松平莉奈
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松平 莉奈(まつだいら りな[1]、1989年〈平成元年〉[2][3] - )は日本の画家[4][5]。「デジタルアーカイブ模写派」の提唱者[6][7][注 1]。日本画教室「日本画アトリエ こま」講師[9][10]、日本画グループ「景聴園」メンバー[11][10]。京都市芸術新人賞[12]や京都府文化賞奨励賞の受賞者[13]。兵庫県生まれ[2]。京都市立芸術大学出身[2]、2014年同大学大学院美術研究科修士課程(絵画専攻日本画)修了[14][15][16]。国際日本文化研究センターの研究会にも参加し[15][17]、2018年から2020年には国文学研究資料館の「ないじぇる芸術共創ラボ」でアーティスト・イン・レジデンス(AIR) 日本画家を務めた[14][8]。2022年には韓国に半年間留学[1]。
中孝介やクレモンティーヌといったアーティストのCDジャケットも手掛け[2]、2017年から『西洋史学』の表紙絵を提供している[15][注 2]。2018年には和楽器演奏プロジェクト「Bamboo Flute Orchestra」のミュージックビデオに日本画を提供した[3][16][注 3]。2023年には長崎県の天祐寺の依頼で、聖母マリアとイエス・キリストを題材にした、観音菩薩にも見える聖母子絵像を制作している[5]。モチーフの「ひも」には「私たちを縛り、隔てるものを打ち破りたい」という想いがあり[4]、「他者について想像すること」をテーマとする[7][27]。日本画からの解放を指向し[28]、日本画の手法を活用した人物の具象画を中心に手掛けている[1][27]。
主な受賞歴
[編集]- 2015年 - 「VOCA展」佳作賞[7]
- 2015年 - 第3回 続(しょく)「京都 日本画新展」優秀賞[29][15]
- 2017年 - 平成28年度 京都市芸術新人賞[30][15][12]
- 2020年 - 第38回 京都府文化賞奨励賞[13]
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ デジタルアーカイブで黄表紙や絵手本を参照し、デジタルで模写を行う[7]。「デジタル模写派」と書かれる場合もある[7][8]。春木晶子は松平を「近世以前の画家たちのやり方を通して、画派に囚われずにあらゆる流派を継承している様子」と分析している[6]。
- ^ 第263巻「新しいクリオ」[15]、第264巻「今どきの大学」[18]、第265巻「新しいクリオ」(完全版)[19]、第266巻「歴史の天使」[20]、第267巻「記憶の場」[21]、第268巻「AIが歴史を紡ぎだす」[22]、第269巻「そこに人類がいる」[23]、第270巻「海をわたる-I」[24]、第271巻「大阪はたらくおんなシリーズ 令和3年『西洋史学』」[25]、第272巻「雲中都市」[26]。
- ^ Sony Music (Japan) (2018年11月5日). Japanese Paintings×Bamboo Flute Orchestra “Jupiter”Music Video デジタル絵巻MV - YouTube[3][16]。
出典
[編集]- ^ a b c ArtSticker 2024.
- ^ a b c d “日本画家・松平莉奈の個展開催中 クレモンティーヌや中孝介のジャケット原画も展示”. CDJournal. (2017年5月30日) 2024年6月7日(UTC)閲覧。
- ^ a b 共同通信 2024.
- ^ a b 天野光一 (2023年11月12日). “「潜伏キリシタン」の地で起きた仏教弾圧 信徒はどう向き合った”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社. 2024年6月7日(UTC)閲覧。
- ^ a b シラス 2022.
- ^ a b c d e 時の束を披く.
