朴鐘顕
朴 鐘顕(パク・チョンヒョン、1975年7月22日 - )は、在日韓国人の漫画雑誌編集者。元講談社社員。
概要
[編集]大阪府堺市出身。両親は実業家で、朴本人も母親が経営する企業の取締役に名を連ねる。大阪府立三国丘高等学校[1]、京都大学法学部を卒業後、1999年(平成11年)に講談社へ入社し、週刊少年マガジン編集者となる。2009年、別冊少年マガジンを初代編集班長[注釈 1]として立ち上げる。2013年にマガジンSPECIAL編集班長、2016年にモーニング編集次長 [注釈 2]に就任[4]。
週刊少年マガジン編集者としては「GTO」「七つの大罪」などを担当した[4] [5]。
別冊少年マガジン編集班長として創刊時に示した編集方針から連載に至った作品の中には「進撃の巨人」「惡の華」があるが [4][6] 、「進撃の巨人」の立ち上げ担当であったという一部報道に対してはモーニング編集長が公式声明として否定している[7]。
また「聲の形」は第80回週刊少年マガジン新人漫画賞で入選したものの聴覚障害者に対するいじめをテーマにしていたことから掲載が凍結されていたが、弁護士や全日本ろうあ連盟などと協議を重ねたすえ、別冊少年マガジンでの掲載と週刊少年マガジンでの連載を実現させた[8]。また、2011年から2013年にかけて朝日新聞誌上で「子どもを読む」というコラムを連載していた。
妻殺害の罪での裁判
[編集]最高裁判所判例 | |
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事件名 | 殺人被告事件 |
事件番号 | 令和3(あ)319 |
2022年11月21日 | |
判例集 | 集刑第331号7頁 |
裁判要旨 | |
有罪とした原判決を破棄し、東京高裁に差し戻した。 「自殺の主張は客観的証拠と矛盾するとした原判決の判断は、原審の証拠関係の下では、論理則、経験則等に照らして不合理である」「原判決には、審理を十分に尽くさなかった結果、重大な事実誤認をしたと疑うに足りる顕著な事由があり、これが判決に影響を及ぼすことは明らかであって、原判決を破棄しなければ著しく正義に反する」 裁判員裁判の有罪判決を高裁が支持した事件で、最高裁が高裁判決を破棄した初の事例。 | |
第一小法廷 | |
裁判長 | 山口厚 |
陪席裁判官 | 深山卓也 安浪亮介 岡正晶[注釈 3] |
意見 | |
多数意見 | 全員一致 |
参照法条 | |
刑法199条、刑訴法411条1号、刑訴法411条3号、刑訴法413条本文 |
2017年1月10日、前年8月9日に自宅で妻を殺害したとして殺人の疑いで逮捕された[9]。朴は当初は事故死を主張したが、その後「子どもに妻が自殺したと知られたくなかった」と説明して自殺を主張し、一貫して無罪を主張しており、友人に加えて亡妻の親族も朴を支援している[10]。
2019年3月7日、裁判員裁判で行われた東京地方裁判所(守下実裁判長)での第一審では懲役11年の有罪判決となった[11]。朴は無罪を主張し控訴した。
2021年1月29日、東京高等裁判所(中里智美裁判長)での控訴審でも第一審判決が支持された[12]。朴は無罪を主張し上告した。
なお、最高裁判所での審理中の2022年4月20日、NHKのクローズアップ現代が有罪判決に疑義を唱える報道を行った[13][14]。
2022年11月21日、最高裁第一小法廷(山口厚裁判長)は、朴の自殺の主張を否定した高裁判決を審理不尽の違法、事実誤認の疑いがあるとして破棄し、審理を高裁に差し戻した[15][16]。裁判員裁判の有罪判決を高裁が支持した事件で、最高裁が高裁判決を破棄したのは初めてである[17]。
2024年7月18日、東京高裁(家令和典裁判長)は、差し戻し控訴審で、被告側の控訴を棄却、一審・東京地裁の裁判員裁判の判決を維持し、懲役11年の有罪判決を下した[18]。朴は無罪を主張し上告した[19]。
