nu」を発行している。
- 1979年に文化核「ゆいまある」(代表菱川善夫・短歌評論家、中森敏夫・詩人、柴橋伴夫、斎藤芳広・イラストレーター)を結成する。「ゆいまある」主催で「南島幻視行 北村皆雄・映像個展―映画による民俗学の夕べ」と宮良高弘(札幌大学)による講演「沖縄の祭りと神々の世界―アカマタを語りながら」を教育文化会館で開催する。さらに木村雅信「アイヌ舞踏曲」コンサートや1980年には、中森敏夫企画による生け花作家5人による第3回「5つの個展―いけばなと建築―その原空間」(札幌・東急デパート 11月6-11日)に際して、「ゆいまある」が主催し、シンポジュウム「いけばなと建築―その原空間」を行い、1991年には、大野一雄による舞踏「石狩の鮭曲がり」(9月23日)などを企画した。
- 多くの展覧会、個展、公募展の批評を新聞や「熱月テルミドール」「21ACT」「美術ペン」で書き、個展DMや展覧会図録に批評文を寄せている。また自ら道内美術の活性化を企図し、これまで「ダダ展」や「立体の地平展」や「抽象の現在展」、「日本画の現在展」、「季の会」などを企画している。
- 現在、荒井記念美術館理事、北海道美術ペンクラブ同人、「美術ペン」編集人、文化塾「サッポロ・アートラボ」代表。また、朝日カルチャーセンター札幌講師(ヨーロッパ美術文化史、パリ・ローマ・バルセロナなどの都市散歩、聖書の図像学、イタリア・ルネサンス、世界文学を読む、日本美術、古寺巡礼、和の美など)。
- 美術評論を軸にして、さらに芸術家の評伝をライフワークにしている。
委員
[編集]- 1991年 第4回札幌時計台文化会館美術大賞審査委員
- 1994年 荒井記念美術館理事(現在に至る)
- 1996年 札幌市教育委員会・芸術作品寄贈審議委員(2年間)
- 2000年 札幌芸術の森美術館専門委員(2年間)
- 2001年 札幌美術展実行委員(2年間)
- 2004年 日本私学教育研究所委託研究員(2年間)
著書
[編集]詩集
[編集]- 『冬の透視図』(発行:工房NU/制作:闇舎 1978年)
- 個人詩集『nu』(発行:工房NU 創刊 1978年)
- 詩の葉「荒野へ」(藤田印刷エクセレントブックス 2019年)
美術論集
[編集]- 『ピエールの沈黙』(白夜叢書の1冊/白馬書房 1983年)
- 『風の彫刻』(響文社 1992年)
- 『北のコンチェルトⅠ 美の群像』(響文社 2007年)
- 『北のコンチェルトⅡ 美の群像』(響文社 2009年)
- 『アウラの方へ 美の断章 柴橋伴夫評論集成』(未知谷 2020年11月)
- 『ミクロコスモスⅠ 美のオディッセイ』(藤田印刷エクセレントブックス 2022年11月)
- 『ミクロコスモスⅡ 美の散歩道』(藤田印刷エクセレントブックス 2023年2月)
- 『ミクロコスモスⅢ 美の散歩道2』(藤田印刷エクセレントブックス 2023年10月)
評伝
[編集]- 『風の王 砂澤ビッキの世界』(響文社 2001年)
- 『青のフーガ 難波田龍起』(響文社 2003年)
- 『聖なるルネサンス 安田侃』(共同文化社 2003年)
- 『夢みる少年 イサム・ノグチ』(共同文化社 2005年)
- 『太陽を掴んだ男 岡本太郎』(未知谷 2010年)
- 『海のアリア 中野北溟』(共同文化社 2014年)
- 『生の岸辺 伊福部昭の風景(パサージュ)』(藤田印刷エクセレントブックス 2015年12月)
- 『雑文の巨人 草森紳一』(未知谷 2020年3月)
- 『前衛のランナー 勅使河原蒼風と勅使河原宏』(藤田印刷エクセレントブックス 2018年5月)
- 『絢爛たる詩魂 沙良峰夫』(藤田印刷エクセレントブックス 2021年10月)
旅行記
[編集]- 『イタリア、プロヴァンスへの誘い』(発売元:北海道出版企画センター 2007年)
大学講義テキスト
[編集]- 『美の見方 ヨーロッパ美術』(工房NU 初版:2008年)
- 『美の見方 アジアと日本』(工房NU 初版:2008年)
共著
[編集]- 『狼火ー北海道新鋭詩人作品集』(北海道編集センター 1973年)
- 『北海道の現代芸術』(公開講座の収録/札幌学院大学人文学部編 1990年)
- 『何をどう読ませるか』(全国学校図書館協議会編 2000年)
賞・候補
[編集]受賞歴
[編集]- 2003年 第4回北のペーパーデザインコンテスト審査委員長賞 『青のフーガ 難波田龍起』
