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村の祭り (テニールス、プラド美術館)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『村の祭り』
スペイン語: Fiesta campestre
英語: Country Festival
作者ダフィット・テニールス
製作年1647年
種類キャンバス上に油彩
寸法75 cm × 112 cm (30 in × 44 in)
所蔵プラド美術館マドリード

村の祭り』(むらのまつり、西: Fiesta campetre, : Country Festival)は、バロック期のフランドル画家ダフィット・テニールスが1647年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。当時のフランドル美術でよく取り上げられた「田舎の婚礼」を表しており、テニールスが描いた同主題作5点のうちの1点である[1][2]スペインの王室コレクションに由来し、かつてブエン・レティーロ宮殿英語版の1747年の目録に記載された作品と考えられる[1][2]。現在、マドリードプラド美術館に所蔵されている[1][2]

作品

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ピーテル・ブリューゲル農民の婚宴』 (1568年ごろ)、美術史美術館ウィーン

画面中景では、新婦が親類や招待客たちに囲まれて祝宴を開いている。前景では、村人たちの一団が婚礼を祝って、バグパイプハーディ・ガーディの音に合わせて踊り、宴を楽しんでいる[1][2]。画面の左奥には教会が見え、上流階級の人々の姿が小さく描かれている。そのうちの1人は、オーストリア出身のスペインネーデルラント総督レオポルト・ヴィルヘルム大公であると解釈できるかもしれない。テニールスは本作が制作された1647年から大公に仕えていたからである[1][2]

テニールスが1637年に制作した農民の婚宴を主題とした『村の祭りと祝宴』[3]は、ピーテル・ブリューゲル の『農民の婚宴』 (1568年ごろ、美術史美術館ウィーン) などと同様に新婦をめぐるエロティシズム、欲望、官能性などを俗っぽく仄めかした、より直截的で風刺的な作品となっている[1][2]。それから10年後に制作された本作は、婚宴という主題に批判的ないし辛辣な要素を加えることなしに、祝宴的性格を際立たせることに焦点をあてている。それにより、本作は村の陽気な喧騒が感じられると同時に、より装飾的な作品となっている[1][2]。色彩面で、画面前景は輝くような青、そして赤に強調された白を基調としている一方、後景では栗色の色調が支配的である。木々の葉のかすんだ描写、青白い雲の浮かんだ空は、場面を満たす歓喜の雰囲気を高めている[2]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g プラド美術館展 スペインの誇り 巨匠たちの殿堂 2006年、190頁。
  2. ^ a b c d e f g h Country Celebration”. プラド美術館公式サイト. 2024年9月13日閲覧。
  3. ^ Village Festival And Feast, 1637”. Bridgeman Imagesサイト. 2024年9月13日閲覧。

参考文献

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  • プラド美術館展 スペインの誇り 巨匠たちの殿堂、東京都美術館、プラド美術館、読売新聞社日本テレビ放送網、美術館連絡協議会、2006年刊行

外部リンク

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