松村保広
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松村 保広 (まつむら やすひろ) | |
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生誕 |
1955年1月20日(69歳) 日本 熊本県人吉市 |
居住 | 日本 |
国籍 | 日本 |
研究分野 | 医学 |
研究機関 |
熊本大学 国立がん研究センター |
出身校 | 熊本大学医学部卒業 |
主な業績 | がん組織における高分子薬剤の血管透過性・滞留性亢進 (EPR) 効果の発見 |
主な受賞歴 | #学術賞参照 |
プロジェクト:人物伝 |
松村 保広(まつむら やすひろ、1955年1月20日 - )は、日本の医学者。国立がん研究センター先端医療開発センター 新薬開発分野 分野長を務める[1]。熊本県人吉市出身[2]。
業績
[編集]1986年に高分子薬剤が選択的にがん局所に留まりやすい現象である「EPR効果 (Enhanced Permeability and Retention effect)」 (en) を、前田浩と共に提唱した[3]。また、がん間質にデリバリーし、不溶性フィブリン上で抗がん剤をリリースして、がんと腫瘍血管両方を攻撃するがん間質ターゲティング (CAST: CAncer Stromal Targeting) 療法を開発した[4][1]。
略歴
[編集]- 1981年 - 熊本大学医学部卒業、第一外科[1][2]
- 1984年 - 同微生物学教室大学院[1][2]
- 1988年 - 医学博士号取得[1][2][5]
- 1989年 - 米国Mt Sinai医科大腫瘍内科[1][2]
- 1990年 - 英国オックスフォード大学Nuffield病理[1][2]
- 1994年 - 国立がんセンター中央病院内科医員[1][2]
- 1999年 - 同特殊病棟部 医長[1][2]
- 2002年 - 国立がん研究センター 研究所支所 がん治療開発部 部長[1][2]
- 2003年 - 東京大学大学院新領域創成科学研究科がん先端生命科学専攻客員准教授
- 2005年 - 国立がん研究センター東病院 臨床開発センター がん治療開発部 部長[1][2]
- 2012年 - 国立がん研究センター東病院 臨床開発センター 新薬開発分野 分野長[1][2]
- 2014年 - 慶應義塾大学連携大学院客員教授
- 2015年 - 国立がん研究センター 先端医療開発センター 新薬開発分野 分野長[1][2]
- 2016年 - 関西医科大学客員教授、日本DDS学会理事長
- 2017年 - 凜研究所研究担当取締役
- 2020年 - 定年退職、国立がん研究センター研究所客員研究員
学術賞
[編集]- 2005年 - 日本DDS学会永井記念賞[1][2]
- 2006年 - 国立がんセンター田宮記念賞[1][2]
- 2011年 - 科学研究費審査日本学術振興会表彰[1][2]
- 2016年 - トムソン・ロイター引用栄誉賞 [1][2][6][7]
- 2019年 - 小林がん学術賞
著書
[編集]- 『抗体薬物複合体(ADC)の設計開発』(監修)、シーエムシー出版〈ファインケミカルシリーズ〉、2016年5月。ISBN 978-4-7813-1159-3。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q cosine (2016年9月22日). “松村 保広 Yasuhiro Matsumura”. 世界の化学者データベース. Chem-Station (ケムステ). 2016年9月29日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 『松村保広博士が「トムソン・ロイター引用栄誉賞」受賞』(プレスリリース)国立がん研究センター。オリジナルの2016年12月21日時点におけるアーカイブ 。2020年2月20日閲覧。
- ^ Matsumura, Y; Maeda, H (December 1986). “A new concept for macromolecular therapeutics in cancer chemotherapy: mechanism of tumoritropic accumulation of proteins and the antitumor agent smancs”. Cancer research (American Association for Cancer Research) 46 (12): 6387-6392. ISSN 0008-5472. OCLC 70903154. PMID 2946403 .
- ^ Matsumura, Y (1 June 2012). “Cancer stromal targeting (CAST) therapy”. Advanced drug delivery reviews 64 (8): 710-719. doi:10.1016/j.addr.2011.12.010. ISSN 0169-409X.
- ^ 松村 保広「高分子制癌剤の選択的腫瘍集積機構に関する研究」、熊本大学、1988年3月25日、NAID 500000054250、国立国会図書館書誌ID:000000218564。
- ^ “ノーベル賞有力候補に本庶、前田、松村氏を予想 トムソン・ロイター社”. Science Portal. 科学技術振興機構 (2016年9月23日). 2016年9月29日閲覧。
- ^ 『「トムソン・ロイター引用栄誉賞」(ノーベル賞予測)2016年、日本からの受賞者は3名』(プレスリリース)トムソン・ロイター、2016年9月21日。オリジナルの2017年3月11日時点におけるアーカイブ 。2020年2月20日閲覧。
外部リンク
[編集]- 松村保広 - researchmap
- 松村保広 - J-GLOBAL
- 松村保広 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース
- 論文一覧(KAKEN、CiNii)
- SPAGO EPR effect - YouTube