杉並病
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杉並病(すぎなみびょう)は、東京都杉並区の不燃ごみ中継施設「杉並中継所」周辺で発生した健康被害である。
この施設は、収集した不燃ごみを江東区の処理施設に運搬するに当たり、圧縮・積み替えを行うため建設されたものである。1996年の操業開始以降、付近で異臭や住民の体調不良が多く発生した[1]。2002年、住民の申請により公害等調整委員会が被害の原因は杉並中継所の操業に伴って排出された化学物質である旨の裁定を行い[2]、都は損害賠償を行っている。ただし、公害等調整委員会の裁定では、中継所の排水処理・換気処理が改善され、汚染物質の放出が低減された以降に生じた化学物質過敏症の症状については、中継所の操業と関連を認めることは難しいとしている。
その後、家庭から出る不燃ごみが減少したことから杉並中継所は2009年3月31日をもって廃止された。跡地については、災害時の防災拠点としての活用を目指して計画が進められている[3]
症状・原因
[編集]症状は呼吸器系・目・皮膚など多くの臓器にわたる。呼吸困難となり入院を余儀なくされたという重症例もある。
原因物質は判明していない。市民団体は廃プラスチック処理の過程で生じるプラスチック由来物質であると主張している[4]。一方、東京都は排水に含まれる硫化水素であるとしている[2]。
脚注
[編集]- ^ 宮島英紀・神谷一博『あなたの隣にある「杉並病」 - 化学物質過敏症があなたを襲う』二期出版、1998年、ISBN 4890503714。
- ^ a b 杉並区における不燃ゴミ中継施設健康被害原因裁定申請事件 総務省
- ^ “旧杉並中継所の跡地活用”. 杉並区 (2022年8月15日). 2023年1月14日閲覧。
- ^ “「杉並病」・・・・原因はプラスチツク起源物質だ !”. ごみ・環境ビジョン21 (2002年5月30日). 2020年5月11日閲覧。