- ^ a b “AIR・TIR ≫ 松平 莉奈(日本画家)”. ないじぇる芸術共創ラボ’’. 国文学研究資料館. 2024年6月8日(UTC)閲覧。
- ^ “【日本画アトリエ こま 第13回】かたち編1”. シラス. (2023年11月25日) 2024年6月7日(UTC)閲覧。
- ^ a b “新・京都学講座「うつしみる画譜-デジタルアーカイブから古典をひもとく-」講師:松平莉奈 氏(画家)(2024年2月18日(日)14〜15:30、京都府立大学京都学・歴彩館1階大ホール)※要申込”. 文学通信. (2024年1月18日) 2024年6月7日(UTC)閲覧。
- ^ “member”. 景聴園. 2024年6月7日(UTC)閲覧。
- ^ a b “木ノ下裕一が京都市芸術文化特別奨励者に、京都市芸術新人賞には柳沼昭徳”. ステージナタリー. (2017年1月31日) 2024年6月7日(UTC)閲覧。
- ^ a b 京都府文化スポーツ部文化芸術課 (2020年1月8日). “「第38回京都府文化賞」受賞者の決定について”. 京都府. 2024年6月7日(UTC)閲覧。
- ^ a b “アーティスト 松平 莉奈(日本画家)インタビュー”. ないじぇる芸術共創ラボ. 国文学研究資料館. 2024年6月7日(UTC)閲覧。
- ^ a b c d e f 「表紙絵:松平莉奈作「新しいクリオ」」『西洋史学』第263巻、2017年、目次2頁。
- ^ a b c “日本画が変化する「デジタル絵巻」で見るジャパンカルチャーの融合。和楽器プロジェクト+日本画家のミュージックビデオが公開”. 美術手帖. (2018年11月6日) 2024年6月7日(UTC)閲覧。
- ^ “京と江戸、美の視点で比較 第2回 日文研―京都アカデミックブリッジ”. 京都新聞. (2021年5月20日) 2024年6月9日(UTC)閲覧。
- ^ 「表紙絵:松平莉奈作「今どきの大学」」『西洋史学』第264巻、2017年、目次2頁。
- ^ 藤川隆男「表紙絵:松平莉奈作「新しいクリオ」(完全版)」『西洋史学』第265巻、2018年、目次2頁。
- ^ 藤川隆男「表紙絵:松平莉奈作「歴史の天使」」『西洋史学』第266巻、2018年、目次2頁。
- ^ 藤川隆男「表紙絵:松平莉奈作「記憶の場」」『西洋史学』第267巻、2019年、目次2頁。
- ^ 藤川隆男「表紙絵:松平莉奈作「AIが歴史を紡ぎだす」」『西洋史学』第268巻、2019年、目次2頁。
- ^ 藤川隆男「表紙絵:松平莉奈作「そこに人類がいる」」『西洋史学』第269巻、2020年、目次2頁。
- ^ 藤川隆男「表紙絵:松平莉奈作「海をわたる-I」」『西洋史学』第270巻、2020年、目次2頁。
- ^ 藤川隆男「表紙絵:松平莉奈作「大阪はたらくおんなシリーズ 令和3年『西洋史学』」」『西洋史学』第271巻、2021年、目次2頁。
- ^ 藤川隆男「表紙絵:松平莉奈作「雲中都市」」『西洋史学』第272巻、2021年、目次2頁。
- ^ a b “αMプロジェクト2023‒2024「開発の再開発 vol.4 松平莉奈|3つの絵手本・10歳の欲」@ gallery αM”. ART iT (2024年1月13日) 2024年6月7日(UTC)閲覧。
- ^ “松平莉奈「insider-out」”. 展覧会・イベント. Tokyo Art Beat. 2024年6月9日(UTC)閲覧。
- ^ 続「京都 日本画新展」選考委員会 (2015年12月10日). “京都における日本画新人賞 第3回 続(しょく)「京都 日本画新展」受賞作品の決定について”. ニュースリリース. JR西日本. 2024年6月8日(UTC)閲覧。
- ^ “【受賞情報】本学関係者が平成28年度京都市芸術新人賞及び芸術振興賞に選ばれました。”. お知らせ. 京都市立芸術大学. (2017年2月6日) 2024年6月8日(UTC)閲覧。
参考文献
[編集]- “【連載】アーティストインタビュー|松平 莉奈”. ArtSticker. (2024年5月27日) 2024年6月7日(UTC)閲覧。
- “春木晶子のムーセイオン【ゲスト:呉座勇一、松平莉奈】殿と世間と男と女”. シラス. (2022年4月30日放送開始、2022年9月28日配信終了) 2024年6月7日(UTC)閲覧。
- “ないじぇる芸術共創ラボ展『時の束を披く』―古典籍からうまれるアートと翻訳―”. ないじぇる芸術共創ラボ. 国文学研究資料館 2024年6月7日(UTC)閲覧。
- 共同通信 (2024年2月9日). “「現在地」画家の松平莉奈さん 遠回りでも、深く理解して描きたい”. 愛媛新聞ONLINE. 愛媛新聞社. 2024年6月9日(UTC)閲覧。
外部リンク
[編集]- Rina Matsudaira / 松平莉奈 - 本人サイト(SNSへのリンクあり)
- 日本画アトリエ こま (@coma.nihonga) - Instagram
- 景聴園 - 所属グループのサイト
(関連動画)
- 国文学研究資料館 (2020年11月18日). どの先生に弟子入りする?~デジタル模写派誕生~(596s〜) - YouTube
- 春木で呉座います。 (2023年2月4日). 【ゲスト:松平莉奈】「模写と写生とインターネット デジタルアーカイブのすすめ」(193s〜) - YouTube
- galleryalphaM (2024年2月9日). 「開発の再開発 vol.4 松平莉奈|3つの絵手本・10歳の欲」 松平莉奈×石川卓磨 20240120 - YouTube