注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 講談社編集次長、大阪の実家直撃で見えたセレブな生い立ち 両親ともに経営者、羽振りよく…長期休暇にはハワイ(ZAKZAK、2017年1月18日)
- ^ “『別マガ』班員は今日も困っている。: 7月号の撃鉄が気になる(byH本)” (2011年5月31日). 2013年2月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月9日閲覧。
- ^ “班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長さんのツイート” (2013年1月7日). 2018年4月13日閲覧。
- ^ a b c “役員候補のエース編集者、「GTO」も担当 輝かしい仕事の陰で家庭トラブル?”. 産経新聞. (2017年1月10日) 2017年1月10日閲覧。
- ^ “「進撃の巨人」手がけた講談社編集次長、妻殺害容疑で逮捕 「階段から落ちた」→「首をつって自殺」説明一変 - 政治・社会 - ZAKZAK”. 産経新聞社 (2017年1月17日). 2018年4月14日閲覧。
- ^ “インタビュー : 「食われる」絶望との戦い 「進撃の巨人」諫山創に聞く - 宮本茂頼”. 朝日新聞社 (2011年6月11日). 2018年4月14日閲覧。
- ^ “読者の皆さまへ - モーニング公式サイト - モアイ”. 講談社 (2017年1月11日). 2018年4月14日閲覧。
- ^ 「立ち読みでもいいから読んで欲しい」 20日発売の週マガ読み切り「聲の形」が大反響(J-CAST、2013年2月21日)
- ^ “「進撃の巨人」手がけた講談社編集次長、妻殺害容疑で逮捕 「階段から落ちた」→「首をつって自殺」説明一変”. ZAKZAK (2017年1月10日). 2024年7月9日閲覧。
- ^ “「おかしいよ!」「やってないよ!」妻殺害を問われた元講談社編集者・朴被告が有罪判決に絶叫。最高裁は「事実誤認の疑いがある」と差し戻し控訴審中に”. 集英社オンライン. ニュースを本気で噛み砕け (2024年1月13日). 2024年7月9日閲覧。
- ^ “妻殺害「危険で悪質」講談社元次長に懲役11年判決、取り乱す被告「してない。間違っています」”. zakzak:夕刊フジ公式サイト (2019年3月7日). 2024年7月9日閲覧。
- ^ “講談社元編集次長、妻殺害で2審も実刑「自殺の可能性ない」”. 産経ニュース (2021年1月29日). 2024年7月9日閲覧。
- ^ “講談社元社員・朴鐘顕 “事件と裁判” 妻は夫に殺されたのか”. NHK クローズアップ現代 全記録 (2022年4月20日). 2024年7月9日閲覧。
- ^ “講談社元社員の「妻殺し」とされる事件を報じたNHK「クロ現」の大きな反響(篠田博之)”. エキスパート. Yahoo!ニュース (2022年4月22日). 2024年7月9日閲覧。
- ^ “裁判例結果詳細”. 裁判所. Courts in Japan. 2024年7月9日閲覧。
- ^ “091536_hanrei.pdf” (PDF). 2024年7月9日閲覧。
- ^ “元講談社次長審理差し戻し 懲役11年の判決破棄、最高裁”. 日本経済新聞 (2022年11月21日). 2024年7月9日閲覧。
- ^ “講談社元編集次長に有罪判決 妻への殺人罪 東京高裁の差し戻し審”. 朝日新聞デジタル (2024年7月18日). 2024年7月18日閲覧。
- ^ “講談社元次長側が上告 妻殺害で懲役11年とした差し戻し控訴審判決に不服”. 産経新聞. (2024年7月29日) 2024年7月29日閲覧。
外部リンク
[編集]- 班ちょ@新人漫画賞「GATE」班長 (@betsumaga) - X(旧Twitter)