東燕斎寛志
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東燕斎 寛志(とうえんさい かんし、生没年不詳)とは、江戸時代の浮世絵師。
来歴
[編集]鳥山石燕の門人といわれる。作画期は寛延から宝暦にかけての頃とされ、主に肉筆美人画を残す。版画の作例は見られない。『今西コレクション名品展Ⅲ』はその画風について、「独特の描線でめりはりの利いた美人を描いている」と評している。
作品
[編集]作品名 | 技法 | 形状・員数 | 寸法(縦x横cm) | 所有者 | 年代 | 落款 | 印章 | 備考 |
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笠森おせん図 | 紙本着色 | 出光美術館 | 明和7年(1770年)以前 | 大田南畝賛 | ||||
雪中美人図[1] | 紙本着色 | 1幅 | 92.5x36.5 | ニューオータニ美術館 | 1748-64年(寛延~宝暦)頃 | 「東燕斎画」 | 「寛志」朱文兎型印 | |
美人と達磨図 | 紙本着色 | 日本浮世絵博物館 | 「東燕齋寛志画」 | 「寛志」兎型印 | 画讃「弾けは鳴る かた手のさるや 冬こもり」 | |||
柳下蹴鞠図 | 紙本着色 | 日本浮世絵博物館 | 「東燕齋寛志画」 | 「寛志」兎型印 | ||||
蚊帳の外文書く遊女図 | 紙本着色 | 日本浮世絵博物館 | 「東燕齋寛志画」 | 「寛志」兎型印 | ||||
蚊帳美人図 | 紙本着色 | 奈良県立美術館 | ||||||
美人嗔焔図[2] | 紙本着色 | 1幅 | 89.8x36.6 | 熊本県立美術館 | 「東燕齋寛志筆」 | 「寛志」兎型印 | ||
見立孟宗図[3] | 紙本著色 | 1幅 | 85.5x34.0 | アメリカ・ファインバーグコレクション | 「東燕齋寛志画」 | 「寛志」朱文兎型印 | ||
若衆扇売り図 | 紙本着色 | ギメ美術館 | 「寛志」 | 「寛志」朱文方印 | ||||
扇売図[4] | 紙本着色 | 1幅 | 89.0x31.0 | パリ装飾芸術図書館 | 「寛志筆」 | 方印 |
脚注
[編集]- ^ 小林忠監修 『大谷コレクション肉筆浮世絵』 株式会社ニューオータニ ニューオータニ美術館、2005年7月16日、第88図。
- ^ 美人嗔焔図 所蔵品データベース _ 熊本県立美術館
- ^ 小林忠監修 江戸東京博物館 MIHO MUSEUM 鳥取県立博物館編集 『ファインバーグ・コレクション展 江戸絵画の奇跡』 読売新聞社、2013年、第78図。
- ^ 柏木隆雄 柏木加代子編著 『甦る江戸肉筆画 トロンコワ・コレクションを読み解く』 水声社、2019年1月15日、p.156、ISBN 978-4-8010-0383-5。
参考文献
[編集]- 日本浮世絵協会編 『原色浮世絵大百科事典』(第2巻) 大修館書店、1982年
- 日本浮世絵博物館編 『肉筆浮世絵撰集 解説』 学習研究社、1985年 ※52 - 53頁
- 熊本県立美術館編 『今西コレクション名品展Ⅲ』 熊本県立美術館、1991年 ※141頁
- ニューオータニ美術館編 『幻の浮世絵美人たち -大谷コレクション肉筆浮世絵-』 ニューオータニ美術館、1991年 ※156頁