- 2004年 地方文化出版功労賞(鳥取県)次席 『聖なるルネサンス 安田侃』
候補
[編集]- 1997年 第3回蓮如賞(東本願寺主催 賞審査委員梅原猛・五木寛之・中沢新一など) 最終候補作『風の王―砂澤ビッキの世界』
- 2001年 北海道新聞文学賞(小説・評論部)候補作 『風の王―砂澤ビッキの世界』
個展・作品出品
[編集]- 写真展「壁との対話」(小樽運河周辺の倉庫群の壁などを数年にわたって被写体とする/ギャラリー・レティナ 1980年)
- 「セブン・ダダズ・ベービィ展」(ギャラリーユリイカ 1982年)に「Baby why don't you cry」を展示する。
- 「SALAの仲間達展」(「辰」の書字とコラージュ作品を出品する ギャラリー・エッセ 2012年)
展覧会企画・審査
[編集]- 「セブン・ダダズ・ベービィ展」(現代美術作家による ギャラリーユリイカ 1982年)
- 「立体の地平展」
ー道内外の抽象彫刻家のトリエンナーレ形式の展覧会/自主企画/ 3回開催(会場は時計台ギャラリー、ギャラリーユリイカ、大同ギャラリー、器のギャラリー中森、とわの森三愛中庭など毎回複数空間で同時開催 1986年〜)
- 「抽象の現在展」(時計台ギャラリー)
ー抽象絵画のビエンナーレ形式の展覧会 自主企画 5回開催 1988年〜
- 第4回札幌時計台文化会館美術大賞展(時計台ギャラリー 賞審査委員 1991年)
- 第2回「生れ出ずる悩み展」(荒井記念美術館 作家選定委員・審査委員 1992年)
- 企画「現存の形象展」 (新道展のメンバー選抜展 大同ギャラリー 1994年)
- 第3回「生れ出ずる悩み展」(荒井記念美術館 作家選定委員・審査委員 1995年)
- 「帰ってきたダダッ子展」(6人の現代美術作家による ギャラリーユリイカ 1996年)
- 「ギャラリー・どらーる・札幌 展覧会」画家の個展企画(20本の個展ギャラリー・どらーる 2002〜2003年)
- 「札幌美術展 札幌の美術2002ー20人の試み展」(実行委員。作家選定委員として 札幌市民ギャラリー 2002年)
- コンチネンタルギャラリー10周年記念展覧会 「森の音 水の渉」(札幌・コンチネンタルギャラリー 2003年)
- 6人の女流作家『春への序奏』展(ギャラリー・エッセ 2010年)
- 「季(とき)の会 北の女流画家展」(ギャラリー・エッセ、深川・東洲館 2011年より5回開催)
講演・特別レクチャー
[編集]- 「現代芸術の冒険」(札幌学院大学公開市民講座 1989年)
- 「特別講演 イサム・ノグチ―魂の軌跡」(札幌・モエレ沼公園ガラスのピラミッドスペース1、2004年)
- 「美は人を結ぶー安田侃とイサム・ノグチの世界」(北広島市芸術文化ホール、2005年)
- 「イサム・ノグチと札幌」(札幌ロータリークラブ、センチュリーロイヤルホテル 2006年)
- 「芸術家・美は人を結ぶ―」(北海道東海大学北方生活研究所 旭川 2007年)
- 「特別講座 ダリの迷宮を探る」(道新文化センター 2007年)
- 「特別講座 澁澤龍彦―美への旅路をたどる」(道新文化センター 2007年)
- 「特別講座 フェルメールの世界」(朝日カルチャーセンター札幌、2008年)
- 「レオナール・フジタの世界」(道新「さとほろ会」主催、京王プラザホテル 2008年)
- 「美は人を結ぶ」(北海道立近代美術館協力会・研修会、札幌・エルムガーデン 2009年)
- 「世紀末ウィーンへの旅―美と空間のクリエーター達」(北海道オーストリア協会、札幌・国際プラザ 2009年)
- 「美は人を結ぶ―地方からの発信」(第85回帯広平原社美術協会記念事業、十勝プラザ 2010年)
- 「太陽を掴んだ男 岡本太郎」(札幌アートラボ・深川東洲館・岩見沢市婦人会館・札幌市清田区図書館・ギャラリー文林館・函館 2011年)
- 「北海道俳句協会全道大会記念講演 岡本太郎の肖像」(札幌すみれホテル 2012年)
- 版画家中谷有逸と美術対談「『碑』のこと、版画のこと」(道立帯広美術館 2014年)
- 「ゴジラの作曲家 伊福部昭」(チャペルタイム・北星学園大学 2015年7月)
- 「伊福部昭の肖像」(サッポロアートラボ 2015年)
- 「北の作曲家 早坂文雄」(チャペルタイム・北星学園大学 2015年12月)